町山智浩 『クリード 炎の宿敵』を語る

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町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で『ロッキー』シリーズ最新作『クリード 炎の宿敵』を紹介していました。

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Fight for your destiny one round at a time. #Creed2

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(町山智浩)今日はシルベスター・スタローンの『ロッキー』シリーズ第8作目『クリード 炎の宿敵』についてお話します。では、音楽をどうぞ!

(赤江珠緒)うわーっ!

(町山智浩)はい。ということで、今日はメイナード・ファーガソンバージョンの『ロッキー』のテーマをお聞きいただきましたが。今回、『クリード 炎の宿敵』。もう8作目ですよ。で、これはこの間、世界的に大ヒットした前作『クリード チャンプを継ぐ男』の続編という形なんです。

(赤江珠緒)うんうん。

町山智浩 映画『クリード チャンプを継ぐ男』を語る
町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で、『ロッキー』シリーズの最新作、『クリード チャンプを継ぐ男』について話していました。 (赤江珠緒)お待たせしました。町...

(町山智浩)前作の『クリード』というのはボクサーを引退したシルベスター・スタローン、ロッキーがライバルで親友だった、というか恋人だった世界チャンピオンのアポロ・クリードの婚外子のアドニスという青年を……。

(山里亮太)「恋人だった」……。

(町山智浩)彼をプロボクサーに育て上げるまでの物語だったんですね。で、その『クリード』というのはアイデアを出して脚本を書いて監督をしたライアン・クーグラーっていう人はその後にマーベルコミックスの『ブラックパンサー』を映画化しまして、大変な大ヒットを飛ばしたんですけども。

町山智浩 映画『ブラックパンサー』を語る
町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中でマーベル映画『ブラックパンサー』について話していました。 Via @chadwickboseman: “Bringing...

(赤江珠緒)うん!

(町山智浩)で、今回、ライアン・クーグラー監督は『ブラックパンサー』があったんで、『クリード』の方は監督をしていないんですね。ただ、アドニス役でスターになったマイケル・B・ジョーダンは『ブラックパンサー』でキルモンガーを演じまして。ものすごい筋肉で。

(赤江珠緒)ものすごい。本当に。

(町山智浩)すごいんですよ。それはこの『クリード』のためだったんですよね。ヘビー級ボクサーの体をしていたんですね。で、この『クリード』の続編が公開されてアメリカでいま、大ヒットしています。先週の感謝祭の間に公開されまして、空前のヒットなんですね。で、今回、日本語タイトルは『クリード 炎の宿敵』ってなっていますけども、原題は『クリードII』なんですね。で、この『クリードII』でアドニスはチャンピオンになりますよ。

(赤江珠緒)はい。

(町山智浩)で、前作から出ていた恋人のテッサ・トンプソンにプロポーズして受け入れてもらって結婚して。しかも、2人の間に娘もできて。で、アポロの奥さんで彼の育ての母親とも仲良く3人で暮らして。もう頂点ですよ。チャンピオンでお金もあって、お母さんもいれば奥さんも娘もいて。超なにもかもある状態になりますよ、クリードは。

(赤江珠緒)おおう!

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RG @michaelbjordan | Since #Creed2 is only 4 days away I figured I'd give you guys some more BTS. "Bianca" aka @tessamaethompson aka Baby 🐐holding the new addition to the family "Amara" aka Mar-Mar aka RaRa aka Donnie's baby girl. Wasn't my first time portraying a dad on screen (RIP Oscar Grant) but surely my first time molding my character as one. Tessa was such a natural mom, which just speaks to who she truly is such an amazing, intelligent, artistic, "Hactor" (hand-actor 😂 (inside joke)) and overall talent. She demands your attention everytime she graces the screen in @creedmovie truly a blessing to work with such a gifted soul. Can't wait for you guys to see her performance in Creed II

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(町山智浩)ところが、そのアドニス・クリードにロシアからヴィクトル・ドラゴというボクサーが挑戦をするんです。そのドラゴの父のイヴァン・ドラゴというのは、33年前にアドニス・クリードの父、アポロをリング上で殴り殺したソ連のボクサーなんですよ。

(赤江珠緒)ああーっ! はいはい!

(町山智浩)だからロッキーの育てた息子であるクリードと、クリードの父を殺したドラゴの息子との超遺恨試合が今回、始まるんですね。

(赤江珠緒)また因縁の対決が!

