オードリー春日 フワちゃん VS 頑固な居酒屋の親父を語る

オードリー春日 フワちゃん VS 頑固な居酒屋の親父を語る オードリーのオールナイトニッポン

オードリー春日さんが2021年11月20日放送のニッポン放送『オードリーのオールナイトニッポン』の中で地方ロケで訪れた街でフワちゃんと一緒に入った居酒屋での出来事を紹介。頑固そうな親父さんにグイグイ距離を縮めていったフワちゃんの様子を紹介していました。

(春日俊彰)昨日か。年末のね、特番のロケーションがありまして。結構、大型特番の。で、ちょっとその場所を言っていいのかわからないんだけど。ちょっと北関東の温泉地ぐらいにさせてもらいますけども。そこで、結構もう本当に全体というか。街も協力して。もう本当すごい大掛かりなロケーションをしたんですよ。で、それに行くのに早い新幹線だったからね、「前乗りができます」とチャンアライに言われて。「どうしますか?」なんて言われたから。「まあまあ、できるんだったらしようかしら?」なんて言って。それで前の日に夜に行くことにして。泊まって、朝そのままロケみたいな感じだったのよ。

で、その番組がフワちゃんと一緒でね。その前の日にエアロビの練習も一緒でさ。フワちゃんと。で、「前乗りするのよ」なんて言ったら「ああ、私もするんですよ」って言うから「じゃあ、一緒に行こうじゃないか」なんて。それでTBSからタクシーに乗って東京駅まで行って、新幹線に乗って行ったわけですよ。で、向こうの駅に22時ぐらいかな? 着いて。で、向こう着いてからちょっとメシでも食おうかなんて話をしながらさ行って、着いて。新幹線が止まる駅だから、なんかいろいろあるだろうと思って着いたら、何もないの。もう真っ暗。

(若林正恭)あるよね。そういうところね。

(春日俊彰)で、もうタクシーも駅に止まっていなぐらいで。で、番組のロケ車が来て、ホテルまで送迎してくれるというで。車が来てくれていてね。で、それに乗り込んで、とりあえずホテルの方に向かおうかって。で、チャンアライ。私のマネージャーさんもいて。で、フワちゃんの方も、あれはマネージャーさんじゃなくてスタイリストさんかな? メイクさんかな? その方もいて。4人でそのロケ車に乗ってホテルに向かっていたのよ。で、「その間にちょっとお店を探してみよう」っていうんで、探したら何軒かあったのよ。

で、時間帯的にもネットで調べた限りでは、やってるのよ。でも、このご時世的に営業時間が短くなっていたりもするじゃない? だからちょっと行っちゃってやってないっていうのもあれだから。チャンアライがね、「ちょっと電話してみます」なんて言って、何軒か電話してくれたの。で、1軒目に電話したら「ちょっと出ないです」。2軒目に電話して「ちょっとここも出ないです」みたいな。で、残り1軒ぐらいになってさ。電話して。「ああ、繋がりました」って。それで「やっていらっしゃいますか? ああ、そうですか」なんて電話をしていて。

で、「こっちは4人……あれ?」なんて言っていて。「途中で切られちゃいました」「なに? どうしたの?」「いや、やっているはやっているんです」「どんな感じなの?」「男性の、おじさんの声で。『やってますか?』って聞いたら『やってるよ!』って言われて、切られました」って(笑)。「これ、ちょっと大丈夫ですかね?」ってなって。でも、もうそこしかないのよ。「うーん、まあ……フワちゃん、どう?」って。「まあ、でもコンビニエンスで買って食べるっていうのでも全然いいですよ」なんて言っていたんだけど。

「でも、せっかく来たからね、お店がやってるんだったらそこで食べてみるっていうのも……でももし、あんまりお店的にもよろしくなかったら、我々が退散すればいいんじゃないかい?」なんつって。「そうですね」なんて言って、とりあえずそこのお店に4人で行ったのよ。そしたら、なんか居酒屋さんで。温泉街というか。他も全部、いろいろお土産屋さんとかもあるんだけど、もう全部閉まっていて。真っ暗で。そこのお店だけがのぼりが出てたりとかして、あるのよ。

