(中略)
(DJ YANATAKE)はい。じゃあ次に行ってみましょうか。
(渡辺志保)では私から、次のターン、ご紹介したいと思います。フィメールMC枠を誰にするのか、非常に今日、悩んだんですよね。去年はシティガールズ。もう一押し!っていうことで選びまして。昨年、一昨年からカーディ・Bちゃんの大躍進が続いておりまして。今年もフィメールMCシーンはかなり豊作なんじゃないかなと思っております。で、今日この子だけは……ということで紹介したいのはティエラ・ワックですね。去年、すでに『Whack World』というアルバムを出して、それがすごくクリエイティビティーあふれる作品だったんだけど。
1分ずつの曲とそれに呼応する1分ずつのミュージックビデオを作りまして、1枚のアルバムを作り上げたティエラ・ワック。今年に入っても3曲、新曲をダダダッとリリースしておりますし。で、今年もコーチェラにソロのステージがありましたね。で、ちょっと意外だったんだけどバックDJが白人の男の子で。「ああ、こういうステージングなんだ」と思いまして。あとさ、コーチェラのジャネル・モネイのパフォーマンスのところにもティエラ・ワックとあとリゾが参加してまして。「ああ、こういうところからも注目されてるんだな」と思いました。
Shout out to @JanelleMonae sharing the stage with @lizzo and @TierraWhack at #COACHELLA pic.twitter.com/EGjER5wJnE
— Keith Nelson Jr (@JusAire) 2019年4月13日
彼女は本当に型にはまったフィフィメールMCって感じでは決してなくて、本当にね、ミュージックビデオとか見ていただければわかるんだけど。その名の通りだけど独特のワック・ワールドがあるんですよね。だからこういう存在がどういう風に花開いていくのか非常に興味深いところではあります。あとですね、フィメールMC畑で言うと、以前にここでも紹介したけど、ダニー・レイも気になっているし。あと、ティナ・スノー。そしてリコ・ナスティとかもめっちゃ個性強め。なので今年、もっとブレイクしてほしいなって。
(DJ YANATAKE)フィメールMCだけでフレッシュメンできるよね(笑)。
(渡辺志保)全然できる。で、いまほら、キューバン・ドールとかエイジアン・ドールとかドール系もすごい賑わっているしね。
(DJ YANATAKE)また女子同士のビーフとかもね。
(渡辺志保)そういうのもありますから。あとマリブ・ミッチとか結構苦労している苦労人のMCもたくさんいますから。それはそれで、ヤナタケさんのおっしゃる通り、時間をいただいて紹介してもいいのかなとも思っております。あと今年、EVE。イヴもアルバムを準備しているそうなので。あとはミッシー・エリオットとかね。
(DJ YANATAKE)まあ、残念ながらフレッシュメンではないですけども(笑)。
(渡辺志保)フレッシュメンではないけど、そういうベテラン勢も「よっしゃ、やったるで!」って思うぐらい、いまシーンが盛り上がっているということです。
(DJ YANATAKE)なるほど。いいですね。
(渡辺志保)というわけで、聞いてください。ティエラ・ワックで『Unemployed』。
Tierra Whack『Unemployed』
(渡辺志保)いまお届けしておりますのはティエラ・ワックで『Unemployed』。フィメールMC枠から1人ということで、選ばせていただきました。
(DJ YANATAKE)なんか出し方も、さっき志保も言っていたけども。1分間のやつっていうのはたぶんInstagramにUPしていたりして。そのリリースの仕方も本当にいろんなアイデアがあって。やっぱりでも若い子たちほどさ、そういうなんかお金かけないけど新しいアイデアみたいなのを生み出せるから。こういうシーンを追いかけるのは本当に面白いですよね。
(渡辺志保)そうですよね。
(DJ YANATAKE)ありがとうございます。
(中略)
(DJ YANATAKE)というわけで、日本語ラップ3組目ですかね。行ってみたいと思います。日本語ラップ、もうこれもね、しゃあない。これだろ!っていうことで3組目は舐達麻!
(渡辺志保)キターッ!
(DJ YANATAKE)僕ね、やっとこの間はじめて、チラッとだけ会ったんですよ。
(渡辺志保)そうなんですね。どういう青年でした?
