渡辺志保とDJ YANATAKE 2019年注目の若手・新人ラッパーたちを語る

渡辺志保とDJ YANATAKE 2019年注目の若手・新人ラッパーたちを語る INSIDE OUT

渡辺志保さんとDJ YANATAKEさんがblock.fm『INSIDE OUT』の中で2019年注目の若手・新人ラッパーを合計10組、紹介していました。

(渡辺志保)というわけで、今日はたくさんどんどん曲をかけていきたいので、もう行っちゃいましょう。今年のフレッシュメン。私とヤナタケさん、それぞれカードを今日は持ってきていますので。交代交代に……。

(DJ YANATAKE)まあ相談はいろいろしたんですけども、選んだところでうまくやっていきましょうか。

(渡辺志保)ということでまず私から一発目の今年気になるフレッシュメン、紹介したいと思います。まずはNEL・チョッパー! ということで、メンフィス生まれ。まだ16歳です。彼がバズったビデオが『Shotta Flow』っていうミュージックビデオがあるんですけれども。約6週間で1200万回再生ということで、恐ろしい!

次期ブロックボーイ・JBなんじゃなんじゃないのかとかね、ヤングボーイ・ネバーブロークアゲインとかに近しい存在なのではないかという風にも言われております。で、16歳なんだけど、やっぱりもうさすが向こうの若者はラッパーをビジネスとしての道として選ぶことに非常に才能が長けているなとも思うんですけれども。300万ドル(約3億円ぐらい)のメジャーディールをユニバーサルからオファーがあったらしいんですが、それを断ったらしいのね。

で、3億円のメジャーディールを断って、自分で原盤権を保有するそのインディアーティストとして頑張っていくという道を選んだそうです。かつ、自分1人ではもちろんできませんので、ユナイテッド・マスターズというディストリビューション……流通とかをお世話してくれるパートナーと契約を結んでっていうことで。だからどんどんアーティスト主導のビジネスになっていくんだなという風にも感じますし、ますます巨額のお金が動くヒップホップシーンですけども。アメリカのヒップホップビジネスのあり方もどんどん変わってくんじゃないかなという風に思いました。

なのでいま、私がちょっとストリートレベルでいちばん動きが気になるのはこのNLE・チョッパーという感じです。同じメンフィスだとね、Instagramにもメッセージを貰ったんですけども、キー・グロックもね、すごい気になる存在だし。さらにその上には私が大好きなヤング・ドルフもおりますから。そのへんの系譜、ちょっと2019年も見守っていきたいなと思っております。というわけで、ここでこの私が気になっているNLE・チョッパーの曲を聞いていただきたいと思います。『Shotta Flow』。

NLE Choppa『Shotta Flow』

(渡辺志保)はい。いまお届けしておりますのが私が今年、2019年にかなりストリートでこれからワイワイとするんじゃないかと思っているNLE・チョッパーでした。

(DJ YANATAKE)じゃあ、ちょっとどんどん行きたいんですけど、アメリカ、日本……って交互にいっぱい紹介していければと。今日、全部10組発表したいなと思ってるんで。でもでも本当に選びきれなかったね。だからあくまでも瞬間。明日、マジで変わるかもしれない。でも、それがいまのヒップホップの面白いところで。あと、最初に言い訳っぽくなっちゃうけど、やっぱり1年に1回の企画じゃもう追いつかないですね。時代がね。

(渡辺志保)追いつかないね。しかも、リル・ナズ・Xのヒットとかもう誰も予想できないじゃないですか。そういうところまで来ているから。

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(DJ YANATAKE)というところも踏まえて、でも一応、志保さんと一生懸命選びましたので発表したいと思います。『INSIDE OUT』的フレッシュメン2019、国内アーティストの1人めはTohjiです。やったー! まあTohjiくん。もうこれはたぶんいちばん最初に当確かなというぐらいいま、盛り上がってるんじゃないかなと思いますけども。なんかロンドン生まれなんですね。で、東京と横浜で育ったアーティストということで。でもいま、あれよあれよという間に注目されてますけども。Mall Boyzっていうユニットも組んでまして。そちらの方がですね結構いま、日本語をかけるDJ……Chariとかいま、裏でかかってますけども。この『Higher』っていうのをめちゃくちゃかけまくってるし。

かなりもうフツフツとクラブシーンから盛り上がっていますし。Tohjiくん、主催で渋谷のWWWで400人ぐらいを満パンにするっていう。それぐらい、もう東京のクラブシーンでは超注目されております。この間、ゲストにも来てくれたのTaeyoung Boyとか、あのへんも仲がいいみたいで。アルバムにも参加していたりしますけども。このTohjiくんの名前はすごいみんな見たことあるんじゃないでしょうか。結構ニートtokyoのインタビューなんかも早いうちから出てましたけども。非常に注目のアーティストで。

まあこのMall Boyzとして今後やってくるのか、ソロとしてやってくのかみたいなところもいろいろとあって。Mall Boyzとしても素晴らしいんですけども。Tohjiくんとしての動きもまたね、さらにみんなの注目を集めるところだと思いますので。あえて今回、Tohjiくんという感じで選ばせていただきました。この曲、いまも言いましたけど、僕もすごいChariにも影響されて、いまクラブですごいかけてます。なんで結構、日本語をかけたりするDJの人はこれ、盛り上がる曲なんで。ぜひみなさんチェックしてください。というわけで、『INSIDE OUT』、フレッシュメン2019。国内アーティストの最初にご紹介したのはTohjiでした。Tohjiがgummyboyとユニットを組んでます。Mall Boyzの『Higher』を聞いてください。