それでなんかいろいろ書いてあるわけ。「本日のおすすめ」とか。で、やってるの。ちょっとなんか地下というか、階段を降りていって入り口があるみたいなところで。その階段が結構急だったからね。結構荷物が多いんですよ。フワちゃんと、スタイリストさんかな? スーツケースみたいなのがあって。「これ、どうしましょう? ここ、置けるかな?」なんて言って。入り口のところにちょっとスペースがあったから。「ちょっとそういうのも含めて、ちょっと聞いてきますわ」って私が階段を降りていって。それで見たら、引き戸で。ひとつひとつが格子っていうか、ガラスがさ、棒と棒の間に……透明のガラスで。で、下半分がくもりガラス。上半分が透明の、顔の高さぐらいので。

で、パッと見たらさ、居酒屋さん。入り口のすぐ左にカウンターがあって。長細いというか。先に長細くて、奥の方になんか席がありそうだなと。見えないけど。それで見たらカウンターにもう明らかに地元のおじさんみたいな人が1人で飲んでるんだよ。で、その後ろというか、ちょっと向こう側に白い割烹着、あるじゃん? 板前さんみたいな感じで。で、下だけのエプロンみたいなのをしてさ。頑固そうな親父さんよ。ちょっと細身の。なんか短髪のさ。で、全然盛り上がってない感じ。

(若林正恭)なるほどね。お客さんとガンガン話している感じじゃない。

(春日俊彰)話して「ハハハッ!」とかやっていたらまだね、安心もするけど。もう親父さんは腕を組んで。で、そのカウンターのお客さんもなんかちょっとうなだれてるみたいな。話してんのか何なのか、わかんない状態だったのよ。でもまあ、やっているから。そこのね感じでさ、「ご新規は……」とか「よそ者は……」みたいな雰囲気だったら……明らかに地元が人が行くような居酒屋さんだったのよ。で、ちょっと開けてさ。「すいません。あの、4人なんですけど。今から大丈夫ですか?」っつったら「ああ」って。首をさ、奥に「フンッ」って。

(若林正恭)ああ、「奥にいけ」と。

(春日俊彰)ちょっと「おっ?」って思うじゃん?

(若林正恭)ちょっと恐いね。

(春日俊彰)まあ、でも……1人とかだったら絶対、「また今度にします」って言うんだけど。4人いるし……って思って。そしたら、ちょうど降りてきてさ。3人が。「どうでした?」「ああ、なんか大丈夫そう」って。

(若林正恭)うん。なんとも言えないね。伝え方、ムズいよね(笑)。

(春日俊彰)だから「入れるって」みたいな(笑)。

(若林正恭)それは事実だもんね。

ちょっと曲者っぽい親父さん

(春日俊彰)そう。「入れるらしい」って。「でも、ちょっと曲者だぞ?」っていうことはそこでは皆までは言えないわけよ。そこに親父さんがいるから。「大丈夫。うん。入れるらしいよ」って言って。「ああ、よかった!」ってなってみんなで入っていったのよ。そしたら本当に……もう40年とか50年ぐらい、やっているんだろうね。お品書きとかブワーッて書いてあるんだけども。紙が本当に茶色く……手書きのが茶色くなっていて。なんか、その演歌歌手の方のポスターが貼ってあったりとか、吉幾三さんの何枚目のしシングルかはわかんないけど。

ポスターが貼ってあったりとか、県警のカレンダーが貼ってあったりとか。で、冷蔵庫よ。瓶ビールとか冷やすさ、あるじゃん? なんかその業務用の。で、上のそのビール会社の名前ももうすすけていて。サントリーだかキリンだかもわかんないみたいな感じになっていて。で、奥の方の座敷。左側が座敷になっていて。「ああ、お座敷あった」とか言ってね。ちょうど4人席みたいなところが奥にあって。で、入ったらさ、もう畳がベコベコなのよ。「ここ、踏み抜くんじゃないか?」って思うぐらいの(笑)。

