ハライチ岩井『ガラピコぷ~』最終回を語る

ハライチ岩井『ガラピコぷ~』最終回を語る ハライチのターン

ハライチ岩井さんが2022年4月7日放送のTBSラジオ『ハライチのターン!』の中でNHK Eテレの『おかあさんといっしょ』内で放送されていた『ガラピコぷ~』の最終回について話していました。

(岩井勇気)この間、3月でね、ちょっと好きだった番組がひとつ、終わったんですけど。見てたかな? Eテレのさ、『おかあさんといっしょ』の中の人形劇の『ガラピコぷ~』。見てた?

(澤部佑)見てた!

(岩井勇気)ドンピシャの世代だろ?

(澤部佑)見てたよ。子供が。

(岩井勇気)それで近年、一番キャラがかわいくてさ。たまに録画したりなんかして見てたんだけども。リアタイとかもしてたんだけども。だから、あれが3月30日に最終回だったんですけど。その5回前ぐらいからちょっと朝、リアタイするようにしててね。終わり方、これを見ていないと思いますけど、すごかったんですよね。

(澤部佑)へー!

(岩井勇気)この『ガラピコぷ~』っていう人形劇、ウサギのオレンジのチョロミーっていうキャラと、オオカミの青いムームーっていうやつと、ロボットのガラピコっていうね、3キャラが出てくるんですけど。最終話の直前の放送でガラピコが……ガラピコってね、宇宙船で宇宙からしずく星っていうこの舞台のところに不時着して。それで帰れなくなっちゃったみたいな最初の話があるんだけど。で、ガラピコの背中に絶対押しちゃいけないスイッチみたいなのがあって。それを最終回の2個前ぐらいの話でチョロミーが押しちゃうのよ。

で、最終回の前の話でガラピコが動かなくなっちゃって。そしたら、ガラピコから「チョロミー、聞こえる?」みたいな声が聞こえてくるわけ。そしたら、その声というのが未来で博士になったチョロミーの声なの。ウサギの。で、ガラピコっていうのは元々、その最終話の直前の話だと未来のチョロミーが過去のチョロミーに「最高の友達を作ってあげたい」と思って送り込んだロボットで。それでこれ、一応伏線があって。ムームーのことはガラピコは「ムームーちゃま」とか呼んでるんだけど、チョロミーのことは「チョロミー」って呼び捨てにしてるのよ。

普通に、だから未来でつながっているから。で、ガラピコの記憶は未来のチョロミーが過去に送る時に消してるからないんだけど。未来のことはわかってない状態でガラピコは来ているんだけども。でも「チョロミーなら押しちゃいけないスイッチを絶対押すだろうな」と思って……みたいな感じのことを、まあ自分だからわかっていて。で、「これからうまくいかないことがあるけど、たぶん大丈夫だから」みたいなメッセージが出てきて。で、そのメッセージが切れてもう1回、ガラピコが起動するんだけど。

で、ガラピコって記憶がないから。「不時着した」と思ってるからずっと「生まれた星に帰りたい」っていう風に思ってたんだよね。で、その最終話の直前で生まれた星ってのいうがそのしずく星。この星だったんだっていうことがわかったの。しかも、生みの親がチョロミー。だからいわばずっと「故郷に帰りたい」と思っていたけど、1話目からずっと『おかあさんといっしょ』だったみたいな、そういうことで。

(澤部佑)うーわ! すごっ! 『おかあさんといっしょ』だ!

(岩井勇気)すごくない、これ? でさ、そこにムームーが来て。「春祭りの準備をしよう!」って言って。それで最終話直前が終わるんだよ。で、最終話はもうね、みんなで春祭りみたいなので。楽器を演奏しながらとにかくたくさん歌って終わったんだけども。で、俺は見てたから「うわっ!」って。なんかちょっとね、終わった後の寂しさというか。「ああ、なんかよかったな……」って思ったんだけども。「でもチョロミーとムームーとガラピコにはもう会えなくなるんだな」って思って。で、なんか次の人形劇の予告とかも入ってたりとかして。「ああ、もう次に移行していくんだな……」っていう感じになって、なんかすごい寂しい気持ちを抱えてたんだけど。

もうチョロミー、ムームー、ガラピコには会えない

(岩井勇気)これが、ちょっと前、俺らは『クレヨンしんちゃん』の今度の劇場版に出るじゃないですか。で、アフレコをしましたけど。その時に、アフレコを録る時に絵コンテをもらったでしょ? 何枚も。自分らが出るところの絵コンテ。「こんな感じになります」みたいな。絵コンテって、だからそのアニメができる前段階の設計図みたいな。

(澤部佑)バーッと書いてあるやつ。

(岩井勇気)で、それをそれ書いた人の名前が一番最初に書いてあって。「久野遥子」って書いてあったの。で、俺は「えっ?」ってなって。「えっ、久野遥子さん!?」って。俺、めちゃくちゃ好きなアニメーターなの。

(岩井勇気)なんかそんなの、話していたよね?

