Creepy Nuts『日本語ラップ紹介ライブ in 大阪城野音』を振り返る

Creepy Nuts『日本語ラップ紹介ライブ in 大阪城野音』を振り返る Creepy Nutsのオールナイトニッポン0

Creepy Nutsのお二人が2022年7月11日放送のニッポン放送『Creepy Nutsのオールナイトニッポン』の中で『日本語ラップ紹介ライブ in 大阪城野音』を振り返っていました。

(R-指定)俺らはちゃんと大阪城へ合流しまして。『日本語ラップ紹介ライブ in 大阪城野音』をやったわけです。皆さん、お集まりいただいてありがとうございました。素晴らしいイベントでしたね。

(DJ松永)やっぱりさ、この『日本語ラップ紹介ライブ』はさ、本番……毎回、意図せずめちゃくちゃ熱いライブになって終わるんだよね。

(R-指定)当日もね、「我々のこの番組にはキモいイベントとキモくないイベントがあります。今回はキモくない方のイベント。我々の本業の方、音楽活動の方のイベントです」って言って始めてみたものの、想像以上にもう激アツ。

(DJ松永)なんかもうちょっとさ、ラジオイベントだから。そのラジオっぽい温度感でやろうっていう想定なんだけど結局、普通の音楽ライブみたいな内容になっちゃうんだよね。

(R-指定)全然熱かったよな。普通に。

(DJ松永)いやー、よかったね。今回は775さんとフィーチャリングでDOZAN11さん a.k.a 三木道三さんとMC TYSONとSHINGO★西成さんが来てくれたんですけどもね。もう、もちろん全員ライブがかっこよくてね。ずっと脇から俺らは見させてもらったけど。

(R-指定)素晴らしかったですね。これね、だからホンマに来た人はわかるかもしれないですけど。それこそ、775さんのライブが始まってね。もちろん、めちゃくちゃ会場をロックしてるんですけど。DOZAN11さんも出てきて。で、ライブが終わったら俺らのトークのパートになるわけですよ。でも、その前にDOZAN11さん、1曲で客演やったんですけど。このレゲエって、曲が盛り上がったら一旦、「プーローッ!」って曲を止めるんですよ。盛り上がりかける寸前で。

それでもう1回、「もっと盛り上がれ!」って煽ってからやるっていうやつがあるんですけど。その「プーローッ!」っていうのを775さんとの曲の時にやって。「おっ、コマゲンや!」って。「もう一度」を「コマゲン」って言うんですけども。「コマゲンするんや」って思ったら、その前に三木道山ボイスで「ハッピバースデー、トゥーユー♪」って775さんをお祝いしたりとか。そういうね、サービス精神もあって。

で、それがMCでライブ終わった後に775さん、DOZANさん、我々Creepy Nutsでしゃべってる時にも、それを発揮されてというか。俺と松永さんが「いやー、775さん、素晴らしかったですね」って。775さんの話をして。で、「いや、DOZAN11さんも……」って言った瞬間に「おっ、ちょっと待って」みたい感じでバーッと俺らのところに来て。なんか「ええ加減そうな俺でも しょうもないラジオ放送嫌いねん♪」みたいな。ちょっと替え歌して。急に。あれ、ヤバかったね!

(DJ松永)ヤバかったね!

(R-指定)むちゃくちゃアツかった。

生『Lifetime Respect』

(DJ松永)やっぱりさ、ああいう本当のレゲエ……ラバダブ文化だからさ。とっさにああいうサービス精神がすごいよね。もうお客さん的にもさ、まさか『Lifetime Respect』が聞けるとは思ってないのにさ。で、俺の方に向かって三木道三さんが急に『Lifetime Respect』のね、Creepy Nutsオールナイトニッポンバージョンをアカペラで歌ってくれてて。で、ラバダブってさ、ステージ上の人がさ、レゲエDeejay同士でさ、歌い合ったりとかするじゃん? その時にめっちゃ目を見て……バトルみたいな感じでさ、会話みたいな感じするじゃん? だから、三木道山さんが俺らの目を見て『Lifetime Respect』の俺らバージョンを歌ってくれるっていう。もうあれ、本当に鳥肌立ったよ、俺。「なんじゃ、これ!」みたいな。

