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町山智浩 2020年アメリカ大統領選挙・投票日前日の状況を語る

町山智浩 2020年アメリカ大統領選挙・投票日前日の状況を語る たまむすび
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町山智浩さんが2020年11月3日放送のTBSラジオ『たまむすび』の中で大統領選挙前日のアメリカの状況についてトーク。大統領選挙の勝敗を決することになりそうな大激戦地・ペンシルバニアから現地の模様をレポートしていました。

(赤江珠緒)今日は町山さん、取材中のペンシルベニアからの出演でございます。もしもし、町山さん?

(町山智浩)はい。町山ですよろしくお願いします。

(赤江珠緒)よろしくお願いします。あ、今、ホテルの1室からかな?

(町山智浩)はい。今、夜中の1時です。

(山里亮太)でも今、いるところはすごいところなんでしょう?

(町山智浩)今、山奥ですよ。ペンシルバニアってどういうところかっていうとね、「シルバニア」っていう言葉……シルバニアファミリーと同じですよ。「森」っていう意味ですね。

(赤江珠緒)ああ、そうか。はい。

(町山智浩)ペンシルバニアって巨大な森なんですよ。映画だとね、ご覧になっているかな? 『ディア・ハンター』っていう映画、見たことありますか?

(赤江珠緒)見てはいないです。はい。

(町山智浩)そうですか。『ディア・ハンター』というのは「鹿ハンター」っていう意味ですけど。ペンシルバニアの山奥の森に住んでるロバート・デ・ニーロたち、若者たちの話なんですよね。デ・ニーロ、その頃は若者で。ベトナム戦争の頃なんですけども。で、みんな鉄工所で働いていて、森で鹿を撃って。それでロシア正教の教会で結婚式を挙げるっていう。ペンシルベニアの人たちってそういう人たちが多いんですよ。

ロシア系とかポーランド系、チェコ系、ウクライナ系の人たちが多いんですよ。で、とにかく森で。「森」と言っても普通の森じゃないんですよ。このペンシルバニアって。大きいの。面積が九州と北海道を足したぐらいですよ。

(山里亮太)ええっ?

(赤江珠緒)めちゃくちゃ広いですね!

(町山智浩)めちゃくちゃ広いです。だから取材、大変だったんですよ。

(赤江珠緒)本当ですね!

(山里亮太)移動、大変ですね(笑)。

(町山智浩)移動、大変。街から街へ……「次の街に移動」っていうので3時間ですよ。で、「次に行くぞ」って4時間ですよ。死ぬかと思いましたよ、本当に(笑)。

(山里亮太)そんな思いをしても、絶対選挙の時に行かなきゃいけない街っていうのがこのペンシルバニアっていう?

(町山智浩)あのね、今回だけそうなったんですよ。

(山里亮太)えっ、そうなんですか?

(町山智浩)はい。今回、大統領選挙の取材でBS朝日で僕がやっている『町山智浩のアメリカの今を知るTV』という番組の収録で来てるんですけど。で、「どこに行くか?」っていうことをずっと考えていて。「大統領選の一番の激戦地になるところに行こう」って言っていたら、それがペンシルバニアに固まってきたんですよ。だんだんと。

つまり、いろんな州……50州あって、どんどんどんどん、それぞれの州でどっちが勝ちそうか?っていうことが分かってくるんですよね。それで最後に残ったのがフロリダとアリゾナとペンシルバニアなんですよ。この3つがどっちに行くか……要するに共和党のトランプ大統領か、民主党のジョー・バイデン元副大統領のどっちになるかわからないっていうのがこの3つの州なんですよ。

(赤江珠緒)ああ、いまだに?

(町山智浩)はい。で、フロリダとアリゾナはどうもトランプさんに行きそうなんですよ。

(赤江珠緒)トランプさんに行きそう? へー! ええと、フロリダが選挙人が29。アリゾナが11。へー!

(町山智浩)そうです。その「選挙人数」っていうのは各州ごとに決められていて。人口比通りにね。で、その選挙人数という点数を取り合って、270点を取った方が勝ちなんですよ。で、最後に残ったのがこのペンシルベニアの20点なんです。これがどっちに行くのか、今全然わかんないんですよ。で、たぶんこれが一番最後まで、集計も遅れると思います。

(赤江珠緒)そうですか。

(山里亮太)へー!

