吉田豪 サッカー専門誌エアインタビュー問題を語る

吉田豪 サッカー専門誌エアインタビュー問題を語る モーニングCROSS

吉田豪さんがMXテレビ『モーニングCROSS』に出演。サッカー専門誌のエアインタビュー問題について話していました。

(堀潤)さあ、続いて豪さん、テーマの発表をお願いします。

(吉田豪)はい。

(堀潤)「エアインタビュー バトル激化」。

(宮瀬茉祐子)日本のサッカー専門誌において、実際に取材を行っていないにもかかわらず、取材をしたかのように記事を書くエアインタビューが横行しているのではないか? とジャーナリストの田崎健太さんが告発した件について、サッカー専門誌同士が激しく主張をぶつけ合っています。

(堀潤)これはなかなか気になっていたんですよ。実際、誰が本当なのか?っていう……

(吉田豪)まあ第三者からは絶対にわからないじゃないですか。なんとなく、こっちが正しい気がするとしか思えないっていう。まあ、田崎さんがずっと告発をしていて、反論したんですよね。で、田崎さんが「怪しい」って言っていたのは、「取材した時の写真がないプラス内容が薄い。そこがまず怪しまれるポイントだ」って言って。で、このサッカー専門誌側が言ったのが、「インタビューを出来ない状態になってしまったから、個別に取材したものにボリューム的に足りないところを囲み取材や記者会見の発言から補足をしている」っていう。それははたして「独占インタビュー」と言っていいのか? 問題とかはあるんですけど。

(堀潤)うーん。「独占」ではないですからね。

(吉田豪)ただ、「エアインタビュー」とまで言い切るのも難しい。ただ、エアインタビュー的なものって、僕もサッカーとは無関係の仕事ですけど、まあよくあるんですよ。

(堀潤)あ、そうですか。よくある?

エアインタビュー的なものはよくある

(吉田豪)全然、ないものじゃない。まあ、本人の意思でエアにしていることもあるし、事務所の意思でエアにしていることもあるし。有名な話だと、梅宮辰夫さんとか。僕の友達が連載を担当していたんですけど、「ああ、面倒くさいから適当に書いといて!」みたいな。想像で書くっていうのは普通にあるんですよ。

(堀潤)(笑)。「もう、いいよいいよ」って。そういうのがある。

(吉田豪)僕、タレント本のコレクターなんですけど、取材の時に持っていくと、「なに、この本! 俺、知らない!」って言って、中も全然取材を受けていないとか。あるんですよ。

(堀潤)へー! 豪さん、でもプロインタビュアーとしてはそういうのを見ると、許せないっていうか。なにか複雑な思いは抱かれるんじゃないですか?

(吉田豪)まあ、「薄いな」と思うこともあるし。僕もだから、囲み取材とかの発言から補足になりそうになったことはあるんですよ。僕、囲み的なことっていうか合同取材はやらないようにしているんですけど、2回だけ映画絡みでやったことがあるんですね。で、市川海老蔵さんがスキャンダルの直後。あのせいで公開が延期になった映画の……それで取材に行ったら、合同取材があった後での個別だったんですけど。面白かったんですけど、まあデリケートな話が多くて、かなりカットになったんです。で、足りなくなったから、「合同のやつを混ぜてくれ」って言われて。でも、それをやったら嘘になるじゃないですか。

吉田豪 市川海老蔵の素顔を語る
吉田豪さんがニッポン放送『上柳昌彦・松本秀夫 今夜もオトパラ!』に出演。歌舞伎俳優の市川海老蔵さんの素顔について話していました。 (松本秀夫)今日は歌舞伎俳優の市川海老蔵さんの素顔を伺います。 (吉田豪)はい。海老蔵さん。ちょうど僕、1回だ

(堀潤)そうですね。

(吉田豪)僕は、だから「諸事情で文字数が足りなくなったので、合同インタビューの部分から面白かった部分を抜粋します」みたいな感じで後ろにちょっと付けるっていう。

(堀潤)誠実だわ。豪さん、そこはね、自分の職業として譲れない一線ですと。

(吉田豪)でもそこは出版業界では普通になっていると思うんですよ。

(堀潤)ああー、「混ぜておいて」と。

(吉田豪)まあ、混ぜるのが当たり前。別にそれは悪いことじゃないっていう。で、僕も疑われたことが実はあって。ABブラザーズの松野大介さんっていう人がいて……

(堀潤)ABブラザーズ?

(吉田豪)ええと、中山秀ちゃんの相方です。

(堀潤)『笑っていいとも!』に出ていた?

(吉田豪)その後ですね。

(堀潤)『いただきます』。

(吉田豪)ですね。の、アシスタントをやっていて。で、その人を取材したことがあったんですけど、ある日突然、「吉田豪という男はインタビューに代理人を寄越すような男で失礼だ!」とか、突然ブログに書かれて。見に覚えがない。「僕、取材してますよ」っていう。で、そういう時に証拠を出すのって本当、難しいじゃないですか。でも僕は助かったのが、取材現場の写真がちゃんと雑誌というか単行本にも載っていて。「ほら、やっているじゃないですか」っていう。だから、その田崎さんが言った取材した時の写真の有無っていうのはたしかに重要で。

(堀潤)はー、なるほどね。

(吉田豪)ちなみにこの田崎健太さんっていう人、僕、知り合いなんですよ。

(堀潤)どうなんですか? 実際はどういう方なんですか?

