渡辺志保 Drake『Laugh Now Cry Later』を語る

渡辺志保 Drake『Laugh Now Cry Later』を語る INSIDE OUT

渡辺志保さんが2020年8月17日放送のblock.fm『INSIDE OUT』の中でドレイクの『Laugh Now Cry Later』を紹介していました。

(渡辺志保)早速、今日もここからオープニングチューンの紹介にまいりたいと思うんですが。今年、2020年ね、ドレイクが忙しいねということで。この間の金曜日、ドレイクが新曲『Laugh Now Cry Later』をリリースしましたということで。今日はオープニングにこの曲をかけさせていただこうと思います。フィーチャリングがリル・ダークなんですよね。で、結構私はリル・ダークをドレイクがフィーチャリング相手に選んだのはちょっと意外だなと思っていて。

ただドレイクってずっとね、ドリルミュージックがシカゴでザワザワッとし始めた頃からずっと、ドリルに関しても言及しているし。UKでのドリルムーブメントがワーッとなった時にもいち早くドレイクもね、現地のミュージシャンと一緒にコラボレーションしてましたし。で、また今さ、ブルックリンドリルとかニューヨークドリルとかね、新しいそういうムーブメントが起こっていますけど。なんかそうしたところに対するドレイクの……リル・ダークって言わずもがな、シカゴでの最初のドリルシーンを築いたアーティストのうちの1人ですから。

「俺はそのドリルのデイ・ワンからずっとサポートしてるぜ」みたいな、そういった意味ももしかしたら込められているのかな?っていう風にも思いました。まあもしかしたら全然違うかもしれないけどね。まあリル・ダーク、本当にいろんなコラボレーションチューンも多いですし、その時その時でしっかり自分の役目を果たします、みたいな感じの、すごい信頼できるバースをいつもキックしてくれるという印象がありますので。今回のドレイクとのタッグもすごくね、楽しまさせていただきましたという感じなんだけど。

まあいろいろと皆さん、突っ込みたいのは同時に発表されたミュージックビデオだと思うんですよね。もうなんかさ、「どこを切りとってミームにしていいですよ」みたいな。「どこをGIFにしてくれても構いませんよ」みたいな、そういうドレイクの愛らしさが十分に詰まったミュージックビデオだなという風に思いました。皆さん、いかがでしたでしょうか?しかもさ、今年のドレイクって本当に忙しくて。ちょっと前にもね、DJキャレドと2曲、シングルをリリースしたり。ちょっと前にも、5月でしたっけ? 『Dark Lane Demo Tapes』っていうのをリリースした。さらに、その前。4月には『Toosie Slide』もリリースしたっていうことで。

で、『Toosie Slide』もさ、Quarantine Timeにぴったりっていうかね。コロナウイルスに負けるな、みたいな感じで。手袋をしてマスクして。それで家の中で踊るっていうミュージックビデオでしたけれども。あれもあれでね、非常にTikTokとかでも話題になった。で、今回の『Laugh Now Cry Later』のビデオがですね、なんとナイキの本社。アメリカのオレゴン州にあるナイキの本社に……私、あんなにナイキの本社の中身をはじめて見たっていう感じがして。オレゴンにあるナイキのオフィスで撮られたっていうことで。

ナイキ本社での撮影と豪華カメオ陣

しかも、カメオ出演がすごいっていうのも話題になってましたよね。NFLの花形プレーヤーであるマーショーン・リンチやオデル・ベッカム・ジュニア。そしてNBAを代表する選手のケビン・デュラントらがカメオ出演をしていて。で、個人的にはですね、今年開催予定だった夏のオリンピック。東京2020が延期になりましたから。ドレイクがね、1人でオリンピックをやってくれてるんだなっていう風に思うぐらい、いろんなスポーツをレプリゼントしてドレイクが奮闘してくれておりましたね。

で、これはね、あるのかないのかちょっとわかんないですけど。なんとなくさ、そのケビン・デュラントが出てきたりとか、自分でもバスケットコートにいるようなシーンがいくつもあったし。あと、バスケがらみだとかつて、レブロン・ジェームズがドラフトにピックアップされた時の記念写真っていうんですかね? あれを模して同じような、その当時のレブロン・ジェームズと同じような白いスーツを着て、同じポーズでドレイクが写真を撮るっていう、そんなシーンも差し込まれてて。

なんかそういうさ、ちょっとNBA寄りの描写……まあナイキだからもちろんね、バスケとは相性がいいのは百も承知なんですけど。そういうバスケネタを差し込むたびにですね、「あれ? ちょっとJ・コールへのあてつけかな?」みたいな、そういう感じもちょっとしましたね。J・コールもついこの間、プーマと一緒にバスケットシューズをリリースしましたし。何と言っても「まだNBAに入る夢は諦めてません」っていうステートメントも発表したぐらいですから。ちょっとJ・コールへのあてつけかな?って思うシーンもあったし。

あとは、水中でファイティングポーズを取るというような、そういったカットも差し込まれておりましたけれども。あれはモハメド・アリへのトリビュートっていうね、そういった小ネタがいくつも差し込まれておりましたね。で、何度も言うけど、本当にどこを切り取ってもミームになるような、そんなミーム映えする新曲でしたし。同時にですね、ドレイクは『Certified Lover Boy』と題されたアルバムをリリースするということも発表になりまして。