(岩井勇気)そうそう。「俺、久野さん、好きなんですよ」って。そしたら「今回のキャラクターデザイン、久野さんなんですよ。絵コンテも」みたいな。「えっ、そうなの? すごい!」って思ったんだけども。この久野さんっていうのが2013年に美大を卒業した時の卒業制作で『Airy Me』っていう5分半ぐらいのアニメを制作してるんだよね。アニメーションで。それで俺、なんかそういう卒業制作みたいなアニメとかを見るのがすごい好きで。漁って見たりしているんだけども。そのアニメーションがめちゃくちゃよくて。俺、この久野さんのアニメーションがすごい好きだったんだね。

(澤部佑)うん。

(岩井勇気)久野さんって、すごいアングルがグルグル変わるっていうのが俺は特徴だと思ったいるんだけども。それが、実写のカメラで撮ってとかドローンで撮ってるのでは動きようのない動き方をしていて。これこそ、アニメの意味があるなっていうか、アニメのよさだなっていう風に思っていて。

(岩井勇気)で、その後にその久野さん、どんなのを作るんだろう?って追っていたら、『おかあさんといっしょ』の人形劇のオープニングアニメーションを久野さんが書いたっていうのがあって。それが、『ガラピコぷ~』のオープニングだったの。それで「見てみよう」ってなって見たら、「なにこれ? すごいいいアニメーションじゃん。しかもなんかキャラクターもかわいいし……」ってなって。それで俺は『ガラピコぷ~』を見るようになったのよ。

(澤部佑)ああ、なるほど! そこから見出してるのね!

(岩井勇気)そう。時系列で言うと、ちょっとバラバラになっているんだけども。

(澤部佑)うんうん。

久野さんのOPアニメで『ガラピコぷ~』を見るようになった

(岩井勇気)それで今週、しんちゃんの映画の完成披露試写会があったんだけど。で、川栄さんたちとやったじゃん? しんちゃんとかと。で、その前後に取材をたくさんやってるんだよね。俺たちね。で、コンビでいろいろやってさ。で、終わった後、澤部は次の仕事に行ったんだけど、俺だけもう1個だけ取材があって。

(澤部佑)ああ、やっていたね。

(岩井勇気)で、それがしんちゃんの映画の過去作についての対談で。俺とプロデューサーさん。それと久野遥子さんが来たの。その3人で話すみたいな感じだったんだけど。「久野さんだ!」って思って。来られているから。30歳ぐらいの女性の方なんだけど。で、「久野さんのアニメーション、ずっと見てます」って言ったらその俺が「好きだ」って言っているのを知ってくれていて。なんか他のアニメの取材とかで「久野さんのこのアニメがいいんです」みたいなのを言っていたのが届いてたらしいんだけども。

で、その取材をして、いろいろ映画について話して。「ありがとうございました」って。「久野さん、今後も応援させていただきます」みたいなことを言っていたら久野さんが「ちょっと、あの……渡したいものが」って。で、なんか袋に入った額をもらったんだよ。で、その時に俺は「あっ! もしかしたら俺らハライチを今回、キャラクターデザインしてもらったから。それが書いてある額なのかな?」って思って。それでパッと見たら、これが『ガラピコぷ~』のオープニングの原画だったんだよ!

(澤部佑)ええーっ!

(岩井勇気)「うわーっ! すごい! ええっ、いいんですか?」って。原画の1枚が入っていて。「いいんですか? ありがとうございます!」って言って。俺が「好きだ」って言っていることを知ってくれていて。

(澤部佑)ガラピコ好きも伝わっているっていうこと?

(岩井勇気)そうそう。だから取材とかでも「『ガラピコぷ~』のオープニングのアニメがめちゃくちゃいいんです」っていう話とかも違うところでしているから。で、それを見てさ、俺は思ったんだけども。『ガラピコぷ~』が終わって。「もうチョロミー、ムームー、ガラピコには会えないな」って思ったんだけど。久野さんがだから今回のキャラクターデザインをしてくれたじゃないですか。で、「久野さんが俺たちの絵もキャラクターデザインしてくれたことで、久野さんのアニメでチョロミー、ムームー、ガラピコの世界と繋がったんだ」って思って。俺らも久野さんのアニメになったし、『ガラピコぷ~』も久野さんのアニメになっているから。

(澤部佑)久野さんの世界の中で(笑)。

久野遥子さんのアニメでガラピコたちと繋がる

(岩井勇気)「繋がったんじゃん! うわーっ!」って思って。だからこのしんちゃんの映画で俺らが書かれたことによって、そこに繋がったなと思って。俺はその額を家に持ち帰って。それで取っておいた絵コンテをその額の後ろに入れて飾っているのよ。

(澤部佑)ああ、なるほどね! 同じ額に。世界線に。

(岩井勇気)入れて。「一緒だよ」って飾って。「ああ、なんかよかったな」なんて思って。それでまた、今回のしんちゃんの映画のゲストキャラクターの親子とお母さんと息子がいるじゃん? それがマジで、まさに『おかあさんといっしょ』っていう感じの……そういう話だよな? これは、すごくない?

(澤部佑)なるほどね! やってるね!

(岩井勇気)全部が。全部が繋がって。

(澤部佑)繋がってる! なにそれ? 誰が仕掛けてるの?(笑)。

(岩井勇気)ピタッと全部のピースがはまって。

(澤部佑)お前が無理やりくっつけたんじゃないの?(笑)。なんか、たしかにそうだな。

(岩井勇気)なんかすごい偶然なようで必然な感じがするよね。うん。それもなんか、うん。しんちゃんの映画を見てください。

(澤部佑)フフフ、そうね(笑)。

<書き起こしおわり>

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