渡辺志保 Lil Peepの訃報を語る

渡辺志保 Lil Peepの訃報を語る INSIDE OUT

渡辺志保さんがblock.fm『INSIDE OUT』の中で21才の若さで亡くなったラッパー、Lil Peepについてトーク。彼を追悼してアルバム『Come Over When You’re Sober, Pt. 1』から『The Brightside』を紹介していました。

(渡辺志保)ここでちょっと番組冒頭にお話したいことと言えば、先日訃報があったわけですけども。リル・ピープの訃報、みなさん聞いた方も多いと思うんですけども。ツアーバスの中で意識不明のところをマネージャーが発見しまして。その後に救命措置が取られたものの、息を引き取ってしまったということです。1996年11月1日生まれということで21才なんですね。ニューヨークのロングアイランド出身のリル・ピープなんですけども、最近はより音楽活動に専念するため、LAの方に引っ越していたということも報じられておりますが。享年21才。非常に若くして命を落としてしまったと。

で、死亡の原因なんですけども、まだ正式な結果というのは出ていないのですが、どうやら薬物の過剰摂取、いわゆるオーバードーズで亡くなったのではないかと報じられております。で、その薬物も特定されておりまして、ザナックス(Xanax)っていうドラッグなんですけども。ちゃんとした薬でもあるんですよね。抗うつ剤とか、そういう時に用いられるものなんですけども。結構このザナックスっていうのが数年前から、一部のパーティードラッグというか、結構流行って。で、リリックの中にもね、「Xanie」とか「Xan」とかいう名前でよく出てきたりするんですけども。

まあちょっと、やっぱりヒップホップにおけるドラッグの扱い方とか……Twitterでもチラホラとつぶやいてる方もいらっしゃいましたけども、そのドラッグを摂取することってかならずしもトレンドでも流行りでもなんでもないですし。自分がちょっと抗うつ剤が必要な症状になったら、正しい用法・用量でお薬を摂取するのもそうだけども。たとえば人と話すだけで楽になるんじゃないか? とか、そういうことを彼はできなかったのかな?っていう風につぶやいてらっしゃる方もおりました。ちなみに、リル・ピープの関係者の方を通じて、彼のお母さんの声明も発表されておりまして。

リル・ピープのお母さんによると、「本当に本当にピープのこと、そして短い人生だったけども、その中で彼が成し遂げたことを誇りに思う。リル・ピープのことを愛しサポートしてくれたファンに関してはとても感謝している」という風に声明で述べていまして。リル・ピープって本当にここ数年で一気にキャリアが花開いたというか。今年本当に彼の本格的なラッパーとしてのキャリアがスタートしたばかり。で、8月には『Come Over When You’re Sober, Pt. 1』っていう……「Sober」っていうのは「シラフ」っていう意味ですけども。「シラフになったら遊びに来いよ」みたいな感じの意味のタイトルを付けたデビュー・アルバムも発表して。それと同じタイトルのツアーをまさに回っていたその最中の訃報になってしまったということです。

で、本当にね、結構いろいろとビーフ事も最近多かったりするし。XXXテンタシオンがちょっとミーゴスと間違って、実はミゴギャングでしたみたいなこともありましたけども。そういうビーフなんかもね、結構変なテンション……張り詰めた感じっていうか、そういうのがね、いまのヒップホップシーンに嫌な意味でね、あるんじゃないかな?っていう風にも感じておりまして。こういう不幸なニュースが続かないように祈ります。今日はオープニングチューンとしてこのリル・ピープの8月に発売されたばかりのアルバム『Come Over When You’re Sober, Pt. 1』から1曲お届けしたいんですが。『The Brightside』という曲ですね。「明るい方」っていう意味ですけども、結構このフックでも「どうやって時間をやり過ごせばいいのか? みんな、人生は短いから無駄にするなって言うけど、俺は死にたいんだ。(Help me find a way to pass the time Everybody telling me life’s short, but I wanna die)」。

で、「どうやったら君は俺のものになるんだろう? みんなはやめろって言うけど、俺はやってみたい。だから今夜俺はまたハイになる(Help me find a way to make you mine Everybody telling me not to, but I’m gonna try Now I’m getting high again, tonight)」っていうフックがあったりとか。なんかそういう彼のもがいているような気持ちがそのまま表された曲にもなっているなと改めて感じましたので。哀悼の意を込めて、このリル・ピープの1曲を聞いてください。『The Brightside』。

Lil Peep『The Brightside』

はい。いまお聞きいただいておりますのはリル・ピープ。本当に信じられないけどこれが遺作になってしまいました。アルバム『Come Over When You’re Sober, Pt. 1』から『The Brightside』を聞いていただいております。最初のバースのところでも「Baby, it’s alright, you’ll be fine」「But it’s fine, I’ll be fine」って言っているぐらいなんでね。いまはもう安心してブライトサイドの方でゆっくり休んでもらいたいな、なんて思っております。

<書き起こしおわり>

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