2024年12月4日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション2』。宇内梨沙さんが自身のTBS退社をリスナーに報告していました。番組冒頭から「びっくりするニュースが来ちゃいましたね」と切り出す宇多丸さん。それに応じて宇内梨沙さんがこんな感じで話し始めます。
(宇多丸)宇内さん……びっくりするニュース、来ちゃいましたね。今日、9時に。出ましたよね、ニュースが。
(宇内梨沙)発表がありましたね。
(宇多丸)「青天の霹靂」とはこのことですよね。青天の霹靂だし、俺はある意味、なんていうか……「ああ、来てしまったか。恐れていたこの日が来てしまったか」って。9時にね、ニュースを見て震えましたよね。
(宇内梨沙)多くのリスナーさんにとってもそうなったのかもしれないですね。
(宇多丸)いろんなとこから体液が出て……ショッキングなニュース。出ましたよ、皆さん。いいですか? 皆さん、何の話題か、おわかりかと思いますけどね。『踊る大捜査線』、新作を作るらしいですよ。
(一同)(拍手)
(宇多丸)拍手じゃない、拍手じゃない。まあ、こう言うと明日のムービーウォッチメン(『室井慎次 生き続ける者』)のテンション分かっちゃうけども。私、ついさっき、『室井慎次生き続けるもの』。二部作後編の2回目を見てきたんです。見終わって、ちょうどしばらくしてこのニュースが入ってきたんで。ビャーッですよ。もう、ショックで。一番恐れてきたこと。まあ、ちょっと匂わせみたいのはありましたけど。まさかな……ということで。『踊る大捜査線N.E.W.』。2026年公開予定ということで。織田裕二さんがシリーズに帰ってくるんですって。
(宇内梨沙)14年ぶり!
(宇多丸)『室井慎次』の二作、一応興行成績もちゃんと上げてます。2週連続1位みたいなのを取って。そういう成果が上がってということで。元々、規定路線としてあったのかってことですけど……いやー、震えた。いやー、びっくりした! ということでリスナーの皆さんもね、それに関するもうメールで持ちきりだと思って。持ちきりかと思って……。もう本当、スタジオに大変な剣幕で。「おい、聞いたか? 事件だ! 事件だ、事件! 人道問題だ!」なんていろんなこと言いながら入ってきたわけですよ。
そしたらね、皆さんからメールが来てるんですけど。なんかね、「えっ? えっ、何、何?」みたいなことでみんな、騒いでるんですよ。ちょっとこれ、どういうことなのか。宇内さん、教えてくださいよ。(メールを読む)「こんばんは。突然の宇内さんの発表にびっくりしました。なんて言っていいかわかりませんが、これからもウナポンを応援しています」って。ええっ? 何、何?
(宇内梨沙)宇多丸さん。はい。『踊る大捜査線』の新作発表の影響で見てない?
(宇多丸)ちょっと、それで……そのことでもう頭がいっぱいで。全然、もう……。
(宇内梨沙)わかります(笑)。『踊る大捜査線』の織田裕二さんが出てくる14年ぶりの新作と比べたらですよ。
(宇多丸)その夜を揺るがすビッグニュースと比べれば?
(宇内梨沙)本当に個人的なことで。もう、とても小さな小さな、小さなお話ですよ。
(宇多丸)個人的なニュースみたいなことになるけども……ということで。なんと?
(宇内梨沙)実は私も夜9時にですね、偶然にも(笑)。
(宇多丸)これ、マジで当てられたよ!(笑)。
(宇内梨沙)ごめんなさい(笑)。リスナーの皆さんにとっても情報過多で申し訳ございません(笑)。しかも、今日ほら。年末のイベント(大忘年会)の抽選の発表あった日だから。本当にいろんな発表があって。
(宇多丸)「抽選、当たりませんでした」とか「当たりました」メールみたいなのも来てたんだけども。よりによってここに当ててきやがったけど。
(宇内梨沙)私が当てておって(笑)。
(宇多丸)じゃあ改めまして。これ、初めて知る人もいると思うんでね。
(宇内梨沙)そうですね。自身のSNSで先ほど、夜9時に投稿したんですけれども。改めまして、リスナーの皆さんにもご報告があります。今月いっぱいでTBSアナウンサーとしての全てのお仕事を卒業して、それ以降は有給休暇を消化しまして、来年の3月にTBSを退社することを決めました。
— 宇内梨沙 Risa Unai (TBSアナウンサー) (@risaunai_tbs) December 4, 2024
あの宇多丸さんとも因縁が深い『踊る大捜査線』シリーズ新作公開決定。しかも織田裕二さんが復帰という大ニュースをぶつけられた宇内梨沙さん。ここからリスナーに自身の言葉で退社の理由を説明していきます。
(宇多丸)これはもう辞めて。その後、どうこうとかでもなく?
