東野幸治と松村邦洋『鎌倉殿の13人』を語る

岡室美奈子『鎌倉殿の13人』を語る 東野幸治のホンモノラジオ

松村邦洋さんが2023年1月6日放送のABCラジオ『東野幸治のホンモノラジオ』にゲスト出演。東野幸治さんと『鎌倉殿の13人』について話していました。

(東野幸治)今、目の前に松村さん、座ってらっしゃいますけれども。Tシャツの胸にですね、「どうする義時」っていう風に……これはNHKに許可とか取ってるんですか?

(松村邦洋)取ってないですね。『どうする家康』なんだけども、まだ気持ちが鎌倉なんですね。

(東野幸治)鎌倉なんですか。

(松村邦洋)だから「どうする義時」っていう。

(東野幸治)じゃあちょっと『鎌倉殿』の総括、松村さんに改めてしていただいていいですか?

(松村邦洋)僕が小学校6年生の時……1979年の時に『草燃える』っていう大河ドラマがあったんですよ。これ、松平健さんが北条義時なんですけど。伊豆の蛭ヶ小島に流された源頼朝を担いで……要は伊豆の小さな豪族たちが平家の時代にこの源頼朝をどう動かそうかと思った時に、自分とこのお姉ちゃんの政子と結婚させて。それで「俺たちがこの平家の時代に兵を上げるぞ」っていうことですよ。たとえば爆笑問題の太田光さんが太田プロをクビになりました。それでもう賊軍のように言われました。2年か3年ぐらい、テレビに出れません。

その太田光さんと、太田さんの奥様。ものまねでなかなか世に出なかったあの太田光代さん。あの2人が頼朝と北条政子なんですよ。2人が一緒にくっついて、阿佐ヶ谷で爆笑さんの仲間たちと一緒に。「みんなで立ち上がろうよ!」と言って立ち上がって。賊軍だったんだけども、結果を出して。『GAHAHAキング』とか、どんな仕事も全部文句を言わずにやったら、賊軍が最終的に官軍になって、タイタンという組織になって。それで自分のところのいわば御家人のウエストランドがM-1に勝って。それで最終的にタイタン王国が出来上がるまでなんですよ。

(東野幸治)っていうところで。お笑い事務所に言うとだから、それがわかりやすい説明ってことですもんね?

(松村邦洋)そうですね。

(東野幸治)この三谷さんの本っていうのは、どうなんですか?

(松村邦洋)三谷さんはやっぱり面白おかしく、全部をもう『王様のレストラン』のように1個1個、笑いにしたいんですよね。

(東野幸治)ああ、なるほど。だから、亜流といえば亜流じゃないですか。大河ドラマの中で。大河ドラマってやっぱり時代考証とか、ちゃんとそれに対して「いや、この時代のこれはちょっとおかしいん違うか?」っていう。そういう厳しい目で見る人もいらっしゃるじゃないですか。そんな人の意見も、半ば半分聞き流しながら、自分たちのちょっとおもろいところも入れつつ。でも恐怖のお話にしたかったってことでしょう? 今回は。

(松村邦洋)ただね、データは三谷さんの方が……昔の大河ドラマより、データはあるんですよ。

(東野幸治)ああ、今、新たにわかったことがたくさんあるから?

(松村邦洋)あるんで。『草燃える』でやってたことが意外に事実ではなかったということが山ほどあるわけですよ。

(東野幸治)それは今回、『鎌倉殿』を見るにあたって『草燃える』をもう1回、見たんですか?

(松村邦洋)僕、『草燃える』はもう毎回のように見てました。

(東野幸治)えっ?

何度も見返す『草燃える』

(松村邦洋)僕は『草燃える』が好きなんですよ。僕は大河ドラマの中で一番、鎌倉時代が好きなんで。苦しい時はいつも『草燃える』を見て、元気を出してたんですよ。はい。

(東野幸治)すごいっすね!

(松村邦洋)いい人が主役になって、1話で解決するのは民放の時代劇でいいんですよ。『大岡越前』とか『遠山の金さん』とか『暴れん坊将軍』で。

(東野幸治)『草燃える』でもやっぱり悪い人が主役ってことなんですか?

(松村邦洋)そういうことです。勝てば官軍なんです。負けたら賊軍なんです。

(東野幸治)言い方、怖いな(笑)。

(松村邦洋)はい。強い人が政権を取ったら、そこに勝てないんですよ。それに勝とうと思ったら、強くならなきゃいけないんですよ。

(東野幸治)でも、たしかに今回、そういう話だったから。三谷さんが「『ゴッドファーザー』だ」っておっしゃっていて。それで、佐久間さんがそういう風におっしゃったから見て、面白かったんですけど。そこはでも、『草燃える』もそうだったんですか?

