宇多丸 ライムスター新曲『マイクロフォン』を語る

宇多丸 ライムスター新曲『ガラパゴス』を語る 宇多丸のウィークエンド・シャッフル

宇多丸さんがTBSラジオ『タマフル』でライムスターの新作アルバム『Bitter, Sweet & Beautiful』からアルバム最後の曲、『マイクロフォン
』を紹介していました。

Bitter,Sweet&Beautiful(初回限定盤A)(Blu-ray Disc付)

(宇多丸)さあ、ということでですね、ええと、かぶっている方のアルバムの紹介ばっかりしてもね、これね、私どももね、こちらも商売でございますんで(笑)。こちらも生活がかかっておりますのでね。こちらの曲の話もさせてください。同じく7月29日、こちらも2年半ぶりかな?2年半ぶりオリジナルアルバムとなる、『Bitter, Sweet & Beautiful』。この番組ではですね、宇宙初オンエアー曲、続けてやらせていただいておりますね。で、もう、来週には発売日になってしまいますので、宇宙初オンエアーシリーズ、今週が最後になるわけですけども。

ええとですね、先週、アルバムの最後から2曲目の『サイレント・ナイト』という曲をかけましたね。で、アルバムの中で言うと、その前が『人間交差点』という、事前にシングルでもリリースされている曲で。その前が『Beautiful』というアルバムの中でイントロとインタールードと、ちょっとずつそのイントロっていうか曲の部分部分が出ててきて、最後にその『Beautiful』っていう曲。ラップが乗っている曲として出てくるというか。それがあって、それがちょっとアルバムの中でいちばん暗いというか。クライマックス前に主人公がいったん落ちるところまで落ちるみたいな。で、すごくこう答えの出ない問いでグーッと落ち込んだところで、『人間交差点』でボーン!とクライマックス。

ちょっとこう、なんて言うのかな?大きな視点。視点をガッと引いた答えがボン!と出て、すごくカタルシスが生まれて。で、先週かけた『サイレント・ナイト』。まあ、アルバムをずっと通して聞いていただくと、またもう1回、それぞれ孤独なことをしていた人が『人間交差点』で出会って、また孤独なことをして帰っていくというような。まあ、映画で言うと、終わりのシーン。エンディングシーンは『サイレント・ナイト』だねって言ってるんです。

映画で言うとエンドクレジット部分

で、今日かける曲はその後の曲で。要するに映画で言うと、エンドクレジット部分だと思っている曲です。これ、本当にMummy-Dと曲を並べている時に、『これはエンドクレジット的なことだよね』って言いながら作っていたというか。並べていたんですけど。まあ、先にタイトルを言っておきますと、『マイクロフォン』という曲でございます。プロデュースはBach Logicで。で、お聞きいただけばわかるんですけど、どっちかって言うと90年代ヒップホップ、ハードコアヒップホップみたいなものの匂いをすごく強くさせるような。

ちょっと、Bach Logicにしてはちょっとそういう感じのトラックだったりして。はい。で、『マイクロフォン』ですから、ストレートにヒップホップのセルフボーストっていうか。『俺はマイクロフォンのマスターだぜ!』みたいなことを歌っている曲、でもあるんですけど。でも、あるんです。だけど、ちょっとそのアルバムの流れで聞くと、その『マイクロフォン』っていうのは結局いま僕もね、まさにマイクロフォンに向かってしゃべってますけど。要は、自分の意見を世に広く問うというか。自分の意見を言うというかですね。そういう人全体にとっての歌みたいな感じです。アルバムの流れでいうと。

要するに、お互い、孤独なことをして。お互い考えていることも違うし、立場も主張も違うしで、どうなんだ?と思って。で、そんないろんなものを込みで、ビター、スイートでビューティフルだって言うんですけど。じゃあ、どうするんだ?明日から、どうするんだ?お家に帰って。『サイレント・ナイト』が明けて、明日からどうするんだ?みんなお互い、いろんなそれぞれの立場でゴチャゴチャ言えばいいじゃないかっていう。あの、『ウォーは嫌だけど、スタイルウォーズはいいじゃないか』。こういうね、だからヒップホップのバトルとかそういう文化っていうのも、僕は結局のところ、マイクを通して意見を言い合うって、こんなピースな文化、ないよねって。という風に思っています。

だから、ヒップホップのスタイルウォーズな面っていうのをもうちょっと広く、意見を言う。それこそ、たとえばマイクを通してものを言う仕事。まあ、ラジオパーソナリティーという仕事全般でもいいですし、まあ社会の中で1人の大人として何か意見を言うことでもいいですし。まあ、そういうところとも重ね合わせられるような幅を持たせながら、書いた歌詞であり、でもなおかつそれが、俺自身にとってのセルフボーストにもなっており!おり!おり!というアルバム最後の曲、お聞きください。プロデュース by Bach Logic。ライムスター アルバム『Bitter, Sweet & Beautiful』最後の曲です。お聞きください。宇宙初オンエアー、『マイクロフォン』。

RHYMESTER『マイクロフォン』

はい。ええと、こんな感じでアルバムが終わる予定でございます。『Bitter, Sweet & Beautiful』の最後の曲、ライムスターで『マイクロフォン』。宇宙初オンエアーさせていただきました。ねえ。最近の映画みたいに、この後に『えっ?続編への振りが?』みたいなことはございません(笑)。ご安心いただきたい。あるわけないっていうことなんですけどね。はい。ということでですね、『Bitter, Sweet & Beautiful』、来週、7月29日には発売になってしまうので、ぜひね、この番組のね、なんて言うんですかね?リスナー、リスナーですよね。何を言いたいか?っていうと、この番組のリスナーの人ぐらいは、応援してくれてもいいじゃん?っていう。そういうことですね。

あの、この番組をさ、元気よく続けていくためのモチベーションとかにもなったりするわけじゃん?そっちがほら、本業が上手く行かなかったりするとさ、番組全体のテンションとかさ、そういうことにもかかわってくるわけじゃん?だから、あんまり普段とかヒップホップとか聞かなくてさ、映画評とかしか興味がないとか。そういう人も、映画評への、その、なんて言うか?お布施?(笑)。フィードバック?(笑)。フィードバック・・・(笑)。いいね、自分のアルバムをアピールするのに、『フィードバック』(笑)。フィードバックとして、ぐらいの気持ちもあってもいいんじゃないかな?(笑)。

あまりにも気持ちを正直に言えばいいというものでもないというね(笑)。まあでも、そういうことでございます。ぜひ、興味あったら。本当、興味あったらでいいですから、聞いてみてください。

<書き起こしおわり>

Bitter,Sweet&Beautiful(初回限定盤A)(Blu-ray Disc付)
Posted at 2018.5.10
RHYMESTER, PUNPEE
ビクターエンタテインメント

https://miyearnzzlabo.com/archives/26811


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https://miyearnzzlabo.com/archives/28887

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