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吉田豪と菊地成孔 町山智浩を語る

吉田豪と菊地成孔 町山智浩を語る SHOWROOM
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菊地成孔さんが『猫舌SHOWROOM 豪の部屋』に出演。吉田豪さんと町山智浩さんについて話していました。

(吉田豪)1回、僕が『サブカル・スーパースター鬱伝』っていう……単行本ではそういうタイトルになりましたけども。ちょっとね、一時期病んだことがある方にインタビューをした時に菊地さんにも出ていただいて。で、文庫化の時に菊地さんが追加で原稿を書いてくださったのが僕は最高に面白かったんですよ。

(菊地成孔)はい。「全員鬱だけど僕だけパニック障害です」っていうね。

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(吉田豪)まずはそこの違いが。いまほどやっぱり鬱とかに理解がまだ……10年ぐらいでもだいぶ違うと思うんですよ。ざっくりしたタイトルを出版サイドがつけちゃったっていう。そこですよね。鬱々としていた人ではあるけど、鬱病ではないっていう。

(菊地成孔)そうですね。

(吉田豪)それもあるし、あれですよね。まとめで町山智浩さんが……町山さんが「俺を出せ」ってすごい言っていて。「すごい俺も鬱々としてたんだよ!」って(笑)。

(菊地成孔)フフフ、落ち込んでいただけでしょ、それ?(笑)。絶対に。いまも落ち込んでますよ、きっと。なんかいろいろと反省していると思いますよ。町山さんも。

(吉田豪)フフフ、面白かったんですよ。その時に町山さんが言っていたのは「いとうせいこうさんだなんだってみんないろいろといるけど、みんなあれだよ。モテておかしくなっただけなんだよ」みたいなことを言っていて。そして「俺もいまにそうなるよ」って宣言までしていて。

(菊地成孔)そうおっしゃっていたので。「サブカルの人っていうのは若い頃にモテなかった恨みをオタクになってモテるようになって晴らしている人たちだから。そうすると女性問題とかで面倒になるから鬱になるんだ」みたいなまとめ方をしていたんで。「いや、僕は最初からモテてましたけど?」っていう(笑)。

(吉田豪)そう(笑)。その訂正をまず入れているという(笑)。

(菊地成孔)「仕事をするようになってからモテるようになったんじゃないですけど」みたいなのを入れたんですけどもね。

(吉田豪)町山さんとはその時点では接点はなかった?

(菊地成孔)なにもないですよ。うん。あの、なんていうか……まあ、これもひとつの楽しみだから奪っちゃいけないと思うんだけども。町山さんと僕がガチで仲が悪いって思っている人、いっぱいいるんで(笑)。

(吉田豪)フハハハハハハッ!

(菊地成孔)あれはネットの中で言い合いをしただけであって。私怨はなにもないですからね。

(吉田豪)直接会ってどうこうとかなるわけがない。

(菊地成孔)なんにもないですよ。昔の昭和の文壇バーみたいにね、新聞の書評欄でお互いに悪口を書いて、いざ銀座で決闘だ! 三次元でも同じだ! みたいなね、あんなの全然ないですからね。だって吉田さんと僕ですら、ガチンコだと思っている人いるからね。

(吉田豪)フハハハハハハッ! 「大丈夫ですか? 出れるんですか?」って(笑)。

(菊地成孔)うん。なんか「いいの? 雪解け?」みたいな。「雪解けもなにも、最初から降ってないよ」みたいな話ですけども。だから、ネット上で……まあ、町山さんの場合は喧嘩屋っていうか仕掛けるから。あれはよく「プロレスだ」とかね。まあ、いずれにせよどういう見方であれ、僕と町山さんが50:50でゴングがカーン!って鳴ってバンッて行ったと思っている人がいっぱいいるんだけども、全然違っていて。僕は最初、(映画『セッション』について)好きに書いていたんですよ。そしたら町山さんが突然逮捕に来たっていう(笑)。

(吉田豪)フハハハハハハッ! 来ましたね(笑)。

(菊地成孔)そう。「ええーっ?」って思って。「いや、俺……ああ、すいません。そうっすか?」みたいな。だから町山さんがカチこんで来たんですよ。だからいちばん最初……いまネットって、僕は見ないからわからないですけど。燃えちゃったらみんな一緒みたいな。「そもそもが……」っていう話なんか誰もしない。