(松村邦洋)そういうことですね。政子の演説でみんなが立ち上がっていくっていう。だから大江広元という非常に優秀な作家が演説を全部書いて。何回も練習して覚えたんだと思うんですよ。政子は。

(東野幸治)当時? ああ、そんな風なことを……だから、今で言うスピーチライターみたいな方がいらっしゃって。

(松村邦洋)秋元康さんみたいな人が……新野新さんでもいいんですけども。全部書いて。「ここで、こうやってみよう」って義時が演出して。「はい、政子。う1回行きますよ」「鎌倉殿の思いは、海よりも深く、山よりも……」「ちょっと聞こえないね。もうちょっと音、上げてみようか? はい、ここ、聞こえない、聞こえない。もう1回、行こう!」「お姉ちゃん、もう1回行こうよ」

「海よりも深く、山よりも……」「そこの時、もうちょっとこっち側を見る。こっち側、見て? 御家人、三浦とかいるから。あのへんの御家人を……で、『今回は後鳥羽上皇という官軍の方がいらっしゃいますので。その官軍の後鳥羽上皇に背くということは、謀反になるかもしれませんので。もし、謀反になるのが嫌だったら、どうぞ後鳥羽上皇側についてもいいですよ』と政子が言う時に、はい。三浦さん、すぐに立ち上がりますよ?」って。

(東野幸治)フハハハハハハハハッ!

(松村邦洋)「『そのような者、ここには1人もおりませんっ!』って。そうしないと、立ち上がろうとする人たちが立てないんですよ」って。

(東野幸治)なるほど。っていうのがもう全部、台本で。ちゃんとリハじゃないけども……っていうところの。

(松村邦洋)それで『草燃える』の中で三浦義村が立ち上がったところが、今回は泰時がやりますよね。で、鎌倉が朝廷に承久の乱で勝ったものですから。それで、室町幕府というものができあがる。江戸幕府というものができあがる。要するに、朝廷がみんなに命令をする権利を削がれたわけですよ。幕府という制作会社がそれを奪った。

(東野幸治)すごいことなんでしょう?

(松村邦洋)ハウフルスのような制作会社が日本テレビの言うことを聞かなくなるぐらい、強くなったわけです。

(東野幸治)だから『夜もヒッパレ』で日本テレビが「やめてください。あの鯛を映すの、やめてください」って言っても「鯛は大事なんだ!」って菅原さんが言って……みたいな。

(松村邦洋)菅原さんの言うことは、義時の言うことは、聞かなきゃいけないんですよ。「すいません。局の人、2人借ります。プロデューサーで。あとは演出家は、うちでやりますんで」って言ったら、鎌倉幕府制作番組になるわけなんです。

(東野幸治)だからバラエティ番組に落としてくれたりとか、芸能事務所に落とし込めるから、我々は非常にわかりやすい説明というか。だからすごい特殊な才能やなと思って。

(中略)

(松村邦洋)あと、三浦義村ですかね。山本耕史さん。

(東野幸治)ああ、だからその大河の『鎌倉殿』の三浦役の。ちょっとものまね、どんな感じですか?

(松村邦洋)「のえが、美味しい酒を作ってくれた。これを薬で入れると、体にいい」「俺は、いい……俺は別の酒にする」。

(東野幸治)うわっ、嬉しいな! 一番最後のやつや!

(松村邦洋)「どうだ? これを飲んだら、どうだ?」「匂いが気に入らねえ」「そうか。濃くしすぎたかな?」って。ちょっとやり取りを……。

(東野幸治)やり取りをね。最後のところですよね。2人のっていう。だから小栗旬さんがその『鎌倉殿』最終回の最後で3人ぐらいと、もう一対一でやり合っていくっていう。で、そのままの流れで終わっていくんですけども。

(松村邦洋)「こんな俺をまだ、許してくれるのか?」っていう。ちょっと低い声でね、言う三浦義村。最終的には三浦義村が一番長生きするんですよ。

最終的には三浦義村が一番長生きする

(東野幸治)なんかそんな感じ……だって、立ち振る舞いとか、ずっとすごかったですよね。敵か味方かわからん感じで。で、勝っている人に乗っかっていくっていう。あれもやっぱり人の人生というか。ああいう生き方も、すごい。

(松村邦洋)東野さんのように高さを目指すのもいるけど。僕は長さ。

(東野幸治)じゃあ、ものまねはもう70、80。死ぬまで……明日、死ぬまでものまねはやり続ける?

(松村邦洋)まあ、そういう込みで、好きなことをやりながらやるのも大事ですかね。で、怒られたら1回、シュンとなって。二、三歩下がって、また前に行くっていう。怒られたらシュンとなって……。

(東野幸治)人の悪口も基本、松村さんは言わないですもんね?

(松村邦洋)喜怒哀楽の「怒」はいらないように思いますけどね。

(東野幸治)ええ言葉!

(松村邦洋)それは家に帰ったら、言うこともありますけども。なるべく、言わない方がいいですよね。

(東野幸治)一番最近は家に帰って誰の悪口、言ったんですか?

(松村邦洋)昔はノートにいっぱい書いてましたけどね。

(東野幸治)誰の?

(松村邦洋)いろんな方々の。でも今はあんまりないです。

(東野幸治)本当にもう、おだやかにっていう?

(松村邦洋)今はおだやかなスケジュールだし。おだやかな……しがらみもないですよね。

<書き起こしおわり>

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