宇多丸 O’CHAWANZ『After Five』を語る

宇多丸 O’CHAWANZ『After Five』を語る アフター6ジャンクション

宇多丸さんが2020年7月29日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中でO’CHAWANZ『After Five』を紹介していました。

(宇多丸)続いて行きましょう。続いてはO’CHAWANZっていう、アイドルラップグループと言いますかね。これ、しかもいろんなグループから合流してのO’CHAWANZっていうグループだし。プロデュースはね、ROMANTIC PRODUCTIONっていう、今までにもライムベリーとかいろいろね、リリスクもやったことあるかな? 今までもアイドルラップをずっとプロデュースしてきてるグループで。

これまでも連載で取り上げてきたんですけど。今回、リリースされたアルバムがLo-Fiヒップホップの流れっていうのを組んでるのか、全体がメロウな……アルバムのタイトルが『Mellow Madness』っていうタイトルで。メロウでレイドバックした90年代ヒップホップっていうか、メロウでレイドバックした90年代日本語ラップ?

Mellow Madness
Second Factory

(森田秀一)そうですね。あの時代の。

(宇多丸)スチャダラパーの『サマージャム’95』みたいな。あの感じの曲がだけが入ってるっていう、結構ありそうでなかった狙いどころっていうか。しかも日本人好みっていうか。

(日比麻音子)へー!

(森田秀一)しかもファッションとかも、あの時代の『ブギーバック』の頃の小沢健二さんみたいな格好をしていたりとか。

(宇多丸)じゃあ、そこが狙いどころなのかもしれないね。だからね、そのアルバム全体をこれで固めるっていうのはなかなかなアイデアだなという風に思いましたね。なので、ある意味どの曲を聞いても一定の気持ちよさというか、どの曲もいいんだけど。ここはですね、やはりこの番組で紹介するなら1曲目。これを紹介したいと思います。O’CHAWANZで『After Five』。

O’CHAWANZ『After Five』

(宇多丸)はい。O’CHAWANZで『After Five』を聞いていただいております。『After Five』……まだ仕事がギリで終わったぐらいだとこのぐらいのテンションっていうことですかね?

(日比麻音子)そうですね(笑)。

(森田秀一)これ、それこそあれですよね。この番組のテーマの『After 6』の歌詞をサンプリングしているっていう……。

(宇多丸)サンプリング……ああ、そうか!

(森田秀一)僕もさっき調べたら、本人たちがそれを発言していて。

RHYMESTER『After 6』の歌詞をサンプリング


(宇多丸)ああ、そうなんだ。じゃあ意図的なんだ!

(森田秀一)だからこの番組とも縁のある曲なんですよ。

(宇多丸)さすがO’CHAWANZ。やっぱりね、アイドルラップ……O’CHAWANZもそうだし、リリスクもそうだけど、やっぱりもちろん最新のヒップホップっていうのも含めててそうだけど。やっぱり日本のヒップホップの歴史とかにすごいリスペクトを払ってくれるパターンが多いじゃない? まさにこれもそうで。やっぱり僕、90年代の……ラップの仕方のテクニックとかもやっぱりあえて90年代風っていうか。90年代日本語ラップシーンをすごく。LBネーションの感じとかをすごく彷彿とさせて。あれじゃない? 森田くんなんかめっちゃ懐かしい感じなんじゃない?

(森田秀一)だから僕なんかはモロにツボなんですけども。ちょうどこの曲を作っていた時にはRHYMESTERの曲をめちゃめちゃ聞いていたらしくて。

(宇多丸)マジか!

(森田秀一)それがなんか、こういう流れになったという(笑)。

(宇多丸)「恥ずかしい」の一語(笑)。

(日比麻音子)でもアトロクで聞けて嬉しいですね。

(宇多丸)そう考えると、やっぱり自分らがやってきたラップ、ヒップホップの活動とアイドル好きであったこと。それでずっと森田くんと連載をやっていることとか、何かそういうのが全部まとまる時代になってきたというか。

(森田秀一)本当に今、つながってきた感じがしますよね。

(宇多丸)90年代当時は絶対に考えられないことだから。「アイドル好き」っていうだけでヒップホップシーンでどれだけ白眼視されたと思っているんですか?(笑)。ということで、今日はこれぐらいにしておきます。

<書き起こしおわり>

タイトルとURLをコピーしました