中川家の剛さんが2022年7月29日放送のニッポン放送『中川家 ザ・ラジオショー』の中で大阪で乗ったタクシーの運転手さんのしゃべりについてトーク。気持ちいい会話を生み出す運転手さんのスキルに感動したと話していました。
7月29日 #中川家ラジオショー
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(中川剛)ほんで、NGKから新大阪に向かうのにタクシーをいつも呼んで帰るじゃないですか。で、タクシーの運転手さんが……最近のタクシーの運転手さんって、あんまりしゃべらへんやんか。ほんで、こういうアクリルもあるし、しゃべりにくいんやろうね。今って。でも久々に、話しかけてくれる運転手さんで。「あら、まあ!」みたいな。NGKから乗ってるから、もちろん芸人やと思うわな。ほんなら「お兄ちゃんかいな」みたいな話を。で、早速また間違いの質問すよね。「あれ? 東京行くのん?」って。「いや、家もう向こうなんですよ」って。これ、毎回。もうセットやねん。この会話。
(中川礼二)たしかに(笑)。
(中川剛)「ああ、もう向こうに住んどるのかいな」から始まって。で、車が走り出すみたいな。ほんで「弟さんは?」ってなるわけ。いつも一緒におると思われてるから。「いや、弟はまた別で」「なんで? 兄弟で一緒に帰らへんのかいな?」までがセットね。で、車がもう20メーターぐらい進んでるんですよ。そしたらそのおじさんが「暑いでんな」みたいな。まあ、よくあるやつやね。「暑いですね」って。
だいたいこれで終わるねんけどね。「いやー、せやけど……」って珍しい、しゃべる人で。「大阪も今日、もう35度らしいで。ほんで、イギリスなんか40度やって、お兄ちゃん。言うてもしゃあないけど」って言うのよ。そのおじさん、「言うてもしゃあないけど」が口癖やねん。でも、笑わそうとしてないのよ。
(中川礼二)ああ、なるほどね。
(中川剛)ほんで後ろから俺、「勉強になるなあ」と思って。その、間とか。
(中川礼二)ああ、そのおっちゃん、運転手さんの?
(中川剛)「いやー、せやけど運転手さんも忙しいでしょう?」「いやー、そんな、お兄ちゃんみたいに行ったり来たりしは……」「いや、運転手さんも行ったり来たりしてるしてるでしょう?」「行ったり来たりなんかしてへんよ。ずっと行ったら行きっぱなしや。もうあと家、帰るだけやもん。言うてもしゃあないけど」って(笑)。
(中川礼二)ああ、面白いね(笑)。
(中川剛)もうずっと、その「言うてもしゃあないけど、言うてもしゃあないけど」ばっかり言うのよ。ほんでワーッと行って。ずっとそんな、他愛もない話をして。ほんで降りる時に「3000円いくらです」って言って。それで4000円払ったら「で、お釣りはいらんか。 言うてもしゃあないけど」って(笑)。
(中川礼二)最後に?
(中川剛)タクシーを降りる時に。もう、すごい。しばらく言うてなかったんよね。「言うてもしゃあないけど」って。
(中川礼二)そうなんや(笑)。
(中川剛)ほんで降りる時に「お釣り、いらんか。言うてもしゃあないけど」って。「ああ、ちょっと置いといたんや。『言うてもしゃあないけど』を。最後のオチにするために」って(笑)。
(中川礼二)そこだけ計算してんねや(笑)。
最後のオチで「言うてもしゃあないけど」
(中川剛)計算してるねん。いや、そういうのをさ、やっぱり大阪の人って肌で覚えてんのかな? 「あんまり言い過ぎたら、最後に効いてけえへん」みたいな。その「言うてもしゃあないけど」が(笑)。
(中川礼二)フハハハハハハハハッ!
(中川剛)「なんかしばらく言わんな」って思っててん、俺。「言うてもしゃあないけど」をそれまで5連発ぐらいしてて
(中川礼二)ああ、最初に出た時から。会話の中でね。
(中川剛)「いや、ええなと思うて。部屋の中でじっとする仕事、してみたかったわ。おっちゃん、ずっとタクシーの運転手やから。言うてもしゃあないけど」みたいな。そんなんをさんざん言うてて。だいたい北浜を過ぎたあたりぐらいから何にも言わんようになって。しゃべらんようになって。ということは、「お釣りはいらんよな」を言おう思うて、我慢してたんやね。そこ。漫才と一緒やん?
(中川礼二)はい(笑)。着く3キロ、4キロ手前ぐらいからもう考えてたんや。ほんなら(笑)。
(中川剛)「『言うてもしゃあないけど』を降りる時に言うて、オチにして降ろしたろう」って。もう俺、スカッと降りれたわ。はー、素晴らしい! 「なんか漫才、やってはったんちゃうかな? この人」って思うて。上手いのよ。しゃべるのが。
(中川礼二)余計な言葉、一切ないもんね。
(中川剛)ほんでやっぱりね、ああやってしゃべるのが上手い人はね、共通してんのはね、聞くのも上手い。ちゃんと聞いてる。言いっぱなしじゃないっていう。
(中川礼二)ああ、でも珍しいね。
(中川剛)「で、ところで兄ちゃんはどうよ?」みたいな。
(中川礼二)ああ、振ってくれるんや。
(中川剛)なんかやってはったんちゃうかな? 振ってくれたりするの。ラジオでなんかワーッしゃべってるのを聞いて。「お兄ちゃん、ところでこれ、どう思う? 俺なんかはでもな……」みたいにしゃべるのよ。ちゃんと人のことを聞いてから、自分のことをしゃべったり。自分のことをしゃべったら、聞いてみたりとか。うまいことやって。それで「言うてもしゃあないけど」のテーマの漫談でやってはるのやろうな。あの人は。タクシーで上手にしゃべってたわー。居心地、よかったですわ。だから会話がスムーズに行くから。
(中川礼二)珍しいね、ほんまに。
(中川剛)スカッとしたな。あの「お釣り、いらんよな? 言うてもしゃあないけど」って。で、バンッて開いて。スッと降りれたわ。
(中川礼二)言い終わって扉を閉めるとか、考えていたのかな?