大激戦地・ペンシルバニアの状況

(町山智浩)はい。だからまここに来ようっていうことで来たんですね。つまり、州の中にいるトランプ支持の人とバイデン支持の人が半々ぐらいなんですよ。だから、その話を聞いて回ったんですよ。「どうしますか?」って。で、聞いていくとはっきり分かるのは田舎……つまり森の中に住んでる人たちは、もうほとんどトランプさん支持なんですよ。

(赤江珠緒)うんうん。

(町山智浩)「どうしてですか?」って聞くと、まずこのペンシルバニアっていうのは産業がね、石油を掘ることと石炭を掘ること。天然ガスを掘ることと、それを使って製鉄をすることなんですよね。

(赤江珠緒)ああ、じゃあ昔ながらのね、産業っていう感じですね。

(町山智浩)そう。昔のアメリカを大きくしてきた、20世紀の初めの産業でこのペンシルバニアの田舎の人たちはみんな暮らしてるんですよ。で、これが今、石油が安くなっちゃったり、石炭を使わなくなっちゃったり。あと地球温暖化の原因になるっていうことで使用を抑制しようっていうことになっていること。それから鉄に関しては、もうアメリカが価格が中国とかに勝てないんで。もうあまり作らなくなってきている。それをトランプ大統領は中国から輸入する鉄に税金をを25パーセントかけるとか。すごいかけているんですよ。そういう風にしたり、石炭の産業を興隆しようっていうことで、そこに直接お金を入れたり。それで彼らを助けてるんで、トランプさんをすごく支持してる人が多いんですよ。

(赤江珠緒)まあ、そうですね。それはそうなるでしょうね。

(町山智浩)いわゆる労働者の人たちですけれども。あと、それだけじゃなくて会ってみると、そういう人たち。トランプ支持者で田舎に住んでる人たちはまずね、全員が銃を持っている。ライフルを持っている。これはね、森の中で暮らしてるからしょうがないです。

(赤江珠緒)そうですね。

(町山智浩)人を撃つためじゃないんです。要するに自分の家の周りの1キロぐらい、誰も住んでいないようなところに住んでますから。これ、銃がないと怖いんですよ。

(赤江珠緒)ちょっとね、感覚として日本人は想像するのが難しいけど。そうなりますよね。

(町山智浩)あと、熱心なキリスト教徒の人が多いです。やっぱりね、東ヨーロッパから来た人たちなんですよ。ほとんどが。だから名前を聞くと「○○スキー」とか「○○ビッチ」みたいな人が多いんですね。あと、スコットランドとかアイルランドから来てるんですけど、みんなすごく真面目なキリスト教徒なんですよ。イタリアとかも。カトリックだったりロシア正教だったりして。非常に信仰に熱心で。特にトランプ大統領が最高裁の判事を決めて、人工中絶を禁止しようとする方向に向かってるのに賛成をしている人たちなんですよ。

あと、ほとんど全員が白人です。それがそのペンシルベニアの田舎に住んでる人たちなんですけど。今度はね、ピッツバーグとかフィラデルフィアの都会の方に行ってみると、全然違うんですよ。まず、肌の色が黒い人がいる。黒人がいるんですね。で、宗教についてはそれほど……要する「人工中絶を禁止する」とか、そういうことは言ってないんですよ。そこまで聖書に忠実ではないんですよ。あと、仕事が全然違うんです。これが一番大きいかな? 金融であるとか、不動産とか、あとは広告とかサービス業とかね。いわゆるIT系とか、医療関係とか。

(赤江珠緒)だって今、フィラデルフィアとピッツバーグの街の写真があるんですけど。ものすごい高層ビルが立ち並んでいるような都会ですもんね。

(町山智浩)はい。フィラデルフィアはね、アメリカでも最初にできた街で。独立宣言はそこから始まってるんですけど。アメリカの最初の首都ですね。でね、ピッツバーグは元々は鉄鋼の街だったんですけども。そこから脱出して、ハイテクな街になったんですよ。ハイテク産業が成功しているんで、だから彼らは「石油とか石炭とかはもういい」っていう感じになってるんです。

(山里亮太)なるほど。真逆だ……。

(町山智浩)その通り。逆なんです。だからバイデンさん支持になっていて。特に黒人の人たちはトランプ大統領がBlack Lives Matterっていう運動がありましたね。警官が黒人を殺したことに対する抗議運動。その抗議に対してトランプ大統領は警察側にだけ寄り添って、抵抗していた黒人の人たちを非常に良くなく……テロリスト扱いしたりしたので。それに対して怒っている黒人の人たちも多いんですよ。で、これはもう田舎と都会でも全く違うんですが、これがよく分かったのはね、アメリカ全体がこれなんですよ。

(赤江珠緒)そういうことか! もうアメリカの縮図みたいなもんなんですね。

(町山智浩)そうなんです。その通り、縮図なんですよ。というのは、僕が住んでいるカリフォルニアでもね、「民主党支持が多いんだろう」とか言っている人が多いんですけど……田舎に行くと全部、トランプ支持なんですよ。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)それで逆に南部の方とかのキリスト教が強いところに行っても、都会に行けば民主党支持なんです。南部でも……たとえばジョージアに行ってもジョージア州の州都のアトランタに行けば民主党支持なんですよ。それはまず、仕事が違うからです。農業とか工業とか、そういった古い産業をやっているのは田舎の人たちで、それはトランプ支持なんですよ。それかあら、銃を持ってるか、持ってないか。都会の人が銃を持っていたら、それは変ですよね? まあ、都会は狩猟とかはできないので。