(若林正恭)そんなに?(笑)。

(春日俊彰)そんなに。一番壁側の方。「ちょっとあんまり行き過ぎるとあれだな」みたいな。で、座布団もペラペラのさ。それでもなんか、ちょっとその古い居酒屋さんのセットに来たみたいな。ちょっとテンションが上がったの。で、ほかのチャンアライとかも「ああ、なんかいいですね。地元の人の……」なんて。で、フワちゃんも「うわっ、なんか最高! 古くていい!」みたいなことを言っているんだけども。あんまりデカい声で「すごい! こんな居酒屋、来たことない! こんなの!」とか言っているから……(笑)。

(若林正恭)あんまりね。耳に入っちゃうからね。どっちかわからないよね。まだ。

(春日俊彰)そうそう。「そうだよなー。まあ、あんまりね……」なんて言って。で、座って(笑)。

(若林正恭)でも、すごいよな。すごい新鮮に聞こえる。やっぱり東京でシステム化された店ばっかり行くから。「4人、いいっすか?」って言ったら「ああ」って。この時点でもう、しびれるね!

(春日俊彰)で、チャンアライに「あの人かな? さっきの電話の人」って言ったら「たぶんそうっすね」って。

(若林正恭)間違いないよ。そんなやつが複数人いたら、おかしいでしょ?(笑)。

(春日俊彰)でも本当、その親父さん1人でしかやってなかったから。

(若林正恭)見た目はいかついの?

(春日俊彰)あのね、ちょっと細身の板前さん。職人さんみたいな。

(若林正恭)ああ、「職人っす! 職人だよ!」みたいな?

(春日俊彰)そう。いかついんじゃなくて、細身で。

(若林正恭)細くて。「うまいもん、作ってきたから」みたいな。

(春日俊彰)みたいな感じの親父さんで。もう一番奥の席だから、もう親父さんからは見えなくなっている状態。それで、メニューが一応あったの。テーブルの上に。なんか、透明のファイル入れみたいなのに入ったやつが。

(若林正恭)ベリベリにくっついているやつ。

(春日俊彰)そうそう(笑)。本当にそうよ。テーブルから剥がしてさ。で、見たらやっぱり書いてあって。で、「まず飲み物、先に頼もう」って言って見たら、日本酒とかビール中瓶とか書いてあって。サワーとかウーロンハイ、梅、グレープフルーツとか。梅酒とか書いてあって。「これ、どうしようかな?」なんて言っていてさ。「でも珍しいね。レモンサワーはないんだね」って私が言って。梅とウーロンとグレープフルーツだったから。あと、ハイボールとか。

(若林正恭)ああ、なんかそうだね。言われれば。

(春日俊彰)生レモンサワーとかがいいのよ。やっぱり糖質とかが気になっちゃうから。あと、ハイボールとかがいいんだけど。「それがいいんだけどな……」なんて言ってて。で、フワちゃんも「どうしようかな?」とか言ってて。それでフワちゃんが「あっ!」って言って。「どうした?」「(今、座っているところの)奥のところ。あそこになんかウイスキーの段ボールとか、あるよ? レモンサワーの素とか、すごいあそこにあるんだけど」っつって。で、パッと見たら、あるのよ。ゴロゴロ転がってるの。

それで「ああ、じゃあメニューにないやつもあるのかね?」なんて話をしてたのよ。でも、わかんないじゃん? それって常連さんだけの物というか。ボトルキープじゃないけどさ。新参者、よそ者が……で、聞き方も難しいし。「まあでもビールでいいかな?」とか言ってたの。そしたらフワちゃんが「いや、でも私もここのメニュー以外のも飲みたいし。ちょっと聞いてみるね!」って言って。「すいませーん!」って呼んじゃったのよ。

(若林正恭)行くねえ。やっぱりフワちゃん、すごいね。

(春日俊彰)そしたら親父さんがジャリジャリジャリッて来てさ。「うん? 決まった? 決まった?」って。そしたらフワちゃんが「あそこにウイスキーとかレモンサワーの素があるんですけど。メニュー以外のものも、あるの?」とか聞いて。そしたら親父さんが「ないもんなんか、ねえよ!」って(笑)。

(若林正恭)フハハハハハハハハッ!

