小袋成彬と夏帆 創造性と大衆性の折り合いを語る

小袋成彬と夏帆 創造性と大衆性の折り合いを語る MUSIC HUB

夏帆さんがJ-WAVE『MUSIC HUB』にゲスト出演。小袋成彬さんと仕事をしていく上での創造性と大衆性の折り合いについて話していました。

ピクサー流 創造するちから

(小袋成彬)小袋成彬がナビゲートしております。今日は女優の夏帆さんをお迎えしております。じゃあ、かけますか? 最後の曲になりそうですが、1番から7番の間で……。2、4、7以外だね。

(夏帆)じゃあ、5番。

(小袋成彬)5番。おっ、森広隆さんで『ゼロ地点』。

(小袋成彬)お聞きいただいたのは森広隆で『ゼロ地点』でした。2週目の後半ということで俺がね、聞きたい質問が何個かあって。

(夏帆)おっ、聞きましょう。

(小袋成彬)珍しく……俺、人生相談したことにしたことがないっていうか、しないし、乗らないんだけど。この前ね、飲みながら聞いててすげー思ったことがあって。何個か質問しますわ。俺より長い……15倍ぐらい働いてるわけだから。その、俺は1年しかまだ、デビューしてからは経っていないから。

(夏帆)えっ、ちゃんと答えられるかな?

(小袋成彬)すんごいさ、永遠のテーマなんだけどさ。自分の好きなこと、創造性とポピュラリティー。大衆性の折り合い。

(夏帆)それね!

(小袋成彬)答えは出たの?

(夏帆)いや、私もわからないや。それはでもずーっと……どうなんだろうね。その話、していたね。そういえばね。

(小袋成彬)なんか、してた。それこそ、とんかつを食った後にした気がする。

(夏帆)ああ、したね。なんかね、胃もたれしながらね(笑)。

(小袋成彬)胃もたれしながら、グダーッと座りながらしたでしょう?

(夏帆)そうだね。それね。

(小袋成彬)その問題を、俺はまだ最適解じゃないんだけど、俺はポピュラリティーは割と捨ててる方なんだけど。まあ、職業も違うじゃん。音楽家とさ、俳優と。

(夏帆)そうだね。私はそのゼロから物を作る立場じゃないからね。元々あるものに乗っかってるだけだから。また多分全然違うと思うんだけど……。

(小袋成彬)でも「作ってみたい」とかっていうのはないの?

(夏帆)興味はあるけど、才能はないと思う。

(小袋成彬)でも、女優だってさ、興味なくて才能ないかもって思ってやってみたら、いまこういう姿があるわけでしょ?

(夏帆)まあね。まあ、続けてきたっていうことなんだけど。私があるのは。

(小袋成彬)でも演じる喜びと作る喜びだったら、やっぱり演じる喜びの方が強いのかな? 

(夏帆)まあ、それしかやったことがないからね。また作ってみたら見えるものがあるのかもしれないけど。でもなんかその仕事を選んでいく時に、やっぱりそれは思うよ。その自分の好きなものと世間が求めてくるものというか。っていうところは。

(小袋成彬)好きなものは言語化できているの? はっきりしたものはあるの?

(夏帆)うんとね、すごいね、私ね、思ってることを言葉にするのがすごい苦手なんだけど(笑)。もうね、すごい擬音が多くなっちゃうんだけど。フワッと「こういう感じ」みたいになっちゃうんだけど。でもなんかその、私が仕事を選びはじめたのってハタチぐらいの時からなの。それまでは私もフワッとしてたし、事務所に選んでもらった仕事をやるっていう形だったんだけど。ハタチぐらいかな? ハタチになった時に「自分で選ばさせてください」って言って仕事を選ぶようになったんだけど。

(小袋成彬)ふーん。

(夏帆)でもそうするとさ、やっぱりさ、自分の趣味に偏っちゃうというかさ。

(小袋成彬)そうなんだよね。たしかにね。

好きなものばかりだと偏る

(夏帆)そうなの。その難しさをね、いますごい感じている。でもその、私は物をゼロから作っていないから。だからまたちょっと違うんだと思うんだけど。もっと自分の見え方っていうかさ、伝えたいことっていうよりかは、もうちょっとその自分をどうプロデュースしていくか、みたいなところになっちゃうんだけども。でもそれはね、最近すごい感じてる。