(宇内梨沙)そうですね。皆さん、気になるのはたぶん今後のことだったり。なぜ退社するのか?っていうことだと思うんですけれども。それはリスナーさんにも是非お伝えしたいところで、私からもお話したいんですけど。
(宇多丸)すいませんね。冒頭の茶番を入れて。たぶん皆さんね、宇内さんからの発表を気にして聞いてらっしゃった方はさぞかしイライラされたと思いますが……僕ってイライラしてるんですから! ということで、宇内さん、すいません。
(宇内梨沙)ズバリ、退社理由は「自分の生活をもっと大切にしたい」っていう率直な思いから来ています。アナウンサーって365日、深夜早朝、土日祝日関係なく本当に皆さん、働いていて。私も今年で入社10年目に、いつの間にかなりまして。振り返ってみるとこの9年半、月曜日から金曜日のいわゆる朝から夕方の勤務帯で働いたことが一度もなかったなっていうことを思いまして。最初の3、4年間は夜の番組にずっとついていたので朝夜逆転でしたし。それ以降もずっと土日のお仕事についていたので。
それが20代の時はもう一生懸命がむしゃらにお仕事を頑張っていて。やりがいでもありましたし、生きがいにもなっていたんですけれども……やはり私にも生活の変化がありまして。昨年末に結婚したこともあって。この1年だけでも家族のあり方について考えることが非常に多くなって。当たり前の身近な生活をもっともっと大切にしたいし、もっと向き合いたいという思いがすごく強くなっていったんですね。で、本当に日々、毎日のお仕事にいっぱいいっぱいになっていたというか、自転車操業のような日々を送っていて。少し無理をしていたなというところもありましたし。
これからはもっと自分のこと、自分の夫のこと、家族のこと、お家のことももっと丁寧に、大切にしていきたいなと。だからこそ、この10年目の節目を持って退社を決意しました。今後については……先ほどもSNSのコメントで「フリーになるんですか?」なんて、いろんなコメントいただいたんですけれども。まだ、何も決めていません。
(宇多丸)要はだから、なんていうか、キャリアをこうね、次の段階にとかそういうことでもなく。本当にご自身の元々のペースとか、ご家族とか、そういう自分のペースをもう1回、取り戻すじゃないけど。そういうことですよね?
(宇内梨沙)そうですね。一度、リセットしてみたい。有給休暇期間が2ヶ月半ほどあるので。その時間をゆっくり使って、次に自分が何をしたいのか? とか、この業界で働いていきたいのか? とか、他にもじゃあ、何かやりたいことがあるのか? とか、ゆっくり考えたいなと思っています。
(宇多丸)これね、もちろんリスナーの皆さんからもすごい、すでにメールがいっぱい来てて。もうちょっと紹介しますね。たとえばこちらの方。「宇多丸さん、宇内さん、こんばんは。先ほど宇内さんのSNSを読ませていただきました。今、驚きと悲しみでいっぱいですが、私は大好きな宇内さんがどんな道に行っても引き続き応援していきたいなと思っています。今日もオンエアー、楽しみにしています」。
(宇内梨沙)ラブ! ありがとう!