「ないもんなんか、ねえよ!」

(春日俊彰)みんな、「えっ? ええっ?」ってなって。「ああ、じゃああるんだ!」って(笑)。「ないもんなんか、ねえんだよ!」って言われてさ(笑)。

(若林正恭)かっけー! すげえ面白いけど(笑)。すごいかっこいいね。ああ、そっちの人ね?

(春日俊彰)そう。「でも、どっちなんだ?」って。キレているのか、なんなのかはわからない。でも、まあいいやと思って。「とりあえず、ビールでいいや。それでも」って。

(若林正恭)でもさ、別にそんなところを拾わなくてもいいけど。ないものは絶対にあるよね?(笑)。

(春日俊彰)いや、ある(笑)。

(若林正恭)だけど、粋だよね。

(春日俊彰)そう。それで結局、先に言うんだけども。「刺身の盛り合わせを頼もう」ってなってさ。いろいろと刺身が選べたの。メニュー書いてあるやつ。マグロだのなんだのって。で、マグロだ、カンパチだ、赤貝だって言っていて。それで私が「じゃあ、イカも」って言ったら「イカはねえ!」って。「イカ、ねえんじゃん!」っていう(笑)。

(若林正恭)いや、それはお前、聞き方がダメだよ(笑)。

(春日俊彰)グッとこらえたよ。イカは(笑)。

(若林正恭)メシはまた違うじゃん。お酒とは別ジャンルじゃん。

(春日俊彰)それはこらえたもん。言わなかったもん。

(若林正恭)でもさ、1個謎なのはさ、「ないもんなんか、ねえよ」って言うなら、なんでメニューに書かないんだよ?(笑)。

(春日俊彰)いや、本当にそうなのよ。「じゃあ書いてくれよ」っていう(笑)。

(若林正恭)めっちゃ面白い(笑)。めっちゃ面白いね、その人! 書くのがめんどいんだろうね。だから、紙には書いてあるのかもね。ないメニューは。メニュー表に載ってないものは。

(春日俊彰)いや、書いてない。どこにも書いてないのよ(笑)。見たよ、たしかに。「じゃあ、書いてあるのかもね」なんて。

(若林正恭)お店のカウンターの方にも? なかったの?

(春日俊彰)なにも書いてなかったの。

(若林正恭)お前のそのイカの聞き方はダメだよ(笑)。

(春日俊彰)いや、流れで言ったんだよ(笑)。まあ、それはあれだけども。でも、まあビールでいいやと思って。手間がかかったりするから書いてないのかな、とかさ。で、ビールでいいっていうのもあったので「じゃあ、ビールで」って言って。それでフワちゃんが「じゃあ私、梅サワーに梅干し入れて」って言って。「うわっ、行くなー!」って思って。そしたら親父さんが「おう。うん? それ、なんだ? 梅サワーに入れるのか? 梅干しサワーか? どっちなんだ?」って。たしかに。

梅サワーって、梅のシロップが入ったサワーに梅干しを入れるのか、チューハイ……焼酎を炭酸で割ったやつに梅干しを入れて梅干しサワーにするのかがわからない。で、フワちゃんは「えっ?」ってなっていて。私、親父さんが言っている意味がわかったから私がすぐに入ってさ。「フワちゃん、それはね、シロップが入った梅サワーに梅干し入れるの?」って。今の説明をしたのよ。「うーん、そしたらじゃあ、うん。梅酒に梅干しを入れて」って言い出してさ。また話が変わってきちゃうのよ。

(若林正恭)変わったね。1個ね。

(春日俊彰)そしたら親父さんが「なんだ、それ?」っつって(笑)。

(若林正恭)フハハハハハハハハッ!

