アルコ&ピースの平子さんが2023年2月21日放送のTBSラジオ『アルコ&ピース D.C.GARAGE.』の中で菅田将暉さんの武道館公演に「平子先生」として参加し、曲を止めて歌唱指導をした話をしていました。
(平子祐希)そんなこんなでね、お仕事もいただいて。でもな、なんかいろんな話もしたいけど……ちょっと仕事ばっかりだったからな。なんか、出かけたとかもないし。仙台行ったり。あとはなんかロケ。収録物があったり、スタジオがあったり。あとは武道館で仕事したりとかで。あとは……。
(酒井健太)えっ、えっ?
(平子祐希)えっ?
(酒井健太)最後の……。
(平子祐希)ああ、この1週間が仕事ばっかりで、あんまり話すこともないので。
(酒井健太)いや、わかりますよ。
(平子祐希)だから仙台に行ったりとか、ロケ。ちょっと遠出してロケとか。で、まあ収録があって。あと武道館の仕事とか……。
(酒井健太)いや、それです。
(平子祐希)えっ?
(酒井健太)いや、このくだり、なんすか? スッと行ってくださいよ、それは。
(平子祐希)ああっ!
(酒井健太)「ああっ!」って……いや、みんなそれ、気にしてくる。それを聞きたいから!
(平子祐希)えっ、気になってる?
(酒井健太)気になってますよ。聞きたいですよ。武道館。
(平子祐希)あの、菅田っていうの若手がいて……。
(酒井健太)いやいや……(笑)。
(平子祐希)あのね、鬼ちゃんね。CMで鬼ちゃんを……。
(酒井健太)いや、わかるわかる。みんな知ってる! あいつ、マジでトップオブトップだから! 全員知ってるから!
(平子祐希)なんかね、何年か前からなんだけど。要するに「歌唱指導をしてほしい」っていう。菅田、武道館でやるんだって。「武道館で歌うから、もしよかったら歌唱の方をチェックしてください」っていうオファーが来て。だから前日のゲネから立ち会ったのね。
(酒井健太)あれ、3年前からやってるやつですよね?
(平子祐希)うん、そう。ええと、菅田くんのお歌のお仕事の方のツアーが……だから3年前。その幕間の映像でね、ちょっと歌唱指導の平子先生という立ち位置で入らせてもらって。で、それで歌唱指導をして。『見たこともない景色』という曲があってね。それに歌を繋げていくという。その歌を歌唱指導してね。で、本番でガーン!って歌うという。
(酒井健太)3年前、僕も見ましたけど。曲前のってことですもんね。
(平子祐希)ライブ、来ましたもんね。曲前の幕間映像で。だから、そうか。酒井も来たのか。あれ、ウケてたっけ?
(酒井健太)いやいや……ええっ?(笑)。
(平子祐希)あの映像、ウケてたっけ? あれ? 3年前……。
(酒井健太)3年前ですよね。はいはい。
(平子祐希)体感、どうだった? ウケてたっけ?
