小袋成彬 2019年・ロンドンの盛り上がっているエリアを語る

小袋成彬 2019年・ロンドンの盛り上がっているエリアを語る MUSIC HUB

小袋成彬さんがJ-WAVE『MUSIC HUB』の中で2019年に盛り上がっているロンドンのエリアについてトーク。ロンドンの物価や家賃事情などとあわせて話していました。

(小袋成彬)お聞きいただいたのはAMAで『Crystal』でした。

19歳のウエストロンドンのシンガーソングライターです。いやー、ウエストロンドンがいま、熱いんだよな。僕が大好きなホープ・タラっていうシンガーもウエストロンドンですし。

ウエストロンドンってね、すっごいポッシュなエリアなんですよ。いわゆるノッティングヒルがあるのもウエストロンドンで。高級住宅街が立ち並んでて、すごく閑静な住宅街が多い場所です。ウエストロンドンは。で、あんまり犯罪も聞かない。基本的には治安のいい、穏やかな地域なんですよね。で、そのあたりからシンガーソングライターが出てきてるっていうのは結構面白くって。

発展しきった東ロンドン

しかも割と行儀がいいんですよ、やっぱり。東とか南と比べて全然違う。僕が遊んでいる東ロンドンはですね、もうアップカミングとは言えないくらい発展しきっちゃって。発展すぎて落ち着いていますね。

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で、一応クリエイターが多いエリアではあるんですけど、ちょっとコミュニティーが見えにくいな。むしろ結構来ている地域の方がコミュニティーが強固な感じがしていいんですよね。たとえば、東ロンドンよりちょっと上のストーク・ニューイントンとかセブン・シスターズ、あるいはトッテナムとか。

あのへんってすっごくいま、グイグイ来てて。どんどん新しい人が入っては新しいムーブメントを起こして……っていうエリアなんですよね。あるいは南ロンドンのペッカムとか。ブリクストンより下の方はまたね、まだまだ家賃が安めでね。閑静なんだけどちょっと盛り上がりつつあって、うるさいエリアになりつつあるっていう感じですね。ペッカムなんかはまさにいま、もうめちゃくちゃ熱いエリアですね。

だいたい、いいな、かっこいいなって思う人がいると、ペッカムに住んでたりするんで。僕も用がないとあんなところまでは行かないけど。いやー、すごくいい感じなんだよな。そう。ロンドンはとにかく家賃が高騰して、物価もグングン上がってるんで、みんなが外に逃げてくんですよね。アーティストが住みついては逃げて……みたいなのを繰り返すんですよ。本当に平気で物の値段が上がっていくから、びっくりする。

どんどん上がる物価と家賃

家に「Wi-Fi代が上がりますよ」っていうお知らせが通信会社から届いたんですよ。「毎月3ポンド上がるから、よろしく」みたいなチラシがポンと入っていて。本当にさり気なくね。そういうのがどんどん続いてるから。絶え間なくいろんな場面で続くから。「ああ、ここはどんどんとふるい落とされていくんだな」っていうのはめちゃくちゃ肌で実感しますね。そういうチラシを見るとね。

いやー、ロンドン楽しいんですよね。東京も楽しかったけど、あんなのを続けていたらたぶんお金も時間も身体ももたないからな(笑)。ロンドンはいま、僕の中でやっとホームになりつつありますね。でも東京のレコーディング、楽しかったなー。

小袋成彬 日本への一時帰国とレコーディングを語る
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レコーディング現場ってね、基本的に日本だと友達がいるっていう状況はありえないんですよ。仕事だし、何をやるか最初からきっちりと決まってるから、友達を入れるなんて言語道断だし。俺もね、前作の時に彼女を連れてきたやつがいたけど、すごい怒りが芽生えたんですけど。なんかね、いまはそういうモードじゃなくて。本当に毎日5人ぐらい友達を呼んでいて。お互いに「はじめまして」とかって挨拶しながら俺、レコーディングするっていうね、すげえ不思議な状況だったけど、めちゃくちゃよかったな。

