吉田豪と里咲りさ Twitter告発を語る

吉田豪と里咲りさ 少女閣下のインターナショナルを語る SHOWROOM

里咲りささんが『猫舌SHOWROOM 豪の部屋』に出演。アイドルグループ・店ガールに所属していた時代や少女閣下のインターナショナルを運営していた時代について吉田豪さんと話した後で、Twitterでの告発についても話していました。

(吉田豪)店ガールは金銭的にはどうだったんですか?

(里咲りさ)フフフ、その話、まだしますか?(笑)。

(吉田豪)大好きなんですよ。

(里咲りさ)最近ちょっとね、言い過ぎたなって反省をしているんですよ。当時は本当にしんどい時期を過ごしたので、辞めたばっかりの時には「ひどかった!」みたいな。週6で働かされて朝7時半とかに起きて、8時から夜に帰ってきたら23時みたいな。休む暇もないし、レッスンが月・火とあったんですけども。その月・火の仕事が終わって疲れているところからの2、3時間をやって。もう寝る時間もないし、覚えてこないと怒られるし、みたいな感じで。しかも、アイドルグループで……。

(吉田豪)なのに、顔は出せないっていうね。まず。

(里咲りさ)サングラスしなきゃいけないから誰が誰だかわからないっていう。あと、働いたお金も……。

(吉田豪)顔を出さないギミックって、あれって女の子のためによくないと思うんですよ。僕、正直。

(里咲りさ)顔、出さないから。ねえ。出した方がいい。

(吉田豪)犯罪者ならわかるけど。

(里咲りさ)たしかに。

(吉田豪)そういうので奇をてらうって、たぶんプラスにならない気がするっていう。

(里咲りさ)そうですね。出したかったです。

(吉田豪)ですよね。

(里咲りさ)だから顔出しでできないっていうのもあったし、あとはお金が足りない。しかも私、結構店ガールに入る直前に大学も辞めて、バイトも辞めて、いろいろと入っていた事務所も辞めて。もう実家に帰ろうと思って全部解約しちゃっていたんですよ。家も解約して。大学も辞めてバイトも辞めて、もう帰るってなっていたんでお金もないみたいな状況で。でも、店ガールっていうのがあるっていうのを聞いて、「江頭さんが名前をつけたなら……!」って。

(吉田豪)「売れるかも?」って。

(里咲りさ)そう思って東京に残ってもうちょっと頑張ろうって思ったんですけど、お金がとにかくずっとマイナスで。前借り、前借りみたいな感じでやっていたし、ちょっと安かったんですよ。給料が。だから会社を通してもらうのだと中間。中抜き? なんて言うんでしょう? 手数料が多めだったんで。

(吉田豪)レッスン料とかいろいろとあったんでしょうね。

(里咲りさ)そう。そこから、30人ぐらいいたグループだったので大変だったんだろうと思うんですけど。衣装だとか。それで結構、生活が困窮して。ご飯も食べれなかったんですよ、本当に。この平成の世にご飯を食べられないなんてことがあるのか?っていう。

(吉田豪)そんなに朝から晩まで働いて。

(里咲りさ)働いてなくて食べれないならわかりますけども、身を粉にして……だってその時に19とかなのに肌がボロボロで、もう精神的にもおかしくなるぐらいまで働いていたから。

