土田晃之 上島竜兵を追悼する

土田晃之 上島竜兵を追悼する ニッポン放送

土田晃之さんが2022年5月15日放送のニッポン放送『土田晃之 日曜のへそ』の中で亡くなった上島竜兵さんを追悼していました。

(土田晃之)さあ、ということでね、毎週オープニングの恒例のツッチーの1週間なんですけども。今週はね、なんか、まあ特に何もなかったですね。うん。まあ、ちょっと、強いて言うとね、悲しい出来事があったんですけど。もう皆さん、リスナーの方たちもね、気にされていて。メールなんかもくれていましたけども。あの、バナナマンの日村さんがウォーキングの最中にね、煮卵と赤飯のおにぎりを買って。それが奥さんにバレちゃうんじゃないかって言ったんすけど、日村さんから連絡が来まして。「バレて怒られた」という風に言っておりました。

あっ、それじゃない話ですか? あれですか? ああ、俺のボスが死んだ話ですか? ああ、そうですね。そうなんです。もう皆さん、ご存知の通り僕のボスがちょっと死んじゃいましてね。まあ、この番組でも新年一発目の放送だったりとか、あと年内最後の放送だったりとかにね、毎年上島さんと肥後さんが来てくれていまして。なんならもう1年に2回もたぶん、出てくれていたりとかしてたと思うんですよね。で、いろいろ調べてもらったら、この番組の最多出場のゲストが上島さんと肥後さんということで。

以前にはね、ゴールデンウィークに日比谷公園とかで公開生放送でやった時なんかも、そのリスナーの皆さんもいっぱい来てくださって。そこでね、やっぱりダチョウさんのお二人と一緒に番組をして、大変盛り上がって番組を作っていったんでね。本当にリスナーの皆さんにもお世話になったということなので。ちょっとこの番組のリスナーの方々にはちゃんと報告しなきゃなとこの数日、思ってたんですけど。

まあ、本当に残念なんですけども。で、そもそもね、なんかこの1週間、いろんなニュースとかやってたらしいですけども。僕らの関係性ってやっぱりちょっと不思議だなと思っていて。これ、普通の仕事の人だと、なかなかちょっとないんだろうな。こういう関係性はと思って。特殊な仕事だっていうのもあるんですけど。よくまあ、事務所の先輩・後輩っていう風にね、言われるんですけど。もちろんそれはね、そうなんですよ。先輩・後輩なんです。

もちろん最初はそれだけの関係だったんですけど。今はね、それだけじゃなくて。もう本当に僕にとって、友達だしね、恩人だし、親友だしね。あと、兄貴だし、もう親なんです。本当もう、単純に家族なんですよね。で、その家族っていうことなんで、利害関係もなく、普通に楽しく、みんなで集まっているのも……だから20年以上、こうやって普通に集まれるって、なかなかないと思うんですよ。どんだけ仲のいい学生の友達とか、職場の先輩とかで仲良くても。俺ら20年以上、こんなにね、キャッキャキャッキャ集まってやってたんで。あと「利害関係がない」っていうのが素敵だなと思っていて。

利害関係がない関係性

土屋:ダチョウ倶楽部とね、一緒に仲良くしてても、特にダチョウさんが冠番組を持ってるわけじゃないんで。我々も呼ばれることもないんでね。だからってほら、よく俺らもネタで。「ネタを拾いに行ってる」なんて言ってたけど。それだけだったらこんなに長く続かないですよ。本当に僕ら、もう上島さんと肥後さんっていう人に惚れて。やっぱり一緒にいるのが楽しかったんでね、20年以上一緒にいたんで。そんな家族がね、亡くなってしまったんですけど。

ここからちょっと僕のね、この数日の経験というか、話なんですけど。僕、上島さんが亡くなって3回、会うことができたんですけど。最初はもう、亡くなってすぐに。本当にありがたいことに、病院に行くことができたんですけど。まあ、びっくりしたのがね、改めて「ああ、コロナ禍なんだな」と思って。行って……その行くタクシーの中でもね、上島さんの携帯とかに連絡したんです。僕が。もちろん、返ってくるわけもなく。「いやー、これ、マジか……」と思いながら。東京の夜景を見ながら。もう涙も止まらないわけですわ。

で、病院に着いてもずっと泣いてたりしてたんですけど。上島さんにはすぐに会えなくて。で、やっぱりコロナなんで。「万が一、亡くなられた方がコロナに感染した場合は……」っていう話を病院の方からされて。「ええっ?」って思って。で、たしかに以前、志村さんとかもそうだったって聞くんですけども。コロナとかで亡くなられたとすると、感染していたってなると、そのまま火葬だったりとかで、遺族の方も会えないとかっていうのがあったと思うんですけど。

