ドレスコーズの志磨遼平さんが『猫舌SHOWROOM 豪の部屋』に出演。吉田豪さんと矢沢永吉さんについて話していました。
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— SHOWROOM (@SHOWROOM_jp) 2019年4月30日
(吉田豪)つまり、そういうこと(上京直後の高額バイト)をやりながらもビジョンははっきりしていたっていうことですね。
(志磨遼平)そうですね。いわゆる『成りあがり』をしたいって思っていて。
(吉田豪)あの本、本当に素晴らしいじゃないですか。どのへんが来ました?
(志磨遼平)ええと……まあ、そうですね。なんかずっと楽屋で計算をしているエピソード。
(吉田豪)お金の話が全部素晴らしいですからね。
(志磨遼平)そうなんですよね。みんなが車の話とかをしていてね、「永ちゃんはなに書いているの?」って。「ギャラ計算してんだよ」っていう。
(吉田豪)そうそうそう。「印税ってこんな素晴らしいものがあるんだ!」っていうね、名言(笑)。最初に入ったギャラで書類ケースを買うとかね(笑)。
(志磨遼平)そうそうそう! 書類ケースを買うんですよね(笑)。
(吉田豪)全てが金の話っていうのが気持ちいんですよね。
(志磨遼平)まあね、普通にみんなが好きな「1回目は失敗して、2回目で借りを返して、3回目は余裕」ってういやつ。あれとか好きだし。
(吉田豪)僕、永ちゃんを何度か取材しているんですけど。何度目かの取材がビートルズ特集みたいな感じで。永ちゃんにビートルズについて聞くみたいな企画で。「ビートルズのなにがよかったんですか?」って聞いたら「聞いて一発でね、『そうか、俺もこうやったら金が稼げる!』って思ったんだよね」って(笑)。「ビートルズを聞いてまずそこなんですか?」っていう(笑)。
(志磨遼平)ねえ。そうなんですよね。
(吉田豪)発想が違うんですよね。
ビートルズを聞いた感想「金が稼げる」
(志磨遼平)なんか、家にレコードが3、4枚しかないっていう話ですよね。ビートルズが1枚とバリー・ホワイトかなんかがよくて気に入ったとかで。これはすごいピュアな理由で。で、もう1個が井上陽水さんの『氷の世界』。これは当時200万枚売れて、「なんで売れているのか研究したくて買った」っていう。家にはそれぐらいしかないっていうね。
(吉田豪)ねえ。それに憧れてギターウルフのセイジさんもね、レコードをあんまり持っちゃいけないとかってがんばったとか(笑)。
(志磨遼平)うんうん、わかります。最初、ちょうどそこにうちのマネージャーがいるんですけども。あの人はもともとは新宿JAMっていうライブハウスのブッキングマネージャーをずっとやっていて。僕がそこにちょこちょこ出ていて拾ってくれたっていう。もうハタチ過ぎぐらいからの付き合いなんですけど。いちばん最初、ちょっと僕もうる覚えなんですけども。電話をして。「とりあえずかっこいいんで、出した方がいいですよ」みたいなことを言って。それでデモテープを持っていって、まずギャラを聞くっていうのをやったっぽくって。
(吉田豪)フフフ、永ちゃんっぽさを出そうとして。
(志磨遼平)はい。永ちゃんの教えを守って。ライブが決まってもいないのに、「ギャラはいくらですか?」っていう話をまずして。それでだいたいのところは落とされてきたんですけど、そこで落とされずに。
(吉田豪)JAMだけは面白がってくれて。
(志磨遼平)そうなんですよ。で、なんとかいまに至るみたいな。
(吉田豪)前に言ってましたよね。永ちゃんの影響を受けすぎて、結構嫌われたりしたっていう(笑)。
(志磨遼平)そうなんですよ。でもまあまあ、悪くはないですよね。それぐらいじゃないと。
(吉田豪)わかります。うん。何回会ってもしびれますからね。
(志磨遼平)ですよね! 僕も1回だけお会いしたんですけど、しびれました。すごい、まあもちろん(恐縮して)こうなるじゃないですか。で、エスコートにすごい慣れてらっしゃるっていうか。永ちゃんの前でなたぶんみんなこうなるから、「サインしましょうか?」「バンド名、かっこいいですね。毛皮のマリーズ、いいですね」とか。
(吉田豪)フフフ、(本を取り出して)僕も『暴力青春』にサインをもらっていますよ(笑)。
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(志磨遼平)うわーっ、すげえ!
(吉田豪)そう。キャロルの本にサインをもらうっていうのが結構掟破りな感じはあるんですけど。
(志磨遼平)その時はどうでした?
(吉田豪)でも大丈夫でしたよ。
(志磨遼平)すごい。ジェントル。
(吉田豪)「永ちゃんの前でジョニー大倉の話はできない」とかいろいろと緊張感のある中で。
(志磨遼平)そうですよね。すげえ!
ジョニー大倉と矢沢永吉
(吉田豪)好きな話がいろいろとあるんですけど。僕、ジョニー大倉さんを取材した時の話が好きで。ジョニーさんが当時、焼肉屋を始めて「キャロル」っていう名前をつけたりとかですごい挑発的なことをやっていてギクシャクしていたんですけども。
(志磨遼平)新宿の。
(吉田豪)でも、「ジョニーさんの歌詞のことを永ちゃんは褒めていましたよ」って言った瞬間に「本当? ええっ! 矢沢くんが褒めていたの!?」って。急に「矢沢くん」になって。わかりやすく喜ぶんですよ。
(志磨遼平)すげえ! いい話だー!
(吉田豪)「ああ、そうか。そうなのか!」みたいな感じで。たぶん寂しかったんですよね。一緒にやっていたんだけど、永ちゃんだけがああなって……っていう。
(志磨遼平)まあジョニーさんもピュアなアーティストっていうか。永ちゃんは本当にいい意味で……ミック・ジャガーと一緒ですよね。ビジネスマンというか。
(吉田豪)でも、そのジョニーさんから聞いた大好きな話が、キャロル時代にみんなで極真空手を始めたんですよね。
(志磨遼平)えっ、その話、知らないです。
(吉田豪)知らないですか? 山本寛斎のショーでパリに行った時かな? それで空手着を着て……みたいな流れで、みんなでちゃんと極真空手を習おうって。で、ジョニーさんだけ真剣にやることになるんですけど、永ちゃんが早々にすごいちっちゃいやつにふっ飛ばされてブチ切れて。「なんだ、この野郎!」みたいな感じになって。「こんな空手なんかよりも、金の方が強いんだ!」って言って辞めたっていう(笑)。
(志磨遼平)ええーっ! かっこいい!
(吉田豪)でも、それを永ちゃん本人にぶつけたら、「いや、俺はそんなことは言っていない」っていう。「ジョニーさんがそう言っていたのに……」っていう(笑)。そういうの、最高じゃないですか。
(志磨遼平)ねえ。いい関係だなー。
(吉田豪)いい関係。