春風亭一之輔『笑点』の楽屋の人間模様を語る

春風亭一之輔『笑点』の楽屋の人間模様を語る ザ・ラジオショー

春風亭一之輔さんが2023年4月25日放送のニッポン放送『ナイツ ザ・ラジオショー』の中で『笑点』の楽屋での人間模様について話していました。

(塙宣之)もう『笑点』、慣れました?

(春風亭一之輔)いやー、慣れたような……うーん。なんか、楽屋がひとつなんですよ。

(山崎ケイ)えっ、そうなんですか?

(塙宣之)大部屋でね。挨拶に行った時もみんな、ねえ。

(春風亭一之輔)この間もずっとなんか、たい平師匠が新しいマッサージ機を買ってきたっつって。低周波治療器とか、そういうのを小遊三師匠にくっつけて。小遊三師匠が目をつぶってずっと……ウォークマンの猿みたいな感じでずっと、こう。

(塙宣之)昔のCMのね(笑)。大ヒットしたCM(笑)。

(春風亭一之輔)「昔のウォークマンの猿みたいだな」って思いながらね。

(土屋伸之)そんな楽屋なんだ(笑)。

(塙宣之)やっぱりたい平師匠がムードメーカーというか?

(春風亭一之輔)そうですね。やっぱりたい平師匠がワーワーと盛り上げてくれる感じですね。昇太師匠はだいたい自分勝手じゃないですか。「自分がよければいい」と思ってる人だから。

(塙宣之)いやいや、そうなんですか?

(春風亭一之輔)そうじゃないですか。

(土屋伸之)「そうですね」とは言えないですよ(笑)。

(春風亭一之輔)会長とか、向いてないと思うし。たぶん。無理してやってる感じで。

(土屋伸之)ずっと会長、やってますよ?

(春風亭一之輔)ずっとやっていて。ほら、やる人が他にいないから。

(塙宣之)小遊三師匠が断ったから(笑)。

(春風亭一之輔)その器の人が……(笑)。

(土屋伸之)本来はそんな器じゃないけど、昇太師匠がやっていると?

(春風亭一之輔)器じゃないっていうか、もう昇太師匠ぐらいになると、昇太師匠がやるしかないじゃないですか。やっぱりね、みんなが知っているし。

(土屋伸之)顔ですからね。

(春風亭一之輔)顔ですから。でも、やっぱりそういう人間ではないと思うんですよ。組織を引っ張っていくような人間ではない。昇太師匠は絶対に。タイプが違う。

(土屋伸之)じゃあ、メンバーをまとめているのはたい平師匠ということですね。

(塙宣之)逆に芸術協会、いるのかな? 他に、昇太師匠以外に。

(春風亭一之輔)いや、それは竹丸師匠とかね。

(塙宣之)ああ、絶対に喜ぶよ? 竹丸師匠、これを聞いてるから。

(春風亭一之輔)竹丸師匠!(笑)。

(中略)

(塙宣之)いや、でも『笑点』も、どうですか? もう若い人が、いないですよね?

(春風亭一之輔)なにを言って……えっ、若い人が?(笑)。

(塙宣之)宮治だって年上ですもんね?

(春風亭一之輔)宮治、46ですからね。僕、ひとつ下ですからね。

(塙宣之)やっぱり落語会とか行った時に、『笑点』つかみたいなのって、みんなするじゃないですか。やっぱもう変わりました? そういう枕の話とか。

(春風亭一之輔)だからね、どうなのかな? なるべくしないように……。

(塙宣之)なるべくしないようにしている?

落語会ではなるべく『笑点』の話はしない

(春風亭一之輔)僕はね。さすがに「なった」っていうのだけは言って。ちょっとそれをネタにするのはあるけども。「この間、こんなことがあって……」とかいうのは、あんまり僕は器用な方じゃないんでね。なるべくやめようかと。

(土屋伸之)でも地方の落語会とかだと、お客さんはちょっと聞きたいでしょうね。

(春風亭一之輔)ああ、さっきも新宿末廣亭に上がったら、なんか異常な拍手をしてるおばさんがいて。「パチパチパチパチッ!」「あ、いえ、もういいですよ」「パチパチパチパチッ! 好きなの!」「えっ、なんで?」「『笑点』見てるから!」っていう。もうすごいやりにくくするババアがいて。

(山崎ケイ)アハハハハハハハハッ!

(春風亭一之輔)なにやってるんだ? しゃべらせろ、俺にっていう。甘えてるんじゃないよって。

(塙宣之)「甘えてるんじゃないよ」ってなんですか?

(春風亭一之輔)『笑点』に出ているとね、みんなに優しいスーパースターだって。じゃないですか。他の人は。木久扇師匠とかたい平師匠とか、ほら。絶対に子供とかとも握手したりして、すごい。

(土屋伸之)茶の間の人気者で。

(春風亭一之輔)僕は子供がいたら、普通にもうサーベルで殴りますよ?

