星野源『折り合い』楽曲&ミュージックビデオ制作を語る

星野源『折り合い』楽曲&ミュージックビデオ制作を語る 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんが2020年6月23日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で新曲『折り合い』リリースについてトーク。楽曲制作やミュージックビデオ撮影などについて話していました。

(橋本直)そんな中、10周年を向かえまして先日、新曲がリリースされましたよね?

(星野源)そうなんです。

(橋本直)これが『折り合い』ということで。

(星野源)『折り合い』という新曲がリリースされました。

(橋本直)これがまた素晴らしい曲でして。

(星野源)ああ、聞いていただきけましたか?

(橋本直)プロモーションビデオも。

(星野源)そうですね。ミュージックビデオもこの間、YouTubeにね、発売と同時に公開されまして。

(橋本直)素敵なビデオですね。やっぱり星野さんから学んだことって、その日常の何でもない日々の美しさというか、輝きみたいなものをすごく切り取ってくれはるというか。そこが素晴らしかったですね、今回は。

(星野源)ありがとうございます。

(橋本直)これ、リリースした理由みたいなのはあるんですか? このタイミングとかは?

(星野源)このコロナ禍の中で自粛期間があったじゃないか。で、その中でまあ時間もあると言いつつ、実はめちゃくちゃ忙しかったんですけども。『うちで踊ろう』でも毎日、なんかやらなくちゃ……いろいろやってたんで。毎日、ピックアップとかもやってて。その映像をね、自分で編集してストーリーズに上げるだけでも1日が終わっちゃうみたいな日々がずっとあったんですけども。それが若干、落ち着いてきた頃に「なんか覚えたいな」と思って。それでいわゆるDAWという打ち込み……PC上で自分で音楽を作るっていうのをちゃんとやろうと思って。

で、今までそのPCのソフトは生音で録音するソフトとして使ってたことはあったんですけど。そうじゃなくて、打ち込みで。キーボードとかを使いながらビートも自分で組んで、音色も自分で選んで……っていうのをやりたいなと思って。それでやるようになりました。それで自分でも勉強をしてたんだけど、むちゃくちゃ勉強が僕は苦手で。で、先生っていうか、なんかわかんないことがあったら聞ける人、あの人にお願いしようって思って、mabanuaくん。mabanua氏に先生になってもらって、電話でレクチャーをしてもらって。

(橋本直)はー!

打ち込みソフトの先生はmabanuaさん

(星野源)それで「この操作がよくわかんないですけど、これを教えてもらえないですか?」って言って。「ああ、ぜひぜひ」って教えてもらって。それで学んでから、「じゃあ何か曲を作ろう」と思って。で、いくつかトラックを作っていた中で「なんかこれ、いいな」って思っていたトラックがあったんですけど。

その頃にちょうど日村さんの誕生日の時期が来て。で、その日村さんの誕生日、いつも毎年の『バナナムーンGOLDFISH』っていうTBSラジオの番組で誕生日ソングを歌ってたんですけど。去年で「もう終わり」っていうことになってたんだけど。でも「ただお祝いに来ていただけませんか?」というオファーがあったので。「ああ、ぜひぜひ」って。

というか、これで……もう誕生日ソングじゃなくて。誕生日ソングではないんだけども、これをきっかけに日村さんのエピソードとかも若干ありつつ。というか、もうほぼ僕の新曲として、そもそも僕が作ってた曲。この『折り合い』って曲のトラックの始まりの方はもう実はできてたんですよ。その中で「ああ、これをじゃあ1曲として完成させた方が、その打ち込みのスキルっていうのは絶対に身につくはずだ」って思って。それで全然、2週間もなかったと思うよんですけども。「ここで急ピッチで1曲、全部ちゃんと完成させたら身につくはずだ」って思って。それを締め切りと設定して。

なので「その放送で新曲を披露してもいいですか?」って言ったら「ぜひ」って言ってくれて。「じゃあ、それを目がけて作ろう!」って思って、それでできた曲をラジオで流したというのがあって。

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そしたら「売ってほしい!」っていう声をすごいいただいたので「じゃあ、売るぞ!」っていうことで。この……まあちょこちょことドラムを録りながらとか。若干ブラッシュアップをしてリリースをしたということです。だから1ヶ月ぐらいしか経っていなくて。結構すごいことだなと思って。だからスタッフのみんなが超頑張ってくれました。すごい! で、ミュージックビデオもこのタームでできるっていうのは結構大変なことで。

(橋本直)だからこの、気持ちのラグがないまま、今の感じのまま聞いたので。ミュージックビデオもその早さ、皆さんのすごさ……やっぱりちょっとヨガしたりとか、なんか家で餃子を作ったりとか。あの感じの……だからすごいタイムリーなので、届ける早さもすごい大事な感じがしました。今回の。