(吉田豪)普通に困窮って。

(里咲りさ)そうです、そうです。だからその時はその感じだったんですけど。だから「会社が中抜きしたせいだ!」って私は思っていたんですよ。その当時は。

(吉田豪)息巻いてましたね。

(里咲りさ)そうそう。だから豪さんにその当時、インタビューをされても「いやー、あそこの会社は毎月、こんなに私を中抜きして。辞めた後に……」って。

(吉田豪)アイドルを辞めた後、家電量販店でそのまま働いたんですよね。

(里咲りさ)そうなんです。そしたら中間がなくなったから、めっちゃ……40万ぐらい? わかんない。忘れちゃったけど。

(吉田豪)すごい入るようになって。

(里咲りさ)しかも私、営業成績がよかったから。たぶん基本は20万とかなんですけども、取らなきゃいけない契約を1日に何本も取れるから、歩合的な……。

(吉田豪)基本ね、人を騙す能力が本当に高いから。

(里咲りさ)なんか、でも逆に感謝されるみたいな。いいプランだったんですよ。それを契約とか取れていたから、すっごいお金が入って。その余ったお金でしばらく遊ぶぐらいの。もうバブル期みたいに……まだ若いんで。お金が突然毎月40万とかもらえたら、おかしくなるんですよ。暑い日に出勤するのに1キロもなかったんじゃないですかね? でも、「汗をかくから」ってタクシーに乗ったりとかしていて。そんな豪遊をしていたんですけども。だからその店ガールの時のお金、中間がなくなればこんなにお金がもらえる! みたいなのを曲解して当時、インタビューでたぶん豪さんとかに話していた気がします。

(吉田豪)それは曲解なんですね。大人の気持ちもわかってきた?

大人の気持ちもわかってきた

(里咲りさ)はい。大人になってきた(笑)。その30人のアイドルの生活を抱えて、レッスンもしっかり用意して、曲もよかったじゃないですか。曲を発注して、衣装をやってあげたり、先生をつけたり……無理ですよ。だから、それでギャラを求めていた私がおかしいと思って。たまにTwitterとかで「本当にこの人はファンが何人いるんだろう?」みたいな人が「ギャラがどうのこうの……」とかって。

(吉田豪)地下アイドルのトラブルは気持ちがわかることはあるんだけど、ちょっと「そもそもあなた、いくら稼いでいるの?」問題っていうのはありますよね。

(里咲りさ)そうなんですよ。そこが難しいですよね。会社がでも、本当に投資できるぐらいの余裕があって、そういう可能性がある子を抱えているっていうのはありだと思うし、それならば「お給料がもらえないのはなんで?」っていうのはわかるんですけども。そもそも可能性がないところで可能性のないことをお互いにしあっているのとかはよくないですよね。わかんないけど。

(吉田豪)フフフ、「わかんないけど」にまとめた(笑)。

(里咲りさ)と、思う時もあります。

(吉田豪)うん。個人的には僕の考えは、ある程度運営が1年ぐらいはかなり自腹を切ってでもお金を出すぐらいの状況がないんだったらやっちゃダメだと思っているぐらいですね。

(里咲りさ)本当、そうですね。

(吉田豪)バンド感覚でやるんだったら、本当に同じ位置というか、完全に腹を割ってみんなでバンドみたいな感じで「こういう状況でやるよ」みたいな関係性ができるならまだしも、大人と子供でやるならばそれは大人がちゃんとお金を払わなきゃダメだとは思っている側ですね。

(里咲りさ)思いますよね。で、私もその少女閣下のインターナショナルを始めるってなった時、バンド感覚でやりたかったんですよ。自分よりも年上でちゃんと生活が別の道で自分のやりたいことがあって。週末に趣味程度でやろうみたいな感じで始めようと思っていたので、その頃は社長になる気なんてなかったし、自分ももう1回大学に行ってちゃんとした道をやりつつ、趣味的にやろうかなって。もう1回、放送作家とか目指そうかなみたいな時にやっていたんですけども。

(吉田豪)その時のバイト先でいろんないま、アイドルの運営をやっているような人たちと知り合って。

(里咲りさ)そうです。知り合って。

(吉田豪)それがちょうどたぶんももクロが盛り上がってきている時期で。

(里咲りさ)そうです。みんなももクロでした。バイト先の関係で、だからそういう関係のことも起こる場所だったんですよ。で、そこがもうみんな……。

(吉田豪)映画館でしたっけ?

