吉田豪と掟ポルシェ 秋元康に対する誤解を語る

吉田豪と掟ポルシェ 秋元康に対する誤解を語る TOKYO SPEAKEASY

吉田豪さんと掟ポルシェさんが2022年12月26日放送のTOKYO FM『TOKYO SPEAKEASY』の中で秋元康さんについてトーク。秋元康さんについて、誤った理解から批判がなされていることについて話していました。

(吉田豪)今回のね、この『電池以下』っていう本では、20年前にやった秋元さんのインタビューを再録しつつ、ボーナストラックで最新の秋元さんとの対談も入ってるんですよね。

(掟ポルシェ)ねえ。秋元先生が2回も出てくるっていう。

(吉田豪)そうそう。全く同じポーズでね、僕ら3人で写真を撮って。

(掟ポルシェ)まあ20年も経てば全く言ってることの内容も変わってくるだろうっていうことで。

(吉田豪)面白かったけどね。

(掟ポルシェ)そうですね。まあ、ほら。最近ラジオとかで、そういうのを言うことがあったじゃないですか。吉田豪が秋元康に関する誤解されていることを話す、みたいな。

(吉田豪)まあね。「正しい知識で正しい批判をしましょう」というね。

(掟ポルシェ)あまりにも批判されすぎる人だから。でも、それでいてみんな、前提が間違ってることが多い。

(吉田豪)ねえ。おニャン子クラブについて、「あれはちょっと今のコンプライアンス的にどうなのか?」的な批判がTwitterで起きるたびに「これは全てのプロデューサーの秋元康が……」みたいなことを言われていて。「いや、おニャン子はフジテレビの企画ですよ?」みたいなね。

おニャン子は秋元康ではなく、フジテレビ主導の企画

(掟ポルシェ)やっぱりみんな、高校生ぐらいで記憶が止まっているからさ。

(吉田豪)あの時代は秋元さん、だってまだ20代でしょう?

(掟ポルシェ)でも「秋元康といえば高井麻巳子を奪った悪いやつだ!」みたいなね。

(吉田豪)「許せん! 許すな!」って。

(掟ポルシェ)みんな、そんなところで止まっているんだよ。もう、そこだけで「いけ好かない!」ってみんな、思っているから。

(吉田豪)「巨悪! 潰すべし!」って。

(掟ポルシェ)「なんか儲かっていそう。クッソー! これで高井麻巳子、美味しいものを食ってるのか!」って。

(吉田豪)ねえ。ちょっとね、美味しい系の本は出されていますからね。そうなんですよ。だから、そのへんの誤解を解きつつ、ぼやき続ける秋元康っていうのはめちゃくちゃ面白いんだよね。「本当にさ、(元テレビ東京の)佐久間とかさ、あいつら、俺色を消そうとするんだよね。大根仁とかもさ……」って(笑)。

(掟ポルシェ)ちょっとね、佐久間さんとかも世間に自分の名前で出てくることが多くなった時。「そうなると、途端に秋元色を消そうとする」ってぼやいてましたよね。

(吉田豪)「直前まで一緒に飯を食っているのに、あいつ、ラジオで全然触れないんだよ」って。

(掟ポルシェ)「あいつ、頭いいからさ。俺色を消した方がいいって、わかるんだよ、あいつは」って(笑)。

(吉田豪)「ラジオを始めたのは、俺の力とかあるんだよ」って(笑)。

(掟ポルシェ)ねえ。いろいろ尽力されてたっていう話ですもんね。

(吉田豪)「あいつ、全然そういうこと、言わないんだよ!」って(笑)。

(掟ポルシェ)だってほら、他局のディレクターとかでしょう? それが番組を持つって、結構大したことじゃないですか。そんな無茶を通すために秋元さんがどんなことをしたのかとかも、この本の中では言ってくれてるんですけどね。

(吉田豪)なんだろう? 良くも悪くも、ちょっと人間小さい感じが出てて、めちゃくちゃ面白いですよ(笑)。

(掟ポルシェ)いや、「人間が小さい」っていうかね、やっぱりみんな、恩はちゃんと返そうよ、みたいな感じだよね(笑)。

(吉田豪)あれ、すごい好きなんだよね。なんか、すごい人間らしさが出ていて。

(掟ポルシェ)みんな、やっぱり自分の立ち位置を考えた時に、秋元さんの名前を隠しすぎだっていうことを言いたいだけでしょう?(笑)。

(吉田豪)「大根なんてさ……」みたいな(笑)。

(掟ポルシェ)みんな、だから「秋元側になった=拝金主義」みたいに思われちゃうから。「電通が絡んでいる」みたいなさ。

(吉田豪)一時期のね、「吉田豪は秋元康の犬」みたいなね。

(掟ポルシェ)そうそう。もう全て、悪のように思われてるでしょう? あれ、どうなのかなって思うよね。頭悪いなと思うんだけど。なんでもかんでも「金でしょう?」とか言うやつ。「いやいや、金儲かってたとして、それはどのぐらいの金よ? その金額、大したことなくない? 儲けようと思ったら、もっと違う仕事をしないか?」っていう話だもんね。