(中川剛)いつもあれ、やってはるのかな? タクシー漫談、やってはるのかな?
(中川礼二)やってるんちゃう? でも、それはなかなかのセンスやね。
(中川剛)久々にああいう……。
(中川礼二)だいたい、言いっぱなしの人が多いもんね。
(中川剛)聞かへんねん。「なあ、ナントカカントカやもんな? 弟くん!」って。
(中川礼二)「ああ、そうですね。でも……」。
(中川剛)(さえぎって)「でもな……」とか。どんどんどんどん自分の言いたいことをしゃべってくるみたいなんやけども。ラジオの会話を入れてきたりね。ラジオ、ずっとうっすら流れていて。そこの会話に入って行ったりね。。
(中川礼二)へー! たぶん落語好きの人とかやね。そういう人って。
(中川剛)そうかもしれへんね。たぶん。えらいしゃべるのが達者やったからね。
(中川礼二)もうなんか、アマチュアで落研みたいなんでやっていたとか、そういう人かもしれんね。
(中川剛)すごいのは本当、声の強弱もすごくて。ちょっと面白いことを言う前に静かに……。
(中川礼二)フハハハハハハハハッ!
(中川剛)「この人、上手やな」と思って。でも、なんか笑かそうとしてないしゃべりが余計、引き込まれたというか。
(中川礼二)それはすごいね。緊張と緩和もちゃんと使い分けてやってんねや。すごいなー。
緊張と緩和を使い分けるトーク
(中川剛)どこでやってはったのかな? あの漫談ね。
(中川礼二)まあ大阪だけでしょうね。そういう運転手さん。
(中川剛)まあ、やっぱり東京のタクシーの運転手さんあんまりしゃべらへん。
(中川礼二)しゃべらへんね。大阪の運転手さんは1個、質問したら3つ、返ってくるからね。
(中川剛)聞いてへんのに?
(中川礼二)そういう、ちょっと違いがあるよね。
(中川剛)若い人が多いからね。東京の運転手さんは。まあ、女の人もいますしね。最近はね。
(中川礼二)女性も多いですからね。
(中川剛)あと「初めてなんですよ」もありますからね。「今日が初めてなんで。デビューなんです」みたいな(笑)。
(中川礼二)あるある(笑)。
(中川剛)「もし至らないところがあれば、どうぞおっしゃってくださいね。この道でよろしかったでしょうか? 初めてなもんですから……」みたいなのもあるしね。
(中川礼二)丁寧にね(笑)。
(中川剛)あと、「自分の家か?」みたいなタクシーもあるよね。個人タクシーとかになると。昔、カラオケ積んでるタクシーとか、あったからね。で、「どうぞお歌いください」って。後ろにマイクがバッて差さっていたのもあったんですけどもね。まあ、あんまり個性的なのはなくなってきましたよ。
(中川礼二)ああ、さすがに。そうか。昔はね、あったね。
(中川剛)全芝生のタクシーもあったしね。人工芝を敷いているの。下も上も全部。
(中川礼二)そうそう。冷蔵庫ついてたりとかも。
(中川剛)あった、あった。
(中川礼二)別になんも入ってへんけど、なんか冷蔵庫があったりとか。
(中川剛)あとね、前の座席をパンパンパンッ!って畳んでね。「そこ、足をおいてください」っていうのもあった。昔。
(中川礼二)ああ、そうなんや。「ゆっくり座ってくれ」みたいな。
(中川剛)あと、なんか図鑑みたいなのがバーッと置いてあって。いろいろ暇やったら見てくださいみたいな、そんな人もおったな。怖い人もおったしね。もうほんま、そのままやないか、みたいな。昔やで? もう20年ぐらい前やで? で、怒られるっていうね。タクシーに乗って。「歩いていけたんと、ちゃうんか?」とか。「いや、すいません」って(笑)。どんな客商売やねん?(笑)。
(中川礼二)この間まで、違うことやっていたんか?っていうね(笑)。
タクシーに乗って怒られる
(中川剛)「荷物は積むな!」って言われて。タクシーに乗る時。「トランク開けてください」って言うたら。
(中川礼二)なんでやねん(笑)。
(中川剛)「手で持っとけ!」って言われて。「怖っ!」って(笑)。
(中川礼二)そんなんあったんや(笑)。怖っ!
(中川剛)まあ、どことは言わへんけど。それは大阪ではなかったんですけど。
(中川礼二)ああ、大阪じゃなかったんや。そうなんや。
(中川剛)違うねん。まあ、近くの県や。怖かったわー! 「荷物、入れるな! 手で持っとけ!」って。「はあ、すいません……」って(笑)。「○○まで行ってください」「歩いて行けたんちゃうんか?」って。ありましたね。いろいろとありましたども。いや、本当に感動しましたね。
(中川礼二)それはすごいね。そのしゃべりはね。「言うてもしゃあないけど」おじさん(笑)。
<書き起こしおわり>