安住紳一郎 餃子とバター醤油ごはんを語る

安住紳一郎 餃子とバター醤油ごはんを語る 安住紳一郎の日曜天国

安住紳一郎さんがTBSラジオ『日曜天国』の中で好きな食べ物についてトーク。餃子やバター醤油ごはんについて話していました。

(安住紳一郎)今日のメッセージではこちらです。「小さな幸せ」。名古屋市の51歳女性の方からいただきました。ありがとうございます。「私にとって小さな幸せ。それは餃子をパクッ食べる瞬間です。じゅわっと酢醤油と共に口の中に広がるあの瞬間。8年前に亡くなった大好きだった父を思い出すのです。父はお酒が大好きで、とても陽気な人でした。その父がいつも口癖のように『お父さんは食べ物の中で餃子がいちばん大好き。これを考えた人は天才だ』と言っていました。いま、餃子をひと口食べる瞬間に美味しいのと同時に父の笑顔も一緒にパクッ食べているような感覚になり、その瞬間小さな幸せを感じます。ああ、またお父さんと一緒に餃子が食べたいな」。ねえ。本当に餃子は美味しい。

(中澤有美子)餃子は美味しいですね。

(安住紳一郎)「一生餃子でいい」と思う時、あるもんね。

(中澤有美子)そうですね!

(安住紳一郎)美味しい。私も少し心がやさぐれてくると、餃子を食べに行きますよ。

(中澤有美子)うんうん。はい。パワーが出ますよね。

心がやさぐれると餃子を食べに行く

(安住紳一郎)本当にね。ちょっとね予定している個数より多めに食べたりしてね。うん。「餃子16個食べた!」っていうね、その事実だけで元気になりますよね。

(中澤有美子)そういうところ、あります。

(安住紳一郎)餃子、いいですね。焼き餃子。熱々でね。福岡の博多のね、餃子も。あの鉄鍋餃子って言って、丸いすき焼きの鍋みたいなのにびっしり詰めるような餃子もいいですしね。東京は東京でね、いろいろ……飯田橋とかにも有名な餃子屋さん、ありますしね。ちょっと行かれてみてはいかがですか?

(中澤有美子)そうですね。

(安住紳一郎)高崎市の43歳女性の方。ありがとうございます。

(中澤有美子)ありがとうございます。

(安住紳一郎)「小さな幸せ。それはホイル焼きの包みを開ける瞬間です。最近、何かのホイル焼きを作るのにハマっています。鶏肉、シャケ、白身魚などをメインに、にんじん、きのこなどをアルミホイルに並べてバターをひとかけら落とし、包んで焼くだけの簡単料理です。包みを開けた瞬間に立つ上ぼるバターの香りはまさに幸せの匂いです。秋ジャケ、タラなど旬の魚が美味しい季節です。簡単なのにこれほど幸せを感じられる料理がやめられなくて週に一度は作っています」。

(中澤有美子)うーん、美味しいですね!

(安住紳一郎)そして開けてね、ちょっとえのきやきのこなんかがクタッとなってるところに醤油をちょちょっとこうかけたら、もう……「ああーっ!」っていう気持ちになりますね。

(中澤有美子)本当、そうです! ホイル焼き、いいですよね!

(安住紳一郎)ねえ。美味しいですよね。もう最終的にはバターと醤油、最高ですよね!

(中澤有美子)そうですよね! あのコンビはもうね、最強ですね!

(安住紳一郎)本当ですよね。もうバターと醤油があれば、一生生きていけるんじゃないかと私、思いますね。

(中澤有美子)なんであんなにいいんでしょうね?