(R-指定)いや、なんか俺もラッパーでステージで……そのラブラブってね、レゲエで言うところの、ヒップホップに置き換えるとMCバトルやったりオープンマイクやったり。厳密に言うと全然ちゃうんですけど。ちょっと自分の持ちネタとか、即興とかを組み合わせてちょっとその場でセッションをして、みたいな感じなんすけど。やっぱりラバダブで急に即興でその『Lifetime Respect』来られて。本来やったら、なんか一緒にかぶせていったりとかしたかったんすけども。あんなに……カラオケで歌ってるご本人が目の前で歌っていたら邪魔ができなくて。俺はもう、棒立ち。

(DJ松永)なんかさ、本当に食らいすぎてさ。呆然としちゃって。あの時に。

(R-指定)呆然としてしまう。俺ら、リアクションできてなかったっすよね? いや、あれはすごかった。

(DJ松永)あれ、見てほしかったな。会場にいた人とか、配信で見てくださった方はわかると思うけどさ。

(R-指定)で、そこからその次。今度はもう、ちゃんと向き合ってラップをかまし合うというMC TYSONと。MC TYSONはもちろん、バーっとライブをかますんですけど。その中で俺と客演させてもらった『I Need』っていう曲をやらせてもらいまして。あの日、ライブ初披露やったんですけどね。いや、かなりあれ、ライブ映えしますね。

(DJ松永)ライブ映え、してたね。まあ、同い年で。大阪だけど、めちゃめちゃ人間的なバックボーンが真逆な2人が10年以上の時を経て、2人で一緒に曲を作るみたいなストーリーがあるんだけど。まあ、その対比が余計、ライブで……その歌詞プラス目視でね。ビジュアルの対比とも相まって、やっぱりすごいライブ映えしてたよ。

(R-指定)あれ、楽しかった。

(DJ松永)だからTYSONとRの『I Need』を聞いて、すごいその対比、2人のコンビもなんかいいなと思ったから。本当にジブさんとDさんみたいな感じで『末期症状』からの『ICE PICK』からの『MASTERMIND』みたいなことになってほしいなっていうのはすごい思うんだよね。

(R-指定)やりたいな。めっちゃ。やっぱりTYSON、ラジオに出てくれた時のノリとかもライブのMCで言ってくれたりとかして。めちゃくちゃやっぱりライブ巧者というか、サービス精神がみんな、あるね。

(DJ松永)あるね。うまい人はうまい。で、TYSONはね、すごいファミリーを連れてきてて。仲間たち、TYSONチームを。えっ、TYSONの車、見た? 金子さん、見ました? マジで? えっ、俺は見てねえわ。

(R-指定)リハでね、青と銀色のエスカレードで大阪城野音にビューン!って入ってきて。そのドデカ車を会場の横にグンッてつけた状態でバーッてやってきてリハして。それでもう1回、乗って「メシ、食いに行くわ」ってまたバーッて出ていって。

(DJ松永)マジで!?

(R-指定)矢沢リハをやっていたわ。

(DJ松永)矢沢リハ(笑)。マジで!?(笑)。矢沢のリハするバージョン?

MC TYSONの矢沢リハ

(R-指定)だからヒップホップ的にはたまにああいう、あっち系の人はそのカマし外車で乗り付けてサクッとやって出ていくみたいなのはあるんすけども。ニッポン放送のスタッフはみんな、慣れてないから、恐れおののいてて。「えっ、この車ってどこかに動かしてもらったりした方がいいんですかね?」とか言ってて。「いやいや、そのままで」「えっ、これ、一応警察に……?」「いや、警察は違いでしょ?」って(笑)。

(DJ松永)全員、受け止めきれなくて。理解不能で(笑)。

(R-指定)その目の前に、イベントの会場にいかつい外車がおるという現象に対応しきれてなくて。「いや、全然。そのままで大丈夫ですよ。全然、全然。また戻ってくるんで」って。

(DJ松永)うわっ、俺、それ見たかったー!