(吉田豪)安田忠夫さんっていうちょっとデタラメなプロレスラーの方がいまして。ギャンブルで身を持ち崩して相撲を辞めて、プロレスに入ったんですけどそこでもギャンブルで問題を起こして辞めて……みたいな人を最後に救った人っていうか。引退試合をやってあげたのがこの田崎健太さんなんですよ。

安田忠夫

(堀潤)おおー。なかなかじゃあ、男気のある。

(吉田豪)それで稼いだお金で、ブラジルで相撲を教えるっていう道まで作ってあげて。で、空港で待っていたらその安田忠夫さんが現れなくて。なおかつ、その安田さんに告発されるようになるんですよ。

(堀潤)えっ?

(吉田豪)「あんな最低のやつは見たことがない。俺の金(引退試合の売上)をあいつが使った!」みたいな感じで告発し始めて。

(堀潤)そんな……恩を仇で返すような……

(吉田豪)まあ、どういう人かはみんなわかってるんで、あんまり本気にしなかったんですけど。僕が困ったのはその時に、「吉田豪も田崎のことはボロクソに言っていた」って安田さんが言い出してですね(笑)。僕、巻き込まれて。僕、一緒にイベントをやったことがあって、この話になったけど僕はなにも言ってないんですよ(笑)。それもただ、会場にいる人たちは証人になるけど、難しいじゃないですか。これこそ僕、エアだよ!って思ったんですけど(笑)。

(堀潤)本当ですね。でも、たしかになかなか見分けが難しいですね。これだけいろんなメディアが発達してくると、どこにクレジットがちゃんと明記された情報なのか?っていうのが見えにくくなってきているっていう。

(吉田豪)田崎さんサイドはだから「そのインタビューの音声を出せばいいだろう?」って言って。でも、それも許可なしで出せるものなのか?っていうのもあるし。難しいんですよ。潔白を証明するのも難しいし。完全にクロだって言い切るのも難しい。

(堀潤)どうすればいいですかね?

(吉田豪)ただ、怪しまれる記事が多いのは間違いないですよ。うん。

(堀潤)そういう意味で言うと、やはりなにかしら、これはこういういい情報ですよって証明できる人の価値が相対的には高まっていくということになりそうですからね。開沼さん、いまのお話、どう聞かれました?

(開沼博)やっぱりスポーツ誌業界っていうのはとても狭い……まあ、言い方はあれですけども。村社会的な部分があるという風に言われているというのもあるのかな? と思うんですね。僕はいま、中井祐樹さんっていう、これも格闘技を知っている方は知っている伝説的な方で。

(吉田豪)修斗ですね。

(開沼博)やっぱりそれまでプロレスを、ある面では八百長的な、決まりきったことをそのままやらされる、みたいな。でも、それをやらないと排除されるというような状況があったところに、本当に強い格闘技はこれだ!っていまの総合格闘技とかが流行るっていう文脈を作った方で。やっぱり、その時も村社会的なものがあったと思う。たとえばいま、生き残っている大きな総合的なスポーツ誌って文春のNumberぐらいで。やっぱりNumberに書けるかどうか。その時にいろいろなものを取れるかどうか。「取れるかどうか」っていうのは、選手との関係とかがうまくあるか?っていうことで。まあ、そこでじゃあ取れなかったらエアになっちゃうとかっていうのもあったのかな? と想像しますよね。

(堀潤)椎木さん、いかがですか?

(椎木里佳)私、前にAKBの子と共演した時にそのAKBの子が将来、卒業した時に社長になるために、私に擦り寄って。その後に「つながった。関係者だ」みたいな……「誰だよ!?」みたいに(笑)。もう本当にこう、真実じゃないことを平気で書くような人たちがいるので。あんまりこう……あんまり信じられなくなっちゃったなっていう。

(堀潤)そういう意味で言うと、豪さんみたいに自分の名前で、顔と名前を出して、そのブランドでやっているっていう方の情報が非常に価値が高くなりますよね。

(吉田豪)ちなみに田崎さん、Twitterでこういう告発をしていた時に、パーティーでこの編集長に直接たずねたことがあるっていうのが、それが実は酔っ払っていて、言葉荒く迫って、髪の毛を掴んで、髪の毛が掴まれた時に(皮膚に)爪が食い込んで流血した、みたいなことまでバラされちゃったりとかで。どっちがどっちかわからなくなっている状態がいまですね(笑)

(堀潤)なるほどね。ちょっとウォッチしていきましょう。エアインタビューの話でした。ありがとうございました!

(吉田豪)どうも!

<書き起こしおわり>

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