佐久間宣行さんが2020年5月6日放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』の中でYouTubeライブで配信された「12人の優しい日本人 を読む会」について話していました。
(佐久間宣行)今日、もう1個エンタメニュースで言うと、『12人の優しい日本人』がリモートで生配信したんですよ。それがね、素晴らしかったですよ。『12人の優しい日本人』っていうのは1990年ぐらいに初演した作品で三谷幸喜さんがなんと29歳の時に書いたんですよ。東京サンシャインボーイズの代表作の1個で。元々はアメリカ映画で『十二人の怒れる男』っていう傑作があるんですけども。陪審員制度のね。それに着想を得て、もし日本に陪審員制度があったら……という架空の設定で行われる一幕一場のお芝居なのね。
それで今は裁判員制度があるけど、その頃はなかったから架空の話なんですよ。それで「日本人がやったらこのぐらい人の良さが出ちゃったりするんじゃないか?」っていうことで、本当に見事なやつなんだけど。これが1990年に初演して何回かやった後、2005年に江口洋介さんとか石田ゆり子さんとかすごい役者さんたちで1回、再演したんですけど。それ以来、再演していないし、三谷幸喜さんって戯曲を出さないから基本的に他の劇団は演じられないのよ。だから、それを役者の近藤芳正さんが「こういう時期だからリモートでやりたいんですけど」って言って、そしたら三谷幸喜さんがOKをしてくれて。
ほぼ初演のメンバーが揃う
しかもこれ、演劇ファンからすると初演のメンバーがほとんど揃っているのよ。西村雅彦さんとか梶原善さんとか、いわゆる東京サンシャインボーイズのメンバーがやるっていう。それがもう、本日の14時と18時に前後編でYouTubeライブでやったんですけども。すごかったですよ。すごかった。最初さ、「リーディングだな」っていう感じがするから。それをリモートでやるっていうのはさ、画面で1人でやるわけじゃん? だから役者同士でセリフを覚えていても、テンポとかずれてくるじゃない? でも、それが全くないの。めちゃくちゃちゃんと稽古してる。
それで、なにせ力量がすごい役者たちがやってるから。もう吉田羊さんとか、台本に目を落とすところがないから。もう完璧に覚えてるんじゃないかというテンションでやっていって。それで14時から90分、前半をやって18時から後半をやって。俺はその間にちょっと『あちこちオードリー』の収録があって、会社の会議室で見たんだけども。ちょっとね、すごすぎて鳥肌が立って。俺、最後ね、会社の会議室でちょっと泣いちゃったのね。それぐらいの熱演なのよ。
それでカーテンコールもちゃんとあって、最後は大拍手をネット上でいろんな人がやっていたんだけども。それが今、5月いっぱいアーカイブされているんですよ。アーカイブされているから、みんなも見ることができる。で、これ、公演をする時に役者のお一人……相島さんかな? 主演に近い「2号」というのをやってらっしゃる方が「これは所詮、今回のはカニカマだ」という。要は、「演劇の舞台をカニだとしたら所詮カニカマなんだけども、本物のカニの魅力をみんなが忘れないために少しでもそれを伝えられたらいいな」みたいな格好いいことを言っていて。いや、カニカマじゃなかったですよ、これは。もう素晴らしかった。
でね、しかも無料なのよ。無料だから、逆にもう金を払いたくてしょうがないじゃない? それで、いろいろ考えて「これは課金のしようがないな」と思った時に、そう考えたら自分が好きな劇団とか、なんか演劇とか、ひいては演劇じゃなくてもいいんだけど。好きなエンタメが続くようにお金を払うかなと思って、ちょっと小劇場のクラウドファンディングとかをちょっとやってみたんですけど。そんな感じでぜひ、熱い思いにもなれたりするような作品なので。皆さんもぜひ、見てほしいなという風に思います。
12人の優しい日本人 を読む会(前編)
12人の優しい日本人 を読む会(後編)
<書き起こしおわり>