(吉田豪)発端がなんだったのかを忘れがちですよね。「どっちも悪い」ぐらいの雑な感じに(笑)。

(菊地成孔)そうそう。「火事と喧嘩は江戸の華、喧嘩両成敗」みたいなね。全部ひとつにしちゃったのがネットみたいな感じじゃないですか。火事と喧嘩が一緒みたいな。前は分かれていたのに。だけど、僕は全然誰かにふっかけたというよりは……。

(吉田豪)普通に映画評を書いただけですよね。

(菊地成孔)そう。そしたら町山さんがブワーッと来て、逮捕に来たから。で、「どうしようかな? やっちゃおうかどうしようか……どっちかな?」って思って。で、僕もまあ卑劣極まりない人間ですから。「この人には敵わない。やったら負けるな」って思ったら絶対にやらないですから。まあ「絶対に勝てる」って思わないと……(笑)。

(吉田豪)フハハハハハハッ! まあ、ねえ。音楽とかのジャンルであれば。普通の映画論だったら難しいかもしれないけども。

(菊地成孔)また話がどこまででも行っちゃうから。これはジャズ映画の話をするんだったら……まあ、よく俺に食ってかかってきたなっていう。

(吉田豪)フフフ、町山さん、ジャズに詳しいわけじゃないですからね。

(菊地成孔)というか、町山さんは音楽が好きなんですよね。すごく好きですよね。お好きで。

(吉田豪)好きですね。あの時代の宝島の人ではありますよね。

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音楽好きな町山さん

(菊地成孔)そうそう。だってロックとかめちゃ好きでしょう? それで、僕にジャズの話をふっかけて返り討ちにあって火傷しちゃったから、なんとかこの傷を取り戻そうとジョン・レノン『Imagine』に文句を言った人とかに絡んだりとか。『ボヘミアン・ラプソディ』のことを変な風に褒めちゃって。日本にクイーンのオタクがどんだけいるのかもあまりよく知らずに『ボヘミアン・ラプソディ』を全面肯定したら「こことここが間違っている!」って吊るし上げられたりとかして。えらい目にあったじゃないですか。

(吉田豪)そうなんですよね。音楽絡みは難しいですよね。上には上がいるんで(笑)。

(菊地成孔)そうそう。上には上がいて。僕だって、ジャズ関係で「こいつとはやらない」っていうやつ、いますよ。だから、それは別に有名ジャズ評論家じゃなくて、市井の人でも読めばわかるわけですよ。「こいつはヤバい」って。それは組めばわかるのと同じでもう一瞬でわかるから。そしたらもうやらないですし。だから、町山さんはよく絡んできたなっていう。しばらくやろうと思ってやっていたら、ヤフーニュースになったんで(笑)。

(吉田豪)フハハハハハハッ!

(菊地成孔)ヤフーニュースも頭がおかしいなって思って(笑)。

(吉田豪)前からよく言っているんですけども、町山さんの中ではプロレスのつもりなんですよね。

(菊地成孔)そうそう。

(吉田豪)ただ、町山さんのプロレス観が絶対に他の人と違うんですよ。

(菊地成孔)まあ、そうですよね。というか、やりすぎですよね。結局ね。プロレスでいいんだけど。

(吉田豪)フハハハハハハッ!

(菊地成孔)あれ、たとえば私信のメールで「菊地さん、どうも」みたいな。汚い裏取引みたいなメールがあればすごくやりやすいじゃないですか。あの人、すごいガチンコで一切……いまだかつてですよ、一通も私信がないから。要するに「実のところですね……」というのがなにもないまま進んでいるんで(笑)。

(吉田豪)お互いに「なんなんだろうな?」って思いながら。「これぐらいは大丈夫かな?」っていう。

(菊地成孔)そう。「この点は触れずにおきました」とか言いたいんだけども。こっちから出すのもね、なんだから。だから黙っていますけどね。

(吉田豪)前にTBSラジオの『ストリーム』っていう番組があって。あれで僕も町山さんもレギュラーで。勝谷誠彦さんもレギュラーだったんですよ。で、町山さんがずっと勝谷さんに仕掛け続けていて。喧嘩をずっと売り続けていたんですよ。曜日レギュラーなのに。で、忘年会とかで勝谷さんが来なくて。「なんだよ、あいつ。来ねえのかよ?」とかってずっと吠えていたんですけども。「なんで俺のプロレスに乗ってこねえんだろうか、あいつ?」って。「町山さん、それは誰が見てもプロレスじゃないんですよ。プロレスってもっと信頼関係がある者がやるものなので……これはただ、ガチを仕掛けているだけ」っていう。「ええっ? でもプロレスってこういうもんじゃないの?」って。

