吉田豪と志磨遼平 矢沢永吉を語る

吉田豪と志磨遼平 矢沢永吉を語る SHOWROOM

(志磨遼平)やっぱり、最近僕たちの大好きな方が次々と……。

(吉田豪)ショーケンさんとかね。

(志磨遼平)ショーケンさんも裕也さんも。ねえ。

(吉田豪)本当にレジェンドが。ショーケンさんが取材できなかったのは本当に悔やんでいるんですよ。

(志磨遼平)ああ、そうなんですね。ああ、それは……。

(吉田豪)志磨さんも相当、ショーケン好きって言っていたじゃないですか。

(志磨遼平)僕も好きですね。

(吉田豪)接点はないまま?

(志磨遼平)そうです。ないまま。いやー、豪さんのインタビュー、読みたかったな。

(吉田豪)ですよね。難しかった……。

(志磨遼平)でも、結構あれだったんですよね。実はしばらく闘病をされていて……っていうね。

ショーケンさんのエピソード

(吉田豪)そうですね。僕がよくネタにしている話があるんですよ。ショーケンさんに『Continue』っていうゲーム雑誌でインタビューのオファーをして。ショーケンさんの事務所の人もかなりショーケンイズムがあふれる人で。「インタビューをお願いしたい」って編集の人が言ったら「そんな雑誌、知らねえな」っていう感じで。「ギャラは最低100万だ」って言われたらしくて。「雑誌で!?」っていう(笑)。で、「ちょっとそれは金額的に難しいです」って言ったら、「じゃあ、ダメだな。ゲームオーバー!」って(笑)。

(志磨遼平)アハハハハハハッ!

(吉田豪)ゲーム雑誌っていう部分を拾ってくれるっていう。サービス精神。だからちょっとショーケン感はあるんですよ。怖いけど、茶目っ気はあるっていうか。

(志磨遼平)たしかに。ショーケンさんっぽい。

(吉田豪)そうそう。厄介とかわいげの同居っていう(笑)。

(志磨遼平)でも、それで本当にダメだったんですね。

(吉田豪)ダメだったんですよね。すごい好きな話で。

(志磨遼平)矢沢さんならね、「でも、まだ誰もやっていないですよ」って言ったらいけそうですよね。

(吉田豪)意外と永ちゃんはいけるんですよね。僕、3回ぐらい結局やっていますからね。テレビの企画と雑誌で2回。

(志磨遼平)へー!

(吉田豪)これもよく言いふらしているんですけど。僕、永ちゃんのファーストコンタクトでやられたんですよ。10年以上前ですけど。『Smart』っていう宝島社のファッション雑誌の取材で。まず会う時に、本当に部屋に入ってきた瞬間から永ちゃんなんですよね。で、「宝島社」って言った瞬間にニコニコしながら「おおっ、宝島! 懐かしいねえ!」って。「俺ね、創刊の時。まだこんなデカかった頃にね、インタビューに載ったことがあるんだよ。『なんでも書いていい』っていうから日本の芸能界がどれだけ汚くて、裏で女抱かせて金をつかませて、ひどいことをやっているかって言ったら、それが全部そのまま載っちゃったからさ。矢沢、『知ーらなーい!』って言ったんだよね。ヨロシク!」っていう(笑)。「なんだ、このつかみ?」っていう(笑)。

(志磨遼平)フハハハハハハッ! すごいっすね(笑)。「ヨロシク!」で全てがまとまるのが。すごいなー!

(吉田豪)それでまずやられたし、1テーマを振るだけで全部話してくれるんですよ。

(志磨遼平)ああ、なるほど。

(吉田豪)「永ちゃんは本当に嫌う人がまずいないし……」みたいな話から、「音楽業界がその時期ぐらいからどんどん大変なことになってきている中で、なぜ音楽を続けるのか?」みたいな1テーマを振っただけで、それで30分ぐらいずーっと。「矢沢もね、正直いまだったらね、子供が『音楽をやりたい』って言ったら『お前、発光ダイオードを作れ』って言うよ」みたいな(笑)。「音楽じゃないぞ」っていう(笑)。

(志磨遼平)いま、発光ダイオードが儲けられるのかはさておき。

(吉田豪)そう、その時代(笑)。「でも、そんな時代でなぜ矢沢が音楽をやるのか?」みたいな話をちゃんとしてくれるんですよ。全部きれいなんですよ。「矢沢もインタビューとかね、正直かったるいと思うよ。同じ話ばかり聞かれて。でもなんでそれも受けるか?っていうとね、矢沢、売れたいんだ」っていう(笑)。

(志磨遼平)おおっ! まだ言う。

(吉田豪)まだ言う(笑)。

(志磨遼平)すごいなー!

(吉田豪)何回会ってもいいですね。

(志磨遼平)ねえ。永ちゃんに会った人はみんな、永ちゃんのエピソードを嬉しそうに話しますね。本当、みんな大好きですよね。

知れば永ちゃんが好きになる

(吉田豪)これ、僕が言っているのが、「永ちゃんのことをよく知らない人と、永ちゃんが好きな人しかない」って言っていて。「嫌い」には振れないと思うんですよ。ぼんやりと知らない。ぼんやりと「なんかヤンキーが聞いてたから嫌だ」とかぐらいで。

(志磨遼平)そうですね。「大好き」か「知らない」か。

(吉田豪)そうそう。知れば好きになるっていう。

(志磨遼平)ねえ。すごいなー!

(吉田豪)美輪明宏さんもそれに近い影響がありましたね。

(志磨遼平)ああー、美輪さんはお会いしたことは?

(吉田豪)そのスーパーで見かけただけなんですよ。取材はない。

(志磨遼平)ああ、なるほど。そうなんですね。

(吉田豪)美輪さんも噂とか、テレビ局とかに出入りしてスタッフから聞いた話とかを聞くだけでも満足な。

(志磨遼平)ああ、そうですよね。たしかに。

(吉田豪)1回、美輪さんがトイレに行く時に、どっちに入るのか?ってスタッフが注目していたら男と女の間のトイレ(多目的トイレ)に……。

(志磨遼平)あのガラガラガラッて入るような。

(吉田豪)そう。そこに入っていたっていう。いろいろと、なんだろう? こんなに味わい深いっていうか、いろんな意味があるという。できすぎた……。

(志磨遼平)できすぎた話。すごい。へー!

(吉田豪)本当に正解だと思って。

(志磨遼平)ですね。へー! すごいなー!

<書き起こしおわり>

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