そう、先々週までゲストに来てくれていたYuka Mizuharaちゃんも宮司愛海さんも来てくれていたし。あとはDos Monosの連中もBIMも来たし。OKAMOTO’Sのオカモトショウくんも来てくれたでしょう。で、HIGH(er) magazineの編集長のharu.ちゃんも来てくれたし。吉祥丸くんも来てくれたし、ニューヨークで会った友達が2人、姉妹で来てくれたし。うーん、もう数え切れないな。全員挙げられないわ。THE ORAL CIGARETTESのあきらかにあきらくんも来てくれたな。最高だったなー。

それで毎日夜まで騒いで……だいたいね、8時ぐらいに俺が仕事に飽きて。「ちょっと飲み始めるか」なんつって飲んで。飲んだノリでレコーディングして。友達がワッと集まってパーティするという。で、でっかいスピーカーで爆音で音楽を聞いて踊りまくるっていうのを本当にね、ずっとやっていたんですよ。で、そうするとエンジニアのすごく真面目な小森さんっていう方がいて。

で、そこにね、アシスタントのエンジニアっていうのが付くんですよ。ちょっと雑用をしてくれたり、あとは身の回りの世話とかもしてくれたりとか。お茶をいれてくれたり、歌詞をコピーしてくれたりっていう役まわりの方がいらっしゃるんですけど。その人も巻き込んでね、パーティーしてたんですよね。で、そのスタジオの中で話題になったらしくって。「あいつら、夜までいる」っていうことで。てっぺん過ぎても帰らないから、帰るまで鍵番の人が待っていないといけないらしいんですよ。

で、俺はそれ、途中まで知らなくて。本当に構わずに夜までパーティーしていたから、途中でね、だんだん「今日は何時までパーティーっすか?」とか「今日もパーティーっすか?」っていうのをメインエンジニアの小森さんに聞くらしいんですよ。で、俺が呼んでいるんじゃなくて、小森さんが呼んでいると思ってたらしくって。笑っちゃいましたね。その話を聞いた時に。小森さんってそういう人じゃないからね。

ちなみに小森さん、最近だとOfficial髭男dismの『Pretender』とか米津玄師の『Lemon』のミックスもした人で。もう超売れっ子。こんなになるとは思わなかったですよ。小森さん、こんなに売れちゃって。しかもインタビューも受けていたしね。いやー、本当に素晴らしいエンジニアですよ、小森雅仁。Tokyo Recordingsワークはほとんどというか100%、小森さんがやってます。2年前からね。ぜひチェックしてみてください。

トラップの次に何が来る?

ということでラストの曲、いきましょう。そうそう、この話をしたかったんだ。もうトラップにもそろそろ飽きてきたし、『Astroworld』でもう完成した感じがあって。これから何が来るだろうね? みたいな話をDisk Nagatakiくんとしてたんすよ。前にゲストに来てくれた同い年のDJなんだけども。Nagatakiくんが「横ノリのトラップ、あるよ」っていうので。それがマジでカッコイイんですよね。

なんかね、テクノからそのままつなげられるようなトラップで。だから「ドッツー、ドッツー、ドッツー……チチチチチチ……♪」なんだけども。「ダララ、ダララ、ラッ!」みたいなラップじゃなくて「ダラララララ、ララララララ……♪」みたいな。タテなんだけどもゴリッとしてなくて、ちょっと横ノリがあるみたいなもの。で、その中で代表作があるっていうことで、ヤング・サグの新しいアルバムからね、『Lil Baby』っていう曲を流して今日は終わろうと思います。この横ノリのトラップ、ぜひ感じていただきたいなと思います。ヤング・サグで『Lil Baby』。

Young Thug『Lil Baby』

<書き起こしおわり>

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