ずん飯尾 40代から売れた秘訣「とにかく人に甘える」を語る

ずん飯尾 40代から売れた秘訣「とにかく人に甘える」を語る 川島明のねごと

ずん飯尾さんが2022年5月15日放送のTBSラジオ『川島明 ねごと』に出演。40代からブレイクした飯尾さんがその秘訣として「とにかく人に甘える」ということを話していました。

(川島明)いや、でもめちゃくちゃ忙しいでしょう? ホンマに。

(飯尾和樹)いや、これもう本当によく言うんですけど。20代の頃ね、暇すぎて床ずれするぐらい寝ていたからね。背中がなくなって起き上がったぐらいの。だから平均して今、チャラですね(笑)。

(川島明)今、チャラ? あの時に寝すぎて、今仕事がありすぎて。

(飯尾和樹)だって20代の頃だって、テレビの仕事もあれば、劇場もあったでしょう?

(川島明)ああ、そうですね。baseよしもととか、営業も全部あって。ちょこちょこテレビも出してもらってましたから。ありがたい話、まあ仕事がない時期って実はないんですけどもね。俺らはね。

(飯尾和樹)動いているでしょう? 俺たちはほら、月1回の事務所ライブ以外さ、テレビの仕事がなかったら本当に何もないから。だからやすなんか、見栄を張って。ネタ合わせをさ、「打ち合わせ」って書いているタイプだったからさ。スケジュール帳に。「なんでネタ合わせを打ち合わせって書きたがるんだろう?」っていう。「○」に「ネ」でいいじゃんね。ネタ合わせなんだから。

(川島明)でもプラマイゼロっていうか、むしろマイぐらい。働きすぎてるんじゃないかなと思って。

(飯尾和樹)いやいや、とんでもない。本当に……でも毎日毎日ね、あの暴れる食材を(笑)。

(川島明)毒食材を(笑)。

(飯尾和樹)すごいよ。ウナギどころじゃないよ。ヌルヌルもしたりとか。大変だよ。

(川島明)縦長のフグみたいなね。毒もあるし。美味しいんだけどね。

(飯尾和樹)うん。あれを調理できるのはやっぱり……川島亭しかいないでしょう。あの料理を出すのは。

(向清太朗)本当にそうですね。

(飯尾和樹)予約が取れないっていうんだから。もう行きたいよ、本当に。

(川島明)でもそれこそホンマに飯尾さんが……僕らが『いいとも!』とか見てる時からずっといるじゃないすか。いくつですか? 『いいとも!』のレギュラーは?

(飯尾和樹)32の時ですね。だから20年前。

(川島明)ずん前ですか?

(飯尾和樹)ずんを組んですぐ。

(川島明)ああ、ずんを組んですぐ?

(飯尾和樹)だいたいこういう仕事をする時に反対している親ね。母親とか。「じゃあわかった。30まで好きな事やって、30で芽が出なかったら辞めて仕事してくれよ」「だったらいいよ!」っていうんでやってね、32でずんを組んで好きなことをやりだしたっていうね。もう嫌な長男坊。

(川島明)家族泣かせ(笑)。

(飯尾和樹)そう。その分ね、妹と弟が安定してるから。まだそっちに目が行ったからよかったものの、俺が一人っ子だったらもう大変でしたよ。本当に。

(川島明)好きなことをやってるっちゃやっているんですね。

(飯尾和樹)もう好き勝手な人生ですよ、本当に。

(川島明)その前から、ずん前から……。

(飯尾和樹)La.おかきっていうコンビを組んでいて。La.おかきでネタをやって、あの頃はもうテレビもね、たくさん深夜番組がたくさんあって。

(川島明)景気良かったですね。

(飯尾和樹)そう。本当によかった。

(向清太朗)僕、だって素人で。広島出身で、お笑い見たいけど、あんまりないなっていう時にその『カボスケ』っていう番組で……。

(飯尾和樹)あっ、嬉しい! デビュー番組!

(向清太朗)もうめちゃくちゃ、あれ月金の帯とかでやっていたんで。それでLa.おかきさんってめっちゃおもろいと思ってたんで。

(川島明)絶対に関西にはいないタイプですよ。

(飯尾和樹)嬉しいですね! もっと早く出会いたかったな。こんな子守唄、ないでしょう?

(川島明)『カボスケ』?

(飯尾和樹)『カボスケ』、知らない?

(川島明)全く聞いたことないです。

(飯尾和樹)フジテレビさんで。ウンナンさんの、15分ぐらいの番組だよね?

(向清太朗)そうですね。

(飯尾和樹)夜の11時から20分ぐらい……。

(川島明)それは収録?