(春日俊彰)話が変わっちゃったから。

(若林正恭)梅酒に梅干しを入れるっていうのに変わったから。「なんだ?」って。

(春日俊彰)「なんだ、それ? そんな飲み方、しないんだよ!」って言ってきて。で、私も親父さん側に立って。「そうだよ、そんな飲み方、しないんだよ!」って(笑)。

(若林正恭)すごいな。ヘビー級同士の対決のレフリーだよね。「はい、ドント・ムーブ! ドント・ムーブ!」だよね。2人とも、打ち合っちゃうから。

(春日俊彰)膝で間に入ったもん(笑)。

(若林正恭)「ドント・ムーブ」!(笑)。

(春日俊彰)そう言ったら親父さんが「じゃあ梅酒のソーダ割りに梅干しを入れりゃいいんだな?」って言って。「うん、そう!」って言って。それでそのスタイリストさんも一緒のにして。で、親父さん、行かれたのよ。で、「フワちゃん、あれ、ややこしいって。梅酒に梅干しって……」「ああ、そう?」なんて言っていてさ。

(若林正恭)フワちゃん、気にしないんだろうな。

(春日俊彰)で、「じゃあ料理、なんか頼もうか」って言ってメニューをもう1回見てたらさ、その刺し身のところとか、焼き物でさんまの塩焼きやらなんやら、いろいろあるのよ。肉じゃがとか。「どうしようか? でも、量がわかんないからな。あんまり一気に頼むのもな」って言ってたら、飲み物を持ってきてくれてさ。結構早く。で、「はい、ビール。梅酒の梅干し入り。あと、これお通し」って。それでドンドンドンッて3津ぐらい皿をのっけてくれて。ポテトサラダと、なんかハムと薄切りの玉ねぎのマリネみたいなやつ。あと里芋の煮っころがし。とんでもない量、来たのよ。お通しなのに。里芋もこんなもう、こぶしの半分ぐらいの里芋が1人2つずつぐらい。お通しで。

(若林正恭)すげえなー!

(春日俊彰)「うわっ、すごいね! これ、お通しですか?」なんてリアクション、するじゃん? そしたら「おう」って。「うわっ、ポテトサラダに里芋の……」なんて言ってたらフワちゃんがその里芋の煮っころがし、あまりにもデカすぎたから何だかわかんなかったんだろうね? 「これ、なに?」って聞いたのよ。そしたら親父さんが「里芋だよ。見りゃわかるだろうがよ」みたいな感じで。「ああ、これ里芋なんだ!」なんて言って。「すごい量!」「おう!」とかって言って、また行っちゃったの。それで「これは結構な量だから頼むの、大変だぞ?」なんて言って。それで刺身の盛り合わせになってさ。で、刺身と焼物が「時価」って書いてあったのよ。「これはちょっと、わからんぞ?」ってなって。「じゃあ、聞いてみるねー」なんて。でも、時価のものがいくらかなんて、そんなのキレられそうじゃん? 「時価って書いてあるだろうがよ、バカヤローがよ!」って言われそうじゃん?

(若林正恭)なるほど。流れだとね。

(春日俊彰)「聞いてみた方が早いから。すいませーん!」とかって言って。「これ、時価っていくら?」って聞いたのよ。そしたら「時価だよ!」って(笑)。やっぱり来るわけさ。

(若林正恭)春日の読み通りだね(笑)。

(春日俊彰)ただ、その後が違ったのが、「ああ、なんか好きなの選んだら、それなりに人数分のやつを作ってやるよ、お前」って。本当に(笑)。ちょっとなんか、距離が近くなって。「心配するなよ、お前」って(笑)。

(若林正恭)フワちゃんの当たりでいいんだろうね。

フワちゃんの当たりで距離が縮まる

(春日俊彰)たぶん。それでさっきのマグロだなんだって言って。「イカはねえ!」とかがあって。それで待っていたのよ。そしたら、とんでもない大皿に刺身が乗っているんだけど。その刺身が漫画のジャンプコミックスの厚みぐらいあるのよ(笑)。

(若林正恭)そんなねえだろ?(笑)。

(春日俊彰)いや、本当にあるのよ!