Mall Boyz『Higher』

(DJ YANATAKE)はい。いまお送りしてますのはMall Boyzで『Higher』。フレッシュメンリスト2019に選ばせていただきましたTohjiが参加しているグループの曲でした。

(中略)

(DJ YANATAKE)じゃあ、どんどん行きましょう。

(渡辺志保)続いて、私から紹介したいのはセイント・ジョン。彼も去年からじわじわと、特にYouTubeとかストリーミングでね、数字を伸ばしているアーティストですが。彼、もともとアッシャーとかジデンナ、あとはディヴィジョンとかのソングライティングもやっていて。結構だから業界歴は長いアーティストですね。で、ソングライターからヒットを飛ばすっていうのはもう昔からよくあるキャリアパスですけども。いまはブルックリンを拠点にしていて。元々のルーツはガイアナ共和国にあるということで、ブルックリンとガイアナを結構行ったり来たりしている時期もあったとのことです。

で、ちょっとポスト・マローン系というか、そういったところも狙えるんじゃないのかなという風に思っていて。ここ数年のニューヨークも本当にいろんなサウンドでみなさん、切磋琢磨してる感じがしますし。もちろんカーディ・Bとかテカシみたいなああいう飛び道具みたいなのもいれば、同じニューヨークのアップカマーだと私が気になっているのはサットモース。これ、すごい今日悩んだんだけど。リアルサウンドの記事では言及しているんですが、サットモースっていうラッパーもいまして。

彼もこのセイント・ジョンと同じく、ブルックリン拠点で。サットモースに関してはナイジェリアのラゴスからの移民らしいんですよね。で、すでに去年出したアルバムはエリカ・バドゥもポエトリー・リーディングみたいな、スポークンワードという形で参加していますし。それこそ話題の『スパイダーバース』のサウンドトラックにも1曲、参加しているということで。非常に悩んだところではあるんだけれども、2019年のニューヨークサウンドとしてこのセイント・ジョンかこのサットモースが飛躍するんじゃないかなという風になんとなく思ってます。

(DJ YANATAKE)なるほど!

(渡辺志保)というわけで私はセイント・ジョン、いまからかけるこの曲がいちばんビビッと来て。今年ヒットするかもと思いましたので、ぜひ聞いてみてください。セイント・ジョン『Trap feat. Lil Baby』。

SAINt JHN『Trap feat. Lil Baby』

(渡辺志保)はい。いまお届けしましたのは私が今年、もうちょっとブレイクするんじゃないだろうかと思っているセイント・ジョンで『Trap feat. Lil Baby』でした。

(DJ YANATAKE)ありがとうございました。どんどん行きたいと思います。本日は『INSIDE OUT』が年に1回……これ、でも考えなきゃいけないですけどもね。フレッシュメンリスト2019ということで今年、活躍するであろうアーティストたちを紹介しております。次は国内編2組目という感じになりますけども。これはもうしょうがない。全員すでに知ってるんじゃないかな。2組目はMaisonDe from 姫路! もうすでに『INSIDE OUT』にも全員でゲストに来てもらってますしね。

(渡辺志保)そうですね。はい。

(DJ YANATAKE)ただ、先ほどもちょっとコメントで言いましたけど、ノームコアボーイズがデビューしたやっと1年ぐらい。それでですね、「えっ、まだ1年ぐらいか?」って。それでいまの大活躍ですから。「去年、いいタイミングで紹介できてよかったね」とは思いますけども。

(DJ YANATAKE)このMaisonDeのメンバーでもありますShurkn Papが出てきたのがさらにその後なんだよね。『Road Trip』。

(渡辺志保)ああ、そうか。『Road Trip』は6月ぐらい?

(DJ YANATAKE)ビデオが出たのが6月23日。この企画をやったの、これは去年の3月。その頃はノームコアボーイズが出たばっかりで。だからその後なんだよね。MaisonDeはね。まだ全然。だから、あの子たちこそ……まあMaisonDeはShurkn Papの『Road Trip』が紹介されて、「ああ、姫路にこういう子がいて、さらにこの子がいるグループはこういう子たちなんだ!」っていうんで注目を集めたと思うんですけど。Shurkn Papの出てきたのからもまだ1年経ってない。だからここで紹介しなきゃいけない。わかります?(笑)。

(渡辺志保)わかります(笑)。

(DJ YANATAKE)もうみんな、それまでにもShurkn PapとかEPを何枚出しているの? MaisonDeも合わせたら本当に何枚出してんの? みたいな。

(渡辺志保)そうですよね。しかもMaisonDeさんはこの間、AppleMusicでも注目のアップカマーのところにドーンとバナーが出てたぐらい。もはやそれくらいの存在になってますけどもね。

(DJ YANATAKE)なのでもう本当に彼らみたいな存在にこそ時代のスピードを感じるアーティストだなと思うし。でも、やっぱりちゃんとここでこういう風に紹介させていただきたいなと。もう当然、みんなが認めてるアーティストだとは思うんですけども。やっぱりね、この集団芸がいいですよね。さらにもっと個人個人に注目して、キャラが出てくるともっといい感じになっていくと思います。さらに今年、活躍していくと思いますので。MaisonDeの最新作『M8』というEPに収録されております。こちら、『We Came From Nothing』。

MaisonDe『We Came From Nothing』

(DJ YANATAKE)はい。『INSIDE OUT』が選ぶフレッシュメンクラス2019、やっております。日本語ラップの2組目はMaisonDe『We Came From Nothing』をお送りしました。

(渡辺志保)はい。ありがとうございます。

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