(飯尾和樹)ロケ。「この日は南原さんチーム」とか「内村さんチーム」とか。金曜日だけはよゐこが担当してて。

(向清太朗)で、その時に若手だった、まだホンマに出だしのロンブーさんとか、ココリコさんとか。

(飯尾和樹)あとTIMさんとか。

(向清太朗)その並びでLa.おかきさんも出てて。めっちゃはまってて、めっちゃおもろかったっていう、その印象で覚えてるから。だから、めちゃくちゃ早くからテレビ出てるイメージですよ。

(飯尾和樹)あれは25の時で。でも、あの『カボスケ』貯金が3年ぐらい。『カボスケ』の余韻で仕事ができたのが。で、飛距離が足りず、池ポチャ(笑)。

(川島明)芸能界、池ポチャ(笑)。

(飯尾和樹)一打、戻ったんじゃないかな? 後ろに。

(向清太朗)一打後ろに戻る(笑)。

(川島明)それでLa.おかき解散?

La.おかき解散

(飯尾和樹)そう。俺が28になる時に解散して。で、天野がLa.おかきから取って、「La.ピン太郎」ね。ピンになるから。それでやってみようって、鳴かず飛ばず。全然。だから、残っていたレギュラーは本当、TBSラジオさんのキャイ~ンのラジオ。それもさ、ディレクターとかが「お前、これ、ギャラだけじゃ食べていけないだろうから、作家という名目でちょっと足してやるから。会議で社員の情報とかね、何をやるかとか、一緒に話そうよ」っつって。そういうもう、本当にクラウドファンディングみたいな感じでね。

(川島明)かっこいいことを言っていますけども、だいぶみんなに甘やかされて?

(飯尾和樹)そう。本当にそうなのよ。優しい。「弁当を持っていけ」とか。本当、うちに後輩も居候していましたよ。

(川島明)それでいつ、やすが来るんですか?

(飯尾和樹)やすはね、1個下の後輩なんですよ。

(川島明)えっ、飯尾さんの方が先輩?

(飯尾和樹)先輩。ヘーシンクっていう、お互いに元柔道部同士、相方として組んで。で、アントン・ヘーシンクっていうオランダの選手かな? そこから取ったコンビ名でやっていて。売れかけたんですけど、相方がやっぱり結婚して。ということで長野県の実家に戻ってお父さん会社を継いじゃって。でも今ね、週1でその人、地元のテレビ局でタレントやってましてね。ロケに行ったりして。

(川島明)ああ、元相方が?

(飯尾和樹)そのロケ企画にやすも月イチで通ってるっていう。呼ばれて。

(川島明)複雑な関係(笑)。

(飯尾和樹)そうなんですよ。それでやって、やつと32になる時かな? やすも解散しちゃって。で、浅井企画の在庫品ですよね。

(川島明)在庫抱き合わせ(笑)。

(飯尾和樹)在庫品。だからよく言われたのは「リンスとリンスが組んだ」っていう。泡立たない。

(川島明)泡立たない。ツルツル。

(飯尾和樹)向さん、泡立たないんだ。川島くん。

(川島明)汚れが落ちない(笑)。

(飯尾和樹)で、その時に出会っていれば……キャイ~ンはほら、もうテレビに行っちゃったから。

(川島明)売れるの早かった。

(飯尾和樹)ライブでなんか、一緒にならないじゃん。だからその時にこういう後輩でさ、料理名人がいればさ、もうちょっと早く……。

(川島明)泡立たないのに(笑)。

(飯尾和樹)そう。髪がベタついて終わったっていう。

(川島明)特にいい匂いではなかった?

(飯尾和樹)なかったのかもしれない(笑)。それで、そしたら関根さんの舞台にカンコンキンで毎年、出させていただいて。そこに『いいとも!』のプロデューサーの皆さんが見に来ていて。その舞台で関根さんとの共演が多かったですよ。コントライブなんですけども。あの時の局のノリで。「『いいとも!』、出しちゃう?」みたいな。

(川島明)勢いがあった時代や。

(飯尾和樹)そうそう! 「やっちゃいましょう。面白いじゃないですか!」って。案の定、『いいとも!』に一発目、出してもらいましてね。終わってからあの当時、FAXとか電話で「あの人は誰ですか?」ってすごく……。

(川島明)めちゃくちゃ思いましたもん。急に「ずん飯尾」っていうタスキをつけて。関西なんてもっと知らないじゃないですか。失礼ながら。『いいとも!』とか『ボキャブラ』だけが東京の笑いを接種できる場だと思っていて。ある日突然、「ずん飯尾」っていうタスキを「本日の主役」みたいな感じでつけて、いるんですよ。「この人、スポンサーの息子なのかな?」って。「ずん」っていう、なんか和菓子の会社かなんかの。「ずん飯尾」ってずっとつけたまま、笑いを取るという。

(飯尾和樹)名前が知られてないから。「タスキをつけちゃおう、つけちゃおう!」なんて。「じゃあ、慣れるために前説をやってから本番に出よう」って。やりましたね。

(川島明)そういう感じでしょう?

