綾野剛と菅田将暉『MIU404』を振り返る

綾野剛と菅田将暉『MIU404』を振り返る 菅田将暉のオールナイトニッポン

綾野剛さんが2020年9月7日放送のニッポン放送『菅田将暉のオールナイトニッポン』に出演。共演したドラマ『MIU404』について振り返っていました。

(菅田将暉)まあでも、そこから『ピース オブ ケイク』を経ての久々の共演が今回の『MIU』でしたもんね。いや、嬉しかったですね。

(綾野剛)いや、めっちゃしびれた。

(菅田将暉)面白かったっすね。

(綾野剛)なかなか会えんくてな。フハハハハハハハハッ!

(菅田将暉)そうっすよ。いや、そう。俺もだってゲストとはいえ、まあ準レギュみたいな立場で。「だんだん伊吹とか志摩に絡んでいきます」って言われて。それで結構待ちましたもんね。

(綾野剛)待ったよ。俺、だって現場で会った時、めちゃくちゃなんか嬉しかったもん。「やっと会えた!」って。恋人に会ったような気分で。もう、ねえ(笑)。

(菅田将暉)いやー、そんな漢字になっちゃいますよね。だって、お芝居の感じがちょっと変わってきますもんね。なんか。もちろん役は役でやってるんですけど。「初めまして」で築き上げないといけないのがないから。あのへんの安心感はね。

(綾野剛)そうだね。特に船の上での芝居とかは、もうマサキの顔を見なくてもどんな表情をしてるのかっていうのが想像できる信頼関係があるから。何だろうな? 「圧倒的に楽だな」っていう。

(菅田将暉)でも、あのおおっぱいのくだりはちょっとカットされていましたね。

(綾野剛)フフフ、ちょっとだけね(笑)。いきなりおっぱいやってくるっていう。

(菅田将暉)なんかドラマ内で2人でちょっとしゃべるっていうシーンがあったんですよ。あの……今、ずっと「携帯、鳴っているな」ってなったじゃないですか。で、剛くんが「俺の携帯かな?」って今、思ってましたけど。俺でしたね(笑)。

(綾野剛)そう(笑)。俺、絶対に「これはマサキやな」って思って。

(菅田将暉)ちょっとすいません。誰かから電話が……。

(綾野剛)フフフ、いや、月曜はラジオやってるやん?(笑)。

(菅田将暉)いや、そうっすよ。誰やねんな……。

(綾野剛)デカレモン兄ちゃんかな?

(菅田将暉)わかんない。これ、誰や? 怖っ!

(綾野剛)怖っ!(笑)。誰やろう?

(菅田将暉)今の、誰やったんやろう? 小文字で「y」って書いてある……えっ、誰?

(綾野剛)誰? 「y」?

(菅田将暉)「山田」? 「山田孝之」?

(綾野剛)孝之?(笑)。

(菅田将暉)いや、でもあの人はあり得るからな。ちょっと怖いねんな。えっ? 「山田洋次」?

(綾野剛)フハハハハハハハハッ!

(菅田将暉)「山田洋次=Y・Y」やん! マジ?

(綾野剛)いや、それは取らなアカンわ。

(菅田将暉)いや、寝てくださいよ。山田さん。もう88ですよ?

(綾野剛)よう知っとる(笑)。

(菅田将暉)もう寝ておかんと。心配になる。いや、なんでしたっけ? ああ、共演ね。そうそう。久々の共演で。終わりましたね。どうでした?

(綾野剛)いや、楽しかったね。うん。なによりそれが一番初めに来るのと……なんかいい作品、いい役に出会いたなっていうのと。

(菅田将暉)でも何か俺、見てて「剛くんのこんな愛情たっぷりなお芝居、久々に見たな」っていう。

(綾野剛)ああ、そう?

(菅田将暉)なんか。あんまやってなかった?

(綾野剛)最近、重いのが多かったね(笑)。

(菅田将暉)それはたぶんそうっすね。単純に……。

(綾野剛)まあ、病んでいるかぐずってるか、酒を飲んでいるか。

(菅田将暉)なんか極めている人とか。ストイックな。だからこう、すごい人に愛情たっぷりな感じがたぶん見てる人は心地よかったかも……だから「俺はそことは別やな」っていう感じでやっていましたね。

(綾野剛)重いのとか、全然求めてなかったんだけどね。どっちかっていうと普通にラブコメとかさ。フレンチキスとかしたいもん。

(菅田将暉)おおーっ! やってないっすか?

(綾野剛)やってない。たぶん。『ピース オブ ケイク』はラブコメに入るんかな?