(菊地成孔)うん。まあ、プロレスのことをちゃんとご存知ないと思いますね(笑)。

(吉田豪)まあ、プロレスもいろいろとあるじゃないですか。

(菊地成孔)ありますね。もちろん。

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プロレス観の違い

(吉田豪)僕がよく言うのは、「Uインターみたいなプロレスを心がける」みたいな。プロレスとガチがいい混ざり方をしているというか。基本、相手のよさを引き出すんだけども、いざという時にはやっちゃってもいいみたいな。それが僕の理想のプロレスで。でも、町山さんはもっとパンクラス的なものをプロレスだと思っている。

(菊地成孔)おそらくね。だから……そうですね。見た目は全日本みたいな人なのにね(笑)。

(吉田豪)フフフ(笑)。

(菊地成孔)ああ、そんなことないか。パンクラスにもああいう選手、いそうですね。オフではメガネかけてますみたいな。まあ、そうですけども。だからまあ、なんの予告も一筆啓上もなかったんで。ただとにかくやっちゃいましたけども。別に、当たり前ですけど私怨もなにもないですね。今度、妹さんとお仕事というか、トークイベントがありますし。

(吉田豪)ただね、ここがややこしいのがあそこの兄妹も仲がよくないんですよ。別に。

(菊地成孔)えっ、そうなんですか?

(吉田豪)だってTwitterをフォローしてないですからね。たまにだから妹さんが町山さんのツイートに対するなにか、「違うと思います」的なことをツイートしてたりしますよ。

(菊地成孔)ああー。まあ、兄妹の確執みたいなの、ありますからね。うちもそうですしね。

(吉田豪)ああ、そうなんですか?

(菊地成孔)ええ。秀行とはもうなんというか……事実上、絶縁ですよね(笑)。

(吉田豪)ええっ、そうなんですか?(笑)。

(菊地成孔)いや、仲はいいですけども(笑)。でも、全くあれなんで。なんて言うんでしょうね? まあ、非常に仲がいい兄弟もいるじゃないですか。というか、彼はもう老人。初老というか完全な老人なんで。70代ですから。SNSも兄弟してやっていないから。もう電話をかけるぐらいしかないですからね。

(吉田豪)普通にでも僕、中学時代とか読んでいましたから。お兄さんの作品を。

(菊地成孔)はいはい。愚兄は僕と違って一時期は長者番付に載った男なんでね。文学者というか物書きの1位になったはずですね。

(吉田豪)へー! ソノラマ文庫とかが強かった時代に。

(菊地成孔)そうですね。だから、まあ頂点を経験したことがある。でも彼も「小説を書いてトップになってやろう」とか思っていた人間じゃないですよ。ただ好きで書いていただけ。それがいつの間にか長者番付の1位とかに名前が出るようになって、一家がおかしくなっちゃって(笑)。

(吉田豪)フフフ、どうもね、よくありますよね。アイドルとかでも子供が稼ぐと。

(中略)

(菊地成孔)(コメントを読む)「『セッション』の話を聞いてから映画を見たからよかったです」。そうなんですよね。町山さんは……わざわざ言っちゃうんですよね。「これは完全にジャズの映画で……」とかなんとか。いちいち刺激をするようなことを入れちゃうなって。

(吉田豪)そうですね。最初は「公開前の映画のことを言っちゃいけない」とか言われて。

(菊地成孔)ああ、なんかありましたね。(コメントを読む)「かかっていくのを見ていると面白いですけどね」って……ひどいな、それ(笑)。星野勘太郎みたいじゃないですか(笑)。

(吉田豪)フハハハハハハッ! 「血の気の多い人が行ったぞ!」みたいなイメージ?