それと、あとはやっぱり人種ですね。都会には白人以外の人もいっぱい住んでいるんですよ。それと、宗教的な問題ですね。田舎の人ほど信心深い。で、職業が違うということは、あとは学歴も違ってきますよね。IT系とかはやっぱりいいところの大学を出ないと仕事に就けないので。金融とかも。だからね、実はアメリカって地域で分かれてるんじゃなくて、都会と田舎の差だっていうことがわかるんですね。

(赤江珠緒)そうですね。実は非常に単純な分かれ方なのかもしれないですね。

都会と田舎の差

(町山智浩)そうなんです。もうこれはね、どこに行っても……どこの州に行っても、実は都会と田舎の支持政党はほとんど同じなんですよ。で、都会が多くて、都会の人口が多い州が民主党寄りになるんですよ。つまり、その大統領選って人口的に得票数が多かった方がその州の選挙人数のポイントが総取りになるので。たとえば、カリフォルニアの選挙人数は55点なんですが、その州で過半数を取った方がその55点を全部取っちゃうんですね。大統領選挙においては。それで州ごとに分かれているんですが、実際には州ごとに分かれているんじゃなくて、都会と田舎で分かれているんですよ。

(赤江珠緒)そういうことか。同じ州の中でも都会と田舎、だいたいどこでもありますもんね。

(町山智浩)そうなんですよ。それで今、言ったみたいに都会と田舎では明確に住んでる人は違うんで、分かれちゃうんですよ。でね、ただそれがものすごく今はね、憎み合っているんですよ。もうね、今日だからバイデンさんの集会があったんですけど。そこにレディ・ガガが来て歌を歌ったりしていたんですけどね。そうすると、そこにトランプ支持者の人たちが来て、旗を振りながら「バイデンは共産主義者だ!」とかずっと言っているんですよ。

(赤江珠緒)ああー……。

(町山智浩)それで「バイデンは中国の手先だ!」とか言ってるんですよ。だからそういう風にトランプ大統領が煽ってしまったんですね。で、トランプ大統領は昨日のツイートで「バイデンはカストロの手先だ」ってツイートしたんですけど……もうキューバのカストロさんはすでにお亡くなりになっている方なので。カストロさんは社会主義者でしたけどね。だからとにかく敵を悪魔扱い、売国奴扱いするっていうことを徹底的にやってきたので、お互いにものすごい憎みあってる状態になっちゃったんですよ。

(赤江珠緒)ひどいですね……。

(町山智浩)そう。ここまで分断が進むとこれはひどいなと思いましたよ。今までペンシルベニアの人たちは仲良く暮らしていたんですよ。田舎と都会で違ってはいても。それで、ペンシルバニアにはクッキーがあって。それまで毎年ね、大統領選挙ごとに大統領候補者の顔をクッキーに印刷をして売っていたんですよ。それで要するに「大統領選挙を楽しもう。これを食べながら」っていうことでやっていたんですけど。

それで、トランプのクッキーがたくさん売れていたわけですよ。バイデンさんよりもトランプさんの方がキャラが立っているからね。で、それを告知していたらバイデンさんのファンが「トランプ寄りなのか!」怒って。で、その「どっちが売れてるよ」っていう競争みたいにするのをそのクッキー屋さんがやめたんですね。そうしたら、今度はトランプファンが「バイデン支持者に屈したのか!」ってまたそのクッキー屋さんを攻撃したりして。

(赤江珠緒)うわあ……。

(町山智浩)今まで、そんなことはなかったんですよ。たかがクッキーですからね。

(山里亮太)本当ですよね。

(町山智浩)それをものすごい憎み合っていて。で、またただ憎み合っているだけならいいんですけど、銃を持っているんですよ。それがすごい困っちゃうんですよね。

(赤江珠緒)本当に。だって「暴動が起きるんじゃないか?」っていうことで、結構街もね、半分封鎖してるようなところもあるじゃないですか。

(町山智浩)そうそう。お店とか全部閉めてね、ウィンドーとかに板を打ちつけてるんですよ。今。アメリカ各地で。

(町山智浩)それはね、トランプ大統領が煽っちゃったんで。「Army For Trump」って言って、「トランプ軍団は私のために選挙を監視しろ!」っていう風にツイートしたんですよ。で、そういう風に「トランプ軍団は俺のために戦え!」って言ったら、だってみんな銃を持ってるわけですから……銃を持って来ちゃいますからね。それで明日、実はこっちは投票日なんですね。それで投票に来る人たちに対して、銃を持ったトランプ軍団が勝手にね、「おい、お前。誰に投票するんだよ?」っていう風にやる可能性があるんですよ。

(赤江珠緒)ええーっ!

(町山智浩)だからね、本当に明日は非常に怖いんですよ。何が起こるかわからなくて。

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