「ああ、そうなのか」と思って。そう思いながら、いろいろと話を聞いたりとかしてたんですけど。そしたら1時間ぐらいしたら、「検査の結果、陰性だったので対面できます」っていう話になって。「ああ、よかった」と思ったんだけど……なんか、そこに向かって歩いていく時に今、会っちゃうとなんか現実を突きつけられてる感じがしちゃって。ちょっと俺、耐えられないんじゃないかなと思って。「嫌だな」って思ったんだけども……まあ、でもこんな恩人に会わないわけにもいかないんで、会おうと思ったんだけども。でも、その後に思ったのが「もし、苦しい顔とかしてたらどうしよう?」って。

だけど、対面することができたんですけど、本当ね、のんきな顔して寝てたんですよ。もうなんか、拍子抜けするぐらい。もう本当、いつもの寝顔で。やっぱり本当……本当、少しだけだけどちょっと救われたなと思って。でもみんなも泣いてたんだけど、ちょっと半笑いというか。「本当、のんきな顔して寝てますね」なんて。で、もうみんな、今にも起きそうだっていう感じだったんで。「ねえ。ちょっとこれ、台から落としてみます?」なんつってね。みんな、もう泣きながらよ。泣きながら、そんな冗談を言いながら。

で、俺はその時にね、上島さんの手を握らせてもらうことができたんですけど。なんか改めて握ると、もう散々、生きてる時とかもね、腕相撲をやったりとか、飲んでる時にもじゃれあったりとかしてたんだけど。なんか「ああ、こんな男らしい、ゴツゴツした手をしていたんだな」と思ってね。もう何回も触って。で、今までの感謝を伝えていたんですけど。

でもその時に話してたのが、やっぱり上島さんって元々ね、番組なんかで一緒に出ると、なんだろう? 流れ的にさ、「このフレーズを言ったら絶対ウケるよ」っていう時があるじゃないですか。で、みんなやっぱりそのフレーズを言うんだけど、上島さんはやっぱりバカだから、全然関係ないことを言って。「いやいや、この流れ、そっちじゃないだろう?」みたいなのがあるわけですよね。そういうのが多々あって。「上島さん、いつも簡単な2択で間違えるから。最後の最後も、本当に簡単な2択を間違えちゃったんだろうな」っつって。ねえ。そっちに行っちゃうと全然みんな、楽しくないよと思いながらね。本当ね、そっちじゃねえんだよな、なんて思いながら。

いつも簡単な2択で間違えていた

(土田晃之)でも本当、僕マジで思ってるのが、たぶん上島さんが亡くなってから数日、経ってますけど。俺、もう毎晩っていうか、毎日、絶対にあの世で志村さんにこっぴどく怒られてると思うんです。もう。「お前、何やってるんだ?」ってたぶん絶対、言われてるから。で、たぶんね、志村さんは江戸切子のロックグラスを持ちながらね、片手にタバコ。で、たぶん静かなトーンでね、ずっと上島さんに「お前、何やってんだ?」って言って。

で、上島さんもたぶん萎縮しながらね、「すいません」って言ってるのか目に浮かぶんで。で、きっとその後にはね、2人で楽しそうにお酒も飲むんだと思うんでね。僕らもいずれ、まあ、何十年後かですかね? 亡くなった時は一緒にね、また飲めたらいいななんて思ってるんですけど。で、そんな話をね、昨日デンジャラスの安田さんとちょっとしてて。「なんかそう思ったら『一生会えない』とは思わないから、なんかちょっと俺はホッとしていて」って話してたら、「でもそうしたら、俺らが死ぬのは普通に80代だとした時に、上島さんは今、61だから。そうするとみんな、俺らの方が年上になっているから。ひょっとしたら上島さん、ずっと『俺は子分肌だ』って言っていたから、ちょうど竜兵会はバランスが取れるんじゃないか」ってね。本当の竜兵会はたぶん数十年後に始まるなって思いながらね、みんなでそんな話をしておりました。

まあ、もっといろんな話がしたいなと思うんですけども。まあ、もう皆さんもね、リスナーの方たちとかも衝撃を受けてる方も多いと思いますんで。まあね、こういう、他にもいろんな話あるんですけども。それがもう笑ってね、話せるようになったら、またいろんな話をしたいなと思っております。まあ上島竜兵ってね、優しい男がいたんで皆さん、忘れないでいてください。ということで、この日曜のお昼のね、ほのぼのした番組の冒頭に、こんな話、申し訳ございませんでした。

<書き起こしおわり>

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