PUNPEEさんが2020年1月10日放送のJ-WAVE『SOFA KING FRIDAY』の中で自身が本の帯文を書いた『ジャック・カービー アメコミの”キング”と呼ばれた男』を紹介していました。
(PUNPEE)かけた曲はVaVAちゃんで『( ・ω・) -Aschii Art-』という曲でした。
先日発売された『Cyver』というEPからの1曲でビデオも上がってたのでかけました。ツアーが始まるそうで、自分のTwitterでもRTしたんですが。そのチケットの先行抽選をしてるみたいなので、チェックしてみてくださいませ。去年やったVaVaちゃんのツアーは割とクラブが多かったので未成年の人が入れなかったりしたんですけど、今年は夕方帯だったりするので、そういった方も入れるそうなので……という感じらしいです。
VaVa全国ワンマンツアー
1/7 – 1/13
公式LINE先行抽選受付中https://t.co/5xGkxFNZgh2/10@名古屋クラブクアトロ
2/15@仙台Darwin
2/19@大阪クラブクアトロ
2/24@福岡Beat Station
2/27@渋谷O-EastEP ''Cyver''https://t.co/uwDefSvdzW
— SUMMIT (@SUMMIT_info) January 8, 2020
で、年末にやった自分事としてもう1個紹介できてなかったのは、ジャック・カービーっていうアメコミのアーティストの半生を描いていた本。1994年にもう亡くなっちゃってる方なんですけど。書いていたのが割と身近な人で、マーク・エヴァニアっていう人が書いている半自伝的な感じなんですけど。その本(ジャック・カービー アメコミの”キング”と呼ばれた男)の帯を書かせてもらいました。
誘ってくれたのはキャプYさん。吉川悠さんですね。いつも自分がヴァースコミックス配信だったりとか、アメコミをいろいろいつも教えてもらったりしてる人なんですけど。誘ってもらいました。
ジャック・カービーさんっていう人、自分が話しをするには……自分よりも全然詳しい人も他にいっぱいいるし、話せるあれでもないですけど。すごい昔、1930年代後半ぐらいからコミックス業界に入って。まあジョー・サイモンっていう人とご存知『キャプテン・アメリカ』を創造して作って。その後、ジョー・サイモン氏が「俺が1人で作ったから!」みたいなのでマーベルと戦ったりもするんですけども。
『キャプテン・アメリカ』を作り出した1人
Captain America's creators, Joe Simon & Jack Kirby, have been offered New York police protection after death threats from American Nazis. https://t.co/OFFBYiltBW pic.twitter.com/GBIBR1TTYn
— WW2 Tweets from 1942 (@RealTimeWWII) March 1, 2019
まあ、ジャック・カービーという人は『キャプテン・アメリカ』をジョー・サイモンとまず作ったのが有名で。当時は結構アーカイブするもの……インターネットとかもないし、契約とかもまだ始まったばっかりで曖昧だったから、あんまりちゃんとした契約書もなかったのかもしれないですけど。その後、アメリカで徴兵されて戦争とかに行った後に、また戻ってきて。それでいろいろあって、その時は1940年代の終わりとか50年代っていうのはヒーロー物が全然流行ってなくて。流行ってないっていうか、ホラーコミックスだったりとかも倫理的にダメって言われて、流行ってなくて。そこから少女漫画だったり恋愛コミックを書いたりするんですけど。
一方その頃、DCコミックスでだいたい1960年代の始まりぐらいに『フラッシュ』っていうのがヒットするんですよね。ドラマにもなっている、赤いコスチュームを着て走るのがめちゃくちゃ速い人なんですけど。それでまたヒーロー物が流行るんじゃないかっていう風になって。その時にマーベルでも「じゃあ、またうちでもヒーロー物を作ろう」っていうことで、その時に言ったのがスタン・リーとかマーベルのコミックスの人だったと思うんですけど。