(菊地成孔)「おおっと! コーナーから飛び出したぞ!」みたいな。そうですね。

(吉田豪)まあ、音楽は難しいと思いますね。

(菊地成孔)音楽のことはね。本当に。

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音楽を語るのは難しい

(吉田豪)(コメントを読む)「マイケルの件も西寺郷太さんに……」。

(菊地成孔)そうですよ。郷太さんは僕と違って手厳しいですからね。ええ。

(吉田豪)菊地さんの方が字面的には手厳しく見えるんですよね。

(菊地成孔)ああ、まあね。うん。でも全然気持ちはあれですよ。大好きですよ。ただ、言える分はね、ディベートと同じで。まあ、言える分は言っておこうみたいな。

(吉田豪)普通に読者だったりしたんですか? 町山さんの。

(菊地成孔)ええとね、単著は失礼ながらあんまり読んだことがなくて。あれがとにかく好きでした。柳下毅一郎さんのコンビ。映画秘宝の。

(吉田豪)ウェイン&ガースの。

(菊地成孔)そうそう。ファビュラス・バーカー・ボーイズは大好きで。ずっと読んでいて。

(吉田豪)町山さんはもともとロック雑誌時代の宝島の編集者ではあるけど、ロック担当というよりはオタク文化担当の人でしょうからね。(コメントを読む)「町山さんと上杉隆もプロレス?」。違うと思います。これ、本当に僕もよく言うんですけど、いろんな人が「これはプロレス」って言うけども、それぞれが考える「プロレス」が違うから。

(菊地成孔)違いますよね。昔は「プロレス=非ガチンコ」っていうことがはっきりとしていましたけども。ガチンコじゃないのがプロレス。

(吉田豪)「お互いに話し合いをしていますよ、みたいなものがプロレス」とみんな言いがちだった。

(菊地成孔)で、「ガチンコ」は話がないからガチンコっていう。なんか二色アイスクリームみたいな。でもいまは七色ですからね。難しいですよね。

(吉田豪)(コメントを読む)「菊地さんはリングス派だよね」。

(菊地成孔)はい。リングス派です。

(中略)

(吉田豪)(コメントを読む)「お二人は最近の町山さんをどう思っていますか?」。僕は大好きですよ!

(菊地成孔)僕も全然、好き嫌いは別として音楽の話をネットなんかでなさるのは控えた方が……でも、町山さんが突貫をして、やられて、帰ってきてまたそのパワーで行くのが町山さんだろうから、いいんだろうけど。まあ、音楽の話でネットの中で発言をすると、やっぱりずーっと詳しい人にやられちゃうから。

(吉田豪)また最近、音楽映画が多いですからね。

(菊地成孔)多いから。まあ、町山さんがもし『ロケットマン』についてなんか言い出したらどうしようと思っていたんですけども。

(吉田豪)エルトン・ジョンについて。

(菊地成孔)エルトン・ジョンについてはさすがに言わなかったんだなっていう感じですけども。でもクイーンについては黙ってられなかったっていうね。すごいわかりやすいですよね。星野勘太郎って。

(吉田豪)フハハハハハハッ!

(中略)

(吉田豪)(コメントを読む)「町山さんが有料配信の『ジョーカー』評で菊池さんを絶賛していましたよ」だそうです。

(菊地成孔)『ジョーカー』? 映画の?

(吉田豪)「松本人志さんにたとえたのが秀逸だった」だそうです。

(菊地成孔)僕、『ジョーカー』見ていないけどな。僕じゃないんじゃないかな……ああ、『ジョーカー』じゃないです。『アス』ですね。『アス』っていう映画があって、ジョーダン・ピールっていうサタデー・ナイト・ライブのコント師の人がアカデミー賞の候補になるぐらいまで行ったんですよ。新ブラックピープル映画で。その最新作が『アス』っていう映画なんですけども。あれはもう完全に「松本人志さんがこれをやれれば……だけど、松本人志さんはそれをできなかった」っていうのが『アス』ですね。傑作なんで。でも町山さんね、チェックしてくださっているんですね。こそばゆいですね(笑)。

(吉田豪)フハハハハハハッ!

(中略)

(菊地成孔)(コメントを読む)「町山智浩、エルトン・ジョン『ロケットマン』批評、思いっきりやっていた」。ああ、そうですか。まあなるべくね、どういう内容であろうと、やめた方がよいのでは。なさらない方が……老婆心ながら。

<書き起こしおわり>

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