(向清太朗)そんだけやって、でも年齢で言うといくつぐらいから今の忙しさになるんですか?

(飯尾和樹)40ちょっと過ぎ。

(向清太朗)ほら! 僕、今41なんですね。もう2になる……。

(川島明)じゃあ、一緒や。

(向清太朗)そうなんすよ。

(川島明)今、おいくつですか?

(飯尾和樹)今、53。

(川島明)53。だからこの10年ぐらい、今の位置までにグッと来て。だから、タモさんとかと一緒よね。そのへんから売れるって。

(飯尾和樹)いやー、でも売れ方が尋常じゃないよね。タモさんね。36から『いいとも!』とか言っていたけども。そこから……。

ちょうど40代ぐらいからブレイク

(川島明)ちょうど40代ぐらいからブレイク。だから向さんが今、一番目標にしないといけないのは飯尾さんです。

(向清太朗)飯尾さん。もうなんか心得ひとつ、ください。売れたいんです!

(飯尾和樹)心得?

(川島明)まず向さん、マイナンバーがないですからね。

(向清太朗)そういう意味ではね。マイナンバーの心得を……。

(川島明)飯尾さんはマイナンバーのコマーシャルで、マイナンバーを広める運動もあるけど、向さんはまだ2ケタですね?

(飯尾和樹)まだ2ケタ? 結構あれ、ケタ数あるんだけどな?

(川島明)「66」ですね。「66」。

(飯尾和樹)偶数だ!

(向清太朗)「偶数だ」って……。

(飯尾和樹)ゾロ目?

(向清太朗)ゾロ目がどうでもいいですよ(笑)。ちょっと、教えてください。なにか、本当に。
(川島明)これは聞きたいな。飯尾さんの枠で売れたい芸人、死ぬほどいるから。

(飯尾和樹)「とにかく人に甘える」ですね。

(向清太朗)人に甘える?

(飯尾和樹)俺、もうだから憧れがあって。パーン!って出ていって。1人でもね。で、パーッとウケて帰ってくるみたいな。それになりたかったけども、なにもできなくて。で、できるやつは結構、もう20代で売れていると思うんですよ。ある程度は。

(川島明)まあ、レジェンド全員、20代で売れてますよ。

(飯尾和樹)そう。でもできないんだってことでもう、今日も川島くんを中心に2人に甘えてますから。こんな斜め45度に座ってるやつ、いないでしょう? この何とかしてくれる方向に素直に……野球もそう。胸が向いている方にボールは行くっていうから。ずっとやり取りして「滑った」って思ったらすぐにMCを見る。「どうにかしてください!」って。やっぱり人間ね、サインを出さないとわかってくれないから。だから……。

(川島明)「なんにもないことを認める」っていう?

(飯尾和樹)そう!

(向清太朗)なるほど。

(川島明)「特技がないんだ」ってことを早めに認める?

(飯尾和樹)そう。俺、「何ができるんだ」って書き出したことがあるの。

(川島明)ああ、自分の特徴を?

(飯尾和樹)俺、震えたよ。「なんで引退してないんだろう?」っていうぐらい。

(向清太朗)フハハハハハハハハッ!

(川島明)ちなみに、その時はなんて書いたんですか?

(飯尾和樹)最初、「得意」って書いて。「まあ、あれだな。大喜利だな」っていうけど、だんだん「得意って言っていいのか?」みたいな。もうひとつ、項目を増やして。「好きなこと」に変えて(笑)。

(川島明)バイトの履歴書でも好きなことなんて書かないですよ(笑)。

(飯尾和樹)でも、そうですよ。だからいわゆる「大人数の前がちょっと苦手だ」みたいな。

(川島明)「ひな壇が苦手」っていう。

(飯尾和樹)そういうのとか。だから「トークに縦列駐車できない」とか。パーッと入ることができない。そう書いたら、「えっ、なんで包丁も握れないのに料理のところに入ってるんだ?」みたいな。

(川島明)ただ、食うのは好きみたいな(笑)。

(飯尾和樹)食うのは好き。でも生魚も触れないみたいな。「大丈夫か?」みたいな。「いや、ダメだ。じゃあ、もうあれだ。甘えよう」って。MCから言われたことは何でも、滑ってもいいから何でも答えるっていう。で、ダメだったらもう、甘えた方がいい。

(向清太朗)甘える。

(飯尾和樹)理想の笑いの取り方ってあるじゃないですか。自分が思い描く。

(川島明)それこそ松本さんみたいに静かにしてて。「どうですか?」って一言でバーン!って。それで番組、終わりっていう。

(飯尾和樹)そう。一発で決める。そんなのはないんですからね。もう。破壊力がないんですから。

(川島明)それはもう、やめた?

