星野源 新型コロナウイルスで発熱中に起きたトイレトラブルを語る

星野源 新型コロナウイルスで発熱中に起きたトイレトラブルを語る 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんが2022年8月16日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で新型コロナウイルスで陽性となり、自宅療養していた期間についてトーク。発熱し、意識が朦朧とする中で迎えた最大の危機について、話していました。

(星野源)そして、その1週間前は僕、生放送させていただきまして。その前に収録パートとしてね、『おばけずかん』に出ているおばけたちの収録部分もさせていただきまして。その後、生放送をやってですね、そして放送が終わって、またちょっと打ち合わせだのなんだのをして。ラジオ局から家に帰って、お家に入るぐらいでですね、「あれ?」ってなって。「なんか、なんかおかしいぞ?」と思って。ちょっと今まで感じたことがない……熱っぽい感じがちょっとあったんですけど。

その熱っぽさみたいなのも割と、その微熱みたいなものってたとえば、こういうラジオとかで緊張してもなるものなので。でも、その微熱の感じも「あれ? ちょっといつもと違うぞ? 今までにない感触があるぞ?」って思って。で、すぐに自分の部屋に入って。それで体温を測ったりとかしたら、ちょっと微熱が出てて。「これはなんかちょっと違うから、検査をしよう」ということで検査をして陽性ということになってしまったんですけども。

もう、なんですかね? やっぱり、いろんなことが心配になるんですけど。まずやっぱり、「誰かにうつしたんじゃないか?」みたいのがとても心配になりまして。結果的にこのお仕事関係の人たち、スタッフさんも含めて誰も、陽性になる方がいなくて、とにかくほっとしました。とりあえず自分がね、いわゆる知れる範囲だけではありましたし。でも普段から、いろいろ対策はしっかりやってる方だとは思っていたんですけど、なってしまって。まあ驚いたっていうのもあるし、「ついに来たか」っていうのもあったし。でもね、本当に今、陽性者の方がたくさんいらっしゃるから。なっても不思議じゃないなと思いつつ、やっぱりなってみるととても不安になるもので。

でもとにかく、陽性になった方が誰もいなかったのが本当によかったです。寺ちゃんともね、同じブースの中でしゃべってましたけど。マスクをしながらではあったけど、「大丈夫だったかな?」って思ったけど。でも作家の寺ちゃんも大丈夫でしたし。『おばけずかん』の声優の皆さん、ゲストに来ていただいて皆さんも大丈夫でしたし。なので、とりあえずその数日後にはほっとできるんですけど。まだその時は「うわっ、どうしよう?」という感じではあって。

あと家でね、結衣さんと……「ちょっとマズいかもしれない」っていうようなやりとりを文字でして。帰宅してすぐに部屋にはいったので。それで結果が出るまでも含めて、とにかく「どうしよう?」ってなったんですけど。「とにかく私たちに今、できることを全部しよう」って。「打倒、新型コロナウイルス!」「ラジャー!」っていう感じになってですね。で、とにかく換気とか、あとは消毒とか、できることはもう全部やって。それで、僕がなった日に彼女は検査してだったんですけど。「もう絶対にうつっちゃうだろうな」って思って。その、一緒に暮らしてるから。「絶対になっちゃうよな」と思ったんすけども。「とにかく今、できることを頑張ろうね」っていうやりとりをして。

それでもう、とにかく思いつく限りのことを全部やったら最後までうつらなかったんですよ。でもそれも本当に、とにかくほっとしました。あと感謝。本当に心から感謝をしました。いろんな人が、たとえば今、ニュースでもどんな症状かとか、やってるし。自分の場合はどうなんだろうって……「喉が痛くなる人が多いよ」みたいな話を聞いてたんで。あとは熱ですね。それで、自分の部屋でずっと寝てたんですけど。その中でね、いろんな人から連絡いただきまして。励ましていただきまして。

「なる前となった後で、世界が違って見える」

なんかね、「なる前となった後って世界が違って見えるな」ってすごく思ったんですよね。やってみないとわかんないことって結構あるなっていうのは思って。「この感覚、なにに似てるな」と思ったんですよ。まあ、全然違うんですけど。「この感触みたいなの、感じたことがあるな」と思って。そしたら「ああ、RPGだ」と思ったんですよ。まあ、その症状のつらさとか、そういうのはとりあえず違うんですけど。その、「知る前と知った後が違う」っていうのが、なんかRPGっていろんなマップに行くじゃない? ゲームの中で。で、いろんなタイプのRPGがあるんですけど、その場所に入って歩かないと地図が見れないっていうタイプのRPGってあるじゃない?

