安住紳一郎 千葉のすごさとまとまりのなさを語る

安住紳一郎 千葉のすごさとまとまりのなさを語る 安住紳一郎の日曜天国

安住紳一郎さんが2021年8月8日放送のTBSラジオ『日曜天国』の中で千葉県についてトーク。千葉の持つポテンシャルの高さや千葉県民のまとまりのなさについて話していました。

(安住紳一郎)女性の方からのメールです。ありがとうございます。「山といえばアルプス。アルプスの本場、スイスから毎週楽しく拝聴しています」。へー! スイスから。ありがとうございます。「少し前の放送でどういった脈絡でだったか、『山の多い土地ではよく標高を聞かれる』という話題が上がったと記憶しています」。ありましたね。あいさつ代わりにね、標高を聞かれるっていう。「スイスもまさにその通りで、以前友人に『出身地の海抜は何メートルか?』と聞かれました」。そうね。聞かれるんだね。

(中澤有美子)あるんだなー(笑)。

(安住紳一郎)やっぱりね。へー。標高が高いところの土地ではよくあることなんだね。普通の出身地の名物を聞かれるっていうのはね、わかるよね。「ああ、そうなの? 出身? 姫路? ああ、姫路城ね。おいしいもの、何かある?」なんて聞かれたりしますけども。

(中澤有美子)そうですね。

(安住紳一郎)「出身地の海抜を聞かれます。私の出身地・埼玉の海抜の高さなんて気に留めたこともありませんでしたが、『今の居住地がだいたい450メートルでしょう? 関東平野かー。どうだろう? 埼玉……100メートルくらいかな?』などと想像しながらパソコンで調べてみると、なんと海抜15メートル。自分でも想像とのギャップに驚きましたが、友人には『それってむしろ海じゃん』と笑われました。何を隠そうこの友人、スイスの山間部の出身で『1000メートル以下は全部平地』という輩。やつにかかれば関東で人気の登山スポット、高尾山もただの丘です」。そうね。高尾山って550メートルぐらい?

「そんな地形の違いを痛感させられたのは、登山の時です。私の体は海抜2000メートルを超えたあたりから酸素の薄さを察知しはじめ、2500メートルを超えると息も絶え絶え。心拍数は常にマックス。冬の持久走よろしくドドドドドッと必死で酸素を運ぼうと私の心臓は働くのですが、友人の脈を測ってみるとトック、トック、トック……とまるで軽いジョギング。この時ばかりはいつも『なんか人間って不公平だな』と腹が立ちます。1000メートルの差は大きいですね」。

(中澤有美子)そうなんだー!

(安住紳一郎)ねえ。やっぱりその場所でね、生まれた人は強いんでしょうね。

(中澤有美子)そうですか。適応しているんですね。

(安住紳一郎)よく長距離の選手がね、高地トレーニングとかしますけどもね。そうですか。あいさつ代わりにね、出身地の標高を聞かれるっていうのはなかなか日本人ではないもんね。

(中澤有美子)ないですし、私なんか浦安だからゼロとか、そんなこともよく聞きますから。

(安住紳一郎)スイスの人にはだから、それは冗談というか。もう鉄板のギャグみたいになるんじゃない?

(中澤有美子)どんな反応か、言ってみたいぐらいですね。

(安住紳一郎)「出身地の海抜は?」「たぶんゼロ……」「海じゃん! ゼロって海だよ? どういうこと?」っていう。最低でもやっぱり7、800はほしいんでしょう?

(中澤有美子)そうね(笑)。

(安住紳一郎)「1000メートル以下は平地」って言ってたもんね。そうかそうか。ねえ。まあ、千葉はだからこそ、いいんですよ?