(里咲りさ)あ、言っていいんでしたっけ? フフフ(笑)。

(吉田豪)某映画館で。

(里咲りさ)で、お客さんとかがみんなサイリウムを持って「イエーイ!」ってなっているのを見て「いいな!」って思って。それでアイドルになっちゃったんですよ。その店ガールになるかならないかみたいな時もそういう時だったんで。その人たちとベルハーさんを見に行ったんですよね。それで衝撃を受けて。それまで、テレビしか見てこなかったんで。群馬県で。テレビ、放送作家、シンガーソングライターみたいな。

(吉田豪)「アイドル」っていうのもテレビ的なアイドルしか知らなくて。

(里咲りさ)そうです。モーニング娘。しか知らなかったし、駄菓子屋さんで後藤真希さんの生写真を買って飾ったりとか。そういう普通小学生が好きになってやるようなことしか知らなかったです。

(吉田豪)そしたら地下でバンドに近いアイドルシーンがあるっていうことがわかって。

(里咲りさ)そうです。阿佐ヶ谷ロフトで2013年の年末かな? 見に行ったんですよ。そしたらとんでもなくて。「ウワーッ!」っていうギュッとした中での熱量を見てびっくりして。「私もこれをやる!」って思っちゃったんですよね。で、その運営さんたちと少女閣下のインターナショナルを始めて。なのでその時も私は最初はバンドとしてやるつもりだったから、みんなで平等に持ち出ししてやるみたいな。でも、なんかだんだんと「里咲が社長をやれ」みたいな感じになってきちゃって。

(吉田豪)男たちが一歩引いて?

里咲が社長をやれ

(里咲りさ)そう。「なんてだらしのない人たちなんだ! 絶対に無理!」って思って。気づいたらオーディションとかも始まっちゃっていて。もともとやろうって言っていた子たちがまともなところに就職になっちゃったから「やっぱりやらない」ってなって。でも、私とその運営さんたちは完全にスイッチが入っていて「ええっ、どうしよう?」みたいになっちゃって。「それだったらやらない」ってなるかと思いきや、もう応募がめっちゃ来ちゃっていて。知らなかったので「なにしてるんですか? 無理!」ってなって私、1回実家に帰っちゃったんですよ。

(吉田豪)ちょっと病んだ期ですよね。

(里咲りさ)私が不在のまま、少女閣下のインターナショナルが作られ始めていて。3週間、実家でなんか歌舞伎を見に行ったり、河原でたたずんだり。本当に3週間、一時期ニートみたいな感じで過ごして。でも「戻ってきてくれ!」ってみんなに言われて「しょうがないか」ってシェアハウスをもう一度、東京で借りて。全部コミコミで5万円ぐらいのところに。

(吉田豪)社長は数年前までシェアハウスでしたね。

(里咲りさ)そうです。これぐらいの狭さのところに住んで、少ナショを始めて。だからさっきの責任の話で言うと、私が急に社長になっちゃったものなので、責任感を変に感じ始めちゃったんですよ。「みんなに給料を払わねばならない!」みたいな。

(吉田豪)「ホワイトでなければ!」みたいな。

(里咲りさ)そうそう。契約書みたいなのもめっちゃちゃんと作った覚えがありますね。未成年とかが入ってきちゃったんで。「下手にやったら私、逮捕される!」って(笑)。

(吉田豪)よっぽどのことをしないとされないですよ(笑)。

(里咲りさ)でも本当になんか、高校生の時にものすごく真面目に生きてしまったせいで、真面目な人の思考……リスクを全て排除するみたいな思考が身についていたんで。

(吉田豪)なのにそんなリスクを背負っちゃって。

(里咲りさ)そうです。だから弁護士に……すっごいタワーに住んでいる弁護士の家に行って、「すいません。お金がないんで出世払いでお願いします」って言って作った書類を見てもらって。「ああ、これなら大丈夫ですよ。保護者のこういう同意書もあるといいよ」とか教えてもらって。

(吉田豪)契約書の作り方を。

(里咲りさ)はい。契約書をちゃんと書いてもらって。「よし、あとは給料を払うだけだ」って思って。

(吉田豪)契約書を作っているところもほぼないと思いますよ(笑)。

(里咲りさ)私、契約書を作るのめっちゃ上手いですよ、本当に。だからでも、その時があったからいまもすごくそれが活きていて。「甲・乙」とか書き方……「第一条、第二条、第三条……」みたいな。リスクを全て書くやり方とか管轄の裁判所はどこだとか。本店所在地をとか、いろいろと身につきましたね。

