東野幸治 バグルス『ラジオスターの悲劇』と芸人の出演メディアの変遷を語る

東野幸治 バグルス『ラジオスターの悲劇』と芸人の出演メディアの変遷を語る 東野幸治のホンモノラジオ

東野幸治さんが2021年6月4日放送のABCラジオ『東野幸治のホンモノラジオ』の中でおすすめ洋楽としてバグルス『ラジオスターの悲劇』を紹介。お笑い芸人の出演メディアの変遷と絡めて話していました。

(東野幸治)さあ、そして今回の曲でございますけども。バグルスの『ラジオスターの悲劇』。これを佐藤くんにぜひかけてほしいということでお願いしました。このバグルス。イギリスのバンドで1980年に『ラジオスターの悲劇』という曲がヒットしたんですけども。僕、基本的にバグルスっていうバンドはほぼ知らないです。ただ、この曲だけが有名で知っていて。ちょうどこの『ホンモノラジオ』でよく言っているのがイギリスの1970年代後半とか、なんかパンクが流行ったりとか。ハードロックからヘヴィメタだっていう時代があって。

東野幸治 Sex Pistolsとパンク・ニュー・ウェイヴを語る
東野幸治さんが2021年4月30日放送のABCラジオ『東野幸治のホンモノラジオ』の中でセックス・ピストルズやザ・クラッシュなどパンク、ニュー・ウェイヴのムーブメントについて話していました。

(東野幸治)で、そのパンクブームがちょっと収まった後に次はニュー・ウェイヴっていう時代があるんですよ。なんかようわかんないでしょう? ニュー・ウェイヴって言われても。佐藤くん。昔、「新人類」なんて言われていた、あんな感じですよ。だから新しい音楽で。シンセサイザーとか、コンピューターで使った音楽、電子音みたいな感じ。日本やったら40年ほど前。だからジューシィ・フルーツっていうバンドがいてて。当時のそういう電子音楽、音を使ったようなバンドが流行った時があって。トムキャットとか。あんな感じが一時、流行った時があったんですよ。それの始まりぐらいで。


(東野幸治)で、この『ラジオスターの悲劇』っていう曲の歌詞はビデオの出現でラジオのスターが仕事を奪われていくっていうもので。ラジオはどんどん世の中から衰退していくっていう歌詞なんですよ。で、これは1980年に出た曲なんですけど、1981年にアメリカでMTVが始まるんですよ。MTVっていうのは24時間、音楽のミュージックビデオを流すっていうチャンネル。それが始まるんですよ。で、それが後々、すごい大ヒットしてみんなが知っている曲になったりとか。

MTV、日本でもやっていたりするじゃないですか。世界中でやっているじゃないですか。そのMTVが開局して1曲目に流したのがこの『ラジオスターの悲劇』なんですよ。性格、悪くないですか?(笑)。もう完全に「ラジオの首、取ったろう!」っていうことじゃないですか。完全に。で、その開局の栄えある1曲目でこの『ラジオスターの悲劇』が流れたということでものすごい有名な曲なんですよ。

で、それを流してもらおうと思って僕、YouTubeで『ラジオスターの悲劇』を探すっていう……だから、もう次の時代に行っているんですよ。ラジオが終わってMTV、テレビの時代になって。テレビが終わって次はネットの時代、YouTubeの時代になって当時の映像を見るっていうことですから。

お笑い芸人とメディアの変遷

(東野幸治)だから、本当にお笑い芸人とか芸人さんと通じて。50年、60年前は寄席でみんな落語をしていて。「漫才師は色物」みたいな感じで。トリは絶対に落語家さんで、その間、間に手品とか、そういう色がつく、変わった感じでちょっと目を変える意味で漫才みたいなのが寄席の出番をもらって。

で、その漫才がラジオの時代になって、噺家さんも呼ぶけど漫才師も呼ぶ。で、漫才師は器用にしゃべったりするとラジオでスターになる。で、ラジオが忙しくなったら寄席で師匠に嫌事を言われて。「なんや? またお前、ラジオ行くんか? ラジオばっかりやってたらお前の芸が荒れるぞ」っていう時代があって。で、そのラジオをやっていたら次はテレビの時代になって。ラジオスターが次にテレビに行くようになって。「お前、なんや。最近テレビでクイズに答えたりしてるけど。お前、ラジオがおざなりになったらオープニングで10分もしゃべる技量がなくなるぞ?」みたいな嫌事を言われて。で、またテレビのスターになって。

