ZEEBRAさんがWREP『LUNCHTIME BREAKS』の中で男子高校生がラップバトルの罰ゲームで川に飛び込み、亡くなった事件について自身の考えを話していました。
(ZEEBRA)今日はね、もう朝から本当に……悲しいニュースというか。だから、BGMはこんな感じかな?
ええと、高校生の子たちがラップバトルをやって。それで、罰ゲームで川に飛び込んで亡くなってしまったというお話なんですけども。あの、なんでしょうかね。本当にMCバトルが広がったということ。それに関しては自分も思い切り加担をしているんで、まったくもって他人事ではなく、自分事のようにいろいろと思っているんですけども。さっき、ちょっとTwitterの方で5個続けてツイートしているので、ぜひ読んでほしいなと思うんですけども。まあ、そんな暇もないという人のために。せっかく渋谷を歩いているあなたにも聞いていただきたいんですけども。ちょっと読んでみます。(ツイートを読み上げる)
川崎の件。あまりにも悲しい出来事に心が痛いです。自分世代は「ヒップホップの精神が伝え損ねたが故」と思いますが、ここでいうヒップホップの精神も我々世代と今の世代では乖離があり、本場アメリカでも昔は反対の立場であったハードドラッグで命を落とすラッパーが後を絶ちません。
— Zeebra (@zeebrathedaddy) December 20, 2019
常に革新される事を良しとするカルチャーである事、ティーンや二十代がメインのターゲットである事などから上の世代はどんどん淘汰され、世代間や歴史の断絶が進んでいるのが現状です。自分が伝えたい事は、我々世代にとってのヒップホップもその当時のティーンや二十代が作った物だという事。
— Zeebra (@zeebrathedaddy) December 20, 2019
決して保守的になった大人が作った物ではなく、問題が多かったからこそ状況を正すという行為が革新的だったんです。問題が増えてる今こそ、ポジティブな意識を持つ事がカッコいいヒップホッパーなんじゃないかなと思います。
— Zeebra (@zeebrathedaddy) December 20, 2019
「MCバトルだけじゃなくヒップホップの精神を伝える」という行為が必要とされる今、我々がまず向き合わなくてはいけないのはそもそも今のヒップホップが正しいのかという事。上の世代も上から目線ではなく、下の世代も何でも「老害」と切り捨てずに考えていけたらなと思います。
— Zeebra (@zeebrathedaddy) December 20, 2019
もう若いラッパーが死ぬのを見たくありません。被害者の方のご冥福をお祈り致します。
— Zeebra (@zeebrathedaddy) December 20, 2019
(ZEEBRA)まあ、ちょっと結構長いツイートなんですけども。はい。先ほどツイートしました。本当にね、これはそういうところに来てるんじゃないかと俺は思っていて。うん。一度やっぱりね、こういう「ヒップホップとは何なのか?」についていろんな世代で本気で前向きに話したりする必要があるんじゃないかなっていう風に思っています。
で、やっぱりMCバトル……MCバトルはもちろんMCバトルだと思うし、それはそれの楽しみ方があっていいと思うんだけども。MCバトルもヒップホップという文化から出来上がったものなので。やっぱりヒップホップの文化というものをしっかりと伝えていくこと。で、またそのヒップホップという文化自体を強固にしていくこと。それが必要とされているんじゃないかという風に思っております。
なんだろうな……まあ、これがね、いろんな意見もありますよ。たとえば「なんかそういう理由にしてるんじゃないの?」っていう人もいるかもしれないし。そういうのが今、まだわからない中でそういう風に言うのは俺は違うのかなって思うので。可能性はあるかもしれませんけども。とにかく今、世の中に出ている情報としてそうなっている以上は、これについて前向きに考える必要があるんじゃないかという風に思っております。
ということで、あの……まあ本当にまだまだ、誰でもないのかな? 名前も聞いたことがない、そんな無名のラッパーの死を無駄にしないようにWREPではヒップホップをしっかりと伝えていきたいと思いますので、皆さんこれからもよろしくお願いいたします。ということで、1曲目はたぶん彼が夢を見ていた、そんなやつらの曲をかけたいと思います。BAD HOP『Foreign feat. YZERR & Tiji Jojo』。
BAD HOP『Foreign feat. YZERR & Tiji Jojo』
(中略)
(ZEEBRA)お聞きいただいたのはRy-lax『I Know It』でした。
はい。悲しいニュースはありますが、日本のヒップホップはヤバいアーティストがどんどんと出てきてます。そんなみんなといい感じに作っていけたらいいなと思っているんですけども。お次もヤバいの、行きましょう。LEX『STAR』。
(ZEEBRA)お聞きいただいたのはLEX『STAR』でした。(ツイートを読む)「ファッションやお作法だけが独り歩きした今、大切なのはマインドだと思うぜ。SUNも言っているが世代ごとにヒップホップのマインドは乖離しちまっている。だからこそコミュニティを形成し、上も下もねえ環境が必要じゃねえのか? 互いをリスペクトすべきだ」と言ってくれています。
ファッションやお作法だけが一人歩きした今、大切なのはマインドだと思うぜ。SUNも言ってるが世代ごとにヒップホップのマインドは剥離しちまってる。だからこそコミュニティを形成し、上も下もねぇ環境が必要じゃねぇのか?互いをリスペクトするべきだ。 #wrep https://t.co/jGo5QDi0ob
— Ja: Poot (@JaPot_93) December 20, 2019
本当にその通りだと思います。あのね、「互いにリスペクト」ってすげえ難しくて。まずなんか先にリスペクトされようなんて思っているのが俺は全ての間違いだと思っているから。俺はまず相手をリスペクトすることから始めているぜ! お次はこちらに行ってみましょう。ダベイビー『BOP』!
DaBaby『BOP』
<書き起こしおわり>