(酒井健太)いやいや、そりゃあもう、ウケてましたよ。めちゃくちゃウケてた。
(平子祐希)そうかそうか。あれが3年前か……。
(酒井健太)いや、体感してるでしょう? あのウケ。あのウケ、体感してるでしょう? 「いいの?」っていうぐらいにバキ打ちにしてよ、もう(笑)。
(平子祐希)で、菅田くんのご家族とかもあの時にいてさ。社長さんとかもいてね。「ああ、よかったです」なんて喜んでいただいて。そしたら去年もツアーがあったんだよね。そこでもまたちょっと、同じ幕間映像で先生として出してもらって。そのツアーで流していただいて。で、その映像では最後、俺は菅田くんに後頭部をぶん殴られて、死をもって終わるっていう映像なの。で、『見たこともない景色』っていう……(笑)。
(酒井健太)そんなの、見たことねえよ(笑)。
(平子祐希)たしかに見たことねえだろう?(笑)。
(酒井健太)これ、菅田のライブの話ですよ?(笑)。
(平子祐希)そうそう(笑)。菅田が俺の後頭部をぶん殴って、俺が死んで……(笑)。これは本当にそういう映像があって。そのツアーが去年、あったんですよね。そしたら今度、武道館をやると。いよいよ。「へー」って俺は思ってたんです。そしたら何を思ったのかね、「平子先生、ちょっと出てもらえませんか?」「えっ、なんで?」って。もう後頭部をぶん殴られて、死んだから。
(酒井健太)たしかにね。
後頭部を殴られて死んでいた平子先生
(平子祐希)で、「またVを撮るのかな?」って思っていたら、「いや、実際に舞台で」って言われて。「何を言ってるんだろう?」って思って。「変だな……怖いな……」って思っていたんだけども。まあ、ラジオ繋がりですから。うちのfeat. ジーニアス福田がちょっと演出に入ってるということで。まあ、その前日に入って、当日本番。武道館。「1時間ぐらい前に入ってください」って言ってもらったんだけど……4時間前に入ってね。
(酒井健太)フハハハハハハハハッ! 4時間前って、相当早いよ?
(平子祐希)いや、楽屋には入ってないの。あえて駐車場、先に停めて。武道館の周りを、関係者側の方をグルーッとちょっと、武道館全体を見渡して。で、近場のスタバに行くっていう(笑)。
(酒井健太)早いなー(笑)。
(平子祐希)いや、だって武道館だから……。
(酒井健太)いや、まあまあ……そうだね。
(平子祐希)ちょっとわけがわかんなくなって。「幕間のコントか……武道館!?」「武道館なんで」「武道館……武道館でネタを?」って。「えっ、あの永ちゃんの武道館ですよね?」って。
(酒井健太)ちょっとね、たしかに(笑)。
(平子祐希)で、近くのスタバに行って。まあ、いつも通りのルーティン……喫茶店で仕事をして、その合間に収録してっていうルーティンを作って。そしたらほら、ああいうのってグッズとかを早い時間帯から売るじゃん? そしたらそれを買い求めるお客さんがすごいいっぱい会場の前にいて。で、俺は近場のスタバに行っちゃったもんだから。パッと気づいたら、もう全員がダースーのファン。みんな、タワレコの……なんか、レコードを出したのかな? 楽曲の。みんながそれを持っていて。Tシャツとかパーカーとか着ていて。囲まれちゃって、いたたまれなくなって。で、本番。広い楽屋、セットの横の楽屋を準備してもらって。まあ、事務所の人間もおらず、1人ぼっちで。
(酒井健太)へー。来ないんだ。
(平子祐希)まあ、俺が「来るな」って言ったの。「集中させてほしい」って。で、お香を焚いて、曼荼羅のポスターを貼って……。
(酒井健太)4時間前に来て?(笑)。
(平子祐希)まあまあ、福ちゃんが一緒に付き添ってくれて。で、なんかね、俺は緊張するかなと思っていたんだけども、平常心でいて。「平子さん、緊張しないんですか?」「ああ、なんでだろう? しないなー」って。で、俺も「なんでかな?」って考えて。結局だからさ、結構イオンを回っていたからだよね?
(酒井健太)全然違うけどね?
(平子祐希)イオンのあの営業の客入りだと、2階席、3階席があるじゃん?
(酒井健太)まあ、ありますけど……。
(平子祐希)あそこをさ、さんざんいじり倒してさ。
(酒井健太)いや、あれと武道館って……俺は行ったことがないからわかんないけど。違うと思うよ?