(塙宣之)プロレスラーじゃないんだから(笑)。

(春風亭一之輔)いや、いいんですよ。そういう役目で。甘えてんじゃないよ。バーッて拍手して。「ホテル、行く? あるよ? いっぱい」って言ったら、シュンとしちゃった。おばさん。そういうことは、ダメみたいね。

(土屋伸之)「ホテル、行く?」って、そりゃそうだよ。『笑点』が大好きな人に対して、そんなことを言っちゃダメですよ。

(春風亭一之輔)そこまで好きじゃないっていう。だからガーッ!ってくるね、「『笑点』!」とかっていう人とか、本当に腹が立つんですよ。「俺は『笑点』に出てるけど、俺は『笑点』じゃないんだよ?」って。一応、言って。うるさいから。「うるさい。あんたのせいで今、落語やりにくくなったよ」って。シュンとして。

(塙宣之)それを今日、言おうと思って見に来てさ(笑)。

(土屋伸之)そういうタイプだからみんな、メンバー入りを予想できなかったんですよ。一之輔師匠がそれを受けるっていうのが。

(春風亭一之輔)いや、それはそれでなんか、ちょっと面白そうじゃないですか。入っちゃうと。声をかけていただいたらね。

(塙宣之)もし、僕が『笑点』とか入ったら、やっぱり山田隆夫さんのことをもっと知りたいですね。うまみがすごいじゃないですか。山田隆夫さんって。

(春風亭一之輔)「うまみ」?(笑)。

(塙宣之)ちょっと話しただけで、なんかもう面白いじゃないですか。やっぱり。どういう方なんですか? 山田隆夫さんって。

(春風亭一之輔)「どういう方」って、みんな嫌ってますよ。

(一同)フハハハハハハハハッ!

(春風亭一之輔)僕は大好きですけどね?

(塙宣之)ずるい!(笑)。

(春風亭一之輔)僕、まだわかんないもん。まだ3ヶ月ぐらいだから。

(塙宣之)ああ、そうですか?

みんな山田隆夫さんを邪険に扱う

(春風亭一之輔)みんな普通に邪険に扱ってますよ? 「ああ、こんなに邪険に扱うんだ、山田さんのことを」っていうぐらい、邪険に扱ってますよ? たい平師匠なんかこの間、なんか帯がみんなよれてきたということで。「じゃあ、みんなで帯を新しくしよう」っつって。それで業者さんからね、帯がいっぱい送られてきて。「好きなのをみんな、選んでください。この色の中から小遊三師匠。この色の中からたい平師匠……」って。まあ、たい平師匠が仕切ってるんですよ。「じゃあ、これね……あ、山田さん。触らないでください。山田さんのは、ないです!」って。

(土屋伸之)フフフ(笑)。ええっ? だって山田隆夫さんだって着物、着るでしょう?

(春風亭一之輔)「山田さん、メンバーじゃないから」「いや、俺だって……」「いや、山田さんは座布団配りだから。メンバーは我々。山田さんはメンバーじゃないから」って。

(塙宣之)そのトーンがマジなトーンなんですね?

(春風亭一之輔)うーん。マジと笑いの微妙なラインつ突いてきて。で、山田さんがマジな顔で「おい! 俺だって!」って言うと……一応、それもカメラ、回ってるんですよね。たぶん『笑点』 特大号で流すんでしょうけども。「はい、その顔もう、テレビで使えないから。山田さん」って。「怒らないで? 回っているんだから。特大号で流せないよ?」って。で、山田さんもニコッてするっていうね。修羅道です。

(土屋伸之)フフフ(笑)。でも、そうなってくるんじゃないですか? 一之輔師匠も。慣れてくれば。山田隆夫さんに。

(春風亭一之輔)いやいや、楽しいですけど。こういう、ほら。地上波の30分だけじゃ収まりきれないおもしろがあるんですね。だから宮治なんか、だから僕が入って結構ほっとしたって言ってくれて。

(塙宣之)だって大変だったでしょうね。

(春風亭一之輔)あいつ、だって真打なりたてであのメンバーの中に放り込まれたら……ねえ。どんどん目がほら、殺人鬼みたいな目になってきて。

(塙宣之)キーッ!ってなってました。

(春風亭一之輔)シリアルキラーみたいな。

(土屋伸之)力が入って。

(春風亭一之輔)バーッ!って言った途端、スッと引くっていうあの宮治特有の。

(塙宣之)よく見てますね(笑)。

(春風亭一之輔)ブワーッ!って言って、「アハハッ!」って自分で言って、スッと引くっていう。あの闇がね。

(土屋伸之)そこまで見ているんだ。

(塙宣之)笑えなくなりますよ。宮治で(笑)。

(春風亭一之輔)宮治で笑えない? 笑えない宮治が一番面白いんですから。

(土屋伸之)どういうことですか?

(春風亭一之輔)飲みながら泣いてる宮治とか。

(土屋伸之)飲みながら泣いている番組、やっていますから。宮治くん。

(塙宣之)やっぱり宮治、すごく元気だから。元気じゃないところもありますもんね。

(土屋伸之)空元気な時はありますね。

(春風亭一之輔)それを見ていて、本当に悲しいなって。

(塙宣之)でももう本当に、木久扇師匠とかね、小遊三師匠もね……僕も小遊三一門ですから。たまにご挨拶するじゃないですか。なんか本当にもう、疲れてますもんね。なんか本当に。

(春風亭一之輔)普通にこの間、フリップにマジックで書いて何か言うっていう問題の時に、自分の衣装をマッキーの太い方で汚しちゃって。

(塙宣之)フハハハハハハハハッ!

(春風亭一之輔)水色のところに真っ赤なマジックでバーッてついちゃって。本当にシューンってしていましたよ。「あ、ああ、あああ……」って。で、衣装さんが飛んできて「ああ、これは落ちないんですよね……」って言いながら。ちょっと一騒動ありまして。

(塙宣之)ねえ。木曜日に来るからね。

<書き起こしおわり>

タイトルとURLをコピーしました