(宇多丸)結構皆さんね、驚きとか、もちろん悲しさとか寂しさみたいの感じながらも、すごく……だから「何であれ、応援します」っていうコメントがとても多いんですよ。
(宇内梨沙)ありがとうございます。それがわかっているから私は、このアトロクで発表したいなっていう思いが……本当に個人的なことなので、こういう放送の場を借りてお話することでもないのですが。
(宇多丸)いやいや、でもほら、こういう放送にレギュラーで出てるってことは個人でもありつつ、公人でもありますから。特にこの場を選んでいただいたというのは、やっぱりこれはアトロクファミリーとして……室井さんも言ってましたよ。「家族でいる時間は、長くない」って。室井さんも言ってました。ついさっき、見てきました。室井さん、言ってましたよ。
(宇内梨沙)金言です。
(宇多丸)室井さんの金言、いただきました。「あなたの思い、伝わったよ」ってね、いしだあゆみさんも言っていました。だから……僕も今、頭ぐちゃぐちゃになっちゃって(笑)。違うんだよ。「宇多丸、こんなふざけやがって」ってみんな、思うかもしれないけどね。これ、当たり前だけどね。俺たちは何ヶ月も前に聞いてるんだ! だから俺は心の整理が随分前についてるんだ、みたいな。そういうこと、ありますけどね。まあ、ついてるって言ったってそれはあなた……退社はもちろん、しょうがないなとか思うけど。アトロクはね、やっぱり正直寂しいなって。それはさ、思うんだけど。
やっぱりその話を最初に聞いた時に「ああ」って。もう、そんなことは決めたぐらいだからいろいろ考えた末のことだし。そういう時に、たとえばこの番組があるからな、なんてことで重しになってほしくなっていうか。宇内さんのこの番組で産んでいただいた名言にして、これは社会のみんなが心がけるべきこと。要するに「職場というのは休みやすい、戻りやすい職場であるべき」っていう名言、あったじゃないですか。で、そこには「辞めやすい」も入ってると思うんです。
だから、そこがなんか変なプレッシャーになったりするのも全然本意じゃないんで。それはもう、考えて決めたことでしょうから……みたいな。だからリスナーの皆さんも「寂しい、悲しい」はありながらも、「まあ、そこはそうだよね」っていう風に思ってると思うんです。
(宇内梨沙)私、何よりも嬉しいのがアナウンサーとしての最後の仕事がアトロクで終わることができるっていう。それが本当に嬉しくて。
(宇多丸)まあ「最後の仕事」って言いますけどね、皆さんこの1ヶ月ね、大仕事、残ってますよ。そんな……大変ですよ。戦争ですよ、戦争。
(宇内梨沙)もう腕、回ってますから。残り1ヶ月(笑)。
(宇多丸)残りはもう「血で血を洗う(人類 VS AI)」とか言ってますけどね。そういうことなんですよ。
TBS入社から10年間、ずっとフル回転で働いてきたという宇内さん。10年目を区切りにして一旦退社をし、自分や家族、そして日々の生活に向き合っていきたいという考えに鳴ったようです。「家族でいる時間は、長くない」という室井慎次さんの金言、重く響きますね。今後の予定は全く未定だという宇内さんに対して、アトロクリスナーが気になっている「もう二度と宇内さんに会えないの?」という点について、宇多丸さんは質問します。
(宇多丸)だからね、本当にリスナーの皆さんね、たぶん今日急に聞いて「わーっ!」って。我々だって残念に思いますけど。でもね、決めたことですし。あと宇内さんも別に永遠にさよならっていうわけではこれは……これはないんですよね?
(宇内梨沙)もちろん。需要があるならば。
(宇多丸)需要はありますよ。需要はあるに決まってるじゃないですか。だからまあいろいろとね、会社を辞めて云々っていう流れで……なんて言うんですかね? 言葉は悪いですけどほとぼりを冷ますみたいな時期もあるでしょうから。いろいろこうタイミングが良くなって。宇内さんも「そろそろ出番ですか? 呼ばれてます?」みたいな感じで。まあ、いつでも呼ばれてるんですけど。いつでもこう来ていただいて……っていうことはもう当然ね。もうみんな、待ってることなんで。
(宇内梨沙)私、丁寧な生活というか、もう少し見直したいっていう話をしていながら、ちょっと有給休暇中に楽しみにしているのが、何の予定もなしに何日間、家に引きこもったら外に出たくなくなるかな?っていうのに挑戦しようかなって(笑)。
(宇多丸)ああ、そう?(笑)。
(宇内梨沙)「そろそろ、なんか予定入れなきゃ」みたいになるのかな?って。
(宇多丸)でもさ、前にUberだけで暮らしてる時とか、あったじゃない?
(宇内梨沙)ありましたね。コロナ禍とか。
(宇多丸)まあ、やむなくっていうのもあるけど「全然余裕」って言ってたじゃん。あの時期でもう、数ヶ月行ってるのよ。で、その時も「いや、マジで家、出てないんすわ。ずっとUberっすわ。それでいいってことになりました」みたいなこと、言ってたじゃないですか。だから、そんな実験は永遠に終わらない可能性もありますよ?