その、最初からアイテムとかでマップを手に入れると全部がバーンって見れるタイプと、あとはちゃんとそこの道を歩行くと、ちょっとずつマップが解禁されていくタイプのやつってあって。「ああ、その感じだ!」ってすごい思って。実際になると、いろいろななっている人の大変さだったりとか、あとはたとえば芸能人の方とか、いろんな方がその大変さを表現する時にどういう表現を使っていたのか? で、その表現を使っていた気持ちが全部、手に取るようにわかって。「ああ、皆さん、本当に大変だったんだな」っていう、そこらへんの気持ちもわかったし。

あと、いろんな人から励ましをいただいて。「自分はこうだった」「自分はこうで、こんなに大変だったけど、今は元気になったよ」っていうような、なんかその出口がイメージできるような連絡をいただいて。「頑張れそうだな」というような、本当にありがたい連絡をいただきました。で、まあ話には聞いていたけど喉、すごいな(笑)。まあ、これは僕のパターンなんで。人によって違うので。「これがそうなんだ」とは思わないでいただきたいんですけど。なのでぜひ、ご自身でいろんなのを調べていただいて、お気をつけていただければというような感じではあるんですけど。

ちょっとね、経験したことのないような感じではあって。「これは……こ、これは……」って言いましたね。「これは……」っていう。でもちょっと、おしなべて、もちろん大変ではあったんですけど。なかなかいろんなものをのんびり楽しめるような状況では全然なかったんですけど。で、一番大変だったのが、ちょっと熱も割とあって。喉の痛みがピークの時に、トイレに入ったんですよ。で、トイレ入って流すんですけど。フタを閉じて流してて。それで手を洗ってたんですけど、その流してる音がなんかちょっと、いつものと違うな?って思って。

いつもだったら「ブジョワーッ!」っていうんですけども、なんか「ジューン……」みたいな。「なんだろう?」って思って。なんかそのまんまトイレを出ようかと思ったんですけど。なんとなく「キュピーン!」ってなって。それでフタを開けたんですよ。そしたら、トイレが詰まったんですよ。トイレ、詰まったんすよ。それでトイレが詰まるって、その家ではあんまりなかったから。「どうしよう?」って思ったんだけど……まず、スッポンであるじゃない? あれが、やっぱりないわけ。「ないわけ」っていうか、なかなか今さ、常備しないじゃない? それで「ない!」と思って。

(星野源)あと、もちろん助けを呼ぶわけにもいかないじゃない? で、なんで詰まっているんだろう?って思ったら、一応トイレを使うたびに、消毒する目的もあってティッシュに消毒液をつけて便座とかを全部を拭いて。それでトイレットティッシュも一緒に流してたんですよ。で、それをたぶん毎回やってたからだと思うんだけど。たぶん中でティッシュが詰まっちゃってるのかなと思って。で、たまに出先とかで詰まる時とか……それこそ、ニッポン放送とかで詰まる時ってたまにあって。いつも思うのが「あれ? これ、詰まってるぞ?」って。

水がね、とにかく流れてない感じがある。ただ、水の量はいつもよりちょい上ぐらい。これ、もう1回流したら、流せるかもしれない。ただ、その流した時にまだ詰まりが取れなかった場合に供給される水の量がその便座よりも上回ってしまった場合、とんでもないことになる。で、今までその感染対策をとにかく頑張ろう!ってやっていたから。とにかく、もう消毒してるわけじゃない? そのトイレの中の水を外に出したくないし、跳ねさせたくないし、流したくないのに、もし失敗したら全部が流れ出る。「そんなことは絶対にさせてはいけない。でも、これは……」って。