そこからこのジャック・カービーはスタン・リーと一緒に『ファンタスティック・フォー』を作ります。4人組のやつですね。それで『ファンタスティック・フォー』を皮切りに、言ったら『マイティ・ソー』だったり『ハルク』『デアデビル』『ドクター・ドゥーム』『ブラックパンサー』とか『X-MEN』とか。今、ほとんど一軍でいるマーベルのキャラクターたちを……この時、『スパイダーマン』も生み出されたですけど、それを書いていたのはスティーブ・ディッコっていう人でまた別の人だったんですけど。
このカービーの画は見たらもう分かるようにザ・アメコミっていうか。めちゃくちゃ力強くて、もう見たらすぐわかるっていうやつですね。ダイナミックな感じで。コマの使い方とかそのダイナミックな感じがもう一見して分かるっていう。まあ当時の1960年ぐらいにマーベルを結構盛り上げた人で。「アメコミのキング」って言われてる人ですね。その本の帯を書かせてもらいましたっていう感じです。
でもこの後は結構、そのスタン・リーが華々しい感じで優遇されている中、あんまりちゃんとした、それに見合ったお金をもらえないっていう日々が結構続いて。コミックスをすごい早く書く人だったらしいですね、この人は。で、その後にマーベルを離れてまたDCに行って。今度は『ニューゴッズ』っていう好きな人はすごい好きなコミックスを書いたりするんですけど。で、やっぱり「すごい不当な扱いを受けたな」っていうのがあって。結構「キング」っていう感じでちゃんとした評価を身を持って感じるのが割と後年だったらしくて。
不遇の作家人生
まあ、言ったら割と報われていない作家さんだったというか、そういう感じ。不遇の人生を歩んだ方だったみたいですね。もう自分がコミックス読み始めた1994年に亡くなってるっていう、そういうニュースを知って。その時は自分、ジャック・カービーという存在は知らなかったんですけど、その時に買ったアメコミの雑誌の一番後ろの方に「ジャック・カービーが亡くなってしまった」って書かれていて。そこからね、同い歳ぐらいのスタン・リーが20年間も元気にしていたっていうのは、またこれもすごい話なんですけど。
言ったらスタン・リーとも仲が悪かった時期もあったし、晩年はアニメの仕事を一緒にしたりとかするんですけど。で、遺族の方がやっぱりそのマーベル……今、ものすごい盛り上がってる映画の中でちゃんとした、しっかりとした分配をしてほしいっていうのを2009年ぐらいからマーベルを相手に裁判を起こしたりもしてて。遺族の人たちが。それで1回、負けちゃったんですよね。マーベルの人に「こういう権利はマーベルはしっかり持ってていて……」っていう。アメリカのコミックスってその作り出した人じゃなくて、ほとんどの場合が出版社の人がそのキャラクターの権利を持ってたりするから。だから『キャプテン・アメリカ』だったり『スパイダーマン』をいろんな人が書いたりもしてるんですけど。
で、これは1回目の裁判では「しっかりマーベルがキャラクターの権利を持ってるから、それにはちょっと応えられない」ってなったんですけど、もう1回、2014年に裁判を遺族の人たちが起こした時には示談で解決したっていう。まあ、その時にはもう映画の方はMCUはディズニーの傘下になってたから。その時はもう示談金、額はいくらなのか開示されなかったんだけど、まあ結構多額の……だって言ったらこれ、ウィキペディア情報なんですけど。ジャック・カービーが創作にかかわっているものだけで74億ドルぐらいの利益が出ているみたいなんですよね。約7400億円という。まあ、それはたしかにうん。ちゃんとした分配をしてもらいたいって言うのもわかる気もするんですけども。
それだけ今の映画界だったりとか、もちろんアメコミ映画がすごいヒットしてる時代なんでとか、いろんなものに影響を与えた人でありました。自分的に、これは間違っていたら申し訳ないですけど。スタン・リーさんはやっぱりアイコンというか、キャラクターでみんなに愛されてマーベルっていうものを広めた人としてすごかった。で、作り出すものとしてはやっぱりジャック・カービーさんの力強いものと創作力。この2人がいなければちゃんと、あれらは全部生み出されなかったのかな?っていう気もするから。やっぱりそこはね、分配だったりとか、頑張っている人にはちゃんとそれに相応しい報酬だったりがあるべきなのかな?っていうのをこの本を読んで思ったっす。
ジャック・カービーも知ってほしい