このビデオの一番最後にも、そのタイトルの「CLB」っていう頭文字を配置した、なんかかわいいロゴマークが……最初は「なんのロゴマークかな? OVOでもないし、リル・ダーク絡みでもなさそうだな?」って思ったら、この『CLB(Certified Lover Boy)』の新しいロゴだったという。まあ、いよいよアルバムに向けてギアをググっと上げてきてるのかなという風にも思いました。

でもさ、Complexというメディアのレビューとか読んだんですけど。アルバムのリードシングルにしては、かつての『One Dance』とかさ、『Started From The Bottom』とかさ。それらのシングルにはちょっと劣るんじゃないか? 勢いがもうちょっと足りないんじゃないか?」みたいな辛口な意見も書かれておりましたね。で、ホーンが非常に印象的に使われてるから、結構スポーツの何かしらのタイアップ。そういったCM楽曲狙いみたいな、そういったところもあるんじゃないかっていう風にもね、書かれていたり。

なので、あのミュージックビデオ全体がね、ナイキの壮大な広告だっていう感じもしますけど。というか、実際にそうだと思うんですけど。何か他にも隠された意図というか、そういったものがあるのかな?っていう風に深読みをしたくなるような、そんな1曲ですっていう感じですね。

(DJ YANATAKE)ヤナタケでございます。今、志保さんが言うようにね、たしかにね、キャレドのシングルの時もまあまあそんな感じだったんですけど。とにかくね、カーディの『WAP』が強すぎて。

(渡辺志保)ああ、そうなのね。このシングルもそうなんですよね。

(DJ YANATAKE)そうそう。ちょっとね、まだそこにね、チャート的にも全然行かなそうっていう。

(渡辺志保)そうなんですよね。だからカーディとメーガンにはもうずっと居座っていただいていいので(笑)。だから去年のリル・ナズ・Xみたいに誰が何を出しても1位が取れないみたいな感じにね、もしかしたら向こう2020年が終わるまで、そうなっちゃうかもしれないし。

(DJ YANATAKE)まあね。ロディ・リッチもありましたし、ダベイビーもあったんですけど。でもちょっと、なんか……ドレイク、いいと思うんですけど。なんかたしかにちょっとやや失速感、ここに来てあるのかな? どうなんでしょうね。

(渡辺志保)どうなんでしょうね? これもさ、だからそのカメオもすごいし、ナイキのパワーもすごいし。いろんな、そういうトピックっていうか、ちょっとガヤみたいなものがデカすぎるような感じもする。その楽曲そのもののよさとか、彼のそのリリシズム云々とかよりもね。まあ、それはもしかしたらドレイクにしたら計画通りなのかもしれないですけど。

(DJ YANATAKE)まあ、でも『Toosie Slide』もあったからな。まだまだね、アルバムも楽しみですけどね。

(渡辺志保)そうそう。わかんない。何が飛び出すかわかんないっていう。

(DJ YANATAKE)でもあのビデオとか「Baby」ってカメラ目線で言うところの……ああいうの、もうユーモアも入れてるわけじゃない? あれは。

(渡辺志保)そうそうそう。ちょっとおちょくりみたいなね、感じもしますしね。

(DJ YANATAKE)「どうせお前ら、こういうのを待ってるんだろ?」みたいなね(笑)。

(渡辺志保)そうそう。だって私もあのミュージックビデオを見てすぐにGIFを探してInstagramとTwitterにそれぞれ投稿しましたからね。もうまんまと……(笑)。

(DJ YANATAKE)まあ、そういうことだよね。

(渡辺志保)そういうことをさせたいんだもん。しちゃったよね、みたいな感じですよね(笑)。

(DJ YANATAKE)なるほど。わかりました。

(渡辺志保)なのでもし、まだミュージックビデオを見てないという方。これ、監督もデイヴ・マイヤーズで。過去の作品だとミッシー・エリオットの諸作や、あとはケンドリック・ラマーの『HUMBLE.』なんかを手がけたもう超超超有名なディレクターが撮った渾身のミュージックビデオになってますので。途中でドレイクも泣いてるしね(笑)。だから本当にバズというかガヤにあふれたミュージックビデオになっておりますので、ぜひそちらもチェックしてほしいですね。

(DJ YANATAKE)でもあのナイキの本社のお店、行ってみたいよね(笑)。

(渡辺志保)そうそう。「ああ、こんな風になっているんだ!」みたいなね。よく……ヤナさんも何度か行かれたことがあると思いますけども。「エンプ」ってあるじゃないですか。

(DJ YANATAKE)ナイキのね、エンプロイストアっていうのがね、日本にもあるんですよ。実はああいうお店がね。社員さん用みたいな。

(渡辺志保)ちょっと隠し扉で入るみたいなね。だから「ああ、向こうのってこういう感じなんだ。でけえ!」みたいな。

(DJ YANATAKE)そうそう(笑)。日本のもね、2フロアあるんですけどね。

(渡辺志保)そうそう。それであのオレンジのショッピングバッグ。あれは一緒なんだっていうね。ちょっと今度あれでドレイクごっこしたいみたいな(笑)。

(DJ YANATAKE)ドレイクごっこ(笑)。

(渡辺志保)ちょっとね、「Baby」って言いながらね。と、思いましたね。まあ、いつか機会があればやります(笑)。じゃあ、ここでオープニングチューン、聞いてください。ドレイクの新曲で『Laugh Now Cry Later』です。

Drake『Laugh Now Cry Later』

<書き起こしおわり>

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