その時、ものすごい高熱が出て。めっちゃ喉痛くて意識が朦朧としてる中、「考えろ……俺、考えろ」ってなって。で、「1回、やってみよう。これの量だったら、たぶんいけるはずだ」って思って。でも、跳ねるといけないから便座のフタを閉めて。それで流して。「ズボォォォン……」ってなって。でも、開けまではわからないなと思って。フタを開けたらもう、ひったひたの状態になっていて(笑)。「これは……これはマズい!」って。

でも、とりあえずあふれるのは阻止されたけども。もうどうしたらいいのか?って思って。文字通り「頭を抱える」っていうのはこういうことで。本当に頭を抱えて。意識が朦朧としながらも頭を抱えて。もちろん、業者さんに来てもらうにもいかない。自分がコロナの陽性になっちゃっているわけだから。結衣さんに頼むわけにもいかない。そこで、「とにかくい何とかしなきゃ」と思ってスイッチが入って。一応、道具とかを探したんですけど、何にもなくて。とにかく、そこにあったのが「左手」だったんですよ(笑)。

(寺坂直毅)アハハハハハハハハッ!

「俺のこの左手がある!」

(星野源)「この……この俺の、左手! 左利きの俺のこの左手はあるぞ!」って。で、ひったひただった水が、悩んでいる間にほんのちょっとだけ、水位が下がったの。「左腕分は大丈夫かもしれない」って思って(笑)。なんか、たぶんその時の「もう、これしかない!」っていうのがあったんで。もうスイッチが入っちゃいまして。指輪を外して。「よし、行くぞ!」って。なんか、もう手術前の先生みたいな感じで。ピーン!ってなって。なんとなくなぜか……全然関係ないですよ? 全然関係ないし、なんでかわかんないけど、その時に頭に浮かんだのは『サイコメトラーEIJI』っていう(笑)。

(星野源)なんか「俺には、すごい力がある」みたいな感じで。とりあえずやって。テンション上げて。「行きます!」っつって。「とにかく手を奥に入れて、何か詰まっているであろうものを出そう!」と思ってちょっと入れたんですけど、やっぱり届かないわけで。なので「もっと行かなきゃダメだ!」と思って。こう、すっごい奥まで行ったんですよ。それで「ああ、トイレの中ってこうなってるんだなー」って(笑)。もうすごい、わかんないけどイマジネーションが豊かになってるんで(笑)。で、その奥にね、ティッシュの塊があったんですよ。それをもう、ズブッとやって掴んで、ズルッ!って引き出して。

そこで、なんて言えばいいんですかね? ゆっくり出した時のこの、なんですかね? こう、なんか怪獣映画みたいなので見た、海から怪獣がブワーッ!って上がってくるみたいな。幸い、とにかくティッシュの塊だったんですよ。トイレットペーパーの塊だったんで、見た目はもうシルキー(笑)。見た目、非常にシルキーできれいでした。はい。そこで、ただでも水位は変わらなかったんですよ。「これ、どうしよう?」って。ここでもう1回、もっと奥に手を入れて……あ、ごめんなさいね。汚い話になっちゃって。言うの、遅かった(笑)。

ごめんなさいね。汚い話なので、すいません。苦手な方は……言うの、めちゃめちゃ遅かった(笑)。それで、なんだけど、ここでもう1回、手を入れようと思うんだけど、その左手はもう握っちゃってるわけじゃない? それをまた入れたら、奥に入っちゃうかもしれないわけなんで。それを右手に移さないといけないわけなんですよ。それはちょっとリスキーなわけですよ。流すボタンも押せないし。なんか、跳ねちゃったりとかする。

なんていうか、左手を入れてる時はやっぱり右を上げるじゃん? これ、なんて表現したらいいだろう? ダンスみたいな感じで、上げてあげるじゃん? なんとなくだけど。右手、反対の手は。だからなんかもう、とにかくビシャビシャしちゃうみたいなイメージで。「これはダメだ」って。だからもう1回流して、その勢いで奥に入ってる……結構今、左手に掴んでいるのが大きめのシルキーティッシュなんで。流したらもしかしたらゴーン!ってそのまま行くかもしれないと。

