星野源 ダウ90000公演『また点滅に戻るだけ』を語る

星野源 ダウ90000公演『また点滅に戻るだけ』を語る 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんが2023年5月23日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中でダウ90000の演劇公演『また点滅に戻るだけ』を見に行った話をしていました。

(星野源)それをね、頑張って集中してたからなのか、仕事がちょっと終わってないんですよね。だからね、引き続き、頑張ります。今週も。ちょっと頑張ろうかなって思ってるんですけど。あと僕のSNSとかをちょっと見てた人は、「あれ?」って思った方もいるかもしれないんですけど。こちらのメール。「先日、星野ブロードウェイ第100回公演の脚本を書いてくださった蓮見翔さん主催のダウ90000の演劇公演『また点滅に戻るだけ』の観劇に行ってきました。

ダウ90000の存在をこのラジオで知ったので観劇するのは初めてだったんですが、本当に面白く見入ってしまいました。星野ブロードウェイでも『会話劇を書かれるのが上手い方なんだな』という印象でしたが、役者の皆様の個性も溢れていて、すっかりファンになりました。源さんも見に行かれたとのことですが、ご感想などお聞きできたら幸いです」と。「見に行ってんじゃねえか!」っていうね(笑)。

あのね、やっぱり演劇の公演の席をお願いするって、当たり前ですけど直前で用意できないものじゃないですか。で、ダウ90000はもちろん大人気だし。初の本多劇場進出なんですけど。席数ももちろん増えるけれども、とても人気なので絶対にすぐに売り切れるだろうなと思ったし。

前に蓮見くんがね、この番組に出てくれて。星野ブロードウェイの記念公演ね。脚本を書いてくれた時のちょっと後ぐらいにこの発表を見てですね。「見に行きたいです」って。お礼も含めて、しっかり伝えたいしね。あと、配信では見たことあったけど、生で見たことはなかったんで。「見たいです」って言って。そしたらチケットで取ってくれたんですよ。で、見に行けて。だからそのチケットをお願いする頃には、こんなに仕事がたてこむとは思ってなかったんで。

でも、たとえばやっぱりこれをキャンセルしちゃうのはね、ちょっとよくないじゃないですか。僕も前、あったんですよ。ライブのチケット、ありがたいことにね、売り切れて。なんですけど、知り合いの知り合いに「ライブのチケット、取ってください」って言われて。で、会ったことないけど、その知り合いの人はすごいお世話になってから。「わかりました」って言ってチケットを用意して。そしたら当日、何の連絡もなくて。

でも、その本人に連絡できないの。連絡先を知らないから。その人は割と有名なんだけど。本人に連絡できなくて。で、スタッフに「今日、○○さん、来なかったみたいなんですけど」って言われて。「ああ、そうなの? なんか大変だったのかな?」とか言って。「事故じゃないけど、そういうの、あったのかな?」「来られなかったみたいなんですけども。大丈夫ですか?」って連絡したら、なんか「なんとなく来なかった」っていうことらしくて。「そんなこと、ある? マジかよ!」みたいな。で、「なんかちょっと行けませんでした」みたいなことを言われて「ああ、そうですか」みたいな。

だからやっぱり、チケットを用意するって、用意する側はすごいいろんな思いで用意してくれるから。それはもう、絶対に行かなきゃと。で、行きたい。「ゼルダの伝説をやってしまうとたぶん8時間とかやり続けちゃうから。でも、その中の2時間だったらいいのでは?」みたいな。

それで、しかもエンタメというか。面白いだろうし。それを見ておくことによって、自分の気持ちも刺激を受けて、なんかできるかもしれないし、と思って見に行ったんですよ。だから、それは許してほしい(笑)。許してください(笑)。

めちゃくちゃ面白かったダウ90000の公演

(星野源)なんですけど、めちゃくちゃ面白かったんですよ。で、配信チケットがあって。配信ではまだ見れるのでぜひ皆さん、見てみてくださいね。僕以外にもたぶん見た人が、いろいろ熱い感想とかをね……たぶん佐久間さんももちろんね、行っているだろうし。佐久間さんの感想、いつも熱いんで。ああ、インスタにあったね。だから、そういうのを見てもらって。興味ある人はぜひ見てほしいんですけど。

なんかね、これはネタバレになるのかな? たぶん大丈夫と思うんだけど。すごく新鮮だなって思ったのは、僕はもうずっと演劇をやってきて。中学生の時から。で、やっぱり本多劇場って夢だし。本多劇場にはじめて立った時はすごく嬉しかったし。今でも本多劇場、一番好きな劇場なんですよ。一番ぐらい好きなんです、劇場として。すごいいっぱい入るけど、とはいえ300人ぐらいか? で、しっかり声を張れば、一番後ろまでしっかり届くっていうような場所なんですけど。

ダウ90000の皆さんは耳のところにね、ちっちゃいマイクをつけてやる演劇公演って、多いんですよ。でも、それでたとえばコクーンとか、あとはミュージカルとか。とにかくもっとデカい劇場で、いくら声を張ってもやっぱなかなか遠くまで届きにくいのかもしれないね、みたいな劇場とか。あと、音楽がガッツリ鳴るとか。そういう劇場でつけることが多いんですよね。

