プチ鹿島 安倍政権の新型コロナウィルス対策・新聞記事読み比べ

プチ鹿島 安倍政権の新型コロナウィルス対策・新聞記事読み比べ くにまるジャパン極

(プチ鹿島)それでえらいもんで滝川クリステルさんのインスタは2月14日で止まっているんです。今も。だからその2月16日の前から止まってるわけです。僕、クリステルさんの方がよっぽど政治家に向いているんじゃないか?っていう。世の中の空気を読んで、ちゃんと更新を止めているんですよ。情報発信をしていない。

(野村邦丸)「旦那のバッシングが始まっているぞ」っていうのもあるのかな?

(プチ鹿島)だから今、沈黙を保っているんです。ねえ。だからこれ、クリステルさんの方がすごいなと思っちゃったんですけど。あと公私混同で言うと、先週にこんなことがありました。秋葉首相補佐官のパーティー。これね、「イベントを自粛してください」って言ったその夕方にパーティーを開催してしまって、そこを批判されていますけど。僕はそことは違う面でぎょっとしまして。共同通信の記事を読むと「秋葉首相補佐官がその弁明、説明として記者団に対してその日、『非公表の東北六県のウィルス検査実績を開催の根拠にした』と説明した」っていう。

非公表情報を根拠にパーティー開催

これ、公私混同じゃないですか。非公表の……「表では言えない東北でのウィルス検査実績があって、感染者数がまだ少ないからそれを僕は開催の根拠にしたんです」っていう。それを堂々と言ってるわけですよ。それはだって自分の立場でしか知りえない情報じゃないですか。それを根拠にして開催をしているって……これ、公私混同ですよね。それが公私混同であることすらもわかってないっていう。

(野村邦丸)それは言っちゃいけないことだよな。

(プチ鹿島)言っちゃいけないこと。利用しちゃいけないこと。だったらその情報は世の中全体に公表しなくちゃいけないですよね。あとは和泉首相補佐官と大坪さんのコネクティングルームの件。あれも不適切な関係を突っ込まれてますけど、でも税金の使われ方……出張の際の宿泊費でそんな豪勢な部屋に税金を使っていいんですか?っていう。これも公私混同ですよね。これもやはり、ウィルスのせいで出てしまっている。

次、3つ目のキーワード。「公文書の問題」。これもやっぱり大事ですよね。これは3月3日の東京新聞なんですが。「2日の国会で明らかになったこと」っていうので。「首相が専門家からの意見を聞かずに一斉休校を決めた」っていうこととか、「文科省、萩生田大臣には知らせずに決めた」っていうのとか。それで僕が注目したのはこれです。「専門家会議、議事録なし」っていう。

「2日の時点でそれまでに3回開き開かれた政府対策本部の専門家会議のうち2回は議事録を作成していなかったことも判明した。加藤大臣は『議事録を作成しなかった2回は休日開催で速記記者を呼べなかった』と言った」とのことなんですが、でも録音とか、いろいろと記録を残していくやりようってありますよね? で、僕がこれで問題だと思うのは、やっぱりこれ、なんで公文書や議事録を残さなくちゃいけないのか?っていうことじゃないですか。

今、10代の人たち、学校が休校でお家にいなくてはいけないという、そういう対象になっていますけど。たとえば今、国会にいる方たちは10年、20年、30年のうちに死ぬんですよ。だけど今の10代の若者たちが30年、40年、50年経って、また未知のウィルスが来た時にどうするかって言ったら、それはやっぱり先人たちが過去にどう戦ってきた?っていうその記録を見ますよね。そんな時に「じゃあ、あのウィルス……俺たちが10代の時に学校が休みになった時があったな。あの時、政府はどう決断、判断をしたんだろう? 専門家の意見いたんだろう? ちょっと議事録を見てみよう」って思っても……ないんですよ。つまり、未来の日本人に対してこれは迷惑をかけているわけですよね。

目先のことだけでこれだけ……だからそうなると、ここからさらに見えてきたことっていうのは「今の政権は本当に”保守”なのか?」っていうことですよね。だって「先人の歴史と伝統を守って未来に受け継いでいく」っていうのが保守の姿勢じゃないですか。それをなんか目先のあれこれ……なんか支持率があれだからとか、議事録がどうだとか。これ、今回だけじゃないですか。「公文書があるといろいろ面倒だから……」って。

今の政権は本当に”保守”なのか?

