高橋芳朗と高橋みなみ 大晦日にクイーンを語る

高橋芳朗と高橋みなみ 大晦日にクイーンを語る TOKYO FM

(高橋みなみ)この時間は映画先生の松崎健夫さんとクイーン先生の高橋芳朗さんとお届けしております。さあ、この楽曲はクイーン『Radio Ga Ga』ということで。レディ・ガガの芸名の由来になった曲なんだそうです。そして映画『ボヘミアン・ラプソディ』でも披露されていました。ヨシアキ先生、この楽曲はいかがでしょうか?

(高橋芳朗)ドラムのロジャー・テイラーが書いた曲なんですよ。

(高橋みなみ)はいはい。好き!

(高橋芳朗)美青年ですけども。で、これは1984年のリリースなんですけど、当時ってMTVの台頭で音楽が「聞く時代」から「見る時代」に移行していった時代なんですよ。そんな時代の状況下であらためてラジオの魅力だったりラジオへの愛を高らかに歌い上げた曲なんで。まあラジオのお仕事に携わっている人々だったり、ラジオが生活の一部になっているような人たちにはたまらない、涙なしでは聞けない名曲だと思います。

(高橋みなみ)いろんな楽曲を作ってくださっていますもんね。ということで、そして『ボヘミアン・ラプソディ』ではロジャー・テイラー、音楽総指揮をやっていましたけども。それについてはどういう風に思われましたか?

(高橋芳朗)ロジャー・テイラーとブライアン・メイ、2人で総指揮ということなんですよね。で、ロジャー・テイラーって、まあクイーンのメンバーは全員そうなんですけども。手に職があるっていうか。で、ロジャー・テイラーは歯科医師の勉強をしていたんですよね。

(高橋みなみ)へー! 歯科医師? すごい!

(高橋芳朗)ドラムが叩けて歌えて、あれだけイケメンで。しかも歯も治せる(笑)。

(高橋みなみ)歯も治せる(笑)。いろいろできるな!(笑)。

(中略)

(高橋みなみ)今日は音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんにクイーン縛りで選曲をしてもらっています。さあ、こちらの楽曲は?

(高橋芳朗)はい。これもロジャー・テイラーが作った曲なんですけども。80年代に入ると音楽シーンのサウンドの変化で70年代から活躍しているベテランのクイーンはいろいろとモードを変えていかなくちゃいけない状況だったわけですけども。そんな中で、クイーンに新しい魅力を積極的に持ち込んだのがロジャー・テイラーなんですよね。

(高橋みなみ)ロジャー・テイラー、すごいな!

(高橋芳朗)はい。だからこの『A Kind of Magic』は『Radio Ga Ga』とともに80年代の新生クイーンを象徴するような曲と言っていいと思います。

Queen『A Kind of Magic』

(高橋みなみ)でもなんかすごいですね。お互いに持ってきて、それを拒否することなく「いいじゃん!」って持っていけるのってなんか、仲がいいんだなって。

(高橋芳朗)これ、映画『ハイランダー』のテーマです。

(高橋みなみ)ああ、そうなんですね。

(松崎健夫)はい。さっきの『Radio Ga Ga』も『メトロポリス』っていう映画のサントラ曲で。実は映画ともね、すごく親和性がある。『フラッシュ・ゴードン』とかも作っていますので。

(高橋みなみ)こういう風にね、豪華な解説とともに進んでいくわけですけども(笑)。この後もぜひ、お二人ともよろしくお願いします。

(中略)

(高橋みなみ)いやー、かっこいい! クイーン縛りの選曲でお送りしています。クイーンはメンバー4人それぞれがメロディーメイカーだったということで、映画『ボヘミアン・ラプソディ』でもその模様が描かれていました。いやー、かっこいい。この曲、好き!

(高橋芳朗)あがりますね!

(高橋みなみ)あがりますね!

(高橋芳朗)高揚感満点ですよね。

(高橋みなみ)いまお送りした曲はどなたが?

