ニプシー・ハッスルと生前、非常に仲が良かったYGも「今日のショーは丸ごとニプシーに捧げるぜ」ということで、観客も巻き込んでニプシー・ハッスルのトリビュートをしておりましたし。キッド・カディとか、あとはアンダーソン・パークとかね、そういったアーティストたちも自分のライブの合間にニプシー・ハッスルへのメッセージを話していましたね。
シンガーのH.E.R.のステージでも同じくニプシーのトリビュートの時間っていうのがあったんですけども。彼女はその後に、『I’m Not OK』という彼女のすごく寂しい曲があるんですよ。で、私はH.E.R.の中でこの曲がいちばん好きでして。「あなたがいなくなって、普通はみんな『I’m OK(大丈夫だよ)』って言うけど、全然大丈夫じゃない」っていう。『I’m Not OK』という曲がありまして。それを歌っていてですね、もう「うわーっ!」みたいな。感情移入というか、非常に深く刺さるようなパフォーマンスでしたね。
あと触れることといえば、結構「おおっ!」と思ったのが、たとえばJ・バルヴィンとかバッド・バニーとかラテン系のアーティストですよね。しかもいま、非常に世界中でヒットしてるレゲトンとかラテントラップというカテゴリーをレペゼンしているようなアーティストが非常にさ、ちょっとEDMチックな盛り上げ方っていうか。全方位型の盛り上げ方って言うんですかね? そういった非常に活気のあるステージを皆さんね、繰り広げていたのも印象的でした。
なので今後さ、世界的に大きいEDMフェスとかいっぱいあるじゃないですか。そこにもEDM系のDJと一緒にこういうラテン系、レゲトン系のアーティストがどんどんブッキングされるのかなという風にも思った次第です。DJスネークが『Taki Taki』をカーディ・Bとかセレーナ・ゴメスを呼び込んで。生『Taki Taki』を披露していたのも「おおっ!」って思いましたし。レゲトンブーム、まだまだこれから大きくなっていきそうだなという風に思いました。
DJ Snake『Taki Taki』
そしてですね、個人的にジャネル・モネイの非常に独創的なステージも「ああ、ジャネル姉さん、待ってたよ!」みたいな感じがしましたね。つい最近、2月に行われましたグラミー賞でのパフォーマンスも非常に素晴らしかったですけれども。私が「おおっ!」と思ったのは、何とジャネル・モネイが自分のパフォーマンス中に自分の年下女性アーティストになりますけども。
シンガーのリゾと女性MCのティエラ・ワックという後輩ミュージシャンを呼び込んだんですよね。やっぱりジャネル・モネイもジャネル・モネイでさ、自分がリーダーになってどんどん新しいシーンというか、新しい時代を築いていかなきゃ!っていうような、そういった意気込みが非常に強く……勝手にですけれども、非常に強く感じられたパフォーマンスだったなと思いました。
Shout out to @JanelleMonae sharing the stage with @lizzo and @TierraWhack at #COACHELLA pic.twitter.com/EGjER5wJnE
— Keith Nelson Jr (@JusAire) 2019年4月13日
で、ちょっとせっかくなのでこのコーチェラに出たアーティストの楽曲を1曲、ここでかけたいと思うんですけれども。すごい悩んだのね。でもそのジャネル・モネイのステージにも一緒に立ち、そして彼女のステージもすごいよかったリゾいう注目の女性シンガーがおります。彼女はね、ちょっとぽっちゃり体型なんだけど、コーチェラのステージも女性ダンサーがみんな同じようなぽっちゃり体型のダンサーさんがワーッとステージに出てきて。
で、リゾはやっぱりそこをずっと自分は押しているメッセージというか。ボディポジティブと言いますか。「私は私のこのボディが大好きなのよ」っていう、そういったひとつのアティチュードがありますから。それを見事に体現してたし。あと自分で自分のステージのことを「Asschella」って言っていて。「Ass」っておケツのことですけどね(笑)。「おケツチェラ」っていう風にも言っていまして。その心意気も非常にいいなと思いましたので。リゾのヒットシングルをここでかけたいと思います。それでは、聞いてください。リゾで『Juice』。
Lizzo『Juice』
<書き起こしおわり>