(星野源)なんかその時の自分の気持ちがもうそのまま音になったみたいな曲なので。だから、なんて言うんだろう? 歌詞はいろんなところからインスパイアされているというか、あれはもうほぼ物語なんで、あれですけど。自分のエピソードではないけども。音のとか、端々の……テレビを見て「ええーっ!」って言ってる感じとか。

「もう本当に嫌だ!」ってずっと思っている時の感じとか。まあそれでも、外で窓を開けるとすっごい晴れていて。風が入ってきて「ああ、気持ちいいな」みたいな。「人間、何をやってるんだろうな?」みたいな。そういう感じ。その感じがすごい込もっているんで、すぐに出したいなって思ってたんで。

(橋本直)それにミュージックビデオが追いつくっていうのがね。

ミュージックビデオ制作

(星野源)本当に。三宅唱くんという監督が撮ってくれて。石橋静河さんという方が出てくださって。すごい素敵でしたね。本当に。

(橋本直)星野さんのあの手のアップ、球体のマウス(トラックボール)、セクシーっすよ。

(星野源)フハハハハハハハハッ! セクシーかい?(笑)。

(橋本直)だいぶセクシーですよ?

(星野源)ああ、そう?(笑)。

(橋本直)あと携帯を見ながらお茶を注いでいるシーンとか、すごいよかったですね。あれでこぼれてしまうと『知らない』のPVの……。

(星野源)フハハハハハハハハッ!

(橋本直)あの部屋の植物に水やりして。ちょっとこぼれてテッシュで拭くみたいな。あれを思い出しましたね。

(星野源)ああ、懐かしい(笑)。

(橋本直)本当に素敵なミュージックビデオで。

(星野源)いや、ありがとう。さすがだねえ。見てるねえ!

(橋本直)いや、本当に素晴らしかったです。なんか日常のこのゆるい空気感がとても醸し出されていて、素晴らしかったです。

(星野源)東京都の方。「この映像、出演されている石橋静河さんとは全く会わずに撮影されたのでしょうか? シンクロ具合が素晴らしいです」。そうなんです。全く会っていないんです。

(橋本直)ええっ?

(星野源)僕、実はお会いしたことがなくて。そうなんです。

(橋本直)なんか温度っていうか空気感がすごい絶妙で。

(星野源)そうなんです。だからもうそれは監督の力というか。あとでも、僕の曲も聞いてくださっていて、ライブにも来てくれたことがあるらしくて。でも、お会いしたことはなかったんだけど、すごくなんかいい……だからすごい知り合いみたいな気持ちに今、なっていて。会ったことないんだけども。でもそれでInstagramで連絡を今、取ってはいて。「本当にありがとうございます」って。そうなんです。だからすごい嬉しいっていうか。

(橋本直)演じるのは難しくないですか? 言ったら想像しながらっていう感覚なんですかね?

(星野源)なんか、今回はいわゆる役がはっきり決まってるわけじゃないので。たとえば恋人とか兄弟とか夫婦とかっていうのが決まっていない……わざと決めないでやっているので。だからとにかく自分の生活をするっていうような。それぞれに。そこででもそれを同時に映すことでいろんな解釈になるっていうようなビデオなので。そうなんです。ありがとうございます。

(橋本直)いや、よかったです。何回も聞いてしまいます。

(星野源)あれね、なんか自分で言うのも恥ずかしいですけど。自分でも初めて、そのPC上だけで1人で全部、編曲もちろんして。だから今まではね、バンドメンバーとかとワイワイやりながらやっていたことがほとんどだったんで。そうじゃなくて、もう1から100まで全部自分でやって。その作業が楽しくてしょうがなくて。もう「うひー!」って言いながら。

「キャッキャ」言いながら……いわゆるドラムのビート、あれは本当にただループさせてるんじゃなくて、微妙にずれているんですよ。で、その微妙にずれてるのを作るのが本当に楽しくて。もうそれで5時間とか一瞬で経ってしまうみたいな。だから「これはもう一生やってられるな」みたいな。

(橋本直)やっぱり職人的なところがあるんですね。ずっと作業を……楽しくしょうがないっていう?

(星野源)楽しくてしょうがない。エディットがたぶん好きで。ちょっと音色をいじったりとかするのがすごい好きで。で、出来上がった後も自分でも何回も聞いちゃって。「いいのができたな!」みたいな。

(橋本直)たしかにループしてしまう。何回も聞きたくなる曲ですね。

(星野源)ありがとうございます。じゃあ、ちょっとここでね、その曲を聞いていただきたいと思います。先日、リリースしました。AppleMusicとかSpotifyとか、そういうサブスクでもありますし。いろんなところで単体で、単曲で買うこともできます。ぜひ皆さん、チェックしていただきたいと思います。星野源で『折り合い』。

星野源『折り合い』

<書き起こしおわり>

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