マヂカルラブリー NSCに行っただけで「芸人やってました」感を出す人を語る

マヂカルラブリー NSCに行っただけで「芸人やってました」感を出す人を語る マヂカルラブリーのオールナイトニッポン0

マヂカルラブリーの村上さんが2023年3月2日放送のニッポン放送『マヂカルラブリーのオールナイトニッポン』の中で1人飲みをしていた居酒屋で知らないおじさんに声をかけられ一緒に飲んだ際の模様を紹介。かつてお笑い養成所・NSCに通っていたというそのおじさんに「芸人の苦労、わかります」と言われたことについて話していました。

(村上)ちょっとひとつ、話したいことがありましてですね。大したことじゃないんですけど。あの、高円寺で1人で飲んでたんですけど。本当に雑多な居酒屋で。ワンフロア、柱とかもない、個室とかもない、本当にただの四角い白い部屋にテーブルがバーッて置いてあるみたいな居酒屋。赤ちょうちんみたいなところで1人でテーブルで飲んでいて。で、高円寺ではよくあるんですけど、話しかけられるんですよ。よくね、ちょっと酔っ払った人に。

(野田クリスタル)そのイメージだな。高円寺。

(村上)「人情の街」っていう言い方もできるから、それはそれで全然いいんですよ。私も全然、応じますし。もちろん。で、その日がですね、45歳ぐらいだと思うんですけど。細いおじさんがね話しかけてきたんすよ。もう、まさに高円寺みたいな格好した……もう市川刺身の私服みたいな感じのさ(笑)。「高円寺だな!」っていう人が。

(野田クリスタル)何も気にしてない状態の。

(村上)そうそう。なんかタバコを片手に持ってさ、右手にグラスを持ってさ、近づいてきて。「あっ、あの、お笑いのあれですよね?」ってなって。

(野田クリスタル)令和にそんな状態、まだあるんだ。

(村上)全然やってます。高円寺では(笑)。「もしよかったら、ちょっと一杯だけ、ちょっとご一緒してもいいですか?」ってそのおじさんが言ってきて。で、椅子も空いてたからさ、対面に座られて。「じゃあ、乾杯」とかって言って。で、そのおじさんがさ、「いや、大変っすよね。芸人はね」とかって言ってきて。まあ一応ね、気を遣ってくれてるから「いや、そんなことないっすよ」みたいに言っていて。「いやー、わかりますよ。本当、客前に立って何かをやるっていうのは本当にこれ、心にストレスもかかるし。本当に大変なんですよね」みたいなことを言ってくるんだよ。

「まあまあ、そういうこともありますかね」みたいな。「M-1の予選とかも、大変でしょう?」みたいな。「いやー、そうっすね。M-1とか、賞レースとか、みんなピリピリしますよね」「いやー、わかりますわー」とかそのおじさんが言ってくるの。で、そんな感じでなんかずっとお笑いの話をしてきて。「わかります」って言ってくるから「この人、なんなんだろうな?」と思っていたら、「いやー、わかりますよ。私もね、実は途中でやめちゃったんですけど。NSCへ行ってたんですよね」って言って。「そんなやつに、わかるかい! こっちの気持ちがそのぐらいのやつにわかってたまるかい!」ってなって。

(野田クリスタル)本当にいるよな。NSCに行っていたっていうやつ。

(村上)わからないだろ? 思っていることは、違うから。たぶん。僕がルミネの出番前、舞台袖で思ってることと、あなたがネタ前に思っていること、なにもかもが違うから!って。本当にいるんですよ。そういうやつが。

(野田クリスタル)本当にいるよなー。

(村上)これが本当によくなくて。NSCに行くと、「お笑いをやった」っていう感じになっちゃうんだよね。あれはですね、いわば陶芸教室ですから。

(野田クリスタル)体験学習。

(村上)あれは陶芸体験みたいなもんですから。あれを経て、何十年もやって陶芸家になるわけですから。気持ちが全然違うんですよ。あなたと。

(野田クリスタル)NSCに入っている状態では、まだやってないからね。

NSCは「体験学習」

(村上)厳密には、やってないんですよ。「お金を払って見に来た人たちの前に立つ責任とか、ありますもんね」みたいな……いや、そんな話じゃないんだよ。私たちが思ってることは。

(野田クリスタル)別に思わない。そういうことじゃない。

(村上)いや、もちろんその気持ちはたぶん根底にはあるけども、もうそういう風には思ってない。

(野田クリスタル)まず、それどころじゃない。

(村上)そう。それどころじゃないってのもあるし。だから、やめてください。NSCを出ただけの人がお笑い芸人感を出すの、やめてください。

(野田クリスタル)だってそもそもNSCなんて毎年、何人入っているんですか?

