田中康夫 東京五輪・聖火リレースタートを語る

田中康夫 東京五輪・聖火リレースタートを語る ナイツのちゃきちゃき大放送

田中康夫さんが2021年3月27日放送のTBSラジオ『ナイツのちゃきちゃき大放送』の中で福島県でスタートした東京五輪・聖火リレーについて話していました。

(田中康夫)毎週……ほら。本当に前回も「あたおか」って言ったけど。あまりにあたおか、頭がおかしな案件が多すぎてさ。私も来月、65歳になるんですけどね。私の頭では……パソコンでCPUって言うじゃないですか。中央演算処理装置。全部中で処理をするっていう。でも、処理が追いつかないよね。頭の中のCPUが。で、冒頭で出水さんが読んでくれたので、新聞通信調査会っていう。これ、なんだ?っていうね。これ、戦争中に同盟通信社っていう、今の共同通信と時事通信と電通が一緒にやっていた……満州とかでプロパガンダとかを。だからナチスドイツの国民啓蒙・宣伝省みたいなものだったもの。で、それを引き継いだのがこの新聞通信調査会というやつで。日比谷の日本プレスセンタービルの1階にあるんですよ。

で、ここが「新型コロナウイルスが収束しない中での東京五輪・パラリンピックの開催について」って世界で調査したところ、「中止」または「延期すべき」っていう回答をした人がタイでは95.6%。韓国では94.7%。中国で82.1%。ここまで見ると、同じアジアに対してちょっと上から目線の人たちは「アジアだから言ってるんだろう?」っていうけど、アメリカも74.2%。オリンピックの放送権を持っているところが。で、日本は71.9%。これはだいたい国内の世論調査と同じ数字で。それでフランスが70.6%で一番低いっていうんだよね。

海外での調査結果

(塙宣之)「中止」と「延期」ってどっちなんですか? 「中止」?

(田中康夫)「中止と延期、どっちですか?」っていう風に聞いているんだけども。でも、この「復興五輪」って「ふっこうごりん」でしょう? で、この「っ」を取ると「ふこうごりん(不幸五輪)」になっちゃうなんて言っている人がTwitterにいて。

(塙宣之)うまいこと言った人がいたんですね。

(田中康夫)だからこの間、なんかほら、佐々木宏さんっていういろいろなコマーシャルを作ってきたっていう電通出身の方。あの方、「クリエイティブディレクター」っていう名前だったんだけど、ちっともクリエイティブもなかったじゃないですか。

(塙宣之)あのLINEのやりとり。あれ自体、流出とかっていう以前に、田中康夫さんはあれ自体も、要するに税金でやっているわけだからっていう?

(田中康夫)だって税金を使ってやることで。「いやいや、LINEは内輪です」みたいなことをよく言うけども。だけど、ある意味で公的な仕事をやっている人が「いや、お風呂の中で酔っ払って『こんなアイデア』って……」なんて。それはクリエイティブディレクター、あるのかもしれないけども。それをLINE上でいろんな人に言うってのはこれ……皆さんだってメモ帳を作ったって、舞台の上で言う時にはそれは忖度とかではなく、1回飲み込んでから言うっていう話じゃないですか。

(塙宣之)いくら、そこでダメ出しされようが、そのみんなでやっている集まりで、ああいう案を書いちゃったこと自体が問題だという。

(田中康夫)書いて、しかも言っている。それを「内輪の話が今頃出たのが……」みたいな風に援護をする人がいるけど。俺はそれはね、違うと思うよ。

(塙宣之)それ以前に……っていうことですよね。

(土屋伸之)このMIKIKOさんのも……。

(田中康夫)それで今回、これだけの数字になっても「アメリカのニューヨークタイムスとかイギリスのザ・タイムズは中止や延期を署名記事で社説で書きました」みたいな風に日本では報じられるんだけども。でも、日本のメディアって社説でそういうの、書いてないよね? で、僕はね、ずっと皆さんも思っているだろうけど。「東京2020」っていうもののオフィシャルパートナーにいわゆる全国紙四紙。読売、朝日、日経、毎日がなってるわけ。で、全国紙ではないのでもオフィシャルサポーターに産経と、あとは「今度、札幌でできればな」って思っている北海道新聞がなってるよ。

でもね、これだってね、自分たちがお金出していて……それ、読者の購読料じゃないですか。そして毎朝、新聞を配達してくれる販売店の人が届けた新聞の購読料からお金を注入してるんだったら、今こそ何らかの意思表示を僕はすべきだと思うけど。「いや、それでもやるぞ!」っていう風なご意見だってそれはいい。でもなんか、いまだに奥歯にものが挟まった言い方で。「外国ではこう言ってます」って……それはちょっと違くない?