(小袋成彬)すげー勉強になるわ。俺もそうだもんなー。なんか選んでいると、自分っぽくなっちゃうから殻を破れていない感じなんだよね。たしかに。

(夏帆)そうするとやっぱりさ、どんどん偏っちゃうし。あと、なんだろう? 私が好きなものって世に出てかないと言うか。そんなに大勢の人に受け取ってもらえないものの方が多くて。そう思うと、なんかそのへんをもうちょっと上手くバランスを取っていかなきゃなって思って。

(小袋成彬)そうだよね。そのバランスの取り方がわかんないんだよね。自分でね。いま、現状は幸せなんだけどさ。もう少し、なんか自分の世界を広げたいっていうのもあるじゃん?

(夏帆)自分がどうなりたいかじゃない? その、行き着く先でどうなっていたいかで選んでいくっていうことじゃない?

(小袋成彬)そうだよね。難しいね。「難しいね」っていう結論が出たけど(笑)。

(夏帆)フフフ(笑)。

(小袋成彬)俺はでも、ずっとでももがいていくんだろうなってのは思うよ。俺もあんまり人前に出るのは好きじゃない辛さ。

(夏帆)私もね、いまだに苦手だもん。

(小袋成彬)いまだに苦手?

(夏帆)本当に苦手。

(小袋成彬)緊張する?

(夏帆)緊張する!

(小袋成彬)緊張するんだ。

(夏帆)手汗、すごいもん。

(小袋成彬)カメラを向けられるとっていうこと?

(夏帆)いや、ああ、でも現場でも絶対に初日は緊張するし。本番前も緊張したりするけど、また人前に出る緊張感とは違うの。

(小袋成彬)舞台挨拶とか?

(夏帆)舞台挨拶とかはいまだにすごい緊張をする。胃が痛いもん。メイクしてる時とか。

(小袋成彬)どうやって乗り越えるの? 緊張はどうするの? 自分でどう抑えるの?

(夏帆)えっ、もう緊張しっぱなし。

(小袋成彬)フフフ、もうそのまま?

(夏帆)だから、噛みまくり。舞台挨拶とか。

(小袋成彬)そうなんだ。

(夏帆)いまもすごい噛んでいるけど。まあ別に緊張しているわけじゃないけど(笑)。

(小袋成彬)たしかに俺、夏帆ちゃんの舞台挨拶の映像ってあんまり見たことないかも。

(夏帆)いや、見なくていいよ。

(小袋成彬)噛んでるからカットされてんのかな? そんなことない?(笑)。

(夏帆)ああ、そうかも。あとね、別にそんな大したこと言ってないし。なんだろうね。でもなんかね、上手い人はすごい上手いよ。なんかね、あのね、いつも感動する。

(小袋成彬)でも、別にそういうのには憧れていないでしょう? そうなりたいとは思っていないでしょう?

(夏帆)そうなりたいとは思っていないけど。それができたらいいなとは……いや、思わないかな?(笑)。でも、もうそれをやっちゃったら私じゃなくなるような気がして。

(小袋成彬)そうだね。たしかに。俺も人を盛り上げるミュージシャンとかすごいなって思うけど、「いいな」って憧れることはないかな。

(夏帆)うん。自分じゃなくなっちゃう気がするけどね。

(小袋成彬)なるほどね。早く自分のスタイルを見つけることだね。たぶんね。僕がやらなきゃいけないのは。

(夏帆)ああ、そうだね。

(小袋成彬)よくわかったわ。

(夏帆)本当に? 大丈夫?

(小袋成彬)いや、こういう対話が重要ですよ(笑)。

(夏帆)なんか、ちょっといい話で……最初ね、居酒屋トークみたいなのだったのが。

(小袋成彬)居酒屋ってだいたいこうだから。8時ぐらいになって「がんばろうね」っつって終わるんだから。だいたい(笑)。

(夏帆)まあね、たしかにそうだね。たしかにそうだ!(笑)。

(小袋成彬)フフフ、居酒屋ってこんなもんなんだよ(笑)。

(夏帆)いつも、たしかにこんなのような話をしてるもんね。

(小袋成彬)そう! で、忘れているからね。そうそう(笑)。いやー、楽しかったわ。

<書き起こしおわり>

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