(DJ YANATAKE)いやー、でもあのまんまよ。見たまんま(笑)。
(渡辺志保)そうなんですね。私もいま、いちばんインタビューしてみたいアーティストで(笑)。いろいろ気になる。
(DJ YANATAKE)たしかにね。まあ、埼玉県出身の一応いまは3MCなんですけども。昨日、『ウィークエンドボム』のインタビューで見た人もいると思うんですけども。もう1人、いらっしゃるということで。そのもう1人はいまだお勤め中ということで。いま、お勤めに出てらっしゃるんですけども、他のメンバーもなかなかですね、3人のうち2人だったかな? ちょっとお勤めの期間があったということで。お勤めから帰られたということで活動が活発になった途端に、やっぱりこれもこの半年ですよね? 急激に注目されて。
ただ、すごい面白いのは、なんて言うか、トラックの感じはいまのトラップとかそういう感じじゃなくて。まあの本当にその90年代とかを彷彿させるようなものなんだけど、でもなんで新しく聞こえるんだろう? みたいな。やっぱりジョーイ・バッドアスとか、なんかああいうのが出てきた時の感じに少し近いのかな?って。
(渡辺志保)そうですね。フロウはやっぱりちょっとね、こなれているなっていう感じがしますよね。
(DJ YANATAKE)どうしても、やっぱり日本のそういう感じって古く聞こえちゃうようになりがちなんだけど、なんか舐達麻のこのフレッシュに聞こえる感じっていうのが、やっぱりそのトラップ好きな人たちにも受け入れられてるような感じ。それでやっぱり、狭い部分じゃなくて広くヒップホップシーンから注目されるきっかけになったんじゃないかなって思いますね。
あと、彼らはいろいろな嗜好品のお話がやっぱり多いんで。やっぱりみんな、刺激もほしいのかね? やっぱかなり過激な……トークでも過激な発言が飛び出しますので、そういった意味でも注目のアーティストのかなとも思いますけども。そのへんのトピックももっともっといろんなものが出てきたりすれば、さらにドーン! と行く可能性もありますし。ライブもちょっと、そのテレビ収録の時しか見たことないんで。またもうちょっとちゃんとしたステージを見てみたいなと思っております。ありがとうございます。
あと、そうだ。WREPラジオの方で、ZEEBRAくんの番組に出たんですよ。その時、ものすごい聴取率だったそうです。だから、それまではあんまりメディアとかも出ていないから、ものすごい注目を……みんな、気になっていたんだろうね。どういう人たちなのか?っていうのがね。なんで、それぐらいいま注目されているアーティストでございます。埼玉県熊谷市から舐達麻。紹介したいのはこちらの曲です。『FLOATIN’』。
舐達麻『FLOATIN’ 』
(DJ YANATAKE)いま聞いていただきましたのは『INSIDE OUT』が選ぶフレッシュメン。これももうみなさんご存知だと思いますけども。1年という時が短く感じるなというのをまた考えさせられた舐達麻でございました。
(渡辺志保)はい。私から続けて送り出すのはこいつです。オールブラック! みなさん、ご存知でらっしゃる方も結構多いのかな? わからないですけど。私は去年、『Weigh Ins』っていう曲で知ったんですけど。なので、知ったのは結構年末ですね。
なんだけど、やっぱり最近の西海岸は本当に定期的に素晴らしい逸材が出てくるんですよね。でも本当にブルーフェイス然りって感じですけれども。で、このオールブラックもオークランド出身で。オークランドといえばE-40御大とかがいますけど、あのあたりですよね。で、去年私はこの西海岸枠はO3グリードを選んでいて。O3グリードも舐達麻さんじゃないですけど、いま長いお勤め期間に入られましたが、O3グリードとちょっと同じようなギラギラしたバイブスを感じる西海岸からの若手ということで、このオールブラックを選出いたしました。
で、最近オールブラックと言いますとですね、なんとあのG・イージーにフックアップされまして。あのここでは結局かけなかったんだけど、G・イージーとブルーフェイスで『West Coast』っていう曲をまたちょっといやらしい感じで出したんだよね。で、そのリミックスにこのオールブラックとあのYGがフィーチャーされておりまして。なので、たぶんさ、G・イージー、ブルーフェイス、YGと並んでオールブラックだけがちょっとド新人って感じがするんだけれども。そこでもすごいタイトなバースをキックしておりましたので、ますます私は今年、このオールブラックへの期待が高まったという感じでございます。
(DJ YANATAKE)本当はそれさ、ここでかけたかったんだけど……。
(渡辺志保)ニプシー・ハッスルのニュースがあったんですよね。だから、ちょっとニプシー・ハッスルを差し置いてこのG・イージーの『West Coast』をかけるのはちょっとなんか違うなと思って、回避したわけです。
(DJ YANATAKE)でも志保さん、それが出た時も「ワーッ!」って騒いでいたもんね。この裏側ではね。
(渡辺志保)そうなんです。なので、ここで改めてオールブラックのラップをみなさんにも聞いてもらいたいなと思います。だから同じ西海岸枠で悩んだのは、あとはOMB・ピージーもすごい悩んだけど。OMB・ピージーはもう2年ぐらい前からE-40のレーベルとも契約していますし。前のタイミングでも『INSIDE OUT』で紹介したような気もするので、今回はオールブラックを選出しました。それでは聞いてください。『76 Buccaneers』。
ALLBLACK『76 Buccaneers』
(渡辺志保)はい。いまお届けしましたのはオールブラックで『76 Buccaneers』でした。まあ、今年も西やら南やらは要注意ということでチェックしていきたいと思っています。
(DJ YANATAKE)なんとなく、西海岸の最近のフロウの感じに傾向があるような気がするんだよね。
(渡辺志保)まあまあ、そうね。彼もちょっとオフビートっぽい感じですね。
(DJ YANATAKE)なので、オールブラックも楽しみですね。じゃあ次。日本語ラップ4組目、行ってみたいと思います。