(土屋伸之)なるほどね。

(田中康夫)と、思ったらね、これになっていない中日新聞、東京新聞ってところは「オリンピック、もう考えた方がいいんじゃない?」って言ってるんだ。もし名古屋でやるっていう風になっていたんだったら、また違うのかもしれないけども。それでこれ、すごいのがさ、この間、聖火ランナーが回ったじゃないですか。で、あの映像って皆さん、見た?

(出水麻衣)見ました。

(田中康夫)あのね、実はあの前にいっぱい、いわゆるほら、コンボイみたいなでっかい車が……よく、東京でもほら。

(塙宣之)ロボットレストランみたいなね。

(田中康夫)キャバクラとか「バーニラ、バニラ♪」みたいなのの宣伝の。でっかいコンボイトラック。それが真っ赤に塗られて。それでこれ、原田遼さんっていう記者のツイッターに動画を載っけたのよ。なにか?っていうと「最高の瞬間を楽しもう!」っていう電光表示が出て。「聖火よりも、ランナーよりも目立ってたのは先導するスポンサー車両のどんちゃん騒ぎ。大音量の音楽を響かせ、踊るわ、グッズを配るわ、マスクをしていないDJがウェウェイ叫ぶわ。どこが復興五輪?どこがウィズコロナ? 車両に隠されランナーが見えるのは少しだけ。」って言っているわけ。

聖火ランナーを先導する車両たち

(塙宣之)それはなんのためにやっているんですか?

(田中康夫)だから前回の東京オリンピックとかもやっぱり、本当に社(やしろ)。普通の子供でも老人でも、聖火を持って。まさに「聖(ひじり)」の世界だったじゃないですか。それで「これはちょっと違うんじゃない?」っていう記事を東京新聞は載っけたわけ。で、「次男が聖火ランナーの伴走者に選ばれているんだ」って71歳の人が期待していたそうなんだけども。でも、ランナーが来る前に車が30台ぐらい、警察車両も含めて通るっていう。で、そのジョージア州アトランタに本社がある清涼飲料水の会社とかがワールドパートナーだから。でも俺、この人たちもこれ、電通が企画してやっているんだったらこれ、スポンサーにも逆効果じゃないかと思うんだよね。もっとその、原点に戻るんだったら。

(塙宣之)スポンサーの見せ方がね。

(田中康夫)だからこれを通してしまうなんて……俺、その電通のCEOの山本敏博さんは前からよく知っていて、メシも食ったしさ。なんか電通の「通」が「痛」っていう字になってしまっては……日本を代表するアドバタイジング(広告)の会社としてつらいなってちょっと思ってね。

それともう1個、新聞にも載っていたけども。富岡町で第一走者をやった人が中学1年生だったの。で、彼は誇らしげにいい笑顔をしているんだけども。で、彼は隣の大熊町で育ったそうなんだけども。彼の家族は彼も含めて、3.11の後に宮城県に避難をして。10年目でこの日のために宮城県から富岡町までやってきたのね。で、さっき出水さんが読んでくれたけども。その間は福一の……あ、「1F」って言わないとプロじゃないっていう風によく怒られるんだけども。そこのいわゆる廃炉作業は中断してたっていうんでしょう? なんで中断する必要があるの? 「アンダーコントロール」されているんだったらなんで、中断するとか、そういう疑念を持たれるようなことをするのかな?っていうのが私はちょっと謎だし。

あと双葉町……これも福島県のホームページに載っているんだけども。「双葉町で聖火ランナーが回りました」っていうけど、駅のすぐ前の500メートルぐらいのところをぐるぐる2、3周したっていう感じなんだよね。そうすると、双葉町の他のところは回ってないんだよ。

だからこれ、新潟で……別に東京電力の人でも現場で一生懸命やってる人にとっては。僕、3.11の時に東京電力って……他のところの電力会社の名前は四国電力とか九州電力とか、地域の名前じゃない? だから東京電力だって本当は関東電力でしょう? だから僕は「関東電力会社を作って。東京電力は国鉄の清算事業団じゃないけれども。あの痛ましいことの清算をすることに特化をして。そこに人を入れて、そこに税金も入れるようするべきだ」って言ったんだけども。それをしなくて、いまだに東京電力が残っていて。そして新潟県知事まで。あるいは、もしかしたら僕も大変に失礼ながら「御用学者かな?」って思った原子力規制委員会の人たちが新潟のあの原発に関しては「東電には当事者能力がない」とまで会見で言うわけではないですか。

僕はこれはやっぱり、新旧の会社に分けるってことを今からでもしないと……今のままでは違うんじゃないかな?って気がする。

<書き起こしおわり>

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