宇多丸と日比麻音子『キングオブコント2022』浜田雅功のすごさを語る

宇多丸と日比麻音子『キングオブコント2022』浜田雅功のすごさを語る アフター6ジャンクション

宇多丸さんが2022年10月12日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中で『キングオブコント2022』についてトーク。MCを務めた浜田雅功さんのすごさなどを話していました。

(宇多丸)梅田サイファー、満点。マジで。

(日比麻音子)嬉しいな!

(宇多丸)で、さらに満点な……と言えば、もちろんコント師の皆さんもそうですし、あとは日比さんですよ。お疲れ様でしたね。

(日比麻音子)ありがとうございます。

(宇多丸)今年で何年目でしたっけ?

(日比麻音子)3年連続になりますね。はい。

(宇多丸)『キングオブコント』、ずっとやってますけど。ある意味、ここ数年でさらにまた注目度も高まって。レベルも上がって。

(日比麻音子)このコロナ禍という苦しい中を徐々に乗り越えてきて。やっぱり劇場での経験というのが芸人の皆さん、より磨かれて。ネタも本当にこう、丹念に作られたというか。で、今回は最高の人間さんというお二人、ユニットもすごくレベルの高いものを……。

(宇多丸)岡野さんはあれですよ。ある意味、ABEMA仲間ですから。矢口さんとのコンビで『火曜THE NIGHT』をやってらっしゃって。何度かお会いしてますけども。だからある意味、「こんな晴れがましい場所にあんな人が……」っていうような(笑)。あとは新しい人も来たりとかで、すごく面白かったし、レベルも高くて。でね、コントってさ、漫才とまた違うのは、ある種の演劇じゃない? 言っちゃえばショートショート演劇っていうかさ。

だから、やっぱりより集中してちゃんとその世界の約束に入らないといけないっていうか。こっちから能動的に見る度がちょっと高いじゃないですか。というものだと思って見てる時にやっぱりですね、司会のお二人。浜田さんと日比さんがですね、もちろんご覧になりながらやっているはずだけど同時に……あれ、3時間の生放送の進行ということでですね。私はわかりますよ。コントが進行してる間も、いろんな差し紙とか、耳からの指示とかで、特に時間進行に関する指示とかが絶え間なく入っていて。なかなか、そんなに集中しきれない状況だったりもすると思うんですね。

もちろん、だからそれに対して予習とかはいろいろとされてると思うんですが。でね、僕がまず、日比さんが一番感心したのは、ちゃんと進行するのはもちろんのことなんですけど、そこから返ってきました。で、そのコント師の皆さんが来て。まずは浜田さんとお話する。で、1ボケする。1笑い生まれる。で、審査に行く。そこはピリッとしますよね。で、そこからはどういう雰囲気になるのか、わかんないという中で、日比さんがですね、本当にごく自然に……去年とかもそうでしたからね。ごく自然に笑われていて。ごく自然に楽しそうにされていて。

司会進行の仕事の中、ごく自然に反応する

(宇多丸)リアルタイムで起こったことにちゃんと自然に反応されている。これね、皆さん、思ってるより難しいことですよ。やっぱり緊張しているし、集中しているし。要するに普段だったらテレビを見てゲラゲラ笑ってるだけで済むところが、そうはいかない状態にいる人が、それでも自然に笑ってるってこと。もちろん、要するにそれはリラックスできるところまで持っていってるからなのかもしれないけど。それがすごいんだっていうか。

(日比麻音子)いやー、そう言っていただけると……。

(宇多丸)だから僕は見ていて、日比さんがすごく自然に楽しそうに……まあ、楽しいんだと思うんだけど。そのモードに持っていけてるのを見て「すげえな、日比ちゃん!」って。

(日比麻音子)いや、もう本番が始まる前、実はあのドレスを着たまま、緊張しすぎてTBSをずっと徘徊してたんですよ(笑)。

(宇多丸)ああ、徘徊?(笑)。それでちょっと緊張をほぐそうと、慣れ親しんだTBS社内を?(笑)。

(日比麻音子)もうね、エレベーターに無駄に乗ったりとか。もうグルグル、じっとしていられなくて。

(宇多丸)直前が一番緊張するだろうね。

(日比麻音子)そうなんですよ。それで今回、準決勝の舞台も見に行ったりしてたんで。

(宇多丸)それはある意味、予習だよね。取材というかね。

(日比麻音子)そうですね。だから皆さんがどんな気持ちでここまで来てるかっていうのはもう、最大限に寄り添いたいという気持ちだったので。めちゃくちゃ緊張してたんですけど。まあ芸人の皆さんへの最大の拍手というか、賛辞というのは笑いだろうっていう私の中の……。