(若林正恭)いい加減にしてくれよ。お前、ジャンプコミックスなんて。

(春日俊彰)いや、ジャンプコミックスの厚みぐらい、一切れ一切れがあって。「うーわっ! 分厚い!」みたいになって。

(若林正恭)それ、味にも自信がないと切れないよね。

(春日俊彰)で、見た目的にすっごい新鮮な角のたった刺身で。山奥だけど新鮮な刺身なのよ。大きいし、太いし。で、みんなリアクション、「うーわっ、厚いな!」とか言っていたら親父さんが「おう、うちではまあ、普通だけどな」って(笑)。

(若林正恭)だんだん心、開いてきてる(笑)。その当たりでいい人なんだなー。

(春日俊彰)フワちゃんも「うわっ、すごい!」って写真をブワーッと撮って。「こんなの、見たことない!」とか言ってて。「いいからお前、食ってみろ」ってなって。その親父さんが帰らないのよ。見てるのよ。で、「うわっ、どれから行こう?」「私、マグロ!」とかみんなそれぞれ取って食べたらさ、美味いのよ! こんな厚いんだけど、豪快な、口いっぱいが刺身になるのよ。贅沢な。それでめちゃくちゃ新鮮で。「うーわっ、うまっ!」とかみんなで言っていたら「へっ!」って……いや、本当よ?(笑)。

(若林正恭)お前じゃん、それ!

(春日俊彰)いや、私みたいだけど。「へっ! そうだろ?」とかって言って(笑)。

(若林正恭)だんだん心を開いている(笑)。だって、その態度でそのベコベコ畳でやっていけないもん。美味くなきゃ。

(春日俊彰)いや、そうだね(笑)。

(若林正恭)でもさ、フワちゃんのすごさも感じた。

(春日俊彰)いや、すごいよ。

(若林正恭)だって俺とゴンちゃんとかサトミツで行って。ビクビクしながら食って帰ったら「うまかったけどあれ、親父さん変だったね」っていう話になるから。1歩、踏み込んだからそこのゾーンに入れたんだね。親父も見て。「へっ! うちじゃ当たり前だよ?」って。ポテサラとかもやっぱり美味いの?

(春日俊彰)美味い。全部美味いのよ。里芋の煮っころがしも美味いの。

(若林正恭)ああ、全部美味いんだ。当たりだ。

(春日俊彰)それで、厚みとか量もすごいし。お通しも全部が量、あったから。「これはちょっと他は頼めないかもな? これでもう終わりかもね。腹いっぱいになっちゃうね。これ、全部……これを食べるのも大変だぞ?」「そうっすね」なんてやっていたのよ。で、「お店には……言ってもお刺身の盛り合わせ一品しか頼んでないから。申し訳ないけど。ドリンクをもう1杯ずつ頼んで。時間も遅いし、もう行こうか」なんて言っていたら、親父さんがブワーッと来て。テーブルの上にまたドーン!って器を2つ、置いてさ。ドンドンッ!って。「えっ? いや、これ、なんすか?」「こんにゃくだよ!」「いや、頼んでないっすけど?」「いいから食え、この野郎!」っつって(笑)。

(若林正恭)かっけー!(笑)。

(春日俊彰)かっけー。刺身こんにゃくよ。「群馬のよ!」って。で、フワちゃんが食べて「うわっ、とろとろで美味しい! これ、どこで売ってるんですか?」「バカヤロー、自家製だよ!」って(笑)。

(若林正恭)フハハハハハハハハッ!

(春日俊彰)かっこいい(笑)。

(中略)

(若林正恭)今日のフワちゃんの……それ、フワちゃんがいなかったらそうならなかっただろうね。

(春日俊彰)ならなかったね。なんかあんまり、こっちがコミュニケションを取ろうとしなかっただろうから。「やめとこう」ってなってパッと頼んで、みたいな。

(若林正恭)『ドラゴンボール』の魔人ブウがさ、無邪気に接してくる子供には心を開くじゃん? 俺、あのシーンがすごい好きなの(笑)。でも、フワちゃんはそれがあるよな。あれ、なんなんだろうな? 人に対しての、なんか安心感があるんだろうな。