(平子祐希)場数なのよ。違いが。「ああ、ここに行き着くためのイオンだったんだな」って。2階席いじったり、3階席をいじったりしていたじゃんか。だから、作りは一緒なのよ。作りは、そうなんだよ。アリーナがあって……。
(酒井健太)まあまあ、わかりますけど。
(平子祐希)で、これが武道館あるあるなんですけど。アリーナって、2階席に見えるところが1階らしいです。
(酒井健太)知らないよ。武道館あるあるって……そうなんだ。
(平子祐希)3階に見えるところが2階席で。だから、この方式はさんざんやってきたんで。イオンで。アリオでもやりました。
(酒井健太)アリオでも。さまざまなショッピングモールに行きました。
(平子祐希)いや、でもその感慨深さはあるじゃん。あなたなんか隣だからわかるかもしんないけど。若手の頃からさ。「そのキャラ、どうなん? わかりづらいんじゃない? ちょっとネタに落とし込みにくいんじゃない?」とか。さんざん言われて言われて……それでも俺は頑として、そこを曲げずに、折れずに、貫き続けてきて。時には言われたよ。「どうして、そんなに走れるの?」と。
(酒井健太)フハハハハハハハハッ!
(平子祐希)あれだけのダメ出しを受けて、それでも俺は首を縦に振らずに。「どうして、すぐに立ち上がれるの?」って。みんなに聞かれたけど、ようやくその先が武道館……そのコントを続けてたら、俺、武道館に立てたんだよ?
(酒井健太)フハハハハハハハハッ! いや、すごい。めちゃめちゃすごい! それ、めちゃめちゃすごいですよ。本当に。
(平子祐希)菅田という若手の手を借りて。
(酒井健太)それでもすごいよ。
(平子祐希)感慨深さんももちろんあって。で、だけどやっぱり不安はさ、単独ライブでも何でもそうだけど。前日にみんな、夢を見るっていうじゃん? お客さんが全く入ってない夢とか。今度は入ったのに、最後までシーンとしていた夢を見たり。そういう悪い予感をずっと……なんか、一番最悪のイメージを持っちゃうんだよね。緊張感から。で、出ていって……これ、方式で言うとね、『見たこともない景色』っていう楽曲がバーン!って入った途中で、俺がダメ出しをして、曲を止めるのよ。
(酒井健太)おおっ! ちょっと怖いね?
(平子祐希)武道館の本番で、曲を止めて。影マイクでね、「ちょっと1回、止めよう、止めよう」って止めて。で、みんなが「えっ、何、何?」って。バンドメンバーも「えっ、なんで? どうした? 本番中だよ? 何が起きた?」って。そこから、そこに俺が登場するっていう。
(酒井健太)お客さん、どういう反応になるんだろう……。
(平子祐希)しかもそれ、『まちがいさがし』の後なんだよね。
(酒井健太)名曲の余韻に浸っているところ。その後?
『まちがいさがし』の余韻の中、曲を止める
(平子祐希)本当の『まちがいさがし』の「間違い」の方が出てきちゃうっていう。で、それもさ、お客さんによってはまず「あいつ、誰だ?」って。「ああ、なんかコントをやんのね? ああ、なんかちょっと見たことある芸人だ。でも、おい。あいつ、楽曲止めたよな? いや、俺ら今、乗ってたんだけどさ……」みたいな。ちょっとアンチ的な雰囲気が蔓延してもおかしくない状況。それで「残り○分です。袖スタンバイ、お願いします」ってなった時に、それまで意気揚揚と「緊張ないね」と思っていたのが、「この人数に嫌われたら、どうしよう?」って。
この角度で迫ってくる1階席、2階席、アリーナ。そのみんなからヘイトの目を向けられるという恐怖。もう、怖くなっちゃって。それでも、歌が始まって。止めなきゃいけない。俺ね、福ちゃんにも言ってないんだけども。「止めずにこのまま完走させようか」とすら思ったのよ。
(酒井健太)フハハハハハハハハッ! 「止めに来ねえな?」ってなるよ。流れがあるんだから。
(平子祐希)「これ、そもそもなんで止めなきゃいけないんだ?」って。
(酒井健太)ダメよ、その葛藤は! ダメダメ。止めて(笑)。
(平子祐希)でも、仕方がない。「ここで止めてください」ってなって。もう影マイクで「ああー、ちょっと止めまーす! ダメだな。うん、1回止めるよ」って。止めて。で、みんなが戸惑っている。会場もちょっとざわついて。
(酒井健太)ざわつくよね?