(R-指定)で、俺は灼熱の喫煙所でずっとこう、「あっつー」とか言いながら……(笑)。

(DJ松永)フハハハハハハハハッ! お前がなんとかしてくれって(笑)。

(R-指定)この差ですよ。で、『I Need』ですよね。でも、TYSONにも「お前の格好、スタッフさんと見分けがつかへんな」って言われて(笑)。

(DJ松永)うん、俺も思ってた(笑)。「あれ? R、どこ?」って(笑)。

(R-指定)いや、でもそれで熱いライブをカマしてくれて。だからあいつさ、あの感じのゴリゴリのをやって。それで最後にさ、奥さんとか家族とか子供の曲とかね、あいつ……。

(DJ松永)最近結構そういう曲、シングルでポンポンと出しているけど。全部いいんだよな。TYSONの子供の歌とか。

(R-指定)いいんだよね。メロディーもいいしね、歌詞も真っ直ぐやし。

(DJ松永)そうそう。声にパンチがあるから、オートチューンとも相性いいし。そう。やっぱり本当に初期の頃はさ、サビはそれこそSHADYさんとか入って。で、TYSONがバースを毛って、みたいな感じだったけど。もう途中からTYSONがメキメキ進化していって。

(R-指定)とんでもないメロディーメイカーやったっていう。

(DJ松永)サビもいけるし、歌もいけるし、メロディーもいいのを書けるし。あんないかつい見た目してるけど、割と実は五角形タイプだったっていうね。

(R-指定)めっちゃバランスいいのよ。で、SHINGOさんですよね。SHINGO★西成さんですよね。我々の大先輩。

(DJ松永)大尊敬する大先輩。人としてもラッパーとしても本当に尊敬してやまない。

(R-指定)ねえ。まあ当日も言いましたけども、生であの人のライブを見て、まあ食らわん人はおらんっていうか。まあ、ヒップホップを見たことがない人でもたぶん、そもそもね、聞き取れる日本語でかつ、それが関西弁で、おもろい言い回しで。リズムもたぶん生でラップの演奏やとマジで日本トップクラスに入るSHINGOさんのなんというか、太さ。グルーヴ、間とか……。

(DJ松永)そう。あの人はグルーヴがエグいんだよな。ライブを見てても、曲のグルーヴから曲の繋ぎのMCまで、そのしゃべりも全部演奏にしか聞こえない。全く途切れないし。ずっと乗れる。で、すごくきれいに次の曲に行っていて。で、すごいあの人さ、1曲1曲が幅が広いじゃん? ジャンルの。むっちゃしっとり、もうピアノしか後ろに流れてないような。そんなピアノ1本でボーカルだけの曲もあれば、むっちゃアップテンポの曲もあって。ライブ向きの曲もあれば、トラップもあるじゃん? 本当、多種多様なBPMとグルーヴの曲なんだけど、全部きれいにに繋がるのね。あの人のMCと……まあ、もちろん曲順もあるんだろうけどさ。あの人のしゃべりのグルーヴが本当にすごいと思う。あの人、普段からじゃん。普段から接してても、めちゃくちゃリズムがあるんだよね。会話に。

(R-指定)そう。なんか1秒たりともその、SHINGO★西成じゃない瞬間がないというか。ホンマに普通の日常会話があれっすもんね。

(DJ松永)日常会話からもう、ずっと俺には演奏してるようにしか見えない。普段のしゃべりから。で、Rはよくメールするかもしれないけど。あの人、メールもそうじゃない?

(R-指定)そう。メールもね、結構パンチラインが……。

(DJ松永)歌詞みたいなさ。

全てがラップになるSHINGO★西成

(R-指定)そう。ちょっと韻を踏んできたりするんですよね。なんかその、「休むことも仕事のうちやから。それ、無理せず、ぼちぼち、焦らず、腐らず、諦めず……」って。なんかちょっとリズムがあったりして。で、「R-指定な、お前はそのステージをパッと見渡せる、まあるい視点を持ってんねやから、頑張っていこう」みたいな感じで。なんかね、あの人はラップになるんですよね。

(DJ松永)すごいよな。で、俺、金子Dから聞いたんだけど。リハで10分ぐらいずっと、SHINGOさんがそんな感じでずっとフリースタイルしながらリハしていたんだって。それはR、見たの?