(安住紳一郎)美味しいですよね。ちょっとお行儀が悪いんですけど、炊きたての白いご飯があるとちょっとね、おかずがなくなった時にね、冷蔵庫からバターをひとかけら取ってきて。それを熱々の白いごはんにバター、お箸でクックックックッ混ぜるです。そして、ちょっとだけね、お醤油をかけるんです。バター醤油ごはんっていうのかな? これね、「行儀悪いからやっちゃいけないし、おかずを作ってくれる母に対する冒涜だ」っていう風に私も母親に言われたことがあるんだけど。あんまりね、やっちゃいけないんだけれど……美味しいんだ。

バター醤油ごはんは行儀が悪いけど美味しい

(中澤有美子)へー! おかずがあるにも関わらず、ご実家でされてたぐらいだったんですね。

(安住紳一郎)そうです、そうです。いまの荒んだ独身生活から編み出された技ではなくてね。

(中澤有美子)じゃないのね。フフフ(笑)。

(安住紳一郎)いや、これね、あんまり言っちゃいけないんだよね。言っちゃいけないんだけどね、ちょっと……あとほら、白いご飯にお醤油がかかるっていうのは品としてあんまり良くないんだよね。それはみなさんも、分かりますよね? 特に東京はね、関東なんかは品の良いみなさんが住んでいるって全国的にはなってるからさ。それは関東の人たちは意固地になって、「絶対に白いご飯に汁を付けちゃいけない!」っていう気持ちで平らげてほしいんだ。

(中澤有美子)そうですか。へー!(笑)。

(安住紳一郎)「ちょっとさ、白いご飯がなんか色がついちゃってさ。ベチャベチャになっちゃっているよ。田舎者!」っていう感じだから、関東の人たちには一喝してほしいよね。田舎者たちをね。「すいません、田舎者で……」ってなるけども。

(中澤有美子)フフフ(笑)。

(安住紳一郎)えっ、そういう感覚、ありますでしょう?

(中澤有美子)そこまで厳密には思ってないけど……まあ、人前とお家とはね、また違いますからね。

(安住紳一郎)お茶碗の上にのっている銀シャリ、白いご飯におかずのおつゆとか、あんまりつけちゃいけないっていう感じはわかりますでしょう? ただ、やっぱりちょっとつくと美味しいってのがあって。たとえば餃子とかもね、こう白いご飯を左手に持って、こうお醤油をつけてね。で、餃子を食べるじゃない? だけどちょっと、1回白いご飯の上に置いたりして。そして食べたりするよね。で、その時に「醤油、ちょっと下に落ちろ」なんて思いながら食べているじゃない?(笑)。

(中澤有美子)フハハハハハハハハッ!

(安住紳一郎)それで「不可抗力的にお醤油が白いご飯の上に落ちましたけれども……」みたいな。「本来の意図するところではありません」みたいな。で、餃子を食べて「ああ、美味しい」って言いながらも、ちょっとその餃子のね、美味しいエキスを吸いながらの。少し脂をまとった醤油が白いご飯の上に落ちて。その白いご飯にお醤油が染みた感じを美味しく食べている現代人がいるわけでしょう?

(中澤有美子)いますよ、いますよ!

(安住紳一郎)グッと来るよね? で、私も邪道だと思ってるから絶対言わないんだけど、ちょっとやっぱりさ、お醤油が白いご飯の上についた感じ? その白いご飯、たまらないよね! でも、「絶対に言っちゃいけないんだ」って思ってたんだけど……12年ぐらい前。日本一の美食家って言われる山本益博さん、いらっしゃいますでしょう?

(中澤有美子)いらっしゃいますね。ゲストに来てくださったこともあります。

日本一の美食家・山本益博の最後の晩餐

(安住紳一郎)山本さんが最後の晩餐……あの美食家の山本さんがいちばん最後に食べる食事は何がいいですか?って聞かれたら、山本さんが低い声でね。ヒゲをたくわえたお口でダンディで。「白いご飯に少し2、3滴お醤油をたらしていただければ、それで構いません」って言っていたわけ。「そうか、言い方なのか!」って思ったの(笑)。

(中澤有美子)フハハハハハハハハッ!

(安住紳一郎)「謙虚に言えばいいんだ!」と思って。「白いご飯にお醤油かけたら美味しいよね!」ってでこう言ったらダメなんだよね。「ああ、品のないやつだ」って言われるので。(落ち着いた声で)「白いご飯に少し2、3滴お醤油を……」なんて。「それでいいんだ、へー!」って。「じゃあ、俺も言っちゃおう!」なんて気持ちにはなりました。たしかに、自分の好きな食べ物。小さな幸せ、ありますね。

(中澤有美子)ありますね。

<書き起こしおわり>

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