オークラさんが2021年7月30日放送のTBSラジオ『バナナマンのバナナムーンGOLD』の中で「この夏、見た方がいいバナナマンコント10選」と題して、おすすめバナナマンコントを紹介。バナナマンの2010年の単独ライブ『DIAMOND SNAP』で披露されたネタ「dumb cluck」について話していました。
【バナナマンのバナナムーンGOLD】
バナナマンがワクチンの副反応のためお休み!急遽、東京03の飯塚さんが来て下さいました。伝説と言われたあのバナナマンコントについて語っております。
7月30日(金)放送後記#bananamoon #tbsradio #飯塚悟志 https://t.co/Jzq2zmrT7e— JUNK(TBSラジオ) (@JUNK_TBSR) August 2, 2021
(オークラ)続いて、7個目。「dumb cluck」。これはね、2010年の『DIAMOND SNAP』っていう単独ライブのオープニング明けのネタなんだけども。ちょっと落語チックなネタで。設楽さんが天才科学者なの。で、タイムマシーンを開発したっていう。それでなんでそれを開発したかっていうと、自分の名字が「あほの」っていう名字で。それは、明治になって国から「名字をつけていいよ」っていう風になってから、その自分の先祖があほのっていう名字をつけてしまった。だから設楽さんは学校ですごいからかわれてきたっていう話なの。
だからタイムマシーンを作って、その先祖のところに行って。「その名字をつけるのはやめてくれ」って言いに行くっていう。そういう設楽さんの1人しゃべりから始まるの。すごい落語的な独白芸というか。その一方で、その先祖の話。日村さんが出てくると、それは丁稚奉公をしているような人なの。で、キャラクター的にもちょっと抜けてる人で。まさしくアホなキャラクターなの。で、「名字をつけろ」って言われても「俺、アホだからなー」って。ちょっと落語調の話し方をして。「あほのでいいや」っていう。そんなのノリで決めていたっていう。
(飯塚悟志)なるほどね。決めちゃったんだ。
(オークラ)っていうような人だったの。
(飯塚悟志)じゃあ、設楽さんの先祖が日村さんっていうことね。
(オークラ)そうそう。で、そんな中、その先祖の日村さんは結婚したい好きな子がいて。で、ちょっと忘れちゃったんだけど、その女の子がここに来るまで間か、なんかしらの間の中で、もし誰かに話しかけられたらその女の子に告白するのやめよう。もし誰にも話しかけられなければ告白をしよう、みたいなことを日村さんは決めるの。そんな時、子孫である天才科学者の設楽さんがやって来て、日村さんに話しかけちゃうの。で、話しかけちゃったから、もう将来、自分の親やおじいちゃんを産んでくれる女性と日村さんとの出会いを設楽さんはそこでつぶしちゃったわけ。
(飯塚悟志)おお、壮大な話だね!
親殺しのパラドックス
(オークラ)これはいわゆる「親殺しのパラドックス」っていう、タイムマシーン物ではよくある話なんだけども。自分が過去に戻って自分の先祖を殺してしまうという。その場合、自分は生まれなくなるじゃん? でも、自分を生んでくれたからそういう、殺してしまうっていうことが起きるわけじゃん? これがSFでは有名な親殺しのパラドックスっていうやつなんだけども。そんなようなことが起きるわけ。要は、名字を変えるために来たのに、自分が話しかけたせいで日村さんはもう将来、奥さんになる人に告白しないっていう選択をする。で、設楽さんが「うわっ、これ、どうなるんだ?」って悩み始めちゃった時にも「そんなに悩むとアホになるぞ」みたいなことを日村さんが言うっていう。
(飯塚悟志)シンプルに(笑)。
(オークラ)そういう落語っぽいオチなの。
(飯塚悟志)なるほどね。壮大な話でありながら、オチはシンプルに。
(オークラ)だからこれは「もし2人で落語をやったらどうなるか?」みたいな。
(飯塚悟志)というところから発想をしたの?
(オークラ)なのかどうかはわからないけども。そういう見方にはなっている感じ。これはすごく……バナナマンってリアルな人間芝居をやると見せかけて、結構キャラクターコントもいっぱいやるじゃない? そのキャラクターコントと、いわゆるバナナマンが好きな星新一的な世界っていうか。そういうSFショートショートの、そういうオチがあるみたいなのがちょうどよくドッキングされてるから。これは非常に見てほしい、見応えのあるネタだと思うんだよね。
(飯塚悟志)はー! いや、コントでやるような題材ではないよね。
(オークラ)そうなんだよね。
(飯塚悟志)タイムスリップを設定でやるコントってまあまああるけど。ちょっとこれ、違うもんね。
(オークラ)いわゆる、タイムマシーンでやれるお話に真摯に取り組んでるっていうか。
(飯塚悟志)そうだね。ストーリーがちゃんと壮大だし。オチもくだらない。
(オークラ)だから、意外と真面目に取り組んでいるんだよね。その題材に対して。そういうネタなんですよね。で、バナナマンってそういうの結構が多いんですよね。要するに、その設定をすかしたりとかしないっていうか。
(飯塚悟志)なんか、もう映画を見てるみたいな感覚になる時があるよね。バナナマンライブを見てると。
(オークラ)たぶん、もう普通のコントは面白くなくなってきてるんじゃないかな、このへんぐらいまで来ているとって思うんだけどね。2010年まで来ていると。だって、もうそういうのを作り始めて15年ぐらい経っているわけだから。そうすると、もうこのへんからのバナナマンっていうのは、『ノンストップ!』が始まる2年前ぐらいだから。もう、何のために単独ライブやるんだ?っていうような……。
(飯塚悟志)もうテレビで大活躍だ。
(オークラ)だから、別にウケるために単独ライブをやるっていうモードでもなくなってきているみたいな。要するに、その年1年間あった中で自分が今、やりたい面白いネタってなんなんだ?っていうモードになるから。やっぱり、そういう難しい題材にチャレンジしたくなるとか。そういうのもあると思う。
(飯塚悟志)いや、すごいよ。そのテレビで大忙しの時期にそういうチャレンジをするっていうのは相当なパワーだよね。
bananaman live『DIAMOND SNAP』
<書き起こしおわり>