(吉田豪)基本、学がある人ですからね。そのへんはちゃんとするんですよね。

(里咲りさ)ちゃんとしたい。ちゃんとできます。だから少ナショの時もそんなことをやっていて。お金で払えないとよくないと思ったので、自分で働いたりして持ち出し……結局、最初の頃はものすごい赤字でしたよ。

(吉田豪)言ってましたよね。シンガーソングライター業で稼いだ分をグループでメンバーに払っているみたいな。

シンガーソングライター業の稼ぎを投入

(里咲りさ)そうですね。一時期、すごかったですね。「私、なんのためにやっているんだろう?」って思う時、すごいあったんですけども。

(吉田豪)ちょうどその時期にソロも始めて。で、ソロが意外と評価をされて、意外と売れるようになった時にそういう状況になっていたんですよね?

(里咲りさ)そうです。だからソロでたとえば……数字はたとえ話ですよ。月にじゃあ30万円儲かったみたいになったとするじゃないですか。そしたら少ナショで35万円かかるみたいな。だから、働きつつ……みたいなことを途中までやっていたんですけど。

(吉田豪)あの、店ガールと同じことをやっているじゃないですか(笑)。

(里咲りさ)やっていました(笑)。たしかに! 構造はそこで学んだのかもしれない(笑)。でも、途中で本当に会社に行けなくなっちゃって。たぶん疲れていたんで。9時出社だったんで、会社に行こうと思って行ったら、会社の前まで行ったんですけど「行けない……」ってなって。

(吉田豪)完全に精神が壊れて。

(里咲りさ)で、そのまま、泣くとかわめくとかもなくて、携帯の電源も切ってずーっとその周りをグルグル回って。公園に行って「ああ、やっちゃった……」みたいになって。私、結構無遅刻・無欠席タイプ。小中高とずーっと時間を守らないとかもないし、バイトをサボるとかも1回もなかったんですけど、「ヤバいかも、これ……」って思って。鬱ですよね、それは。

(吉田豪)完全に。わかりやすく壊れた瞬間ですね。

(里咲りさ)でも、それで2、3日家にいて「どうしよう?」って思ったんですけど、ソロもあったし少女閣下のインターナショナルもあったんで、そっちは正常に動いていたんですよ。社会的に壊れた瞬間っていうのはあったけど、自分のやりたい音楽の方、アイドルカツドウとかは盛り上がってきているところだったので、そこでギリギリ救われた感じ、ありましたね。

(吉田豪)その時は仕事、なにをやっていたんですか?

(里咲りさ)言っていいのかな? NTTの開通。工事の電話みたいな。

(吉田豪)ああ、ものすごい天才的に契約を取っていたっていう?

(里咲りさ)そう。それの中番。都合がつかなくなってきていたんで、中に入れてもらっていたんですけども。みたいなのをやっていました。それで、でもその頃に「ああ、そういえば私はシンガーソングライターをやりたかったんだ」って思って。そこぐらいでスイッチが入って。

(吉田豪)テレアポの才能もあったけど、「いや、私がやりたいのはこっちじゃない」って思っちゃって。

(里咲りさ)そうです。ギターを持っていなかったんです。シンガーソングライターを辞めて、「私はアイドルをやる!」って思ってアイドルグループと、ソロもソロアイドルとしてやっていたんですよ。

(吉田豪)1曲目は完全なアイドルソングで。

(里咲りさ)4曲目ぐらいまではそうなんですよ。で、そこで会社で社会的に終わった瞬間に「ああ、本当にやりたいことをやろう」って思って。グループでアイドルをやってソロの方ではギターを持ち始めたんですよ。もうアイドルでもギターを持っていいだろうって思って。そしたら、そのぐらいから豪さんとかそのへんの方が……。