「これ、どっちだ?」って……ただ、両手がふさがることを考えると「とりあえず1回、もう流すしかないな」と思って。「よろしくお願いします!」って流したんです。そしたら「ドゥボォォォン……シュゴーッ!」って流れたんです! 「よしっ! よぉーしっ!」って言って。そこからもう、本当にゆっくりその左手の丸まったティッシュをこう、まっさらな水にサッと入れて。もう1回、流して。で、そこからなるべくしたたりがないように、ちゃんと水を切って。そこからすぐ、洗面台って思って。手をもうめちゃめちゃ、腕まで洗って。洗面台も洗って。

で、トイレもまた全部、拭いて。「ミッションコンプリート!」っつってまた流して。「よーし!」みたいな。もう汗だく(笑)。それでね、「ちょっと熱下がったんじゃないかな? まだ具合は全然よくなってないけども、熱が下がっていたら嬉しいな」って思って熱を測って。ピピピッてなって見たら全く変わってなくて。フハハハハハハハハッ! ビタ一文、変わってなくて。「まあ、そうですよね……」ってなって(笑)。あれが一番つらかった! あれ、本当につらかった! つらかったし、もうパニックになりましたね。

いやー、だからもう、なんだろう? 前はね、結構大変なことがあったりすると、その中でもよかったこととかをいろいろ探そうと思うんですけど。その気力も全然なくて、もうヘトヘトなんですよ。ツバを飲み込むだけでも飛び上がるぐらい痛いので。だからそのツバを飲む時に一番痛くないように……もう、本当に力を入れないと飲めないんですよ。食べる時も。だからとにかくいろんなポーズを取ってみて。「キャイ~ン」とか、なんかとにかく面白いポーズで誤魔化そうとしても、全然誤魔化せなくて。

だから、もう本当にご飯を食べてもヘトヘトになって。もうなかなかないやって思ったんですけども。マネージャーさんから連絡があって。あと、他にも2人ぐらいから連絡があって。「源さん、見てください」って。それが僕が陽性になりましたという発表した後に、僕のファンの人たちがハッシュタグを使って。僕のいろんな曲とか、動画とかをシェアするっていうムーブメントを作り出してくれていると。で、そのスクリーンショットを送ってくれたんですよ。

星野源ファンたちのムーブメント

(星野源)なんか、励ましの言葉とともに「星野源のこれ、いいんだよ」とか「この曲がいいんだよ」とか「このドラマがいいんだよ」とかっていうのをハッシュタグで広めてくれて。で、それがトレンドに入ってますっていう連絡が来て。その朦朧とする中で「なんて嬉しいんだろう!」って思って。それは、枕が濡れましたね(笑)。あれは本当に……普段、自分はこういう活動をしてて何かの役に立っているのだろうかとか、それこそ何のためにやっているんだろうかとか、わかんなくなる時がたまにあるわけですよ。他にもたくさんね、いろんな活動してる方がいて、その狭き門にもう頑張って入っていこうとしている感じ。そんな感じになんか、なってるんじゃないかなと思って。好きだからやってるだけなのに。

だからなんか、「なにかの役に立ってんだろうか?」って思うんだけど。その証拠を見せられたような感じがして、非常に嬉しかったです。そんなところも含めて、支えてくれた皆さん、本当にありがとうございました。もうね、元気になりましたので。これからも気をつけながら……いや、本当にね、幸い後遺症も。でも後遺症も、よくわかんないんですよね。俺の今のこの胸の感じは後遺症なのかどうかとか、ちょっとわかんなかったりとか。

だから完全にもう「超元気!」っていうわけではないんですけど。なんかこれも「しばらく続くよ」みたいな連絡ももらったりとかしていて。なので、もしかしたら時間はかかるかもしれません。でも今はラジオでトイレの話をしゃべれるぐらいには元気なので。これからも気をつけながら、いろんなことをしていきたいなと。そして生活もしていきたいし、仕事もしていこうかなと思っております。それでは今日も3時まで、よろしくお願いします。星野源のオールナイトニッポン!

<書き起こしおわり>

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