あと、おでこのところにちょっとだけ髪の毛をはわせて、頭皮のところにコードはわせたちっちゃいマイクをつけるとか。もちろん、お客さん側からは見えないようにって。なんだけど本多劇場って、たとえば僕が割と体験してるし、よく見てたのは、マイクをつけずに舞台の一番先、板の上にそれ専用のマイクが置いてあって。それで集音するみたいなのも多いんですよ。でもダウの皆さんは耳にマイクをつけていて。

それで最初から最後までやってるんですけど。それが「ああ、マイクをつけるんだ」と思ったんだけど。でも話を見ていくうちに、ものすごく納得できたのは皆さんが正面を向いてなくって。で、演劇的な声の張り方を全くしてなかったんですよ。もちろんツッコミとして大きな声があったりする時ももちろんあるんだけども。基本的には日常会話の声量……もちろん、それよりは大きいんだけども。とはいえ、本多劇場では……僕はそもそも演劇の公演を最近、全然見れてないんで。もしかしたら最近の公演ではそういうものはあるのかもしれないんですけど。

僕的に新鮮だったのは、その普通の声量のやり取りとして笑いっていうものを、コメディっていうものを見せていって。いろんな人がいろんな会話をしていくんだけど、全部ナチュラルで。で、そのツッコミみたいなものがどんだけちっちゃいツッコミでも、一番後ろの席の人まで聞こえるっていうような。で、そこで笑いっていうものが会場全体で生まれるっていうような。なんかそれを、当たり前のようにやってる感じっていうんですかね?

僕はやっぱり中学校からやってるっていうのもあると思うんですけど。発声練習をまずして、腹式呼吸を覚えて。で、なるべく正面を向いて……みたいな、そういう基礎みたところから入って。とはいえ、やっぱりドラマに参加したりとか、映画に参加したりすると、全然声の出し方が違くて。その違いみたいなものに僕は一番最初は……「ああ、全然もっと声をちっちゃくしなきゃいけないんだ」とか。で、舞台に立った時は「そうだな。もっとデカくしなきゃ」とか。なんかそういうのをやってたんだけど。

そうじゃなくて、すごいナチュラルに、いつもやってるようにやっている感じがあって。なんかそれがね、すごく新鮮でめちゃくちゃ面白かったし。それが全体の笑いを生んでるんだな、みたいなことを見れて。なんか、ちょっと感動っていうとあれだけど。面白かったです。これは……ちょっとどこまで言っていいんだろうな? 難しいな? これ、大丈夫かな?

本当に、もし万が一、もう100%、ネタバレが嫌だっていう人はね、耳に手を当てて「あーっ!」ってやっていてほしいんですけども。舞台セットがあって、それが最初から最後まで変わらないですよ。で、なんかその感じを見て。しかも、割とボソッとっていうわけでもないけれども、ボソッとしゃべっているように見える。それはなんか、静かな演劇を見ているようだったんですよ。

で、静かな演劇ブームっていうのが昔、そういうのがバーッとなった時がありまして。青年団とかね、あと遊園地再生事業団とか、いろんなところがですね、静かな演劇っていうものをやって。その声を張って正面を向いて「○○はっ! △△だっ!」みたいな演技ではなくて、本当にボソボソボソボソとしゃべる。で、それを小さい会場でやるみたいな。なんか、で、それもシチュエーションは基本、ワンシチュエーションだってすることが多いんですよね。

で、なんかその現象そのものをただ見せていくみたいな、そういう感覚なんですけど、会場はもう爆笑に包まれてるみたいな。なんかそういう演劇っていうものの歴史みたいなもののめまぐるしさみたいな。で、それがまたどんどん進化して、変わっていってるんだなっていうのもすごく面白かったし。ダウの皆さんはテレビもやってるし。で、もちろんお笑いライブでたくさん、いろんなところに出ていて。いろんな客層を持ってきて、本多劇場に臨んでて。でも演劇公演っていう風に一応、銘打ってるんですよね。

ダウ90000の風通しのよさ

(星野源)だからなんか、めちゃめちゃ風通しがいいなっていう。お客さんの客層みたいなところもそうだし。なんかそれが……あと配信も基本、1カメの配信と、あとスイッチングでカメラが切り替わってる配信と二つ、用意していたりとかして。それもなんかクレバーっていうか、すごく面白いし。当たり前ですけど演劇だけをずっとやってる人たちじゃないけれども。

いろんなところで、いろんな表現をしてる人たちだけれども。演劇っていうもの自体の進化みたいなものをすごく促してるというか、進化を遂げてるっていうような感じがすごく面白かったので。たぶん……僕は今回、配信ではまだ見れてないですけど。配信で見ても面白いんじゃないかなと思うので、ぜひ見てみていただきたいですね。はい。そんな感じですかね。

<書き起こしおわり>

佐久間宣行 ダウ90000『また点滅に戻るだけ』を語る
佐久間宣行さんが2023年5月24日放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』の中でおすすめエンタメとしてダウ90000の『また点滅に戻るだけ』を紹介していました。
タイトルとURLをコピーしました