(吉田豪)ロマン優光とかがね、「曲、いいぞ!」ってなって。

(里咲りさ)ファンの方がついてくださって。で、ある程度まで……それでちゃんと暮らせるようにもなったんですよね。死なない程度には、みたいな。

(吉田豪)テレアポで稼げていた人ではあるけど、全然これは音楽でも稼げるぞってなって。

(里咲りさ)稼げました。でも、それは豪さんが本(矢沢永吉『成りあがり』)をくれて。「タオル、売ったらいいよ」とか。アイドル界隈が盛り上がっている時だったんでなんでも……本当にバブルみたいな感じでした。

(吉田豪)CD-Rバブルみたいな。

CD-Rバブル

(里咲りさ)CD-R、出せば出すだけ売れるみたいな。いちばん最初に通信販売やった時、びっくりしたんですよ。本当にフォロワーが3000人とか4000人ぐらいだった時、CD-R、11曲入れてアルバムを出しますって、本当にクレヨンで書いたみたいな歌詞カードをつけて一生懸命に作ったんですけどもそれを出したら、なんか北海道から沖縄まで注文がブワーッて来て。びっくりして。「えっ、こんなに売れるんだ?」って思って。まさに特需。アイドル経済の恩恵を受けた感じでした。

(吉田豪)「こんなに稼げるなら、やっていけるじゃん!」って。

(里咲りさ)思いましたね。はい。イケイケドンドンっていう。未来を悲観するとかもなかったです。家電量販店とか……家電量販店の仕事もすごい楽しくて。いま戻ってもたぶんすごい好きなんでやれるんですけども。「この後、どうなっちゃうんだろうな? やりたいこと、できないな」みたいなのはもうなかったです。

(吉田豪)グループはなんで終わったんでしたっけ?

(里咲りさ)高校生が3人いたんですよ。で、私は結構ね、ワンマンをやった後に全員意見が変わるみたいな。「まだまだいける!」っていうタイプと「ちょっとこのあたりで……」みたいなのと。あと、結構みんな疲れが出てきていて。1年半、2年ぐらいやったのかな? 結構ガーッ!って走り続けてきたグループだったんで雲行きが怪しいな、みたいなのがあって。その頃、しかもだんだん周りも不穏になってきたんですよね。近いところのグループで脱退が続いたりとか。そういうの、伝染するじゃないですか。みんなの未来も考えて、このへんで終わりにしようかって感じで活動休止にしました。

(吉田豪)でも、その方が稼げるんじゃないですか?

(里咲りさ)私ですか?

(吉田豪)持ち出しがなくなる分。

(里咲りさ)でも、その時にはたぶん少ナショも稼げるようになっていたんですよ。だから「ああ、やっと貯金ができる」みたいな時だったかもしれない。でも、私もたぶんその時、疲れていましたね。少ナショで自分のやりたい音楽と違うみたいなのもあったし。結構「社長、社長」って言われて。

(吉田豪)なんでニルヴァーナのカバーなんかやらなきゃいけなかったんですかね?

(里咲りさ)言わないでくださいよ、それ!

(吉田豪)言いふらしますよ(笑)。世界に伝えますよ(笑)。

(里咲りさ)そんなの、やっていたりして。

(吉田豪)『Smells Like Teen Spirit』のひどいカバーをやって。

(里咲りさ)フフフ(笑)。それも、少ナショはパンク精神を……。

(吉田豪)ずーっとビビッてたんですよね? 真面目な人だから。「こんなこと、無許可でやってバレたらどうするんですか?」っていう(笑)。

(里咲りさ)そう。私がいくら契約書をちゃんとしても、みんな運営たちが謎の行動をし始めるんですよ。悪ふざけをして。「それはいま、ここで面白がられているからいいけど、もし誰かに嫌われてリークされたらどうするんですか!」とかって。

