渡辺志保 Gangsta Booを追悼する

渡辺志保 Gangsta Booを追悼する INSIDE OUT

渡辺志保さんが2023年1月9日放送のblock.fm『INSIDE OUT』の中で亡くなった元Three 6 MafiaのMC、ギャングスタ・ブーを追悼していました。

(渡辺志保)そして最後に今日は1曲、どうしてもかけたいなと思う曲がありまして。1月1日……もう本当に年明けてからいろんなニュースがあって。ちょっと前も、マイアミのレストランで……DJキャレドが経営してるレストランのチェーン店なのかな? その駐車場でフレンチ・モンタナがビデオの撮影をしていたら、シューティング(銃撃事件)があって。そこで少なくとも10名が負傷したというニュースがあったりとか。

あとは今日、普通にてニューヨーク・タイムズを読んでいて知ったんですけど。どこの小学校だったかな? 小学校1年生の男の子が学校で発砲して。先生が本当に瀕死の状態だとか、そういうニュースばっかり目にしてしまってズン……っていう気持ちなんですけど。なんといっても、元日。1月1日早々、本当に素晴らしいラッパー、ギャングスタ・ブーさんがお亡くなりになったということで。めちゃくちゃびっくりしましたし、めちゃくちゃ悲しい気持ちになりました。

(渡辺志保)アメリカの1月1日のお昼の2時、3時とかに警察に「女の方が亡くなっている」というか。「ちょっと来てください」みたいなコールが入ったらしいんですよね。そこで警察が駆けつけたら、亡くなっていることが確認されたということで。おそらくODじゃないかということで今、報道されておりますけれども。で、ギャングスタ・ブーと言えば、ここでまた1から話すと長くなっちゃうので端折りますけども。メンフィス発祥のラップグループでThree 6 Mafiaというグループがおりまして。そこに2名の女性MCがいたんですよね。

で、1人はラ・チャットという名前で、もう1人がこのギャングスタ・ブーだったわけなんですけれども。で、ギャングスタ・ブーの方がソロ活動がすごく盛んであったりとか。いろんな方のバースを書いたりとか、そうした活動が目立っていたという風に思いますし。まさに今、メンフィスのラップシーンってずっとずっと、ヒップホップシーンで注目されておりますし。ここ2、3年もね、また脚光を浴びてて。なんといっても昨年、グロリラのブレークもありましたし。

で、そのグロリラとラトのシングル『FTCU』という曲でラト feat. グロリラ。そしてこの同じメンフィス出身のギャングスタ・ブーを迎えた曲なんかもあって。

Latto『FTCU feat. GloRilla & Gangsta Boo』

(渡辺志保)それで生前、受けたインタビューで、ビルボードのインタビューだったかな? 「今まで、そんなに意識をして来なかったけど。やっぱりメンフィスのラップシーンの立役者として、その事実を謙虚に受け止めて、ますます頑張ってきたい」みたいなこともおっしゃっていたんですよね。で、ラップ好きな方はもちろんご存知かとは思いますけれども。結構、Three 6 Mafiaを彼女は2000年代に抜けたわけですけれども。その後も、いろんなコラボ曲っていうのが多くて。

で、私がすごくいいなと思っていたのはラン・ザ・ジュエルズと何度かコラボレーションをしておりまして。ラン・ザ・ジュエルズの最新アルバムでも『Walking In The Snow』っていう曲にギャングスタ・ブーがラップで参加してて。そこでもめちゃくちゃかっこいいバースをキックしてたんですよね。

(渡辺志保)だから本当に、こんなに早く逝ってしまうなんて……という思いがめちゃくちゃ強いです。本当に本当に2023年、もっと曲とか出す予定だったんだろうなとか、もっといろんなコラボレーションがあったんだろうなという風に思いますし。まだ43歳という若さで亡くなったという。かつ、これはアトランタ在住のAkiさんもかつて、記事に書いてらっしゃったんですけど。ギャングスタ・ブーって、やっぱりヒップホップ自体が男性中心の社会だから。それで自分が書いた曲なのに、自分が作曲に関わっているのに、正当なクレジットがもらえなくて、ギャラをとりっぱぐれているみたいなことが彼女もあったそうなんですよね。

で、なんかお正月って、アメリカと日本とを比べるとさ、お正月を祝うバイブスっていうのは日本の方がすごい高いと思うんですけど。それにしたって、その1年の最初の日にお家で1人でこんな形で一生を終えてしまったという、その彼女の死と、最近ちょっとホイットニー・ヒューストンの伝記映画とかも見ちゃったから。なんか、そのめちゃくちゃ悲しいというか、虚しいというか。本当に悲劇だなっていう、そうしたですね悲しみもあって。めちゃくちゃやりきれない気持ちになってしまいましたね。

で、彼女が参加した『Tear Da Club Up』っていうThree 6 Mafiaの曲がありますけど。『Tear Da Club Up』なんて本当にいまだにずっとずっとサンプリングされるぐらいの超名曲ですし。そうした名曲をたくさん残してくれてありがとうという気持ちを伝えたいなと思います。

(渡辺志保)で、なんかプロデューサーのドラマ・ボーイ。頻繁にコラボレーションしてましたけれども。ドラマ・ボーイと撮った未発表のミュージックビデオもあるそうなんですよね。なんで、そうしたね映像を見るのが……そうした遺作という風になりますけれども。それを見るのが楽しみだなという気持ちもありますし。今日は最後に、彼女のたぶん最大のヒット曲っていう風に言えますかね? 『Where Dem Dollas At』という1998年の彼女のソロデビューアルバムからのシングルでお別れしたいと思います。ギャングスタ・ブーで『Where Dem Dollas At』。

Gangsta Boo『Where Dem Dollas At』

<書き起こしおわり>

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