オークラさんが2021年7月30日放送のTBSラジオ『バナナマンのバナナムーンGOLD』の中で「この夏、見た方がいいバナナマンコント10選」と題して、おすすめバナナマンコントを紹介。バナナマンの2004年の単独ライブ『Elephant pure』で披露されたネタ「Fraud in Phuket」について話していました。
【バナナマンのバナナムーンGOLD】
バナナマンがワクチンの副反応のためお休み!急遽、東京03の飯塚さんが来て下さいました。伝説と言われたあのバナナマンコントについて語っております。
7月30日(金)放送後記#bananamoon #tbsradio #飯塚悟志 https://t.co/Jzq2zmrT7e— JUNK(TBSラジオ) (@JUNK_TBSR) August 2, 2021
(オークラ)じゃあ、続き、行きましょうか。
(飯塚悟志)今、まだ4本目よ。
(オークラ)まだ4本しか行ってないの? すごいね。でもたしかに大変だった。これ、10個選ぶのがね。本当はもっと言いたいネタ、いっぱいあるのに。だいぶ外しています。じゃあ次。少し飛んで2004年の単独ライブ『Elephant pure』の「Fraud in Phuket」という……。
(飯塚悟志)ああー。俺、見てるな。
(オークラ)これね、バナナマンが1人2役やるの。プーケットに行って、奥さんとケンカしちゃって。で、奥さんが出て行っちゃったのを誘拐されたふりをしようっていう、そういう一芝居をかまして。で、そのプーケットのホテルの給仕さんと組んで。で、日村さんが奥さん。で、給仕さん役は設楽さん。旦那さん役も設楽さんで。あと、その旦那さんはプーケットまで来たのに仕事をしなくちゃいけなくなって。その仕事相手が日村さんという。この1人2役をやるっていう。
(飯塚悟志)いや、これすごいよね。バナナマンさん、たまにやるけどさ。他にやれる人、いないよ。
(オークラ)このネタに関してだけは、やる人はいないよね。
(飯塚悟志)いない、いない。できないもん。
(オークラ)これはでも、たしかにバナナマンでしかできないよ。本当に。すごいよね、これは。
バナナマンにしかできない芸当
(飯塚悟志)なんかさ、たとえばコンビならコンビで1人ぐらい、達者な人がいて。2役できる人がいたとしても、もう1人もできるってこれ、なかなかよ?
(オークラ)これ、本当に構造美でありながら、キャラクターコントでもあるし。すごいんだよね、これは。
(飯塚悟志)わかる。で、日村さんはたとえば女の人の役とおじさんの役っていう結構全然違うキャラクターをやるじゃんか。で、設楽さんはさ、結構さ、2人とも男の人なんだけど別のキャラっていう。この使い分けというか、演じ分けがすごいんだよね。
(オークラ)あの人、すごいんだよ。だからすごい人間として、いろいろ真面目に考えてる人間と何も考えていない人間っていう。それを微妙なところで使い分けてくる。だいぶそれでキャラが違うから。これはすごいなと思って。これは本当に若手の人も真似できていないね。今のところ。
(飯塚悟志)やらないんじゃない?
(オークラ)まあ、やったらやったで「あれ、バナナマンっぽすぎるもんな」みたいになるかもしれない。
(飯塚悟志)なっちゃうよね。1人3役ずつぐらいやらないと超えないよね。
(オークラ)それか相当、またシステムを変えていくとか。で、これはあと思い出深くて。実はこのネタ自体……これってすごい複雑でしょう? しかも、結構なコメディでしょう? 外国に行ってそういう事件を嘘ついて起こして。それで最終的に夫婦仲を取り戻すっていう、まあまあいいコメディで。
(飯塚悟志)なんか、ストーリーとしてちゃんとしているよね。
(オークラ)これ、その前日まで実は仕上がってなかったの。
(飯塚悟志)前日? 初日の?
(オークラ)初日の前日。どころか、もう本当に夜12時過ぎても。で、1人2役にやるっていうのもあったし、その台本もあったんだけど、要はあんまり面白くなかったの。その時点での台本がね。
(飯塚悟志)仕上がってなかったんだ。
(オークラ)そう。それで「ヤベえな」ってなって、そこから直しとかいろいろやらなきゃいけない。だけど、もう前日だからどうしようか?ってなった瞬間に、「とりあえずもう覚えられないから、あちこちにカンペが貼れるネタにしよう」ってなって。で、カンペを貼るためにまず設楽さんが仕事相手として日村さんが来た瞬間にその仕事を設計の仕事にして。それで図面を広げようってなって。テーブルに思いっきり図面を広げるの。
(飯塚悟志)図面、広げてたわ!
(オークラ)で、そこにネタのカンペ、いっぱい書けるじゃない? で、電話のやりとりをしながらメモを取るっていう風にすると、そのメモにカンペが仕込めるじゃない?
(飯塚悟志)セリフが書いてあるんだ。
(オークラ)っていう風に、いろいろそういう作業をしていたら、どんどんネタが面白くなり始めて(笑)。
(飯塚悟志)すげえな!
カンペを仕込む方向を考えたらネタが面白くなり始めた
(オークラ)それこそ、まさに三谷さんの映画みたいなことが起きて。要はカンペを仕込むためにいろいろ考えていたら、すごい構成がいい感じで転がり始めて。
(飯塚悟志)なるほどね! まず、設計図、図面を広げてっていうのはなか、コントの入りとしてちょっとかっこいいもんね。設定としてちょっと洒落てるよね。
(オークラ)それで全部……。
(飯塚悟志)それはただただカンペを見たかっただけなんだ。
(オークラ)一番デカくカンペを広げられるっていう(笑)。
(飯塚悟志)なるほどね。あんまり聞きたくなかったな(笑)。
(オークラ)でも、それによって本当に「だったら、こういうことができるよね。こういうことも……」って。
(飯塚悟志)これネタが転がりはじめたんだ。
(オークラ)それでどんどん面白くなっていって。すごい。これは本当に奇跡の夜だったなと思って。っていうのがこのネタにはあって。でも、DVDに収録されてる時は、もう全国ツアーもあったので。全国を回ってきてるからもう完全に覚えている状態なので、誰も見てないんですけど。でも、そういうことでできたネタなんだなと思うと、またちょっと違った面白さも。
(飯塚悟志)なんか若干、奇跡みたいな。偶然性みたいなのがネタ面白くすることってあるよね。たしかね。
(オークラ)これはでも、すごいよくできているし。バナナマンにしかできてないことだし。本当にいいコメディをギュッと20分、25分ぐらいに。
(飯塚悟志)トリネタだよね。
(オークラ)トリネタにまとめあげていて。すごい、見てほしいなと思います。
(飯塚悟志)やっぱり思い出深いんだ。
(オークラ)思い出深い。このへんはやっぱり。
bananaman live『Elephant pure』
<書き起こしおわり>