星野源さんが2020年11月10日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で森且行さんがオートレースSG日本選手権で初優勝を果たしたことを祝福していました。
第52回日本選手権オートレース選手権優勝戦で初V。かつての仲間からも祝福の声が寄せられた。
11月4日(水) #スポーツ報知 。1部150円。駅売店、コンビニで。#オートレース #中居正広 #木村拓哉 #稲垣吾郎 #草彅剛 #香取慎吾 pic.twitter.com/TSnkFEzHID
— スポーツ報知東京販売局 (@hochi_hanbai) November 3, 2020
(星野源)それで、オープニングで何を話そうかな?ってずっと考えていたの。まだ仕事のことでは言えることも少ないし。『罪の声』の感想とか、『Gen Hoshino Singles Box “GRATITUDE”』とかね、諸々届いているので。それはあとでメールを読みますから。それで「何を話そうかな?」って思っていた時に「あっ、これだ!」っていうのがあって。嬉しいことがありまして。まあ、自分のことじゃないんだけども、ニュースを見て「わあ!」ってちょっと笑顔になったことがありまして。ちょうど1週間ぐらい前だったと思うんだけども。だから『おげんさんといっしょ』の日かな?
このラジオでは言えなかったような気がする。日にちがうる覚えなんであれなんですけど。なので今週、話しますけども。森且行さんがオートレースで初優勝をされたんですよ。それが僕、とても嬉しくて。お会いしたこともないし、お話をしたこともないんですけども。僕、森さんが所属しているというか、レースをしている川口オートレース場というのがありまして。僕は生まれた病院は浦和なんですけども、育ったのは川口市なんですよ。かなり幼少の頃に……ああ、やっぱり同じ日だったんだね。11月3日に優勝をされていて。
で、僕は川口市の芝っていうところで育っていたんですけども。その川口市芝からまた同じ川口市の違うところに引っ越して、それでその後に蕨に行くんですけども。なのでなんとなく、「川口が地元」っていう感覚がずっとあるんですよね。
それで、川口オートっていうのは地元だからっていうだけじゃなくて……僕の家は、まあ今はやっていないんですけども、ずっと八百屋だったんですよ。おじいちゃんが八百屋をやっていて。星野青果店っていう。で、親父がそれを継いで。僕ら家族も時折、そのお店を手伝っていたんですよ。で、自分の家にはお店がなくて、おじいちゃんの家にお店があったので。親父はそこに勤めに行っているっていう感じだったんだけども。ちっちゃい頃、そのお店を閉めるのだけを手伝いに行くっていうか。閉めるのを手伝って毎日、500円をもらうとか。そういう、バイトじゃないけども。ちょっとお手伝いみたいなことをしていて。
それで毎週金曜日だったかな? もしくは日曜日だったのか、ちょっと忘れちゃったんだけども。毎週1日、川口オートレース場の中にいろんな売店っていうか、食事処が山ほどあるんですけど。その中の何店舗かにうちの八百屋が野菜を卸していたんですよ。なので、毎週夜中に、そのオートレース場を閉めた後に親父と2人で野菜を運ぶっていうのを手伝わされていて。ちっちゃい頃はそれが嫌だったんだけども、でも今となっては割といい思い出で。その中で、僕は結構エッセイとかでも書いているけども。あんまり埼玉で、東京は近いとはいえ、なんとなくカルチャーに乏しいところだったんですよ。僕が育ったところは。
近所に本屋さんとレンタルCD屋があって、そこでなけなしのカルチャーをちっちゃい頃、摂取していて。で、自分があまり人とコミュニケーションを取るのが上手くなかったから。「学校が楽しい」っていうよりは家で本を読んでいる時とかゲームをやったり、音楽を聞いたりしている時っていうのがすごい楽しい時間だったんですよ。小学生の時に。で、そんな中、毎週1回、川口オートレース場に行くでしょう? もちろん、みんな閉めているから人は誰もいないわけですよ。そんな中で野菜を玄関先にいっぱい置いていくんだけども。玉ねぎ20キロとかバーッて運ぶんだけども。
その中で自分が育っていって。僕が高校生の時だったと思うんですけども。森さんがSMAPを辞めてオートレーサーになるっていう。それで森さんが川口オートに来たんですよ。で、自分はいろんなカルチャーを……テレビも好きだったし。カルチャーだったり、なんかキラキラしたもの、面白いものとか、そういうものに憧れていたんだけど、でも自分の周りには何もなさすぎて。「自分はそういうところには到底縁がないんだろうな。きっと僕はここで死んでいくんだろうな」って思っていたんですよ。
なんか、「なんとなく育って、なんとなく生きていくんじゃないかな」っていう風に半ば、諦めたような感じでいたんですけども。そんな中で学校は中高と飯能っていうところだったんで。一応、池袋を経由して電車に乗っていくんで。その中でいろんなものを摂取していけたんですけども。でも、その中で森さんが川口オートに来るっていうのは、自分の地元に芸能人的な人……まあ「元」っていうことにはなるんですけども。そんな人が来るっていうのは、なんていうかすごく目が覚める思いっていうか。東京だったり芸能界っていうものと自分が毎週行っていた川口オートというものがイーブンになった感じがしたんですよ。
いつも行っていた川口オートに森且行がやって来た
そこが、なんかどうしても自分はそれまではね、野菜を運ぶのも大変だったし。それはもちろん子供心に「手伝うのは嫌だな」っていう感じでしたけども。「芸能界とか、キラキラしていていいな」みたいな。すごい見上げている感じっていうか。「一生、縁がないんだろうな」とかって思って見上げていたものが、そこをすごくフラットに考えている森さんというのが、しかも自分の地元で僕が毎週、行っていたところに働きに来たというか、夢を持って来たっていうことがすごく、自分の意識をガッと変えてくれたんですよね。「イーブンなんだ」っていう。
「やりたいことの夢の持ち方はイーブンなんだ」っていう。それはすごく自分にとってハッとする思いだったんですよね。その中で、こっそりずっと応援していたんですけども。特に、もちろん芸能界も辞められていますから。声高に言うというよりは1年に1回ぐらいチェックしたりとか。でも、本当にちょっとだけこっそりと応援していた中で今回、念願の……20年以上やられてきて念願の初優勝で。それがしかも、自分が11月3日という『おげんさん』をやって、非常に達成感のあった日だったので。
なんかもう、ニュースを見た時に「うわーっ! やったー!」みたいな。笑顔になっちゃって。全然僕、関係ないんですけども。会ったこともないですし、勝手に親近感を抱いているだけなんですけども、非常に嬉しくなって。よかったっていうか、嬉しかったっていう感じですね。本当にめでたいなと思いましたというお話でした。そんな感じで今夜も『星野源のオールナイトニッポン』、3時までお送りしますのでよろしくお願いします。
(中略)
(星野源)そう。森さんのインタビューがYouTubeでも見れるんですけども。非常に感動的ですよね。やっぱり20年以上夢を追いかけ続けて、それを達成するのってものすごく感慨深いと思うんですけども。その優勝をした後も、バイクが競技するところから控室に入っていった後もいろんな人に丁寧にお辞儀をされていて。ああいう競技って本当に厳しいじゃないですか。ドキュメンタリー番組とかも見たことありますけど、非常に選手の方々は厳しいというか。本当にスポーツマンシップにあふれている感じというか。そういうのも見て、非常に感動的でした。なんか、グッと来ましたね。そしてすごい元気をいただきました。
森且行・優勝インタビュー
<書き起こしおわり>