で、今度はそのテレビのスターがYouTubeになっていくっていうことですから。なんか感慨深いなと思って。『ラジオスターの悲劇』というのをリクエストしたんですよ。だから絶対に……劇場も別のつぶれていないし、ラジオもつぶれていないし、テレビもつぶれていないけど、もう明らかにこれからはYouTubeの時代になる。で、この『ホンモノラジオ』。3人でやっていますけども。初期の……2速目ですけども大丈夫ですか? 1速目が劇場。2速目がラジオ。3速目がテレビ。4速、ドライブは今、YouTubeですから。ラジオは2速ですからね。我々、坂道発進ですよ?(笑)。

これ、どうなんだ?っていう。ただ、そのMTVっていうものができてから、音楽というものが聞く時代から見る時代になって。イギリスの見た目がシュッとしているアーティストがMTV、アメリカで流れるようになって、スターになって。それまではローリング・ストーンズとかビートルズとかもアメリカでライブとかする場合やアルバムを売るためにはアメリカに渡って。それで地方地方のラジオにゲストで出て。で、ライブをして。また地方のラジオに出て宣伝をして、ライブをして……っていう、演歌歌手みたいなプロモーションをやってスターになるんですけども。

でも、MTVができてからはイギリスのバンドがミュージックビデオを撮って、絵面のええ、かっこええミュージックビデオを撮って。それをアメリカのティーンが見て「うわっ、かっこいい。素敵!」ってなってイギリスから呼ばれるようになるっていう。それの代表がデュランデュランですから。デュランデュランとかワム!っていうバンドで。で、その何年後かにMTV史上最もスターになったマイケル・ジャクソンですよ。『Thriller』になるわけですよ。

だから『Thriller』でそのミュージックビデオでもう本格的に……言うたら、音楽や踊りも見せる、聞かせるけど、その前後に短編の映画みたいなものを撮って流すっていうのがヒットしていくという時代になるのですから。

(東野幸治)だからさんまさん、紳助さんがビートルズかローリング・ストーンズかわかりませんけども。イギリスを大阪とするならば、先人の先輩方はそんな苦労をして東京に行っているわけでしょう? さんまさんもコテコテの大阪弁はしゃべってないけども、コテコテの大阪弁のキャラをちょっと乗っけて。「まんねん」とか言いながらタモリさんとお話をしていたりもしてたけども。今は勝手に東京の方がYouTubeとかTVerで。大阪のテレビ番組もTVerで東京の方が見ていただいて。それでおもろいから使ってもらうという。

なんか、考えてしまうと僕はテレビ。佐藤くんはもうラジオ。2速ですから(笑)。僕はまだ3速なんで。3速ですけど……もう高速に入ったら弱いんですけども(笑)。普通の下道は問題ないんですけども。次の4速の高速。いよいよ俺、高速料金を払う言うても乗せてくれない時代が来るのかもわかりません。それでは聞いてください。バグルスの『ラジオスターの悲劇』です。どうぞ!

The Buggles – Video Killed The Radio Star

(中略)

(東野幸治)『ラジオスターの悲劇』の和訳。佐藤くんが見せてくれました。もう本当にイヤミ甚だしい……浜村淳さんには聞かせられない歌詞です。こんな歌詞でございます。「1952年に私のワイヤレスであなたの声を聞きました。目を覚まして横たわって、あなたに同情することに熱心。私が若かったから、あなたが来るのを止めませんでした。彼らはあなたの2番目の交響曲の功績を認めました。機械と新技術で書き換える。そして今、私はあなたが見ることができる問題を理解しました。

私はあなたの子供たちに会いました。彼らに何を伝えましたか? ビデオがラジオスターを殺した。ビデオがラジオスターを殺した。写真が来てあなたの心を壊した。そして今、廃墟のスタジオで会う。再生を聞くと随分昔のことにように思えます。そしてあなたはかつてジングルが言っていたことを覚えています。あなたが最初だった。あなたは最後の人です。ビデオがラジオスターを殺した。ビデオがラジオスターを殺した。私の心と私の車の中で。巻き戻せない。行き過ぎた。

ビデオがラジオスターを殺した。ビデオがラジオスターを殺した。私の心と私の車の中で。巻き戻せない。行き過ぎた。写真が来てあなたの心を壊した。VCRのせいにする。あなたはラジオスターです。あなたはラジオスターです。ビデオがラジオスターを殺した。ビデオがラジオスターを殺した。ビデオがラジオスターを殺した」。もうずっと続きます!

これをMTVの1回目で流すというMTVのイヤミっぷりね。すごい。で、今、MTVはYouTubeに取ってかわられているということ。で、YouTubeからジャスティン・ビーバーがスターになる。そういうことですよね。いやー、すごい時代ですよ。佐藤くん、今21歳やったらABCに入社してました?

(佐藤)たぶんNetflixを受けてますね(笑)。

(東野幸治)フフフ、なんかそっちの方がいろんなことをやらせてくれそうな気もしますけども。はい。すごい時代でございます。

<書き起こしおわり>

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