だからやっぱりスタン・リーさんを知っていたら、このジャック・カービー氏も知ってほしいっていう気は読んでいて結構しました。そんな感じです。あと、やっぱりすごい影響を与えた部分だと、自分はいまだに『スター・ウォーズ』を一作も見れていないんですけども。前もこのラジオで話したんですけど。自分の息子同士を交換するっていう案……悪の方と善の方の子供を小さい時を交換するっていうのは、もしかしたらこのジャック・カービーが元ネタなんじゃないかっていう。
『ニューゴッズ』っていうDCのコミックスがあって。それはオライオンっていうキャラクターとミスター・ミラクルっていうキャラクターが元々いいやつの父親と悪いやつの父親とで子供が産まれるんですけども、それを交換するんですよね。で、その育ての親が、悪いやつの方の子供の育ての親がいい方の親が育てて。いいやつの子供を悪い方の親が育てるっていう。ジョージ・ルーカス氏はこれを公的には「影響を受けた」とは言ってないみたいなんですけども、結構これが元になっているんじゃないかな?って言っている人もいるみたいなんです。
あと『マイティ・ソー ラグナロク(バトルロイヤル)』に出てきたメカのデザインとかもカービーマシンっていうか。ジャック・カービーはよくでっかい壮大な、ダイナミックなマシーンを書くっていうので、それの影響をすごい受けてた部分がありました。それはもちろん、監督のタイカ・ワイティティ氏はたぶんそれが好きで取り入れていたみたいです。あとカービードッツっていう「………」ってすごい小さい点をいっぱい書くことによってエネルギーの感じになる手法を編み出したりとか。
ジャック・カービーの手法
This somewhat reminds me of something called jack kirby dots
Although im guessing the method is differently done as this one is more on erasure rather than adding pic.twitter.com/rl4BNbLr9s— Ze (ꗚꯄꗚ)7 「wadyati」 (@ZeFellowBud) November 30, 2019
あとはコラージュっすね。何か変な空間に行く時は書くのではなくて切り抜いた星とか家具とかを浮かせて。それを異次元っぽく見せるみたいなコラージュだったりもすごくかっこいい人なんですけど。
Fantastic Four #32 features some of Jack Kirby's earliest uses of collage. pic.twitter.com/lrOLwDObP5
— Jack Kirby Museum (@JackKirbyMuseum) May 24, 2017
そんなにこの文化というものが大きいお金になるとか世に知れ渡るなんてのは最初、創作した人はそんなことはやっぱりどうでもいいわけじゃないですか。ピュアな気持ちでキャラクターを創作して楽しくやっていて……っていう。でもそれが大きくなった時に、やっぱり最初の契約書なんて、そんな小さい会社とかだったらもしかしたら交わしてない可能性もあって。
でもやっぱりちゃんとねすごい頑張ったクリエイターの人にはそれなりの相応しいものがあってほしいなっていうか。そうでなければいけないっていうのをすごいこの本を読んでいて思ったので。よかったらジャック・カービーのこの『ジャック・カービー アメコミの”キング”と呼ばれた男』という本を読んでみてはと思います。
というわけで『SOFA KING FRIDAY』、今回も終わり。2020年2回目、合計93回目の放送、最後はそのジャック・カービーに影響を受けたかはわかんないですけど、ポール・マッカートニーがザ・ウィングスっていうグループをやってた時に出したアルバムの中に『Magneto And Titanium Man』っていう曲があって。その時にジャック・カービーをウィングスが自分のコンサートに招待をして。
その時にポール・マッカートニーが「ジャック・カービーが来てるよ!」っていう風に紹介したというエピソードがよかったので。その『Magneto And Titanium Man』。マグニートーは『X-MEN』のキャラクターで、これもジャック・カービーとジャック・カービーが作り出したものとされているので。それをかけて終わろうと思います。ということで、来週もよろしくお願いします。さよなら、さよなら、さよなら……。
The Wings『Magneto And Titanium Man』
<書き起こしおわり>