つまり、未来の日本人はたとえば50年後、100年後、「あの時代にどういう政治があったんだろう?」って思った時に、それを参考にして判断ができないわけですよ。歴史が分断されちゃってるわけですよ。だからこれ、最後に言うと、今回見えてきたのは「今の政権、政府っていうのは保守かのかな? 保守政治家なのかな?」っていう。これをつくづく痛感しましたね。もうひとつだけ言うと3年前に「国難突破解散」ってあったじゃないですか。でも、今回のような本当の国難だったら解散はできないんだなっていうのも今回、見えてきたことですね。

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(野村邦丸)フフフ(笑)。

(プチ鹿島)「国難、国難!」っていうことで選挙をしましたけどね。今、もう衆議院を解散できないじゃないですか。それで今、言われていることは「与党も野党も一緒になって国難を突破しよう!」みたいな、そういう論調がまた出てきましたけども。でもやっぱりメディアは政府が何かをしたら必ずそれを「真実なのか?」っていう風に疑わなくちゃいけない。これ、僕が去年見た映画の『記者たち』っていう作品がありまして。

イラク戦争の時、「イラクに大量破壊兵器がある!」っていうことでワシントンポストもニューヨーク・タイムズもイケイケドンドンで行ったんですけど、アメリカのある地方紙は「いや、その政府の言っていることは本当なのか?」っていうことでそれをずっと追求していって。実は本当に大量破壊兵器はなかったわけじゃないですか。

(野村邦丸)ねえ。あれなんか家族からのバッシングを受けたりとかね。あの記者たちはね。

(プチ鹿島)だから僕は「挙国一致で国難突破」でもいいですけども、少なくともメディアや野党は今、出されている対策とか……現行法で対応できるのか? 特措法(新型インフルエンザ等対策特別措置法)もそうですよね。じゃあなんでこれを改正する必要があるのだろとか、いちいちチェックしていったり声を上げていった方がいいと思いますね。そうしながら協力していかないとダメですよね。やっぱり。全部流れて「ほら、みんなで挙国一致で!」って風になるとこれは危ないことになると思いますね。僕はね。

(野村邦丸)これ、プチ鹿島さんに聞きたいんだけども。首相の総理会見が35分で終わった。しかも質問事項は全部事前に渡されていて、その答えまでが全部決まっていたっていう。

(プチ鹿島)そうですね。(原稿を映し出す)プロンプターもあって。

(野村邦丸)それで主催が内閣記者会がやったわけですね。あの時に「これ、おかしいよ! こういう時にはおかしいわよ!」って、それこそ朝日新聞も言うべきだったんじゃないか?っていうね。

(プチ鹿島)言うべきですね。言うべきだし。あの会見のメリットはあれを多くの人が見ていたから「あれ? これ、おかしいんじゃない?」っていうのがやっと見えてきた。これもモリカケだの、桜を見る会だの何だの時も同じ対応、振る舞いをしていたんですよね。「質問に答えない」とか「予定調和の会見で終わってしまう」とか。菅さんとかも「その指摘は当たらない」で終わってたじゃないですか。でもやっと、多くの人があれを見てぎょっとするようになったっていうのはある意味、このウィルス……見えないウィルスだけど、ウィルスのせいで見えてきたものっていうね。あえて言うならね。

見えないウィルスで見えてきたもの

(野村邦丸)鹿島さんもおっしゃった通り、今の状況で解散なんかできないですね。もちろん、解散されたらとんでもないことになっちゃう。ただ、その中で思うのはあの東日本大震災の時の福島第一の原発クライシスもそうだったし、今のコロナウィルスもそうなんだけども。今はその「安倍云々」っていうことよりも「持ちこたえろよ! しっかりしろよ!」っていう声が多いじゃないですか。好き嫌いは別にして。「困るのは国民なんだから!」っていう。

(プチ鹿島)だから「先頭に立ってどんどん情報発信してください」っていう。別に難しいことは何も言ってないですよ、だって。それが表に出てこない。出てきて会見するのも発表の2日後。しかも具体的な休校を決定した根拠、理由も教えてくれない。それで今、やってることは「さあ、みんなで一緒に特措法を改正しようね」っていうなんか抱きつきみたいな感じじゃないですか。

(野村邦丸)あれもなんか納得できないことも多いんだよね。

(プチ鹿島)まああれ、もともと野党がね、1月下旬から言ってましたからね。「今の現行法(新型インフルエンザ等対策特別措置法)で対応できるじゃないか」っていう。だからそれを今さらその通りに対応すると、あの時の自分が恥をかくから……っていう。

(野村邦丸)だからそれは違うだろうっていう……メンツじゃないだろ?っていう。

(プチ鹿島)そうなんですよ。そこなんですよね。でも、びっくりするけども、まさかメンツとか?っていう、下世話なところにたどり着いちゃうんですよね。

(野村邦丸)だとすれば、本当に最悪だよな。でもフェーズはだんだん……新型コロナウィルスのフェーズも変わってきましたけども、安倍政権に対するフェーズ。これも変わってきたっていう中でまた次回、ご登場いただく時に安倍離れが自民党内、あるいは公明党も含めて……?

(プチ鹿島)いやー、でもこれだけのことになったらせめて与党からその新聞の「関係者いわく」だけじゃなくてね、公の場で「おかしいじゃないか。もっと情報発信してよ!」とか「国民が安心するようにしてよ!」っていうのが与党内から出てきてもいいと思うんですけどね。

(野村邦丸)それがさあ、新聞記事に出るかということですが。次回もまたプチさん、よろしくお願いします。プチ鹿島さんでした。

(プチ鹿島)ありがとうございました!

<書き起こしおわり>

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