(中澤有美子)フフフ(笑)。

(安住紳一郎)そうですよね? だって千葉は平たいからね、便利だもんね。

(中澤有美子)千葉はいいですよ。

(安住紳一郎)そうでしょう? 縄文時代から人、住んでいるんですよ。だってね。すごいんですよ。そうそう。館山のところね。本当はね、よかったですもんね。家康が意地悪しちゃったから大変なことになったけどね。

(中澤有美子)ああー。

千葉を恐れた徳川家康

(安住紳一郎)あっ、皆さんご存知ですか? 千葉の話。千葉はものすごい人が住みやすいところで。館山の方に行きますと、みかんとか取れますからね。温暖ですよね。で、標高が低いので。水の周りもいいですからね。水田なんかもたくさん作れますので、縄文時代から人が「千葉はいいね!」って住んでたんですね。

(中澤有美子)「千葉はいいね」って(笑)。

(安住紳一郎)いや、本当に「千葉はいいね」って住んでたんです。それで、お米がたくさん取れて、気候が温暖で、人がいいもんですから。当然、千葉にはものすごく勢力、力を持った部族なんかが続々出てくるわけですね。豪族が。なので、徳川家康は特にもう千葉の豪族が怖くて怖くて仕方がなかったわけですよ。なので「千葉、まとまることを許さん!」っていうことで千葉を50ぐらいの藩に分けさせて。

(中澤有美子)へー! 50?

(安住紳一郎)50ぐらいに分けたんですよ。で、「まとまり、許さない!」みたいな。で、仲の悪い武将と武将を隣同士にするみたいな。「君と君と君と、ここ。手をつなぐことは許さん!」みたいなのをブワーッとやるわけですよ。で、一番力のあった里見さんちの優秀な人をあっちの方にやるでしょう? あ、話が適当すぎるね(笑)。岡山の方に。そう。で、意地悪して。それで『里見八犬伝』とかのストーリーもそこで生まれるわけですけれども。

なので、徳川家康は千葉の団結力……千葉が団結したら一大敵対勢力になる可能性があるから。怖いからもう50ぐらいにブワーッとジグザグにして分けたんですよね。だからいまだに千葉ってまとまりがないわけですよ。

(中澤有美子)自由にやってますよ。みんな自由に、好き勝手にやっている。うん。

(安住紳一郎)ものすごく仲悪いでしょう?

(中澤有美子)悪いのかな?

(安住紳一郎)「悪い」って言うと語弊があるけど。それぞれのやっぱり元々の藩が違うから。なので「皆さん、ひとつの団体なんですよ」って言われても「いや、うちは違います」みたいなことになるわけですよね。「千葉の皆さん」って言って振り返るのは千葉市民さえも振り返らないですからね。いや、「千葉県の皆さん」って言って誰も振り返らないから。「えっ、私、松戸ですけど?」「えっ、私は船橋」「私、市川だけど?」「ええっ? いや、うちは房総ですよ」「館山です」「九十九里です」なんてね。

(中澤有美子)内房、外房(笑)。ねえ、本当に。

(安住紳一郎)「うちは匝瑳です」なんて。いや、もう全然振り返らないもん。「千葉? はあ……」みたいな。

(中澤有美子)「まあ、千葉といえば千葉ですが……」って(笑)。

(安住紳一郎)「まあ、千葉といえば千葉ですけども……」って。だから「日本国民の皆さん」みたいな感じだもんね。「日本の皆さん」「えっ、日本ですけど……?」みたいな感じになるから。

(中澤有美子)「まあ、そうかな?」って。

(安住紳一郎)どうです? 千葉の皆さん。上げられたり、下げられたり、大変でしょう?

(中澤有美子)そうなの。今ね、複雑な気持ち(笑)。

(安住紳一郎)よくわからないよね。「この野郎!」って上げた拳を「うん? う、うん……? 安住ちゃん? 安住ちゃん、千葉のこと、どう思っているの?」なんて(笑)。

(中澤有美子)「どっちなの?」って(笑)。

「安住ちゃん、どっちなの?」

(安住紳一郎)「どっちなの?」なんて。だから廃藩置県になった時に、あれですよ。千葉はだから今、ひとつの県ですけど。一番最初に作ったのは47都道府県じゃなくて、310県に分けた時に千葉県は53県分、あったんですよ。「○○県、△△県……」っていうのが53県ですよ。それをひとつの県にしたんですから、いかに千葉のポテンシャルのその高さ。ねえ。ということですよ。元々の話が何だったっけ? 千葉の標高が低いっていうことか。

(中澤有美子)そうですね。そうでした。山がないよっていう。

(安住紳一郎)山がないよっていう話でしたね。ありがとうございました。今日も、一生懸命やらせていただきます!

(中澤有美子)フフフ(笑)。

<書き起こしおわり>

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