(高橋芳朗)これはギタリストのブライアン・メイが作った曲です。

(高橋みなみ)そうなんですね。ここでメッセージも来ております。「ブライアン・メイのギター、音色が秀逸です。プレイもさることながら、世界に1本のオリジナルギターが奏でるその音には感動します!」という。

(高橋芳朗)そうなんです。ブライアン・メイのギターってレッド・スペシャルって言われているんですけども。16歳の時にお父さんと5年かけて作ったハンドメイドのギターなんです。

(高橋みなみ)ええーっ!

(高橋芳朗)それを改良しながら、いまだに使っているという。

(高橋みなみ)すごいですね!

(高橋芳朗)すごいです。それであの独特の音色が生まれているんですね。

(高橋みなみ)そうなんだ!

(高橋芳朗)ボディには100年以上前の暖炉の木材を使っているらしいですね。

(高橋みなみ)ええーっ! 暖炉の木材を?

(高橋芳朗)「暖炉ギター」とかよく言われてますけども。

(高橋みなみ)フフフ(笑)。そうだったんですね。まあ映画の中でもこの『We Will Rock You』が生まれるエピソードも描かれていましたよね。遅刻してきたフレディといろいろとモメつつも、なんか「ドンドン、タンッ! ドンドン、タンッ!」って……。

(高橋芳朗)そう。あれ、本当なんですよ。メンバーとかスタッフみんなで足を踏み鳴らしたり手拍子をしてレコーディングして。本当にそのスタジオのお茶くみの子とかまで動員してレコーディングしたらしいですよ(笑)。

(高橋みなみ)ええーっ! 面白い(笑)。

(高橋芳朗)だからまあ聞いての通り、曲は全てほとんどが足踏みと手拍子で構成されていて、楽器は最後に入ってくるギターのみっていうね。

(高橋みなみ)でも一緒にやりたくなりますもんね。本当に。

(高橋芳朗)だからある意味、AKB48の『RIVER』にも通じる……(笑)。

(高橋みなみ)いやいや、全然、全然! さあ、続いての曲はなんでしょうか?

(高橋芳朗)次は、これもブライアン・メイが作った曲なんですけど、『Teo Torriatte』という1976年の曲です。

(高橋みなみ)はい。「手を取り合って?」。

(高橋芳朗)はい。これ、サビが日本語なので。ちょっとそこに注目して聞いていただきましょうか。クイーンで『Teo Torriatte』です。

Queen『Teo Torriatte』

(高橋みなみ)クイーン『Teo Torriatte』でした。これ、なんでこのタイトルなんですか?

(高橋芳朗)サビの歌詞、あらためて説明すると「手を取り合って このまま行こう 愛する人よ 静かな宵に 光を灯し 愛しき教えを抱き」なんですけども。クイーンを最初に評価した国って、他でもない日本なんですよ。

(高橋みなみ)いちばん最初の国なんですね!

(高橋芳朗)そうなんですよ。現地のイギリスではデビュー当時、評論家から「もしこのバンドが売れたら帽子でもなんでも食ってやる」って言われたほど……。

(高橋みなみ)ええっ? じゃあ帽子食べないと!

(高橋芳朗)そうなんですよ(笑)。それぐらい酷評されていたんですね。だからクイーンは日本のファンにすごい恩義を感じていて。で、バンドと日本の絆を表現する曲を作りたかったという背景でこの『Teo Torriatte』が作られたんですよ。

(高橋みなみ)日本にツアーで何度も来てくださっているという。日本人に刺さったのはなんでだったんですかね?

(高橋芳朗)やっぱりこの叙情的な、ドラマチックな曲が日本人好みだったのかな?っていうのもあると思いますね。

(高橋みなみ)だから今回、結構フルでね、かけて聞いているんですけども。改めてフルで聞くと、すっごいかっこいいなって改めて思っちゃいました、いま。

(高橋芳朗)そうですね。いまの『Teo Torriatte』もすごい荘厳で、年の瀬感があるな!っていうか。第九の代わりに歌ってもいいんじゃないか?っていう感じもありますよね、これなんか(笑)。

(高橋みなみ)フフフ(笑)。いやー、やっぱりすごいですよね。いまや本当に様々な方から愛され続けてますけども。いや、この映画をまた私、いま見たくなっちゃっているから(笑)。

(高橋芳朗)リピート、おかわりしたくなりましたよね、これね(笑)。

(高橋みなみ)そうなんですよね(笑)。

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