(宇内梨沙)たしかに……気づいたら人類はいなくなっていた、みたいな(笑)。
(宇多丸)でも、それもいいと思いますよ。それが……要するにそんな時間、取れないから。本当ですよ。あれですよ。私みたいに毎日、朝8時までゲームやっててごらんなさい? 大変ですよ。体、壊しますよ?(笑)。
(宇内梨沙)それで体、壊したい!(笑)。
(宇多丸)ダメダメ。ダメですよ。あとはこちらの方。「ウナポン、もうメディアで見られないんですか? 涙が止まりません」って言ってますけど。「まあ、永遠の別れじゃないかもよ?」というぐらいはね。でもさ、これ本当にリスナーの皆さんもわかってると思うけど。そんな何事も……プレッシャーになってもいいないし。まあまあ、そういうこともあるわっていうぐらいの気持ちでくださる方がね。たぶん、宇内さんが望んでるのはこうやってゲラゲラ笑ってお送りすることでしょうから。
(宇内梨沙)最後までリスナーの皆さんとくだらない話をして、聞いて……。
(宇多丸)いや、そうはいかないですよ。もう笑い事じゃないですよ。『踊る』が復活するんですよ? これは人道問題ですよ! まあ、そんなこともありますけども。「事件です」っつってね、ありますけども。
宇内さんの口ぶりからすると、機会があればまたアトロク出演などもありそうな雰囲気。これは一安心ですね。いつも楽しそうにアトロクに参加してくれていた宇内さんをみんなでゲラゲラ笑いながら送り出そうという宇多丸さんのお言葉、僕も大賛成です! そして実は宇内さんを送り出すイベントという裏テーマもあった、代官山UNITで開催されるアトロク大忘年会についても言及します。
(宇多丸)あと最終的には12月30日、これは外れた方、大変申し訳ないですけども。代官山UNITでの忘年会もありますから。
(宇内梨沙)私にとって人生、第1シーズンの打ち上げだと思って参加させていただくので。「第1章・完」みたいな。朝、終わったらもう私、「第1章・完」ってなっているんで(笑)。
(宇多丸)大丈夫? 『あしたのジョー』みたいになって? やめてくださいよ。真っ白い抜け殻はやめてくださいね。ということで……なんとなく察してる方、いました? これがあるから「老婆心ながら、申し込んだ方がいいんじゃない?」って言ってたわけなんですけどね。「てめえ、何をこんな重大ニュースの日にヘラヘラしてんだ?」って思うかもしれないけど、もうそこは過ぎたの。こっちはね。こういうもんなんです。親族ってのはだいたいこういうもんなんです。
(宇内梨沙)ありがとうございます。受け止めてくださって。
(宇多丸)そういうこと。ということで、明るく楽しく行くのか、それとも血で血を洗うことになるのか、宇内ラストダンス。この1ヶ月、楽しみにしていただきたいと思います。でも宇内さん、今まで見事に漏れなかったね? これ……。
(宇内梨沙)『踊る大捜査線』?(笑)。
(宇多丸)違うよ! それは逆に漏れてるんだよ。それはむしろ、漏れすぎなんだよ! 宇内さんの発表、見事に今日までトップシークレットで来ましたね。
(宇内梨沙)私、たぶん本当に一部の方に……もちろん、不躾にならないようにお伝えしなきゃいけない方には今日、本当直前にたくさんお伝えしましたし。お伝えしていたのはごくわずかの方だったんですよね。っていうのもあったりとか、あとは今後について何も動いてないっていうのもあって。
(宇多丸)だからほら、他のメディアからポロっと出ちゃうとかさ。それでこの番組で言い訳みたいに言うのもなんかすごい嫌だなと思ってたんで。ここで宇内さんの口からね、こうやって聞けたっていうのは。
(宇内梨沙)いや、本当に自分からお伝えすることができて、本当にホッとしました。
(宇多丸)ただ、こんな同じ時間にこんなニュースを当ててきやがって。やる気か、この野郎!っていう。
(宇内梨沙)いやいや、最高のニュースですよ(笑)。
「宇内梨沙 第1章・完」となるアトロク大忘年会、僕も運良くチケットが当たったので楽しみです! 現場で宇内さんに「お疲れさまでした!」と言ってみんなで楽しく送り出したいですね。その前に次週のウルトラウィーク、宇内梨沙(人類)VS 生成AIの再戦(「人類はAIが書いたつまらない文章と人間が書いたつまらない文章を見分けられるのか特集」)もめちゃ楽しみです!