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Moment Joonと宇多丸『Passport & Garcon』を語る

Moment Joonと宇多丸『Passport & Garcon』を語る アフター6ジャンクション
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(磯部涼)でも、しっかりライムも書いたのにそれも使われてないっていう。ただ、それが効果的だというやり方ですね。

(Moment Joon)その感情の流れというものを見せるために後まで……実はその書いただけじゃなくて、録音もしてもらったんですよ。なのに途中で僕が「うるさい!」って言うという演出を入れて切りました。

(磯部涼)そういう風にだから政治的、社会的に今の日本を反映していると言ってもすごく複雑さというかね。それを告発している自分の未熟さみたいなものもテーマにしてるっていうところがこのアルバムのなかなか複雑なところだなと思うんですけど。今回、アルバムから何曲かかけられたらなと思うんですが。その『Losing My Love』もすごいんですけど。次にかける曲はかなり強烈というかね、当事者性……聞き手にも当事者性を。「じゃあ、お前はどうなんだ?」っていうところを求めてくるような曲っていうところで選んだんですけども。これはもう、ラジオで言うというのは僕からは曲紹介は……。

(宇多丸)その日本におけるNワードというかね。

(磯部涼)そうですね。まず僕がタイトルを紹介することすらもできないような感じもするので。

(宇多丸)モーメントくんに自ら曲紹介をしてもらうしかないね。

(Moment Joon)そうですね。次にかける曲は今回のアルバムの5曲目にある、僕もちょっと言うのが怖いので……『C-H-O-N』という曲です。

Moment Joon『Losing My Love feat. Hunger』

(宇内梨沙)強烈ですね……。

(宇多丸)そうですね。ご本人もちょっとね、アルファベットで分解して言うぐらいに。あんまり我々も口にはしたくない感じのワードなんですけども。

(磯部涼)ずっと在日コリアンに対する侮蔑語として使われてきた言葉で。前回の特集でもね、なみちえさんの曲でいわゆるNワードという、アフリカン・アメリカンに対して侮蔑語として使われてきた言葉を彼女自身がテーマにした曲みたいなのねをね。それをアフリカ系の血が入っている彼女がテーマにした『おまえをにがす』という曲を紹介しましたけども。

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(磯部涼)ここではCワードというものがテーマになっていて。どうですか? モーメントくん自身はこのキーワードを曲自体のテーマにするっていうのは? この……近年、やり始めたことではありますよね?

(Moment Joon)そうですね。

(磯部涼)リスナーの中にはいわゆる「日本人」というものに属するような人たちが多いと思うんですけど、それを揺さぶるということがひとつ、試みとしてあったんでしょうか?

(Moment Joon)そうですね。まあ僕が日本で経験していることの中で一番苦しいことっていうか、醜いことっていうものを描写するためにはやっぱりこの単語を使わずには描写ができないなと。

(宇多丸)つまり、現実に言われる場面もあるっていうことだよね?

(Moment Joon)まあ、実際にありました。なので……ただ、僕は本当にこの言葉自体が僕自身も全然嫌いなので。ただ、こういう「自分がやられました」とか「自分が経験しました」っていう文脈ではかならず使わなきゃいけないなって思いますけど。ただ、アメリカのヒップホップで言うNワード的な感じで同じ立場、似たような立場の人をこの単語で呼んだりするということは絶対にしたくはないですね。というか、誰かがやろうとしたいら逆に止めたいですね。

(磯部涼)Nワードっていうのを一方で意味を反転させて自分たちの属性というか、そのプライドみたいなところを象徴する言葉みたいにも使われていたりとかして。ただ、一方でそこにはすごく「当事者性」というものが求められて。ケンドリック・ラマーのライブで白人だったかな? 別の人種のお客さんをステージに上げてケンドリックが歌詞を一緒に歌わせたんだけども。Nワードを歌った瞬間に「お前は違うだろ?」みたいな感じで止められるみたいなこともあったりして。「それは引っかけだろ?」みたいに思うところもあったりとかするんだけど。まあ、そのNワードとはまたちょっとモーメントが使うCワードっていうものは意味が違うっていうことですよね?

(Moment Joon)そうですね。まあ日本とアメリカっていう……この単語自体が日本で使われた文脈っていうのがもちろん、アメリカでのNワードとは絶対に違うので。なので誰か僕以外の人が「いや、本当にこの言葉、単語は俺らのものにするから」っていうことでこれから使おうとしていたら、もちろんそれを止める権利は僕にはないですけど。ただ僕自身はとても周りの人々に限っては「本当にそういう使い方はしないでください」って言いたいですね。

(磯部涼)なるほど。このアルバムの中ではね、ちょっとかなりシニカルなというか、コンセプチュアルな曲とかももっとあって。たとえば『KIMUCHI DE BINTA』っていうすごいタイトルの曲とかもあって。この曲も選曲しようかと思ったんですけども、ちょっとアルバムを通して聞かないとこのコンセプトは伝わりにくそうだから……。

(Moment Joon)そうですね。これは単独でかけたら僕は嫌われます(笑)。

(磯部涼)それぐらい、なんかアイロニカルというかね、複雑さもあるアルバムだと思いますけど。もう1曲、この『Passport & Garcon』の中から。これは俺でも言えるかな? 『Hunting Season』っていう曲を。モーメントというか、このアルバムの主人公の置かれた状況、感じがよく伝わってくると思うので、聞いてみたいと思います。『Hunting Season』です。

Moment Joon『Hunting Season』

(宇内梨沙)ということで『Hunting Season』をお聞きいただいております。

(磯部涼)これはまさにね、留学生というか、初期の頃に歌っていたその留学生の日常みたいなところがさらに表現が深められたというか。現状に対する目線がアップデートされた中で歌われてるような曲という感じもありますけどね。

(Moment Joon)はい。まあ留学生というよりはさらにハードルが上がっている感じの結構厳しい状況を歌っています。

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