ドレスコーズの志磨遼平さんが『猫舌SHOWROOM 豪の部屋』に出演。吉田豪さんと自身が上京直後に体験した日給4万円の高額バイト経験について話していました。
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— SHOWROOM (@SHOWROOM_jp) 2019年4月30日
(吉田豪)1回、一緒にロフトプラスワンでイベントもやったじゃないですか。
(志磨遼平)はい。雑談天国。
(吉田豪)その時にもいろんな話をさせていただきましたけども。印象的だったのが終わった後に控室で「今日、実はカミングアウトしようと思っていたことがあって……」って言っていて。
(志磨遼平)はいはい。ありましたね。
(吉田豪)で、ポロッとそこで聞いて。
(志磨遼平)その時、もう出番が終わって。楽屋でその後ちょっと話した時に。
(吉田豪)聞いて。で、「また次の機会があれば……」って言っていたら、その次の機会っていうのが掟ポルシェのバイトの本になったっていう(笑)。
(志磨遼平)フフフ、そうなんですよね(笑)。ついに売っちゃいまして。すいません。
(吉田豪)全然、正しいですよ。あの話をちゃんと掘ってみたくて。今日もね、この収録現場(新宿二丁目)というか。ここも味わい深い場所なんですけども。
(志磨遼平)そうなんですよ。思い出深い場所で。
(吉田豪)掟ポルシェのバイトの本(『男の!ヤバすぎバイト列伝』)っていうのが本当にこれも素晴らしい本で。連載時から素晴らしくて。そして単行本用の追加のインタビューで2人、藤井隆さんと志磨さん。これも2人とも素晴らしくて。
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(志磨遼平)藤井さんのもすごかったですね。
(吉田豪)藤井さんは真面目すぎてどうかしているっていう(笑)。
(志磨遼平)そうそう。静かに狂っているタイプの。
(吉田豪)本当、そうなんですよ。あの人はいつも。ちゃんとしているんだけど、ちゃんとしすぎているっていう(笑)。
(志磨遼平)そうそうそう!
(吉田豪)バイトでも気に入られすぎておかしなことになるっていう。
(志磨遼平)ご本人はたぶん意識されていないんでしょうけど。十分におかしいっていう。
(吉田豪)結構マッドネスな感じで(笑)。
(志磨遼平)そうなんですよね。僕は割とバンドマンのいわゆる社会不適合な感じの人代表みたいな。藤井さんが真面目な人代表で。
(吉田豪)ただ本当にね、(音声途切れる)……ショッキングな何かでもないっていうか。
(志磨遼平)そうですね。「そういうのもあるでしょう」っていうね。
(吉田豪)アーバンギャルドの方がここに来ていただいた時もそうなんですよ。セクシャリティー的な話を結構踏み込んで……会員限定のブログでしか書いていなかった話を、ここでなぜか腹をくくって。「この街に来た以上は……」っていうことでしてくれて。それも全然、ネットニュースになるとかでもなんでもなく、普通に。まあ熱心なファンは知っている話だっていうことで。ちゃんと受け入れられる時代っていうのが……。
(志磨遼平)そうですね。いい時代になりましたね。僕は本当は『ROCKIN’ON JAPAN』の二万字インタビューが来た時に話そうと思っていて。
(吉田豪)フフフ、そこまで取っておいた?(笑)。
(志磨遼平)そこまで取っておくつもりが、まさかの掟さんの本でポロッとしゃべってしまって(笑)。
(吉田豪)フハハハハハハッ!
(志磨遼平)でも、いいんです。いいんです。
(吉田豪)はい。どんなバイトをしていたんですか?
(志磨遼平)最初、19で東京に上京してきまして。で、僕は矢沢永吉さん。永ちゃんが好きで。
(吉田豪)『成りあがり』を読んで。
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(志磨遼平)はい。『成りあがり』を読んで、永ちゃんがたしか所持金が最初8万でしたっけ? 何万でしたっけ? 5万円とかかな? それで出てくるんですよ。広島から東京に。で、僕もそれに倣って5万円とちょっと色をつけて8万円ぐらいで東京に出てきたんです。で、部屋を借りるにもちょっと足りないし、借りたら最後生活費もない。なので、ひとまず友達のところに居候をして。で、日雇いのアルバイトをして、最初の敷金・礼金ぐらいのお金を作ろうと。で、最初に求人誌を読んで面接を受けに行ったんですね。建設系の。
(吉田豪)うん。
(志磨遼平)それで「じゃあ、住所を書いてください」って言われて「まだ住所がないんです」って。
(吉田豪)その時点でアウトですよね?(笑)。
(志磨遼平)そうなんですよ。で、「住所がないとうちはダメなんで」「いや、その住所がほしくて実は御社に来たんですよ」みたいな。で、「あれ? これはちょっと袋小路だぞ?」って。
(吉田豪)住み込みのやつとかじゃないと無理なんでしょうね。
(志磨遼平)そうそうそう。だからそういう住み込みのやつを探すしかないか……って。「仕事がないから住所がないし、住所がないと仕事がない。参ったな……」ってとぼとぼと面接した会社から階段を降りていって。で、ふと周りを見渡すと、すごいレインボーの旗がひらひらとはためいていて。
(吉田豪)知らずにそういう街に。
(志磨遼平)「あっ! ここがその新宿二丁目か!」って。で、電柱を見ると「日給4万円」とか書いてあって。
(吉田豪)やけにいい仕事が……(笑)。
(志磨遼平)「羽振りいいな!」みたいな。で、「わかりました。これはいよいよ来ました。この街で働きましょう」ってなって。
(吉田豪)それは仕事の内容はなんとなく察してはいた?