(村上)最盛期はもう1000人とか入っているんですから。

(野田クリスタル)今、何期生まであるんだ?っていう話じゃないですか。そんなの、万を超えてるわけですから。NSCに行っていたっていう人は。だから、やってないです。まあ、どこまで行ったら名乗っていいか、だけどね。

(村上)ああーっ、難しいねえ! うーん……5年かな? 5年ぐらいやると、あんまりそんなことは言えなくなってくると思うんですよ。「やってたんすよ」みたいなのを今、本当にやってる人に対しては。ちょっと後ろめたさとか、ちゃんとあるから。でも、そのぐらいはやんないと……って思うけどな。まあ最低3、4年かな? でもそれも、もちろん「やっていた」って言ってもいいですけども。月1回、1分の出番をずっと同じネタでやって、それで18年やってる人とか、いるじゃないですか。そういう人とも、やっぱり話はちょっと違うなとは思いますけど。

(野田クリスタル)どうだろうな? まあでも、悩んでくれたらもう俺はもう、いいけどね。

(村上)「悩む」?

(野田クリスタル)楽しみだけじゃなくて。もう怖くて……つらくなってくるから。俺は。

(村上)だからまだ「楽しい」でやれるじゃん? たぶん1年目、2年目とかは。「なんだか楽しいな」みたいな。もちろん、ネタを生み出す苦悩とかはあると思うけど。この人生のさ、「あら? これ、大丈夫かしら?」みたいな。あのへんとかね。

(野田クリスタル)でも俺、それ2年目で思ったけどな。

(村上)「人生、大丈夫かしら」って?

(野田クリスタル)俺、17歳の時に一番思ったな。

(村上)ああ、決めるところだからか?

(野田クリスタル)いや、もうガチガチに挫折している時よ。ランキングバトルとか出て、最下位取っていた時だな。

(村上)あれか。番外編の?

(野田クリスタル)いや、それよりももっと若い。だってルミネtheよしもとのお笑い幼稚園とか、あとエコノミークラスとかの時代の時のランキングバトルで最下位を取り出した時は……。

(村上)「俺は面白いな」と思ってやり出して、それで「あらら?」ってなった時ね。

(野田クリスタル)もう『学校へ行こう!』の貯金もなくなって。で、ランキングバトルがあって。しかもチケットノルマを払うために毎日のようにバイトして。金がない。で、最下位を取る。「あれ? これ、売れないってことは本当にあるの?」って。

(村上)「お笑い、大丈夫かしら。私?」って(笑)。

(野田クリスタル)「そんなこと、あり得るんだ」って思った時はすごいマジで玄関で立てなくなったね。

(村上)そうか。その松本さんにあれして、「俺はそうなんだ」って思ってやっちゃってるからね。

(野田クリスタル)だからそうやって、「売れないってこともあるのかな?」っていうのがよぎるぐらいまでやってくれたら……。

(村上)早いっすね。僕、それを思ったのは2014、15年ぐらいじゃないかな? 「あらっ?」って思ったのって。もうちょい前ぐらいかな? 大宮とかに出だしたぐらいだよね。「あらら?」みたいな。たしかに、それを思ってくれたら……。

(野田クリスタル)もういい。話し合う。

(村上)でも、そう思えてるやつはたぶん「わかりますよ」って言わなくなるんだよね。おそらくだけど。

(野田クリスタル)こんな絡み方、するわけない。「村上さーん。一杯、いいっすか? いや、本当に大変っすよね。わかりますわー」って。

(村上)「お笑い、大変ですよね。わかりますよー」って。

(野田クリスタル)「人を笑わすっていうことは、本当に難しいことっすよね?」って。

(村上)「でもね、本当に素敵な職業だと思います」みたいな(笑)。いや、僕もやりだした頃はたぶんそう思っていたよ(笑)。で、その人にさ、「今、仕事とかってなにしているんですか?」って聞いたら「まあ、今は自由人だね」って言った(笑)。結局、何もやってませんでした(笑)。「いろいろやって自由人」って言っていました。

「いろいろやって自由人」(おじさん)

(野田クリスタル)NSCで何を教わったんだよ……。

(村上)芝居もやったし、服も作ったし。いろいろやって自由人でした。

(野田クリスタル)「無」じゃん。

<書き起こしおわり>

野田クリスタル「仕事を辞めて本気でお笑い芸人を目指す」ことのセンスのなさを語る
野田クリスタルさんが2023年1月19日放送のニッポン放送『マヂカルラブリーのオールナイトニッポン0』の中で村上さんの友人で本業の美容師を辞め、お笑い1本で賞レースを目指すという人に対して、マジレスアドバイスを送っていました。
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