(菅田将暉)まあ、ジャンルで言うと原作は……でもラブコメ?

(綾野剛)そうね。ラブストーリーだってマサキはいっぱいやってるでしょう?

(菅田将暉)やってますね。

(綾野剛)マサキがやっていて俺にはラブストーリー、なんで来ないんやろう?って思って。なんかR-15の雰囲気が出てまうんかな?

(菅田将暉)そうですね。今、思いついたのは瑛太さんとかやってたのとか。『最高の離婚』とかもまあラブストーリーですよね。

(綾野剛)ああ、そうなのかな?

(菅田将暉)まあ、大きい意味ではラブストーリーじゃないですか? 人間関係、仕事。そうですね。たしかでもラブコメとかは見たことない。

(綾野剛)もうガチガチに恋したいもん。まっすぐな。『空飛ぶ広報室』もラブストーリーな感じだったけど。でもラブコメか?っていったら、定義はよくわかんないけど。

(菅田将暉)いや、なんやろうな? ラブコメかー。

(綾野剛)いや、マサキとやりたいよ。

(菅田将暉)俺と? ここのラブストーリー?

(綾野剛)アハハハハハハハハッ!

(菅田将暉)いや、それは全然……でも、どういう? 他のキャスティングとか。俺ら2人が誰かを取り合うとかじゃなくて、ここの恋愛とかっていうこと? そうなると、武蔵野とかユーロ行きになっちゃう。まあ、それはそれでいいですけど。そうですね。

(綾野剛)でもなんか、やっぱり気持ちよかったよね。体調もよくなる氏。伊吹みたいな人を生きていると。

(菅田将暉)ああ、なるほど。うん。ポジティブになるんですかね?

(綾野剛)すごいなるよ。俺、本当に少年マンガしか読んで作ってないから。あの役。

(菅田将暉)えっ、漫画を読みながら何となく?

(綾野剛)そう。もう少年漫画のエキスだけをあの役に突っ込んでいて。

(菅田将暉)へー! 面白っ! たとえばどういう? その漫画で言うと?

(綾野剛)『ドラゴンボール』からもうまっすぐ。だから少年ジャンプ。

(菅田将暉)なるほどね。たしかに、それで言うと「オス! オラ、伊吹」感は。あのパーンっていう。

(綾野剛)そうでしょう? あと、「ま、いっか」とか。すぐに自分の感情を言語化できないとか。

(菅田将暉)主人公感はたしかに、そういう意味で言うと。それもおもろいっすね。

(綾野剛)もうだから本当にずっと少年漫画ばっかり読んでいて。途中から野木亜紀子さんに「そろそろ青年漫画を読んでください」って言われて(笑)。

(菅田将暉)フハハハハハハハハッ! 脚本家の野木さんにね。なるほどね。

(綾野剛)「ああ、そうかそうか」って。8話ぐらいから「青年漫画をお願いします」みたいな。

(菅田将暉)へー! 面白い。そんな作り方もあるんすね。

(綾野剛)そうね。そういう風に……なんかその、警察の機捜であるとか。俺、過去に警察でSATとか機捜も実は俺、やっているのよ。『日本で一番悪い奴ら』っていう作品で。だからまあ、だいたいのことはなんとなく把握してるけど。

(菅田将暉)その業務の意味でのね。警察という。

(綾野剛)そうそう。でも、そういうことじゃなくて。「これ、なんやろうな? ジャンプだ! 伊吹はジャンプだ!」ってふと思って。

「伊吹は少年ジャンプだ!」

(菅田将暉)へー! それ、面白っ! あんまり役づくりの内容とか聞かないですもんね。それで言うと。

(綾野剛)そうね。俺も話さないからね。ちょっと変な感じするよね(笑)。

(菅田将暉)へー! ちょっと普通に勉強になったな。漫画か。そうか。俺、死ぬほど漫画読んでるのに、それやってないもんな。なるほどな。

(綾野剛)いや、速攻でできるよ。マサキは。だからさ、俺は嬉しかったのが屋形船に乗ったシーンがあって。1回、マサキが橋の上に上がったじゃない? で、源ちゃんに追っかけられて、岡田健史にも追っかけられて。戻ってきた時に俺は腕を組んでさ、屋形船に立っていたじゃない?(笑)。それで「漫画か!」って(笑)。