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超遺恨試合

(町山智浩)超因縁の対決なので『炎の宿敵』というタイトルになっているんですね。でね、このもともとの遺恨の始まりになった『ロッキー4 炎の友情』という1985年の映画があるんですけども。ちょっとその主題歌をお願いします。

(町山智浩)はい。これはサバイバーという一発屋さんの『Eye Of The Tiger』という主題歌なんですけども。この『ロッキー4』は『ロッキー』シリーズでは最大のヒットになったんですよね。

(赤江珠緒)これ、85年ですか。もう! そんな前なんですね。

(町山智浩)33年前なんです(笑)。僕、もうこの頃は働いていましたね。編集者として。まあ、あんまり自分は成長していないなと思いますけども(笑)。でね、これはだってどのぐらい昔か?っていうと、まだロシアがソ連だった頃ですよ。

(赤江珠緒)ソ連だった! そうかー!

(町山智浩)はい。で、その頃にソ連はオリンピックとかでスポーツを売りにしていたんですね。まあ、いまもですけども。で、その彼らが作り出した最高のボクサーがドラゴだったんですよ。で、「作り出した」ってどうやって作り出したんだ?っていうと、まあはっきり言ってドーピングですよ。で、この『ロッキー4』の中でも「ドーピングしてんじゃないの?」って言われて「してない、してない!」って言っているんですけども。最近のね、『イカロス』というドキュメンタリーでロシアが思いっきりドーピングしていたことが明確になったりしていましたが(笑)。

(赤江珠緒)思いっきり。いまとなっては、もうね。

(町山智浩)だからまさにサイボーグのように作り上げられたボクサーがそのドラゴだったんですね。で、そのドラゴがアメリカのボクサーに挑戦するということになって。ただ、WBCに入っていないからエキシビジョンマッチという形になるんですけども。それでラスベガスでドラゴがロッキーに挑戦するんですが、その挑戦を受けたのはロッキーではなくて、もうすでにチャンピオンを引退していたアポロだったんですよ。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)で、アポロは「俺はまだまだやれるぜ!」っていうエゴでその試合に出ちゃうんですけど、その時にアポロはプライドが高いからロッキーに「セコンドにはついてもらうけど、絶対にタオルは投げるな!」っていう風に言うんですね。で、試合が始まったらもうドラゴはめちゃめちゃに体格もデカいし、容赦なくアポロを殴り殺そうとするんですよ。

(赤江珠緒)はー!

(町山智浩)ドラゴの決まり文句は「お前を壊してやる」なんですよ。それでまあ、ロッキーは当然タオルを投げようとするんですけど、アポロに「投げるな」って言われていたから投げそこなっちゃうんですよ。それで、アポロはリングの上で殴り殺されてしまうんですよ。だからロッキーはすごく、「アポロを殺したのは自分なんだ」っていう気持ちをずっと持っているんですよね。

(赤江珠緒)うんうん。

(町山智浩)だから、アドニスを育てたりもするんですけども。でね、リングの上でアポロが死んだ時、ドラゴは一言こう言うんですよ。「まあ、死ぬやつは死ぬよな」って。

(赤江珠緒)典型的にヒールですね。

(町山智浩)そう。完全に冷血な人間っていう形で描かれているんですけども。で、モスクワでロッキーがドラゴに復讐戦を挑むんですね。で、シベリアでロッキーが特訓をするシーンがすごいんですけどね。犬ぞりを犬のかわりに引っ張ったりして。

(赤江珠緒)ああーっ! なんかそのシーン、覚えてます!

(町山智浩)「ボクシング、関係ねえだろ!」って思いましたけども(笑)。

(赤江珠緒)フフフ(笑)。

(町山智浩)で、もう完全にアウェイのモスクワでみんながドラゴコールをしている中、ロッキーがドラゴと戦うんですが。ところがドラゴは体格もデカくて、めちゃくちゃ強くて。それでもロッキーが全然倒れないんで、だんだんとソ連の観客もロッキーを応援し始めるんですよ。で、後半はもう全員が「ロッキー! ロッキー!」ってロッキーコールをしているから、ドラゴは精神的にも負けちゃって、ロッキーに敗れてしまうんですね。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)で、それが『ロッキー4』っていう話なんですけども。まあ、ソ連の人たちにスタローンが説教したりするんですよ。ペレストロイカの時代ですから。「私は負け犬だけども、こんなに変わりました。ソ連のみなさんも変わってください!」って。どれだけ上から目線なんだよ!っていう(笑)。

(赤江・山里)フハハハハハハッ!