(春日俊彰)そうだね。開くというか。

(若林正恭)そのおじさんも、何人もいると思うよ。「あそこの親父、感じ悪いな」っていう。

(春日俊彰)いると思うよ。ちょっと癖の強い親父さん。人によったらね。いや、すごかった。

(若林正恭)俺がすごい好きなおそば屋さんの作ってる人もめちゃめちゃ感じ悪いの。で、店の空気がいつも悪くて。もしかしたら、そういうことなのかな? でも、従業員にもめちゃめちゃ厳しいんだけどね。「お前、何やってんだよ?」とか。なんか、そういう言い方じゃないの。もっと嫌な言い方だから、そういう粋で照れ屋でそうなっちゃってる感じじゃないのよ。

(春日俊彰)なるへそ。ちょっと戦わせたいね。フワちゃんとね(笑)。

(若林正恭)いやー、そうだね。でもフワちゃんが「嫌なやつだな」って思うイメージがあんまりわかないじゃん?

(春日俊彰)そうだね。いや、もうすごかったもん。だからこんにゃくを出してもらって。最終的に柿まで出してもらったもんね。「これ、食え。新潟の」とか。

(若林正恭)それ、もう好かれているじゃん。みんな、4人。

(春日俊彰)で、最後の最後は、もうタクシーで帰ろうと思ってね。ちょっと宿まで距離があるから。「タクシーって呼べますかね?」ってチャンアライが聞いたら、「このへん、タクシーないんだよ」「うわっ、どうしようかな? じゃあ、ちょっと迎えに来てもらおうか?」なんてこっち、相談していたら親父さんがパッと来て。「ああ、じゃあもう……送っていってやろうか?」って。「ええっ?」って。

(若林正恭)で、どうなったの?

「送っていってやろうか?」

(春日俊彰)それで結局、「ああ、でも悪いんで……」「帰れねえんだろう? いいよ、お前。ちょっとめんどくせえけど、送っていってやるよ」みたいな感じになったんだけども。スタッフさんと連絡がついて。ちょうど、第二陣のロケバスというか、また別の人を駅から乗せたのが来るっていうので。「ああ、じゃあ大丈夫です」って言って。そしたら親父さん、なんかすごい寂しそうだったね。「ああ、おう……」って(笑)。

(若林正恭)「送らしてくんねえのかよ、おい?」って(笑)。

(春日俊彰)そこまでは言ってないけどね(笑)。「ああ、そうか?」とか言って。めちゃめちゃ、lそこまで行ったから。本当に。私とチャンアライだけじゃ無理だね。そこまでは。やっぱりすごいなって。

(若林正恭)俺は1回、深夜に喧嘩してる2人を止めて。血だらけだったから警察を派出所に走って行って呼んだことがあるの。そしたらその片方のおじさんの、なんだろうな? 弟子みたいな感じの人が警察署に駆けつけて。俺は見た一部始終を全部、警察に説明してたの。どうなって喧嘩になって……って。見ていたから。そしたらその弟子みたいな人が「なんか、お礼をさせてください」って財布から一万円札を出してきたの。でも、俺がもう21の時とかよ。なんか受け取ったら、関係になっちゃうから。

「いや、大丈夫です」って断ったの。それで「じゃあ、タバコ吸ってください」ってタバコ1箱を渡されて。でも関係持っちゃうとよくないから。「いや、僕、タバコ吸わないんです」「じゃあ、ジュースおごらせてください!」って。それも関係持っちゃいけないってなんか聞いてたから。「いや、いいです」って言ったら「なんならおごらせてくれるんすか!」って言われたことあるよ(笑)。角刈りの……(笑)。

(春日俊彰)どうにかしてお礼はしたいんだ。お礼したすぎて怒っちゃったんだ(笑)。

(若林正恭)でも関係したらよくないんだろうなって思ったから全部断ったことがあったけど。そのおじさんは粋な人だね。ミッフィーちゃん!

(春日俊彰)この後また、夢でお会いしましょう。アディオス!

<書き起こしおわり>

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