(菅田将暉)ああ、たしかに。言ってた(笑)。

(綾野剛)ああいう要素はもう完全に漫画から取ってる。

(菅田将暉)ああ、たしかに。一枚絵の強さでね。

(綾野剛)そう。「なんでお前、腕組んで『I LOVE JAPAN』のシャツを着てるの?」みたいなね(笑)。

(菅田将暉)あの時は、屋形船でね。たしかになー。

(綾野剛)どんないいセリフもあの「I LOVE JAPAN」のせいで全くセリフが入ってこないっていう(笑)。

(菅田将暉)あの時ね。あれね。俺、好きやったけどな。そう。劇中で源さんと剛くんが2人で同じね、「I LOVE JAPAN」っていうTシャツを着ていて。で、いろいろと事件が終わった後、俺……クズミが病院にいて。それでシリアスなトーンでしゃべるってなった時に最初は2人とも、堂々とTシャツ1枚で(笑)。それだとやっぱり引きの画を撮った時に「I LOVE JAPAN」が2つおるから。全然空気が重くならないっていうことでジャケットを着させられてましたよね?(笑)。

(綾野剛)前を隠してね(笑)。「顔だけ狙ってください」って言って(笑)。

(菅田将暉)そうそう。その時のボソッと剛くんが言った「やっぱり俺らまだまだやな」っていう。それ、よくないですか? 「俺らは芝居はまだこの『I LOVE JAPAN』ごときに、このシャツの1枚に負けてるねんな」ってすぐに察したあの剛くんの感じはね、よかった。

(綾野剛)フフフ、ありがとう(笑)。いやー、完敗だったよ。

(菅田将暉)そんなことないねん。そりゃそうですよ。しゃべる前の一枚絵では「I LOVE JAPAN」の方が強いから(笑)。そんなん、どんなお芝居しても無理やねんから(笑)。

(綾野剛)いやー、まだまだだなと。

「I LOVE JAPAN」Tシャツの強さ

(菅田将暉)でも現実の面白さでもあるんですけどね。あれがね。でも、やっぱりドラマっていう、どうしたってスピーディーに展開していく中で、やっぱり情報量っていうのはね。

(綾野剛)でも、恥ずかしかったね。ちょっと。屋形船で2人で見合うじゃん?

(菅田将暉)ありましたね。

(綾野剛)それこそマサキが橋の上に乗る前に2人で見合う芝居があったの。で、このドラマにおいてそういう……なんて言ったらいいんだろうな?

(菅田将暉)これは役者あるあるですよね。何と言えばいいか。

(綾野剛)急に仮面ライダー2人気分みたいになって。

(菅田将暉)2人で立って、すぐに動くわけでもなく、ちょっと見てる時間をね。

(綾野剛)見合っているっていう。

(菅田将暉)でも、これはドラマの放送上、2人の顔にアップしてたり。伊吹の顔をアップで3秒。俺の方をアップで3秒とかあるから、6秒ぐらいは止まってなきゃいけないんですよね。でもこれ、ちょっとやっぱり現実では照れるというか(笑)。

(綾野剛)照れるし……(笑)。「なんでこんなマサキを見てるんやろう、俺?」っていう(笑)。「マサキも俺のこと、めっちゃ見てるやん?」っていう(笑)。

(菅田将暉)だから俺、その時に耐えれんくなって、ちょっと手を振りましたもん(笑)。

(綾野剛)手を振ってたよね? それ、使われていたよね?(笑)。

(菅田将暉)それで俺、「ああ、負けた! 空気に負けた!」って思って。俺はね、あれはちょっと反省でしたね。

(綾野剛)でも俺もその手を振られた後に、あれって結局時間で言ったら20秒ぐらい見合っていたよね? 俺もなんか急に「おう」とか訳のわからない……(笑)。今まで頑張ってきた少年ジャンプ感はどこに行ったんだ、みたいな(笑)。

(菅田将暉)いやー、わかるなー。そういうのはね。

(綾野剛)あれはね、恥ずかしかったけど何かやっぱり嬉しかったし。久々にやって。やっぱりなんて言ったらいいんだろう? まあ、クズミ最強説みたいな。結局、クズミを何も掴めずにこの作品は終わって。だから、なんか勝利か勝利じゃないかで言ったら、俺たちはたぶん圧倒的に負けた感、敗北感みたいなのがあって。それはやっぱりマサキが……なんだろうね? やっぱり存在感っていうものだけじゃないところでちゃんと彼の存在がはっきりしてたから。やっぱりね、楽しかったよね。久々に。

(菅田将暉)楽しかったっすねー。

(綾野剛)全然まだやりたかったっていう。

(菅田将暉)いやいや、いくらでもできましたね。

<書き起こしおわり>

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