(町山智浩)その時ね、スタローン的には本当にアメリカの英雄みたいな感じで。そのレーガン政権ともすごく、はっきり言って結びついていたし。もうその頃のレーガン政権のすごい愛国的な……はっきり言うと右翼的な国の雰囲気とすごくぴったり合った感じだったんですね。当時の『ロッキー4』は。

(赤江珠緒)そうですか。

(町山智浩)だから星条旗を体に巻いたりね。本当に国の英雄になっちゃうんですけども。この映画の内側と外側でね。

(赤江珠緒)なるほどね。アメリカ人からしても「ソ連に言うたった!」みたいなところがあるんですね(笑)。

(町山智浩)そうなんですよ。で、その後に実際にソ連が滅びるんですからね。で、その後、どうなったのか?っていうことで、ドラゴがロッキーのやっているイタリアンレストランに来るんですね。「俺はお前に負けてあの後、なにもかも失った。人々は俺のことを『国辱だ』と言い、ロシアにも住めなくなった。ソ連という国自体も滅んだ。金もなくなった。カミさんも家を出ていった」って言うんですよ。で、このカミさんっていうのはブリジット・ニールセンという女優さんで、この『ロッキー4』が縁でシルベスター・スタローンを略奪しましたね。

(赤江珠緒)はー!

(町山智浩)スタローンには売れない頃からずっと一緒にいてくれたサッシャさんっていう奥さんがいたんですけど、この『ロッキー4』出演中にブリジット・ニールセンとできちゃって、離婚をして……っていうことがありましたけども。そのブリジット・ニールセンはドラゴの奥さん役だったんですね。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)で、「カミさんも出ていった。俺に残されたものは息子・ヴィクトルだけだ。そのヴィクトルがお前らを潰してやる!」と。

(赤江珠緒)うわーっ!

(町山智浩)っていう風に言うんですよ。で、ところがアドニス・クリードの方はやっぱり父の仇だから、戦わざるを得ないだろうということで「僕はやります」って言うんですけど、ロッキーはそれを止めるんですよ。「お前、絶対にやるな」と。

(赤江珠緒)なんで?

(町山智浩)「俺は前、アポロを止めなくて本当に後悔している」と。ちょっとここでそこの場面のセリフを聞いてもらえませんか?

(ロッキーとアドニスの会話が流れる)

(町山智浩)はい。すごいですね。いま、スタローンはなんて言ったのか?っていうと、(モノマネで)「ドラゴの親子はもう何も失うものはないんだ……」って。

(山里亮太)あっ、ちょっと憑依してる!

(町山智浩)(モノマネで)「お前は守るものだらけだ。失うものがないやつに勝てるわけがないだろ!」って言うんですよ。

(赤江珠緒)はー!

(町山智浩)っていう話が今回の『炎の宿敵』なんですけども、さあ、どうなる?っていうね。

(赤江珠緒)そうか! クリードの方が守るものがいっぱいできちゃっているのか。

(町山智浩)そうなんですよ。

(山里亮太)幸せな生活だもん。いま。

(町山智浩)そう。でもね、この話は今回、スタローンがシナリオを書いているんですよ。でね、すごいんですけども、ドルフ・ラングレンの人生がすっごく反映された話になっているんですよ。

(赤江珠緒)ん?

ドルフ・ラングレンの人生を反映した作品

(町山智浩)ドルフ・ラングレンはこの『ロッキー4』で大スターになるんですけども……これが彼の人生を一種、破壊してしまって、彼はなにもかもを失ってしまうんですよ。

(山里亮太)えっ?

(町山智浩)ドルフ・ラングレンっていう人は非常に不思議な経歴の人で。この人に僕は会ったことがあるんですけど。話もね、日本語がちょこちょこっと通じたりする人なんですよ。っていうのは、極真空手のチャンピオンだった人なんですね。で、空手関係でしょっちゅう日本に来ている人なんですよ。

(赤江珠緒)ふーん!

(町山智浩)この人はもともとスウェーデンの出身なんですけども。お父さんが軍人だったんですね。で、「お前は強くなれ! 強くなるんだ!」って言って、もう子供を鉄拳で制裁しながら育てたらしいんですよ。だからこの映画の中で今回、ドルフ・ラングレン扮するドラゴは自分の復讐のために息子のヴィクトルを徹底的にスパルタで教育するんですよ。

(赤江珠緒)うんうん。

(町山智浩)ボクシングマシーンにしちゃうんですよ。で、「俺が負けたせいでお母さんは逃げていったんだ。だから俺たちは母さんを取り戻すためにも、絶対に勝たなきゃいけないんだ!」って言いながら、このヴィクトルを徹底的に貧しい生活の中で、ボクシングマシーンに育て上げていくんですよ。

(赤江珠緒)はー!

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