(志磨遼平)察しました。いろいろね、そういう情報を知りたくて読んだこともあったし。で、まあ美輪明宏さんの『紫の履歴書』とかも。
(吉田豪)名著ですよね。大好き。
(志磨遼平)ああいうのを読んで「東京に出てくるんだ」っていうそのね……。
(吉田豪)『成りあがり』と『紫の履歴書』で高めていたんですか?(笑)。
(志磨遼平)そうです、そうです。その2つをバスの中で読んで来たんで。
(吉田豪)まあ、どっちも大好きな本ですよ(笑)。
(志磨遼平)そうです。なので、「これは思し召しだ」っていうか。でも僕が好きな人もそういう方が多いんで。
(吉田豪)美輪さんもだって、二丁目でお店をやっている説がありましたよね。
(志磨遼平)ああ、そうなんですか?
(吉田豪)お忍びでっていうか、名前を出さずに……下手したらいまでもやっているはずですよ。
(志磨遼平)そうなんですね。だから新宿のTSUTAYAで目撃情報があるのかな?
(吉田豪)僕、二丁目の24時間営業のスーパーで1回、見ましたよ。よっぽど家まで戻って(本を取ってきて)サインをもらおうかと思ったけども、プライベートの邪魔をしちゃいけないと思って。
(志磨遼平)ああ、そうですね。そうそう。で、『紫の履歴書』に「素人○年、水○年」みたいな。「桃栗3年、柿8年」みたいな感じで。その、普通にしていると5年、10年かかってやっとわかるようなことが水商売をすれば1年ぐらいで身にしみてわかるよ、みたいなことを書いていたし。ということで、コンコン……ってその日給4万円のところに行って。
(吉田豪)おおう!
(志磨遼平)で、「面接を受けたいんですけど」「いいわよ。じゃあ、ちょっとこれ、書いて」って。プロフィールみたいなのを渡されて。それで「身長、体重、源氏名、バスト、ウエスト……」って。「B、W、H、C」って書いてあって。
(吉田豪)C?
(志磨遼平)「C?」って言ったら。「ちんちんよー!」って(笑)。
(吉田豪)フフフ、「P」じゃないんだっていう(笑)。
(志磨遼平)「C」でしたね。というのがあって。まあ、そういう面接を受け……。
(吉田豪)チン長も別に測らないですからね(笑)。
(志磨遼平)そうなんですよ。その「ちんちん」のくだりをやりたいだけなんですよ(笑)。
(吉田豪)フフフ、一いじりしたいだけっていう(笑)。
(志磨遼平)で、無事合格し、すぐに働き始め……っていう。
(吉田豪)それは基本、飲み屋的なやつなんですか?
(志磨遼平)じゃなかったですね。
(吉田豪)もっとストレートな?
(志磨遼平)もっとストレートなところでした。その4万のところは。で、1月ぐらいで。あんまりやっぱり、出来高制なんで。で、そんなに僕は需要がなくて。
(吉田豪)(身長が)大きすぎたんですかね?
二丁目ではあまり需要がなかった
(志磨遼平)まあヒョロいじゃないですか。だからあんまり需要がないんですよね。もうちょっとがっちりしていたり、もっと少年のようなのとか、スポーティーな子とか。そういう子の方がモテるんで。僕はあんまりダメでしたね。なのでまあ、普通の時給のアルバイトをした方がお金にはなるっていうか。
(吉田豪)そうか(笑)。
(志磨遼平)それで1月ぐらいで辞めましたね。
(吉田豪)需要があったらどうなっていたかわからないですね。
(志磨遼平)ああ、そうですね。うん。
(吉田豪)そっちでサクセスしていた可能性も……っていう(笑)。
(志磨遼平)その可能性も、はい。そうなんですよ。
(吉田豪)東京に来るなりそれをやっちゃったっていうのは完全にもうね……なんなんですか? 本当に当時から「有名になったらこれはネタにしよう」って?
(志磨遼平)思っていました。「これは絶対に二万字インタビューで言おう」ってその時に思いながら働いていたんですよ。
(吉田豪)へー!
(志磨遼平)まさかね。
(吉田豪)「『成りあがり』的ないいエピソードができた!」みたいな?
(志磨遼平)そうです。「できたぞ!」って。「『東京に出てきたばかりの頃にね……』って言おう」って思っていたんで。それで掟ポルシェさんのところでついポロッと。
(吉田豪)フフフ、いや、素晴らしい(笑)。プラスワンで最初にそれを投下しようとしたんですね? 葛藤をしながら。
(志磨遼平)そうなんです。葛藤をして。「二万字インタビューか、今日か……」って。悩みましたが。
(吉田豪)フフフ、全然大丈夫でしたよ。今日、ここでね、二丁目で投下していただいて。ありがたい。供養できた感じがしますよね?
(志磨遼平)そうですね。そうなんです。
<書き起こしおわり>