(吉田豪)ブックオフで安いCDを買ってきて、そのジャケに落書きをして、それをパッケージにしてCDを売ったりとか。

(里咲りさ)いや、あの時は本当に信じられなかったですよ。

(吉田豪)面白いことはしていたけど、あれは社長の精神はすり減っていくわけですよね?(笑)。

真面目なので精神がすり減る

(里咲りさ)本当、直前まで戦いましたもん。なんか突如として無許可で、CDのジャケットを買ってきて「ここに落書きをして」みたいなのを言い出した時に「ふざけないで! 本当にあなたたち、私のことを社長として担ぎ上げて、責任を全部私に押し付けて。なんかあった時に責任を取るの? 逃げるでしょう?」って。めちゃくちゃケンカとかしましたよ。私、たぶん1回ものすごい路上でガチギレしたことがあったと思います。

(吉田豪)その時期、社長とイベントで絡んでこのへんの話をするたびに結構マジで怒っていたし、マジで触れないでくださいっていう空気を出していましたよね。

(里咲りさ)本当にそうでした。私、じゃあ契約書に全部書こうって。各種の責任の所在をちゃんとリストアップして。やりたいんだったらちゃんと取りにいきましょうとか、そんなことをやっていたんですっごい疲れましたね。本当は友達なのでそもそも人間的には仲はいいんですよ。でも、そのアイドルをやるという上でちゃんと法律を守りたい。面白いことをしないっていう……。

(吉田豪)離れたことでよかったと思いますよ。向こうも向こうで面白いアイドル運営はやっているし。

(里咲りさ)そうそう。お互い、いいところは活かすことができて。なんかスタートっていう感じでしたよね。

(吉田豪)お互いに手探りな状態で。

(里咲りさ)勉強になって。時々、またみんなで飲んだりはします。仲はいいんです。みんな。

(中略)

(吉田豪)(コメントを読む)「最近のいろいろなアイドルグループの告発についてはどう思う?」。

(里咲りさ)告発? Twitterとかですかね?

(吉田豪)ですかね。

(里咲りさ)私、Twitterの告発のやりすぎはあんまり好きじゃないんですよ。なんか法律があるんだから、然るべき機関で……異常にみんなで叩くのはおかしいじゃないですか。その、バカが振りかざす正義、いちばんダメだと私は思う。

(吉田豪)すごくいいこと言ってますよ。

(里咲りさ)私も、自分もバカなところがあるのはわかるから、「ええっ、それはおかしいんじゃない?」って思っても、わざわざ言わないじゃないですか。自分が間違っているかもしれないんだから。

(吉田豪)片側の意見だけを聞いて全てが正解だと思ってしまうのが多いじゃないですか。

(里咲りさ)なんかだから、たとえば犯罪を犯したりとかそういうことがあったりとかしても……「アイドルが彼氏と付き合った」とかそういうのではなくて、普通に犯罪とかしていたとしても、警察や検察など、ちゃんと然るべきところに。それだけやって終わりでいいんですよ。だって人生が完全に再起不能になっちゃいけないじゃないですか。だから日本でちゃんとした形で何十年もかけてやってきたのに。よくないですよ、それは。絶対にここに留めるべきって。もし言いたくなったら、もう家で言えばいいんですよ。友達に言うとか、書くとか。

(吉田豪)なんかね、笑い話とかネタにする分にはいいけど、ジメッとしたやつはもうちょっと上手いやり方を考えた方がいいとは思うことはありますね。

(里咲りさ)そう。よくないですね。だからそういうの、学校とかでやるべきですよね。倫理観。道徳みたいな感じで「Twitter」みたいな授業があったらいいのにって思いますよね。

(吉田豪)僕、なるべく両方から話を聞きたいですもん。

(里咲りさ)そうですよね。絶対に100%の悪っていうのもないんですよ。絶対に。

(吉田豪)そうなんですよ。

100%の悪なんていない

(里咲りさ)だから、私も自分がそうなったら絶対に無理ですもん。

(吉田豪)そんな子供向けの漫画みたいな「悪」っていないんですよね。

(里咲りさ)絶対にいないです。どんなに悪い人だって、ないと思いますよ。たぶん。

(吉田豪)基本、みんな「正義」のつもりですからね。

(里咲りさ)だから私はTwitterとかで告発とかをするのは反対ですね。然るべき機関でやってほしい。

<書き起こしおわり>

タイトルとURLをコピーしました