(飯尾和樹)もう何でも……ウケたらいいっていう。もう中年芸人が滑った。それをフォローしてウケたっていう。これでもいいじゃないですか。だって、滑ったことに関して川島くんが突っ込んでくれて、それでウケけたらもう、それでいいじゃないですか。ねえ。

(川島明)みんなの手柄ですからね。

(飯尾和樹)そうそう。そしたらもうそれに合わせて「アハハハッ!」みたいなのをかぶせて。あいがけ、あいがけ。

(川島明)その僕がなんか言ったことに対して、もう1回かぶせようとか、そういうことじゃないんですね?

(飯尾和樹)いや、かぶせてもいいんですよ。かぶせて「もう引っ込んでください」って言われたら、引っ込む時になにかやればいいし。そしたら、これはあんまり大きな声じゃ言えないんだけど。「川島と飯尾って、相性いいな」と思ってくれるんですよ。

(川島明)なるほど!

(飯尾和樹)で、「川島が楽しそうだな」ってなったら、これはもう!

(川島明)だから、最初そうですよね。関根さんの……。

(飯尾和樹)そうそう! 関根さんは喜んでいて。「こいつ、面白いです」って。

(川島明)でも、飯尾さんを呼んだら関根さんの機嫌も良くなるからって、番組も呼んでいたという。

「相性がいい」で番組に呼ばれる

(飯尾和樹)そうそう。それを言ってくれた本番が終わって2時間後ね、スタッフは「どこが?」って思ってるかもしれないけど。それはしょうがない。「関根さんが言うからな……」とか。絶対にそうでしょう。これだって、2人で楽しくさ、向先生をこねこねしてくれていたらさ。

(川島明)まあ、可もなく不可もなく、いつも通りの私が出ているという。

(向清太朗)いやいや、違う、違う!

(飯尾和樹)今、マイナンバーひとつになったんじゃない?

(川島明)マイナンバー1個? 「6」?

(向清太朗)10分の1だな(笑)。

(川島明)向の「む」。

(飯尾和樹)向の「い」の「1」だ。

(向清太朗)数字の語呂合わせでマイナンバーカードなわけがないですよ(笑)。違う、違う。川島さんはよそ行きの……。

(川島明)でも向さんはもう1個、わらじを履いているのでややこしいんです。これ、アニメ界ではなんか「頼れるMC」みたいな感じでやってるんで。

(飯尾和樹)ああ、専門職があるのね?

(川島明)専門職があって。もう1個、学校に通ってるんです。だからバラエティ界における向さんってのは非常にいいポジションで。もう負けることもできるしね、いじられても笑いで返せる。ツッコミもできるんだけども。もう1個のアニメ界に行った時になんか、八頭身みたいな顔をしてるんですよ。スーンって。

(向清太朗)フハハハハハハハハッ!

(飯尾和樹)スーパーモデル? ええっ? ランウェイ?

(川島明)ランウェイスーパーガール!

(飯尾和樹)マジかよ!

(川島明)これが見てられない。声優さんがね、かわいらしい美人な声優さんとか、若い男前の声優さんとかが向さんが拾ってくれるから、まあ嬉しいんですよ。なので「向さん、向さん!」ってなるんです。で、ファンの方も「あの方が出てくれたら盛り上げてくれるから。テレビ初めてでも大丈夫」みたいになる。そうしたらもう、どんどんどんどんスタイルがよくなっていって。8等身。でも全部、顔ですよ?

(向清太朗)トーテムポール(笑)。

(飯尾和樹)「あ、上から三つ、笑顔だな」みたいな。

(川島明)「二つ目はまんじゅうだぞ?」みたいな。

(向清太朗)顔じゃないんか(笑)。

(川島明)ということで、飯尾先輩の技を今日は盗んでね。

(向清太朗)今日はいろいろと見させていただきます。

(飯尾和樹)とんでもない。本当に。

<書き起こしおわり>

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