(R-指定)ああー。ええとね、でも結構ね、毎回、フリースタイルっていうか、SHINGOさんはなんか、歌の感じとかもマイクチェックしたり、音も……言ったら「PAさん、ここ、もうちょっと太いのをバーンとください。バーンとくれたら俺もガツンと乗っていけるんで。それがグルーヴ、いい感じになりますんで。よろしく。ラパッ!」みたいな感じで。そんな感じなんですよ。そのスタッフさんのしゃべり方もSHINGOさんのまんまみたいな。

(DJ松永)だから全部ずっと、演奏だもんね。なんかRの持論で俺が聞いて、「ああ、たしかにな」って思ったのが、「永遠に無限にフリースタイルしていいですよって言われて、長時間クオリティーが高いの叩き続けれる人。西はSHINGOさんで東は漢さんだ」って言っていて。俺はそれを聞いて「たしかに」って思って。普段の会話とラップが一番地続きの人たちだと思って。

(R-指定)そう。だからビートとか流さずに。「Bring the shit!(ドゥクドゥク……)」とかなく、アカペラとかで「一生、なんでもいいんでラップしててください」みたいなことを言ったら、たぶん一生できるのはホンマに漢さんとSHINGOさんで。漢さんはああいう独特のあの声でずっとしゃべってるんですけど。漢さんもなんかライブとかでも、そこでトラブルとかがあっても「おう、DJ、止めてくれ。今、俺が口の中、サハラ砂漠みたいになってるから。テキーラショットを所持している人間、ゴンフィンガーを上げてくれ。今日はマトリがいても警察の息子がいても関係ねえぞ。上がっていくんだ。新宿スタイル。すげえ面倒くさい。それが漢 a.k.a GAMI」とかってなんかつなげるんですよ。

(DJ松永)全部超うまい! 「テキーラショットを所持」って(笑)。

(R-指定)「テキーラショット所持している方、手を挙げてください」って(笑)。「なんかずっとしゃべってもしょうがないからさ。なんかこんな感じでスタッフも『巻け、巻け』って言っているけど、俺が巻くのは大麻とポリスだけだ」とかって言って、めっちゃ上げるみたいな。すごいんですよ。

(DJ松永)本当にだから根っからなんだね。普段から使っている言葉からずっとラッパーっていう。

(R-指定)だってSHINGOさんの伝説では1回、どっかのクラブで停電になって。真っ暗になって音が出なくなって。それで30分、アカペラで繋いだっていう。30分、アカペラであの調子でずっと盛り上げ続けたっていう。

(DJ松永)それで「絶対にできる」って思っちゃうしな。それを聞いても。「そりゃできるだろうな、SHINGOさんは」と思って。で、絶対に誰も飽きない。なんならめっちゃブチかます30分になってるだろうなと想像つくもん。容易に。

(R-指定)いや、ホンマにとんでもないイベントになりましたね。だからSHINGOさんとの8年ぶりに一緒にね、『灯取虫~ヒトリムシ~』という私のソロ時代の楽曲を。フィーチャリングでSHINGOさんにやってもらってる曲もできたし。

(DJ松永)そう。それこそMCでもしゃべってたけど。そのさ、『灯取虫~ヒトリムシ~』をSHINGOさんと2人でやった時。その8年前っていうのは、もうRのワンマンで。その時、R-指定っていうソロ名義だけどバックDJは俺がやっていて。一緒にやっていて。それでUMBとか2連覇した後に満を持して出したアルバムだったんだけど、ワンマンでお客さんが……。

(R-指定)100もいなかったですね。100人以内ぐらい。何十人ぐらいだ?

(DJ松永)ゲスト、招待を入れて70とか。で、200キャパの箱でそんぐらいだったんだよ。で、もうやっぱりSHINGOさんが来てくれて。それでいろいろと経て、あの場でもう1回、『灯取虫~ヒトリムシ~』をやるっていうのはいろいろ感慨深いもんがあったね。

久しぶりに『灯取虫~ヒトリムシ~』で共演

(R-指定)その時のアルバムのグッズで出したTシャツをSHINGOさんがわざわざ着てきてくれて。

(DJ松永)当日ね。

(R-指定)で、その曲をやった後とかもMCとかで「なあ、R。お前、このTシャツ、悔しいのとか、いろんなのが染み付いてるやろ?」みたいなことを言ってくれて。「もうそんなの、泣くからやめてください。ちょっと、待ってください、SHINGOさん!」って(笑)。

(DJ松永)SHINGOさんと会うだけで泣きそうになるもんな。

(R-指定)会うだけで泣きそうになった。ホンマに。いや、いいイベントなりましたね。キモくない方のイベントが大盛り上がりしました。

(DJ松永)大盛りあがり。キモくない方がいいよ。イベントはキモくない方がね。

(R-指定)いや、ホンマに皆さん、ありがとうございました。

<書き起こしおわり>

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