(平子祐希)「あれ? これ、本当に止まってる?」って。それでまた、菅田もバンドメンバーも上手いんだ。「えっ、なに?」感を出すのが。菅田の顔がまたよかったのよ!
(酒井健太)いや、菅田は上手いだろう。そういうの。
(平子祐希)あの、コントに入ってるんだけど、入っていないこの現実味もある境界線の顔。
(酒井健太)あいつ、そういうところが評価されてるんだよな。すごいな。そこでもやっぱり、できるんだな。
(平子祐希)そこで俺が1歩、武道館の舞台に足を踏み入れる。「もう、どうにでもなれ。滑ったら、後で謝りゃいいんだ」って。「知らねえ仲じゃねえじゃねえかよ。菅田と。許してくれ。同じ演者同士。この同じ板の上で、死なせてくれ!」って。勇気を持って。
(酒井健太)ざわざわしてる中ね。「えっ、なに? なにこれ?」って。
(平子祐希)「っていうかそもそも滑っても、おめえが『やれ』っつったしな?」って。
(酒井健太)菅田のせい?(笑)。
(平子祐希)そうそう。菅田のせい。で、1歩足を踏み入れたら、武道館の満員の客……大歓声。「ギャーッ!」って。「えっ、なんで?」って……。
(酒井健太)ああ、そう?(笑)。
(平子祐希)やっぱり、ずっと追っていたんだよね。3年前のライブももちろん、みんな来てたし。来れなかった人は映像で見てるし。で、その幕間の映像も入ってるしね。知っててくれてて。なんなら、その『見たこともない景色』で毎回、それで楽曲指導とかしてたから。今回、その『見たこともない景色』がすんなり始まったことに違和感を覚えているファンすら、いたらしいんだよ。聞くとね。「ああ、今回は幕間、ないんだな」って。
(酒井健太)楽しみにしている?
(平子祐希)ちょっとね。みたいな、そういうファンの方の意見も……。
(酒井健太)それはもう、異常ですね。
(平子祐希)そう。「止まれ、止まれ、止まれ!」って。
(酒井健太)「平子、ないよ!」っていう人がいたってことでしょう?
(平子祐希)そうなると、本当によくないよ? 今後スムーズにやらなきゃいけない場面の方が多いから。まあ、「よう来てくれました」って迎えていただいて。止めて。その後も、菅田はその世界を崩さないから。「えっ、平子先生……どうしました?」から始まるストーリーがあって。で、やっぱりこの武道館のみならず、ライブ自体がずっとね、自粛だったり。この3年間、ずっと皆さんね、来れない人もいたりして。ライブ中止だ、延期だってなっていた中で、もちろん声出しもない。だけど、ここに来て声出しがOKになったのよ。直前に声出しOKになったの。
(酒井健太)ああ、そうなんだ。直前なんだ。
武道館公演の直前に声出しがOKになる
(平子祐希)「今回も声は出せないだろうけど。一緒になって歌ったり盛り上がったりはできないかもしれないけど、菅田くんがライブやるんだ」っていうことで皆さん、チケットを買ってきて。直前にOKなった。でも、こうなるとやっぱり多少、戸惑いがあるんだよね。OKとはいえ。正式に認められたんだけど、今までのこの何年間という流れがあるから。「声、出しちゃいけないんじゃないのかな」っていうのがね。
(酒井健太)「どうやっていたっけ?」とかもありそうだもんね。
(平子祐希)そうそう。葛藤が。で、そうすると俺、内容としては菅田へのダメ出し。「違うよ。お前、全然違うよ」って。で、その流れから「客が悪いんじゃないか?」って……。
(酒井健太)変だよ。そんなの、異常だよ……。おかしいよ、それ。
(平子祐希)いや、「この3年間のいろんなね、抑圧・抑制の中で凝り固まった精神。それを開放するべきなんじゃないのか?」っていうようなね。で、それは菅田が言っていたんだから。俺じゃないよ? 「客が悪い」っていうのは。「重いっすね」って(笑)。
(酒井健太)なんだよ、菅田……(笑)。