(宇多丸)でもね、それがなんて言うか、作り物っぽいというか。「笑わなければいけない」っていうことで笑ってるわけではもちろんなくて。本当に、我々みたいにテレビで見てていて自然に感じる、面白いから笑ってるっていう。それだったから。だからその境地がすごいと思って。

(日比麻音子)ああ、よかった。そう言ってもらえると……。

(宇多丸)でも皆さん、何度も言いますけど。我々が家で寝転がってテレビを見ているのとは程遠い状況ですから。だからすごい。本当に。戦場のど真ん中、弾丸や砲弾が行き交う中で、それでも自然に笑うみたいなもんよ。これは本当にすごい。そして、やっぱり浜田さん。もちろん、司会者としてね、すさまじいっていうのは言うまでもないことだけど。日比さんからちょいちょい、浜田さんがいかに現場の全てに気を配られてるかっていうのは裏話としてお聞きしたりしていて。「ああ、そうだよね」って。

で、それを意識しながら見てるとやっぱり、たとえばその審査の後にちょっと雰囲気が、温度が……とは言っても2、3度よ? 2、3度音頭が下がったところでちゃんと、グッと取り戻すかき回しを入れて。で、みんなそこにちゃんと乗っかってきて。あと、出てこられた参加者の皆さんですよね。評価されてる側も、なんなら厳しい評価が出た時には泣いたっておかしくないようなところで、ちゃんとその空気の変化に乗ってボケたり、突っ込み返したり。なんという……これはだから、あの場に出てくる人たちっていうのはこういうことだよなって。

(日比麻音子)あれ、生放送なんだよなって。ふと、やりながら「そうか。これ、生か……」って思う時がありましたね。自然であり……でも、本当にコントへの愛というか。芸人さんたちへのリスペクトっていうのが根底に熱く熱くある現場だから、こうなるんだなっていう。愛いもあるし。審査員の皆さんの愛もあるし。あんまり言いすぎると綺麗事みたいになっちゃうと嫌なんですけども。

(宇多丸)いやいや、それは綺麗事じゃなくて、綺麗なんだから。ビューティフルなんだよ。「ライフ・イズ・ビューティフル」なんだよ。だからしょうがない。いやいや、それはだからすごく感じたし。やっぱりその進行する仕事をする者のはしくれとして、「こ、これは……」という。もちろん浜田さんがすごい巨人なのは当然のこととして、その浜田さんと日比さんの本当にコンビネーション。

「笑いすぎやで!」

(宇多丸)テレビを普通に見てる限りはもちろん、ごく自然に。で、日比ちゃんに「笑いすぎやで!」みたいな。でもそれはとにかくある意味、浜田さんの僕が感心してる部分の……ある意味、視聴者へのダメ押しっていうか。自然にそれができている。そういう場だよっていう。それを一気に共有させるっていうか。そういうテクというか……「テク」って言っちゃうと嫌らしいけど。そういう配慮でもあるだろうし。

(日比麻音子)いや、本当にお心遣いだったなと思います。あのツッコミは。

(宇多丸)だから浜田さんの持ってるカメラの位置が、やっぱり高いところと低いところと。あと本当は芸人としてものすごく寄り添ってるところと、もう何個もあるっていうかさ。

(日比麻音子)タイムマネジメントとか。だから本当に、あまりに自然にやってらっしゃるので。「何人いるんだろう?」って思います。なんか、感覚が。

(宇多丸)いやいや、日比さん。あなたもです。あなたもですっ!

(日比麻音子)アハハハハハハハハッ!

(宇多丸)テレビの前のあなたもですっ! ねえ。『オンエアバトル』風にやってみましたけど。ということで、お疲れさまでございました。

(日比麻音子)ありがとうございました。

(宇多丸)あ、カレーの具が小さくなった話はね、また来週、お送りしたいと思います!

(日比麻音子)お楽しみに!(笑)。

<書き起こしおわり>

宇多丸 梅田サイファー『キングオブコント2022』テーマ曲を絶賛する
宇多丸さんが2022年10月12日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中で『キングオブコント2022』についてトーク。梅田サイファーが務めたオープニング楽曲を絶賛していました。

タイトルとURLをコピーしました