PUNPEEさんが2023年1月30日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』に出演。おすすめコミックスとして『ワイン知らず、マンガ知らず』を紹介していました。
(宇多丸)さあ、3冊目に行きましょうか。
(PUNPEE)3冊目はジャンルが少し変わってしまいますけど。バンド・デシネ。フランスの漫画のバンド・デシネの『ワイン知らず、マンガ知らず』。これ、原正人っていう昔から日本でずっとバンド・デシネを紹介されてる方が、サウザンブックスっていうクラウドファンディングで海外の漫画を「これを邦訳したい」っていうのを募って出す企画などやってまして。その中で出た3冊目なのかな? そのバンド・デシネ、漫画になります。
(宇多丸)原さんもこの番組、お世話になっています。
(PUNPEE)ああ、そうなんですか。自分は前に1回会ったことがあって。『ピノキオ』っていうのを教えてもらったりとかして。
(宇多丸)エグいやつね。
(PUNPEE)これ、単純にワインを全く知らないバンド・デシネ作家と、バンド・デシネを知らないワインを作ってる方がお互いに知識を交換するっていう。
(宇多丸)お互いが『ワイン知らず、マンガ知らず』なんだ。
お互いのワインと漫画の知識を交換する
(PUNPEE)「お前が俺にワインの作り方を教える代わりに、俺はお前に漫画のことを教えるから」みたいな。それを書いたドキュメンタリーです。実際にあった話で。これが結構、淡々と進んでいくんですけど。なんか、やっぱり音楽でもそうなんすけど。コアなことをしても音楽好きの方は喜んでくれたりとかするんですけども。でも、わからない人には本当に全くわかんないじゃないですか。わかんない人には好きか、嫌いかみたいな。
これも、だからこのワインの作ってる人に名作の漫画をいっぱい紹介するんですけど。でも、全然わかんないんですよ。何がいいのか……みたいな。でも、この漫画家の方もワインを飲んでみても、どれもわかんないんですよ。「こっちの方がいいじゃん」って言ったら、それが5年前ぐらいに作られたやつだったりとか。なんか、そういう両者の……原題では『無知なるもの』っていう感じらしいですけど。なんか、そのやり取りが面白かったりとか。特に大きな展開があったりするわけじゃないですけど。なんか淡々と、すごいゆったり読める、楽しい作品で。
(宇多丸)この番組もね、でもその知らなかった世界のことを教わることがメインの番組だから。なんかそういうプロセス自体が面白いみたいな。「こっちは解像度が超粗い状態なんで。全然どっちがどっちか、わからないっす」みたいなところから始まるのって、すごい面白いことだと思うし。
(PUNPEE)面白くて。なんか印刷工場に出すのと、瓶詰め工場に出すのが同じというか。そこで色が変わっちゃったりとか、味が変わっちゃっていうことがリンクしていたりとか。それがすごい、いい感じに書かれていて。めちゃくちゃ楽しい本でした。
(宇多丸)『ワイン知らず、マンガ知らず』。サウザンブックスから出ております。
<書き起こしおわり>