安住紳一郎 印象的な名前の馬の競馬実況を語る

安住紳一郎 印象的な名前の馬の競馬実況を語る 安住紳一郎の日曜天国

安住紳一郎さんが2021年1月31日放送のTBSラジオ『日曜天国』の中で印象的な名前の競走馬についてトーク。実況例を交えながら説明していました。

(安住紳一郎)金沢市の女性の方から。ありがとうございます。「皆さん、こんにちは競走馬のスモモモモモモモモをご存知でしょうか? なかなか言えません。大井競馬場に在籍しています。実況アナウンサーはこの競争場を噛まずに3回言っていました。ただ、これを『スモモモ・モモモ・モモ』とすると簡単に言えるようになります。実況アナウンサーはカタカナ表記の表現ではなく、明らかに漢字をイメージして『李も桃も桃』と言っています。さすがの工夫ですね。そして気付いたことは高校時代の世界史でカタカナ羅列の固有名詞。これにも漢字を入れ込んで覚えれば簡単に暗記ができたのでは……』ということです。40年前に戻って検証してみたいです」という。

そうね。カタカナで……カタカナの「モ」が7つ、8つ並べられるとね、何個読んだのかわからなくなりますけども。でもちゃんと「李」と「桃」を少し離してスペースをつけると読みやすくなりますよね。競走馬。スモモモモモモモモ。うん。そうね。たしかに。

(安住紳一郎)「スモモモモモモモモ」っていうと、うん。言えないけども。「スモモモ・モモモ・モモ」っていうと言えますよね。競走馬、いろいろと名前がありますよね。有名なのだと、なんですか? ちょっとどういう経緯でつけたのかはわからないけども。レースになって実況アナウンサーが読み上げると面白くなっちゃうっていう。カタカナ二文字で「モチ」っていう馬がいましたよね。

(中澤有美子)へー!

(安住紳一郎)モチ。まあ、いいかな?って思うんですけどね。これはどういう展開になると面白いかというと……競馬が詳しい方はお分かりかと思いますけども。先行して、最後の直線200メートルぐらいで内ラチ沿いで粘っていると面白い展開になりますもんね。

(中澤有美子)アハハハハハハハハッ!

(安住紳一郎)後続馬にガッと追い込まれるでしょう? 「直線残り200メートル、インコース、内ラチ沿いにまだ2馬身のリード。モチ、モチが粘っている! モチが粘っている!」っていうとね、これは面白くなりますよね。

(中澤有美子)ここで輝くのか!(笑)。

(安住紳一郎)そこで輝くよね。「モチが追い込んだ!」みたいに追い込んでもあんまり面白くはないけどね。先行で粘ってね、逃げ勝ちしようとする時は面白い展開になりますよね。「モチが粘る、モチが粘る! 粘り勝ち!」っていう。

(中澤有美子)アハハハハハハハハッ!

「モチが粘る、モチが粘る!」

(安住紳一郎)そして見ている人のほとんどが「モチが先行で逃げ切らないかな?」ってちょっと思っているもんね。たぶん実況のアナウンサーもそのパターン、用意しちゃってますもんね。きっとね。

(中澤有美子)ああーっ!

(安住紳一郎)あとは詳しい方は、どれですか? オマワリサンっていう馬もいましたよね。

(中澤有美子)へー! そうなの?

(安住紳一郎)これも……もうね、競馬が詳しくない方でもどんな展開になったら面白いか、おわかりになりますか?

(中澤有美子)すごい今、考えている。

(安住紳一郎)オマワリサンはどういう競馬のレースの展開になると面白くなりますか?

(中澤有美子)後ろから追い詰める感じですか?

(安住紳一郎)ああー、たしかにね。でもね、馬が前の馬を追い詰めるっていう感じじゃないからね。追い抜く感じになっちゃうからね。これもね、オマワリサン号もやっぱり逃げるんだね。逃げた方が面白いかもしれませんね。うん。どんな感じになるかな? うん。「ゲート開きました。14頭、スタートしました。ダッシュよく一完歩、二完歩、グングンリード。まずは先頭きってオマワリサンが逃げています!」。

(中澤有美子)アハハハハハハハハッ! おかしい(笑)。なんか脳がちょっと混乱する(笑)。

(安住紳一郎)混乱するね。そうそうそう。

(中澤有美子)面白い!

(安住紳一郎)ねえ。「好ダッシュ、2番のオマワリサンさんがまずは逃げていきます。外から広がってハッピーヘイロー」みたいな感じ。そう。うん。

(中澤有美子)フフフ(笑)。上手ですね!

「オマワリサンが逃げています!」

(安住紳一郎)ああ、そうだ。思い出しました。25年間の部屋の整理してましたら、私の中学校当時のノートも出てきたんですけども。小学校の時のノートも出てきたかな? そしたら私がテレビの競馬中継のアナウンサーの実況を聞いて興奮した挙げ句、それをやっぱり一字一句、書き起こして、自分でそれをまとめて楽しんでたみたいで。なんとなくアナウンサーという職業を小学生ぐらいの時から意識してたんだなっていう過去との邂逅がありましたね。

(中澤有美子)本当ですね。

(安住紳一郎)うん。「へー!」と思いました。エリザベス女王杯っていうレースの実況を書き起こしていましたね。そしたらやっぱりもうプロになった今となっては少し気になるね。言い間違いなんかがあるから。なんとなく40年ぶりに赤ペンで訂正してみましたね。なんかね。「こういう風には言わない!」「同じような接続詞が近いスペースに2回出ているから、これはダメ!」とかって言っても自分で訂正しましたね。

(中澤有美子)小学生のを?

(安住紳一郎)小学生の自分に。「『さあ』が多い!」って。

(中澤有美子)「さあ」(笑)。やりがち、やりがち(笑)。

(安住紳一郎)やりがちだよね。うん。若いアナウンサー、やりがちでしょう? 「さあ、やってまいりました」「さあ、それでは」「さあ、お送りします。さあ!」って。「『さあ』が多い!」。厳しく小学生の自分に「『さあ』が多い! 『そして』も多い! 言い換えろ!」みたいな。

(中澤有美子)アハハハハハハハハッ!

(安住紳一郎)「『早い』という形容表現、もう少し違う言い方を考えろ!」って。やったよね。うん。「一体この時間は何なんだろう?」って自分で思って。過去の自分に今の自分が担当してない仕事の注意をしている。ええっ? なんかの役に立ってるのかしら? WHY?っていう感じですよ。

(中澤有美子)そうですね(笑)。

(安住紳一郎)本当に地球の片隅でお邪魔してます!

(中澤有美子)ええっ、なに?(笑)。

(安住紳一郎)いや、なんか申し訳ないなと思って。なんのGDPにも寄与してないよ。この作業は! なんの国内生産にも寄与してないじゃん? 過去の自分に今の自分が担当してない仕事の注意をしている。なんなの、これ? 誰かの役には立ってないでしょう? おかしいでしょう? ああ、ここでお話できたので減価償却できました。

(中澤有美子)そうですね(笑)。「地球にお邪魔します」って(笑)。

(安住紳一郎)おくすりくださーい! 皆さんからのメッセージ、お待ちしています!

<書き起こしおわり>

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