(吉田豪)20年前の対談というのも、あれはちょうどAKB前だったんだよね。AKB直前ぐらいで。で、掟さんの相談に普通に乗ってくれたりとかね。

(掟ポルシェ)そうなんですよ。急遽ね、なぜかやることが変わっちゃって。「ロマンポルシェ。っていうバンドを自分がやっていて……」っていう。

(吉田豪)元々、だからね、『CONTINUE』っていうゲーム雑誌の連載なので。そのへんの話とかも触れようかなって思っていたら……。

(掟ポルシェ)まあ、秋元さんといえばその当時ね、ドリームキャストを……。

(吉田豪)湯川専務。

(掟ポルシェ)やっぱりちょっとね、ダメになっちゃった直後というか。

ドリームキャストの失敗は秋元康のせい?

(吉田豪)「湯川専務は話題になったけども、ドリキャスがうまくいかなかったのは秋元康のせいだ」的なムードになっていた時期っていう。

(掟ポルシェ)だから、どちらにせよドリームキャストが売れなかったことによって、周りのスタッフがすごく気を遣ったのかな?

(吉田豪)だろうね。

(掟ポルシェ)それで、そのへんの話は当然、聞きたいじゃないですか。やっぱりドリームキャスト1社提供みたいにやってたチェキッ娘の『DAIBAッテキ!!』とかさ。

(吉田豪)これもね、説明が必要ですけども。秋元さんは「俺はチェキッ娘には関わってない」っていうね。

(掟ポルシェ)でも、その1社提供でやっていたドリキャス側の方の話を聞きたいなと思って。ゲーム雑誌だからね。それで行こうかなと思ったら、「今、ドリームキャストのことは秋元に聞かないでください」って直前に言われるっていう(笑)。

(吉田豪)それで「どうしよう?」ってなって。掟さんのロマンポルシェ。の売り出しについて相談するっていう。

(掟ポルシェ)「どうやったら売れるでしょう?」みたいな。

(吉田豪)そんな謎企画になったら、結構ちゃんと親身になってね、聞いてくれて。

(掟ポルシェ)そう。親身になって。「これ、歌詞はまあまあ、いいと思うけども。曲はやっぱり馬飼野先生とか、紹介してあげようか?」って(笑)。

(吉田豪)馬飼野康二先生(笑)。

(掟ポルシェ)本当に売れそうな人をちゃんと紹介してくれたっていう(笑)。

(吉田豪)「歌詞とかタイトルとか、これはいいよ」って。

(掟ポルシェ)そうそう。「これ、いいんじゃない? 『胸板ズッキュン』みたいな」って。いろいろ指導していただいたんですけど、その甲斐もなく売れませんでね(笑)。

(吉田豪)そして20年後になったら、ドリキャスの話も伸び伸びとしてくれて……っていうね。

(掟ポルシェ)全然、自分としては問題なかったわけでしょう? たぶん、当時から。周りが気を遣っちゃってね。

(吉田豪)そうそう。まあ、基本的には本当に「正しい知識で」っていう話で。「ドリキャスのCMはやったけれども……ドリキャスの供給が追いつかないとか、それは関係ないし」みたいなね。

(掟ポルシェ)その責任が全部、秋元さんのせいになっているっていうね。なにかうまくいかないことがあったら、「あれは秋元さんの仕掛けがうまくいかなかったからだ」って。で、うまくいったらうまくいったで「金儲けばっかしやがって!」っていう。その悪循環というか。世間的に思われている秋元康像っていうのは、あまりにも違うんじゃないのか?っていう。批判する側があまりにも、それをわきまえてないことが多すぎて。ちょっとなんかモヤモヤするわけだよね。

(吉田豪)個人的にはただね、最近秋元さんが明らかに今、ドラマに力を入れてるじゃない? ドラマの脚本とか、すごい書いていて。そのドラマに力を入れてるタイミングで、大根仁さんがね、『エルピス』で今、すごい話題になっていて。「たぶん、モヤモヤしてるんだろうな」っていう(笑)。

(掟ポルシェ)そこはね……(笑)。

(吉田豪)それは、ちょっと聞きたい(笑)。

(掟ポルシェ)どうなんでしょうね? まあ、でも秋元色は出せないジャンルでもあるのかな? ドラマとかになると。

(吉田豪)いや、でもいろいろとやっているよね。お笑いのやつはちょっと、見たよ。佐久間さんもちょっと絡んでるやつ。

<書き起こしおわり>

吉田豪 秋元康を正しく批判するために知っておきたい基礎知識を語る
吉田豪さんが2022年5月9日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中でなにかと批判されがちな秋元康さんについて、実は誤った認識に基づいた批判が目につくという件を紹介。批判をするのであれば、最低限踏まえるべき基礎知識を宇多丸さんと話していました。
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